とある国の舗装されてない道を、藁を積んだ荷車が進んでおり、その藁の上に1人の少女が寝転んでいた。
「ふぁ〜…。いい天気だなぁ」
寝転んでる少女の名は、本名ではないが自分の事をC.C.と呼んでおり、そのC.C.は欠伸をして、目を細めながら空を見ていた。
「なぁ、次の町まで、あとどれぐらいかかるんだ?」
「あと1日程だな」
C.C.の質問に、荷車を操る御者が答えた。
「という事は、今日も野宿になるのか。はぁ…」
「しょうがないだろ?元々、徒歩で4日だったのが、この荷車を次の町に届けるのを条件に使わせてくれたおかげで、2日程まで短くなったんだぞ?それに、''永遠の時間がある俺達''は急いで行く必要なんてないんだし、当てのない2人きりの旅なんだ。ゆっくりでいいのさ」
「それもそうだな。…ギアスという名の王の力は、人を孤独にする。…ふふっ、少し違っていたか?…なぁ、''ルルーシュ''?」
「…フッ、そうだな、少し違っていたようだ」
C.C.の呟きを、荷車を操る御者…''ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア''はそう返事をした。
-ゼロレクイエム当日-
「あぁ…、俺は…世界を壊し…、世界を……創る……」
この日、世界の悪の全てを自分に集めたブリタニア帝国第99代皇帝で世間から悪逆皇帝と呼ばれた魔王ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアは、自身が計画した通り、ゼロの姿をしたスザクに討たれた。
世界が明日を迎える為に。
その日の夜、ルルーシュの遺体は、ゼロの計らいでアッシュフォード学園のクラブハウスの一室に安置されており、傍には緑髪の少女…C.C.が寄り添っている。
そして、その部屋の警備には扉の外側にジェレミアが、学園の周囲にはゼロの言う事を聞くようギアスをかけられた兵士が見張っていた。
「ルルーシュ、今まで良く頑張ったな…」
そう呟きながらルルーシュの頭を撫でているC.C.の目には、涙が浮かんでいた。
「…お前は明日、ゼロ…スザクの手によって火葬されて、私はそれを見届けたら旅に出るつもりだ。明日に向かい始めた世界を…私が笑顔で過ごせるよう、お前が創ってくれた世界を見るために」
C.C.の目に浮かんでいた涙は、止まることなく流れていく。
「ルルーシュ、愛しているよ。…お前の事だけは、ただの''記憶''にしない。この先なにがあっても絶対に忘れない。だから…」
C.C.は自分の唇をルルーシュの唇に重ねて、同時に、C.C.の目から流れていた涙も、ルルーシュの顔に落ちる。
すると…
「…C.C.?」
「っ!?」
ルルーシュが眠る棺桶から、自分の名前を呼ぶ声が聞こえた為、C.C.は勢いよく顔を上げると、目を開いてこちらの様子を伺ってるルルーシュの顔が目に映った。
「…ルルーシュ!!」
「ほわぁっ!?」
C.C.はルルーシュの名を叫びながら抱き着き、抱き着かれたルルーシュは驚き、奇声をあげたが、C.C.の身体が震えてる事に気がついた。
「本当にルルーシュなんだな…?これは夢じゃないんだな…?」
「…夢じゃないよ。…すまなかったな、C.C.」
ルルーシュはそう呟きながら、そっと抱き返した。
それから少し時間が経ち、C.C.とルルーシュは、今の状況を確認していた。
「俺はコードを継承していたのか」
「私も解らなかったが、お前はあの時に、シャルルからコードを継承していたみたいだな」
「…俺は継承するつもりはなかった。なのに継承されているという事は、シャルルが俺に押し付けたのか。それとシャルルはV.V.からコードを奪っていたのに、俺のギアスが効いて自殺をした。ならばコードを奪っても1度死ぬ必要があり、死ななかった場合でも時間経過で継承してしまう可能性があるのかもしれんな。…まぁ、継承してしまったものはしょうがない。これでお前との約束を果たすことが出来るし、良しとしよう」
「約束?」
「そうだ。…お前に約束しただろ?笑顔にしてやると」
ルルーシュがそう言うと、C.C.は驚く。
「覚えていたのか…」
「ああ。…だから、今度はちゃんと俺が笑顔にしてやる」
その言葉にC.C.は、少し嬉しそうな顔をした。
そのあと、扉の外で警備していたジェレミアが中に入ってきて、ルルーシュの姿を見た瞬間、涙を滝のように流した。
「ルルーシュ様!!よくご無事で!!!」
「…お前にも心配かけたな、ジェレミア」
その姿を見たルルーシュは、少々困った顔になりながらもジェレミアに、そう声をかけた。
「それで、これからどうするんだ?」
そうC.C.が聞いてきたので、今は3人で今後の話し合いをしていた。
「とりあえず、俺は今日ゼロに討たれた事になっているから、もう表舞台に出ることはできないし、出る気もない。…C.C.、2人で旅にでも出て世界を見て回らないか?」
「…私はお前となら何処へでも行くよ」
「ありがとう。…ジェレミアはこれからどうするんだ?」
「私は軍を辞め、オレンジ農園でもやろうかと思っております」
「オレンジ農園?」
「はい。オレンジは、我が忠義の証なので」
「いかにもジェレミアらしいじゃないか。なぁ、ルルーシュ?」
「そうだな。…ジェレミア、すぐには無理だが、ある程度時が経ったら旅の途中にでもオレンジ農園に立ち寄るよ」
「はい!いつでも心よりお待ちしております、ルルーシュ様!!」
今後について話しが纏まったのでアッシュフォード学園から出ようと(ルルーシュの服はよく着ていた私服になっていた)クラブハウスから出た瞬間、扉の少し先に、仮面を被り、マントを羽織った人物、ゼロことスザクが立っていた。
「ルルーシュ」
「…スザクか」
「君は、コードを継承していたんだね」
「…ああ、あの男が俺に強制的に継承させたらしい」
「そうか」
「…すまない。死んでやる事が出来なくて」
「…勘違いしてるみたいだけど、僕は君に死んでほしかったわけじゃない。君の、人々にギアスをかけた罪を償うという意志が固かったのと、ユフィの願いであった、みんなが幸せになれる優しい世界…明日を迎える為に僕は計画に協力しただけで、出来る事なら殺したくなかった。…ユフィも君が死ぬ事を望んでいなかっただろうしね」
「スザク…」
「だからルルーシュ、幸せになれ。そして今度は世界の明日を願うんじゃなくて、ちゃんと自分の明日を願え」
「…わかった。なら、そう言うお前も自分自身の幸せを願えよ?俺はお前に、人並みの幸せを世界に捧げてもらうと言ったが、言った本人が幸せになろうとするんだ。だからお前も枢木スザクとしては無理でも、この世界に生きる1人として幸せを願え。それがお前にかける最後のギアスだ」
「…そのギアス、確かに受け取った。」
「俺はこれからC.C.と旅に出る。時が経ったらお前に手紙でも送るよ」
「…わかった。僕はこれからゼロとして生きつつ、自分自身の幸せを見つける」
「それでいい。…それじゃあ元気でな、スザク、ジェレミア」
「2人共、世話になったな」
「…気をつけてね、ルルーシュ、C.C.」
「行ってらっしゃいませ、ルルーシュ様、C.C.」
こうして、ルルーシュとC.C.は、スザクとジェレミアに別れを告げて旅に出たのであった。
大変お待たせ致しました。(待ってる人がいるかは分かりませんが…)
この作品は、前作のafter storyのリメイク品となりますので、それを基準にしておりますが、設定や展開が変更になっております。
ですので、前作の設定は今作では忘れてもらって、今作をお楽しみいただけたらなぁと思っています。
また、作者の実力が低いせいで、変な所があるかもしれませんが、その時は笑って見逃してください…。