ルルーシュとC.C.が、日本に来てから数日が経ち、その間にルルーシュは茶色から亜麻色に髪を染め直すと共に髪型を少し変えて、C.C.は、E.Uにいた頃の髪色や髪型に変えていたので、黒の騎士団の団員やC.C.を探してる者と鉢合わせしても、気づかれる事なく過ごしていた。
「ここに来るのも久しぶりだな…」
そんな中、ルルーシュはC.C.を連れてアッシュフォード学園の前に来ており、目の前に建っている校舎を見上げながら呟いた。
「本当に、久しぶりだ…」
「ルルーシュ?」
「…ここには、俺が守りたかった''日常''があったんだ。ミレイの馬鹿騒ぎに振り回されて、リヴァルと一緒に賭けチェスに出かけて、シャーリーの無邪気さに心が安らいで、そんな場所にスザクやカレン、ニーナ、そしてナナリーやロロがいて。…大切だった」
「…此処が、お前が守りたかった日常…''世界''だったんだな」
「ああ。でも結局、俺は守れなかった。俺のせいで皆が離れ離れになってしまい、そしてシャーリーとロロは死んだ」
「後悔しているのか?お前自身の行動に」
「まさか。俺は自分自身の行動に後悔はしないし、したくもない。だが時々思うんだ。もっと上手くやれたんじゃないかと」
「そうか。…ルルーシュ、確かにお前は守れなかった方が多いのかもしれないが、守れたものもある。少なくても、私との約束は守ってくれた。だから、たとえ少人数でもお前に感謝している人は存在しているという事を忘れるなよ?その感謝してる少人数の中に、私も含まれているんだから」
C.C.はルルーシュの頬に軽く口づけをし、それを受けたルルーシュは苦笑いを浮かべた。
「分かっている。それに、お前にさせてやりたかった事もあった」
「何をだ?」
ルルーシュの言葉に、C.C.は首を傾げる。
「学生生活さ。憧れてたんだろ?」
「まぁ、憧れてはいたが…」
「できれば、叶えてやりたかったんだ」
「…ありがとう。その気持ちだけで私は充分だ。…行こう。今日はいろんな場所を見て回るんだろ?」
「そうだな」
そうして2人は、アッシュフォード学園を後にした。
その途中、
「そうだ、おいルルーシュ」
「?」
「お前、アッシュフォード学園の制服でヤッてみたいか?」
「……は?」
「だから、制服プレイというやつを…」
「…それは、R18的な意味か?」
「うむ」
「………」
「…あれ?何で無視して先に歩いていくんだ?おーい、ちょっと待ってくれー」
ルルーシュは、C.C.を無視して先に進んで行き、
―さっきまでのシリアスは何だったんだ…。というより、C.C.はこんなキャラだったか…?
と考えるのであった。
それから少し時間が経ち、アッシュフォード学園を後にしたルルーシュとC.C.は、2人が出会った場所である、シンジュクゲットー…今は新宿と呼ばれている場所に来ていた。
「…あれから、もうすぐ1年が経とうとしているのに、こうも復興が進んでいないとは…」
「本当に、扇は何をしているんだろうな」
日本は、先の戦いからの復興がかなり遅れていると言われているが、実際はどんなものなのかと見て回ってみると、復興が全く進んでいない現実に、2人は唖然としていた。
「他国はある程度は進んでいるというのに、ここまで進んでないと合集国での立場は悪くなるに決まっている」
「あの男がちゃんと指揮できるとは思ってないが、ここまで酷いとは私も思わなかったな。まぁ、お前を裏切った黒の騎士団なんて、所詮こんなもんだろ」
C.C.は黒の騎士団(特に幹部)を憎んでおり、理由は当時、敵国の宰相であったシュナイゼルの言葉を信じて簡単にルルーシュを裏切ったからである。
カレンに対しては当初、ルルーシュの思いを知りながらも2度裏切った事で、他の幹部に向けているのと同等の憎しみを向けていたが、その裏切られた本人が「カレンに関しては俺が悪いし、最初は俺を庇ってくれていた」と言っているのと、今はルルーシュが創ったこの世界を守るために頑張っている事を知っている為、カレンに対する憎しみは消えていったが、2度裏切った事に関しては許せないでいた。(カレンは当時の事を心の底から後悔しており、C.C.に会えたら土下座なり何でもして、謝りたいと思っている)
「そもそも、なんであの無能が首相になれたんだ?」
「お前、ほんとあいつらに対して辛辣だな。…たぶん扇が''悪逆皇帝ルルーシュ''に立ち向かった英雄部隊、黒の騎士団の副司令で、日本の民衆にかなりの支持をされたからだろ。それで扇は天狗になって首相をやってるんだろうな。あくまで予想だが」
そう言って、ルルーシュとC.C.がしばらく歩いていると、ある場所に辿り着き、ルルーシュが呟いた。
「ここは…」
2人が辿り着いた場所は、全ての始まりで、C.C.からギアスを受け取った場所である。
「…ここから、俺たちの全てが始まったんだったな」
「懐かしいな。ここで私はお前にギアスを与えて、そこから共犯者として大半は一緒に過ごしてきた」
「ああ。俺は最初ナナリーの為に戦っていたが、それが気づけば皆が笑って暮らせる世界を創る為に、そしてお前が笑顔で過ごせる世界を創る為に戦っていた。…何が起こるかわからないものだな」
「それが生きるという事だろう。まぁ、私もそれを最近知ったがな」
「C.C.、改めて礼を言う。…ありがとう。お前のおかげで、俺は明日へ歩む事ができた」
そうルルーシュが言うと、C.C.は一瞬驚いた顔をしたが、すぐに微笑んだ。
「……お前は本当に、いろんなものを私にくれるな。ふふっ、どういたしまして」
「…帰ろう、ジェレミア達が待っている」
その言葉を聞いたルルーシュは照れながらそう言って、2人は手を繋ぎながらオレンジ農園へ帰る為に歩いていった。
「そうだ、C.C.」
「ん?どうした?」
手を繋ぎながら帰っている途中、C.C.はルルーシュから名前を呼ばれた。
「あの場所に行って気づいたことなんだが、俺はどうやら、お前に一目惚れしてたみたいだぞ」
「…………は?」
いきなりそんな事を言うルルーシュに対して、C.C.は固まってしまう。
「お前、急に何を言いだすんだ…」
「よく考えたら、ブリタニアの拘束衣を着て、さらに額を撃たれて死んだはずの怪し過ぎる女をいきなり匿うわけないだろ?」
「まぁ、確かに」
「それであの時、なんで色々と文句を言いながら匿ったのかと考えたら、カプセルの中から出てきたお前の美貌に目を奪われてたことに気づいたんだ。…まぁ、今だから言えることなんだが」
ルルーシュは苦笑いを浮かべながら言い、C.C.は、
―もし、出会った当時にそんな事を言われたら、ルルーシュが言った通り、私は契約を破棄してルルーシュの元から去っていただろうな。
と考えて、同じく苦笑いを浮かべた。
「…本当に、今だから言える事だ」
「そう考えると、俺はお前に出会った頃から随分と変わったものだな」
「それはお互いに、だろ?」
それからも2人は思い出話をしながら、オレンジ農園へと帰って行った。
〜おまけ話〜(時期は3話と4話の間)
まだギアス教会を目指してE.Uを旅していた頃、黒の騎士団を離れるきっかけとなった第四格納庫での出来事の詳細をC.C.が聞いてきたので、皇帝時代に少ししか話してなかったルルーシュは、その時の出来事を詳しく話していた。
「おいC.C.、お前の顔が無表情になっているが大丈夫か…?」
ルルーシュがC.C.の顔を覗きながら聞く。
最初は普通に聞いていたC.C.だったが、話が進むにつれて徐々に顔から表情が消えていき、遂には完全な無表情になっていたのだ。
「大丈夫だ。問題ない」
大丈夫そうには全く見えない。
「ルルーシュ」
「な、なんだ?」
無表情のまま名前を呼ばれたので、ルルーシュは若干怯えながら返事をする。
「私は日本と斑鳩に用事が出来たから、ちょっと行ってくる」
「……え?」
急にそんな事を言うC.C.に、ルルーシュは嫌な予感がした。
「ど、どんな用事だ?」
「いや、何、当時の黒の騎士団幹部を潰してくるだけだ。2週間ぐらいで戻るから待っていてくれ」
「何故!?」
ルルーシュの嫌な予感が的中した瞬間だった。
「ま、待て!どうしてそうなるんだ!?」
「安心しろ、速攻で終わらしてくるから」
「安心出来るかぁ!!ていうか、少し落ち着け!!」
「待っていろよ無能ども。私直々に罰を下してやろう。全員死刑だ」
そう言って斑鳩へ向かおうとするC.C.をルルーシュは腕を掴んで止めようとしたが、
「だから行こうとするな!…って、力つよ!?」
あまりの力強さにルルーシュは引きずられてしまう。
「ええい!離せ!私を止めるな!!」
「止めるに決まっているだろ!?あと何故キレてるか分からないが、その怒りを鎮めてくれ!滅茶苦茶怖いから!!」
その後、ルルーシュはキレたC.C.を抑えることに成功し、後に「あの時のC.C.は本当に怖かった」と語るのであった。