コードギアス −魔王と魔女の旅路−   作:アンサラ

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第17話

記念パレードまで、あと1週間となった頃、オレンジ農園にとある男が訪ねていた。

 

「久しぶり。こうして直接会うのは1年ぶりだね、ルルーシュ、C.C.」

 

訪ねてきた男、枢木スザクが、ルルーシュとC.C.に挨拶をした。

 

「久しぶりだな、スザク。ナナリーはいいのか?」

「ナナリーはカレンに任せてきたから大丈夫だよ。それにしても、君たち本当に変わらないね」

「私たちはコードを持っているんだ、変わるわけないだろ」

「そりゃそうだ。君も相変わらず元気だね」

「当然だ。私はC.C.だからな」

「…便利だね、その言葉。それより聞いたよ。君たち結婚したんだって?」

「少し前にな。俺の存在が存在だから、結婚式を挙げる事は出来ないが」

「そっか。2人ともおめでとう」

「「ありがとう」」

 

スザクから祝福の言葉をもらい、ルルーシュとC.C.は少し照れながらお礼の言葉を返した。

 

「それで?それを言いに、俺たちに会いに来たわけじゃないだろ?」

「まぁ、目的の1つではあったけど、これだけを言いに、此処まで来たわけじゃないのは確かだね。ジェレミア卿とアーニャに機体を届けに来たのも目的の1つだし」

「…どこに置いておくつもりだ?」

「なんか地下に専用のスペースがあるから、そこに置くとか言ってたよ」

「……C.C.、聞いていたか?」

「いや、何も聞いてないし、地下にそんな専用スペースがある事も知らない」

 

そのジェレミアとアーニャは、機体を地下へ運んでいる最中である。

 

「それで、君たちには大事な話があるんだ」

 

真剣な表情で言うスザクに、何かあったのか?と疑問に思うルルーシュとC.C.だが、とりあえず話を聞こうと考えた。

 

「大事な話ってなんだ?」

「…前、君たちに扇さんがギアスを調べて、C.C.を探してる目的を話したね?」

「ああ。日本の復興が遅いのを、俺たちのせいにするつもりなんだろ?」

「僕もそうだと思ってたんだけど、あれからよく考えてみたら、そもそも扇さんがその理由でギアスを調べる必要がないんだ」

「…なんだと?」

「思い出してみてくれ。当時、ゼロだった君をなんで黒の騎士団が裏切ったのか」

「それは、ルルーシュがブリタニアの元皇子だった事を知ったのと、起こしてきた奇跡がギアスを使っていたという情報を手に入れたからd………ん?」

「……おい、スザク」

「そう。扇さんは、君が使っていたギアスとC.C.の情報に関しては既に持っている(・・・・・・・)。だから、嚮団アジトの跡地を調べる必要はないんだ」

「じゃあ、なんで私とルルーシュの情報を持っているのに、嚮団アジトの跡地を調べていたんだ?」

「これは調べているうちに分かった事なんだけど、扇さんは嚮団が行ってきたコードとギアスの研究データを求めている」

「は?何故?」

「…理由はギアスを欲しているからだ。その為に、ギアスを与える事が出来るC.C.を探していたんだ」

 

扇の目的が、C.C.と契約してギアスを手に入れる事だと聞いて、ルルーシュとC.C.は驚きの表情を晒す。

 

スザクが違和感に気づいて、一から調べ直した結果、扇がギアスを求めていると分かったのだ。

 

流石に、ギアスを求めている理由までは分からなかったみたいだが。

 

「扇はギアスを憎んでいる筈だろう?それに、C.C.が契約すると思っt………まさか」

「ルルーシュ?どうした?」

「アイツは、お前が契約してくれる可能性があると思っているのか」

「…え?どうしてそう思うんだ?」

「俺の存在だ」

「お前の存在?」

 

ルルーシュの言葉に、C.C.は首を傾げた。

 

「おそらく扇は、ロシアでの俺と、変装して日本に入国した俺の事を新しい契約者と思っているのかもしれない」

「…なるほど。じゃあ嚮団を調べているのは、もっと詳しい情報が欲しいからか」

「扇が持ってる情報は、俺が持っていたギアスの事とC.C.の事だけだろうから、それ以外の情報が欲しいんだろうな」

「でも、あり得るのか?ギアスの事を憎んでいるんだろ?」

「あり得ないだろうな。本当に扇がギアスを憎んでいるのであれば」

 

ルルーシュは、1つの可能性に気づいていた。

 

それは…

 

「だが、初めから扇がギアスを憎んでいないとすると、どうだ?」

「…は?」

「扇が憎んでいたのは、俺が使っていたギアスじゃなく、ギアスを使っていた俺だったら、どうだ?」

「憎んでいたのはギアスじゃなく、お前だというのか」

 

扇はギアスを憎んでいないという事だ。

 

「ああ。こうすると話が噛み合うんだ。…もしかして、扇は勘違いをしてるかもしれん」

「勘違いだと?」

「アイツは俺が持っていたギアスしか知らないからな」

「…そうか、扇が持っているギアスの情報は、お前が持っていたギアスが絶対遵守のギアスという情報のみで、それ以外は何も知らないのだったな」

 

この予想の通り、扇は絶対遵守というギアスしか知らない為、ギアスの事を、相手を意のままに操れる便利な力だと思っていた。

 

そもそもギアスとは、個々の能力者が持つ素質や願望そのものであり、それらがコードを持つ者によって特殊能力として発現する力。

 

ルルーシュの場合、「思い通りにならない世界を思い通りにしたい」という願いから、絶対遵守というギアスが発現したが、扇が同じギアスを手に入れられるかは分からないのだ。

 

「C.C.、仮にだが、扇はお前と契約する事は出来るのか?」

「出来ない。あいつは素質がないからな」

 

―…それはそれで…。

 

一瞬、扇の事を哀れに思ってしまうルルーシュ。

 

「じゃあ、人工ギアスはどうだ?あれも素質が必要か?」

「それはわからないが…。どうしてそんな事を聞くんだ?」

「ギアスの情報が残っていた場合の事を考えてな。嚮団アジトにあった情報は全て消去した筈だから、人工ギアスの存在までは辿り着けないと思うが…」

「なるほど。だが、私はコード保有者の不死身の原理については知っているが、それ以外のことに関しては何も知らないんだ。それに当時、詳しい情報を持っていた人物は、V.V.とシャルル、そしてマリアンヌの3人ぐらいだったし」

「そうか」

「……すまない、ルルーシュ」

「別に謝る事でもないだろ。俺だって詳しい事は知らないんだ」

 

ルルーシュは落ち込んでいるC.C.をフォローしながら、少し思考する。

 

―確か、嚮団アジトにあった人工ギアスについての情報も詳しい事ではなかった。となると、詳しい情報を保管してあった場所は、あの男がいた帝都ペンドラゴンになる。しかし、帝都ペンドラゴンはすでに存在しない。

 

「スザク、シュナイゼルは何か知っていないのか?アイツも情報を持っているだろ?」

「僕もそう思って聞いてみたんだけど、知っていたのは君とC.C.の情報だけだったよ」

 

―シュナイゼルも持っていないのか。…ならば、直接会うしかないようだな。Cの世界に飲み込まれ、消滅したと思っていたアイツ(・・・)に。

 

ゼロレクイエムを完遂したことによって、心に余裕を持つ事が出来たルルーシュは、少し前にC.C.と思い出話しをしてる時に、ある真実に気づいたのだ。

 

「俺が消去したのが原因ではあるが、こうも情報が残ってないのならば、知っている奴に聞くしかないな」

「そんな人いるの?」

「いるじゃないか。ラグナレクの接続というアホみたいな計画を企てた男が。…出来れば二度と会いたくなかったが…」

 

コードとギアスの詳しい情報を持っている人物とは…

 

「…なぁ、ルルーシュ。まさかとは思うが、お前が言っている人物とはシャルルの事を言ってるんじゃないだろうな?」

「その通りだが?」

 

神聖ブリタニア帝国元皇帝でルルーシュの父親でもある、シャルル・ジ・ブリタニアの事だった。

 

「……シャルルはもう死んだんだぞ?どうやって会うつもりだ?」

「黄昏の間に行って、集合無意識体に語りかける。あと俺の予想では、あの男はまだ死んでいない」

 

その言葉に驚愕するC.C.とスザクだったが、すぐにC.C.が否定する。

 

「それは有り得ない。シャルルとマリアンヌが、Cの世界に飲み込まれるところをお前も見ただろ?」

「あの男と母さんが飲み込まれるところは確かに俺も見た。そして死んだとも思っていた。だがよく考えてみろ。俺達はシャルル達がCの世界に飲み込まれるところは見ても、死んだところは見ていないんだ。母さんは元々死人だから関係ないだろうが」

 

もしそうだとすれば、ルルーシュとC.C.は気付いてないが、コードは継承されてないという事になる。

 

ルルーシュが持つコードが本当に継承されたものなのか、それとも、継承されたものじゃないのか。

 

この答えは、いつか語られるだろう。

 

「仮に、会いに行くとしても、何処から行くつもりだ?」

「神根島だ。コードがあれば中に入れるだろ?」

「門は半壊していても、システムはまだ死んでないはずだから、確かに中へ入る事は出来ると思うが…」

「心配するな。お前を置いてCの世界に逝く事はない。2人で一緒に生きると誓っただろ?」

 

そう言ってルルーシュは、不安そうに見つめるC.C.の頭を撫でた。

 

「スザク、頼めるか?」

「…流石にすぐには無理だ。僕にもやる事があるから」

「黒の騎士団の再編か?」

「うん。記念パレードが終わってある程度落ち着いたら、藤堂さんを黒の騎士団から除名して捕まえる。そして、カレンが総司令代理になる予定だ」

「カレンが?」

「他に適任者がいないからね。本人に伝えたら、渋々だけど了承してくれたよ」

「わかった。じゃあ、それが終わってからで頼む」

「了解」

 

そうして3人の話し合いが終わり、スザクはジェレミアとアーニャに帰りの挨拶をして帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

スザクが帰った後、ルルーシュとC.C.はジェレミアとアーニャに、スザクとの話し合いの内容を伝えていた。

 

「なるほど。ならば私も準備をしておきましょう」

「私も。任せて、ナイトメアの操作技術と身体能力には自信あるから」

「ありがとう、2人とも」

「このジェレミア・ゴットバルト、ルルーシュ様…そしてC.C.様に忠義を誓った身。この命が続く限り、一生お守り致します!」

「ルル様とシー様は絶対守る」

「私はC.C.様確定なのな…」

「それとシー様も確定だ」

 

その後、スザクが届けたサザーランド・ジークとモルドレッドの説明を、ジェレミアがし始める。

 

「このサザーランド・ジークはまず、エナジーフィラーを2つにする事によって稼働時間を2倍長くし、ミサイルを誘導エネルギー弾に変更したらしいです」

 

ジェレミアはサザーランド・ジークの説明をして、次にアーニャがモルドレッドの説明をする。

 

「モルドレッドも、エナジーフィラーが2つになって稼働時間を1.5倍長くしたみたい。武装の変更部分は、小型ミサイルを弾数切れが起きない誘導エネルギー弾に変えて、ブレイズルミナスが二重展開されるようになった。それと、シュタルクハドロンの出力も上がってる」

 

―…ロイド、やり過ぎだ…。

 

ジェレミアから渡された説明書を見ながら、サザーランド・ジークとモルドレッドの説明を聞いていたルルーシュは、2機の性能に顔を引攣らせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ルルーシュ。1週間後の記念パレードはどうするんだ?」

「どうするとは?」

 

機体の説明から少し時間が経ったあと、ルルーシュとC.C.は自室へと戻り、もうすぐ行われる記念パレードについて話していた。

 

「見に行くのか?」

「当事者だから、一応見に行くつもりでいる」

「……大丈夫なのか?…その、お前が死んだ事を祝う行事だし」

「大丈夫だ。ずっと見てるつもりではないし、少し見たら帰るよ。だから心配するな」

 

ルルーシュは心配そうに見てくるC.C.を抱き寄せて、キスをする。

 

「あっ、こ、こらっ。服の中に手を入れるじゃないっ。そして服を脱がそうともするなっ」

「お前が抱えている不安、俺が取り除いてやるからおとなしくしていろ」

「こ、この…!」

 

ピタッ

 

「…?ルルーシュ?」

 

自身の服を脱がそうとしてきた手が急に止まった事に、C.C.は疑問に思いながらもルルーシュの顔を見つめる。

 

「本当に嫌ならこのまま止めるが、どうする?」

「……する」

 

明後日の方を向いて、頬を赤らめるC.C.。

 

「フッ…、任せろ。ちゃんと優しくするから。それに、すぐに(俺の体力が)終わる」

 

―…ルルーシュ、お前は自信満々に言っているが、それは男としてどうなんだ?

 

ルルーシュはC.C.の服を脱がして、2人は夜の営みを開始したのだが…

 

「ぜぇ…ぜぇ…」

「…なぁ、滅茶苦茶気持ち良かったし、お前と繋がっていると幸せを感じられるから不満は何も無いんだが、体力だけはつけないか?」

 

 

 

宣言通り、1戦目で体力が殆ど尽きたルルーシュを見てC.C.は、何とも言えない表情を浮かべるのであった。

 

 

 




一応、矛盾が無いように注意してるつもりですが、矛盾があった場合はごめんなさい…。
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