ジェレミアは専用のパソコンでスザクに通信をおこない、そしてモニターにゼロの仮面をつけたスザクの姿が映った。
『…ジェレミア卿?』
「ああ。久しぶりだな、ゼロ」
『珍しいな。電話ではなく通信をかけてくるなんて。…どうした?何かあったのか?』
「いや、お前と話をしたいという人がいてな。…今、仕事中だったり、周りに人がいたりするか?」
『大丈夫だ。今日は1日休暇を取ってあるから、緊急時以外に人が来ることはない』
「なら良かった。…こちらへどうぞ」
ジェレミアがそう言うと、茶髪に青色の目の姿をしたルルーシュが、モニターの前に座った。
「久しぶりだな、スザク」
『…その声で自分の正体を知っているとなると、もしかして君はルルーシュかい?』
「…どんな判断基準をしてるんだお前は。…だが、まぁそうだ。今は変装して、こんな姿だがな」
モニターに映るスザクは、男の正体がルルーシュだと判ると、仮面を取って素顔を晒し、苦笑いを浮かべた。
『久しぶりだね、ルルーシュ』
「ああ。元気にしてるか?」
『色々と忙しいけど元気だよ。君は元気だったかい?』
「俺も色々とあったが、元気に旅をしているよ」
『最初、誰だか分からなかったから本当に困惑したよ』
「元の姿で旅をするのは流石に危険だったからな。分からないように変装して、旅をしているんだ」
ルルーシュがスザクと話していると、C.C.が横からヒョイっと顔を覗かせた。
「私もいるぞ?」
『あ、C.C.。君も久しぶりだね。…そして相変わらず元気そうだね』
「当たり前だ。私はC.C.だからな」
『少し前に、ロシアで男達を蹴りでぶっ飛ばす女性の目撃情報があったけど、これ、君の事だよね?』
「ん?確かに私の事だな。観光してたら何か怪しい男達に声をかけられたから、蹴り飛ばしてやった」
『…そういう事か。よかった』
C.C.が言う男達とは、扇が送り込んだ日本政府の人間だろうと予想していたが、ナンパされたから蹴り飛ばしたという予想もしていた為、そうじゃない事にスザクは安堵した。
『でも、どうしたんだい?急に通信なんて』
「旅の途中でジェレミアの所に寄ってな。そこでお前宛に手紙を書こうと思ったんだが、通信が出来るからどうだ?と言われて、通信をしたんだ」
『なるほど。それにしても、よく日本に渡れたね。今は入国審査が厳しいし、君達身分証なんて無いでしょ?』
スザクがそう言うと、C.C.はドヤ顔を晒し、ルルーシュは顔を背けた。
「…偽造パスポートを作って入国したんだ」
「私が作った中々の優れ物だぞ?さらに、今と違う姿で来たからバレる事もない」
「おかげで女装するハメになったがな…!」
「似合っていたからいいじゃないか、お前の女装。私が見繕った服を完璧に着こなすとは、流石ルルーシュだな!」
「クソが…!!」
『あー…。聞かなかった事にしておくよ…』
本気で悔しそうにするルルーシュを見たスザクは、とりあえずこの件は聞かなかった事にした。
『それと君達、どうなったんだい?』
「何がだ?」
『君達の関係だよ。お互いの事、想い合ってたでしょ?告白とかはしたの?』
「「……」」
『…あれ?』
2人が固まった事にスザクは首を傾げたが、ルルーシュとC.C.は徐々に顔を赤くしていった。
「…あれが告白なら、一応俺からした事になるな」
『という事は、恋仲になったんだね?』
「お前に言われるまで、そういう関係とか考えた事なかったな。私達は出会った頃から、共犯者として殆ど一緒にいたから。…でも、そうだな。私達は共犯者で、そしてあの日から恋仲だ。だろ?ルルーシュ」
「…ああ。そうだな。俺達は共犯者であり、そしてあの日から恋仲だ」
『…そっか。おめでとう、2人とも』
「「ありがとう」」
スザクが祝福の言葉を言ってきたので、ルルーシュとC.C.は、頬を染めながらも、笑みを浮かべながらお礼を言った。
それからルルーシュとC.C.は、スザクに旅の出来事を話し、ある程度の事を話し終えた頃、ふと、ルルーシュが真面目な顔になった。
「スザク、少し聞きたいことがあるんだが…」
『どうしたの?』
「黒の騎士団についてだ」
ルルーシュがそう言うと、モニターに映るスザクも、真面目な表情になった。
『ルルーシュ、君は今の黒の騎士団について、どこまで知っている?』
「詳しくは知らないが、扇が藤堂に依頼し、黒の騎士団を使って嚮団跡地の調査と、C.C.を捜索している事は知っている」
『じゃあ、C.C.を捜索してる理由は?』
「そこまでは知らないが、ある程度の予想はしている」
そしてルルーシュは、自身が予想している事をスザクに話した。
『君が予想している事で正解だよ。扇さんは日本の復興が遅いのを、君とC.C.のせいにしようとしてる。君は僕に討たれた事になってるからあれだけどC.C.は何処かで旅をしているという情報を掴んだみたいだ。だからギアスの情報を評議会で提示して、ルルーシュにギアスを与えたC.C.を処分し、合集国での立場を回復させようとしている。藤堂さんは日本至上主義だから扇に協力してる感じかな』
「やはりか…。対策とかしているのか?」
『黒の騎士団のほうは僕とカレンが牽制して、C.C.捜索の妨害はしているけど、嚮団跡地の調査は手を出すことができないんだ』
「…ん?カレン?」
『ああ。今のカレンは、ゼロの直接な部下として結構高めの地位に着いてもらってるんだ。彼女、ルルーシュが創ったこの世界を守っていくんだって言ってたよ』
「…そうか」
スザクからカレンの思いを聞いたルルーシュは、カレンに対して、少し申し訳ない気持ちになった。
「それで?なんで嚮団跡地の調査は手を出せないんだ?」
『先手を打たれたからなんだよ。…先程、評議会決議が可決された。中華連邦にあるブリタニア帝国のものと思われる施設の調査を、という感じでね。日本に関しては、いくら僕が黒の騎士団のCEOだといっても、もう少し情報が無いと流石に関与ができない』
「なるほどな」
『ちなみに、ロシアでC.C.が蹴り飛ばした男達は、扇さんが送った者達だよ』
「そうだったのか。まぁ、扇がC.C.を探してると知った時点で、薄々思ってはいたがな」
そうやってルルーシュとスザクが話し合いをしていると、ルルーシュから離れて見ていたジェレミアがモニターに近づき、スザクにある事を聞いた。
「枢木よ、例の件はどうなっている?」
『例の件…?あぁ、''あれ''の事ですか?…それならロイドさん達が、もう終わったから僕が日本に行く時に持って行っていいと言ってましたので、記念パレード前にそちらへ運ぶ予定です』
「ジェレミア、スザク。例の件とはなんだ?」
『サザーランド・ジークとモルドレッドの修理だよ。ジェレミア卿からお願いされてね。大破したサザーランド・ジークは新造になるけど』
「なんだと?…ジェレミア、何故…」
「ルルーシュ様、今、世界は平和ではありますが、この先ずっと争いがないとは限りません。なのでもし、争いが起きた場合はルルーシュ様が命を賭けて創ったこの世界を守る為にと思い、ロイド達にお願いをしたのです。アーニャもそれに手を貸してくれるというので、モルドレッドもついでにと」
「うん。ルル様が創った世界が壊されるの嫌だったから」
『一応、僕のランスロット・アルビオンも修理してもらったよ。…修理といっても、アルビオンも跡形も無くなく大破しちゃってたから新造してもらって、機体性能は紅蓮レベルで調整したんだけど。それと、外見はランスロットのままで、カラーリングはゼロの機体と分かるように蜃気楼に似せてるんだ。あとカレンの紅蓮も修理してあって、今はもう本人が使ってるよ。勿論、機体に乗ることがなければ、それが一番良いんだけど念の為にね』
と、スザク達が言うと、ルルーシュは少し考えたが納得した。
「1つ聞きたい事がある」
機体を修理されている事を知ったC.C.は、スザクに質問した。
『なに?』
「私の機体はあるのか?」
『…それは、ランスロット・フロンティアの事かい?』
「''両方''だ」
『…両方か。…正直に言うと、''ランスロット・クラブ''は第9世代として作られてあるし、フロンティアも修理…いや、作り直してあるよ。だけど君を乗せるつもりはない』
「何故だ?」
『わかっているだろ?君がナイトメアに乗るという事は、ルルーシュの傍から離れるという事だし、僕達は君を…君達をもう戦わせたくない。だから君はルルーシュの傍にいるんだ』
「…そうだな。わかった」
そうして、扇の件が片付くまではジェレミアに匿ってもらうことになり、話し合いは終了した。
次も少し遅くなると思います。