記念パレードまで、後1ヶ月となった頃、ブリタニア本国では、ゼロの姿をしたスザクと第100代皇帝ナナリー・ヴィ・ブリタニアがペンドラゴン跡地の端に来ていた。
「お久しぶりですね、お兄様…」
そこには、ルルーシュの小さな墓が建てられていた。
世間から悪逆皇帝や魔王と呼ばれ、人々から憎まれているルルーシュは、皇族としての墓を建てても荒らされるのが判っていた為、ゼロレクイエムの真実を知る者達だけでこっそりと小さな墓を建てたのだ。
「お兄様が亡くなられてから、もうすぐ1年が経とうとしています。世間はお兄様が亡くなられた日は[ゼロがお兄様から世界を取り戻した日]なんて呼ばれてますけど、ゼロレクイエムの真実を知っている者は[お兄様のおかげで世界に平和が訪れ、明日へと向かう事が出来た日]と呼んでいます」
ルルーシュの墓に向かって語りかけているナナリーの横でスザクは…
―物凄い罪悪感が…!!
真実を黙っている事に対しての罪悪感に襲われていた。
「世界には、まだ沢山の問題が残っていますが、私はそれを少しでも解決出来るよう頑張っていきます。ですからお兄様、空の向こうからでも私達の事を見守っていてくださいね。…今までも、そしてこれからもずっと愛しています、お兄様…」
―ごめん、ナナリー…。本当は生きているんだ…。
その独白を聞いていたスザクは、ルルーシュが生きてるのを黙ってる事に心の中で謝りつつも、ルルーシュがブリタニア、そしてランペルージの名を使って生きる事はないので、これでいいと思っていた。
「ナナリー、そろそろ戻ろう」
「…わかりました」
そうして2人は、アリエス宮へと戻っていった。
「そういえば、C.C.さんは何をしていらっしゃるのでしょうね?」
アリエス宮に戻ってきたあと、2人は1日休暇だったのもあり、スザクの私室で紅茶を飲みながら過ごしていた。
そしてナナリーはゼロの正体を知っているので、スザクは仮面を外している。
「C.C.かい?…さぁ?でも、元気にしてると思うし、今頃ピザでも食べてるんじゃないかな?彼女、ピザ大好きだし」
スザクは紅茶を飲みながら答え、本当は知っているが、C.C.が追われている状況の為、居場所を知らない風に誤魔化した。
「ふふっ、それなら良いですけど。…私、C.C.さんに1年以上会ってませんし、久しぶりに会ってみたいですね。顔も見たことないので、見てみたいですし」
「そのうち会えるさ」
そうしてスザクとナナリーは、ゆっくりと過ごした。
その頃、日本では・・・
「さすが、ここのピザは美味しいなぁ…」
「…C.C.凄い」
C.C.が日本にあるピザ○ットで、スザクの言葉通り、ピザのLサイズを食べていた。(すでに3枚完食済みで現在4枚目である)
ちなみにC.C.は、アーニャと一緒に東京に来ており、ルルーシュはオレンジ農園を手伝っていた。(その際、ジェレミアが感動の涙を滝のように流して、それを見たルルーシュは軽く引いていた)
そのアーニャはC.C.からピザを少し分けてもらって食べていたりする。
「しかし、東京に来るのに2時間近くかかるのはさすがに不便だな」
C.C.が愚痴る通り、オレンジ農園から東京まで車だと1時間近くで行けるが、電車だと遠回りをして行くために2時間近くかかってしまい、そのうえ乗り換えを2、3回しないといけなかった。
「不便だとは思うけど、しょうがない」
「分かっているさ。それより、これからどうする?ショッピングでもするか?」
「うん」
2人が東京に来た理由は、C.C.が「女同士で遊びに行かないか?」と誘い、アーニャが了承して遊びに来ただけである。
「女同士でこうやって遊びに来るのもいいもんだろ?」
「うん。私、女の子同士で遊びに来る事殆ど無いから、こういうの楽しい」
「なら今日は思いっきり遊んで行こうか」
そうC.C.が答えると、アーニャは少し嬉しそうな顔をして、ある事を聞いた。
「そういえば、ルル様が皇帝だった時、どうしてルル様はC.C.を皇妃にしなかったの?」
「ん?どうしてそんな事聞くんだ?」
「ルル様とC.C.は昔から想い合ってたってスザクが言ってたから、ちょっと気になった」
そんな事を言われたC.C.は苦笑いを浮かべた。
「本人から理由を聞いてないから私の予想になるが、想い合っていたからこそ、ルルーシュは私を皇妃にしなかったんだと思う」
「どうして?」
「私を皇妃にしたら、私もルルーシュと同じように世を捨てないといけなくなるから、それを嫌ったんだと思う。それに、あの頃はお互い自分の気持ちを伝え合う事が出来なかったんだ。ルルーシュは私に想いを伝えても、私を置いて逝く事に対しての罪悪感があったと思うし、私自身もルルーシュの邪魔をしたくなかったからな。お互い大切に想い合っていたのは感じていたが」
頬を少し染めながら答えるC.C.。
「そうだったんだ。やっぱり、ルル様は優しいね」
「ああ。アイツは世界で一番優しくて、嘘つきなんだ。…さて、先ずは服でも見に行こうか」
「分かった」
C.C.が服を見に行く事を提案し、アーニャが了承して店から出だ瞬間、声をかけられた。
「あ、アーニャじゃない!久しぶり!」
2人が声をした方を向くと、カレンが私服で立っていて、それを見たC.C.は険しい顔をした。
「カレン、久しぶり」
「うん、元気にしてた?」
「元気にしてた」
「そっか」
「………」
「……あの〜。すみませんが、さっきから私を険しい顔で見てますけど、貴女に何かしたんでしょうか?」
「っ!?いや、すまない。なんでもないんだ」
その言葉にC.C.は我に返って声をかけた。
アーニャは、C.C.が黒の騎士団を憎んでおり、カレンの事も許せてないのを知っているが、カレンがルルーシュの為に行動している事も知っている為、C.C.に声をかけた。
「カレンなら大丈夫」
「……しかしだなぁ…」
「カレンはあの時の事を、後悔してるから」
「………。はぁ、わかった」
2人の会話を聞いていたカレンは、
―私なら大丈夫?それに、あの時の事を後悔してるって…?
と心の中で疑問に思っていると、C.C.がカレンの方を向いた。
「……久しぶりだな、カレン」
「…え?」
「こんな姿をしてるから判らないとは思うが、私はC.C.だ」
「………へ?…うそ、まじ?」
こうしてC.C.はカレンと再会したのだった。