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記念パレードから2週間が経った日、ゼロの姿で仮面を外したスザクと騎士団の制服姿のカレンは、斑鳩内にあるゼロの私室で話し合いをしていた。
「どういう事だ?日本が不正所持していたナイトメアが、隠し場所で見当たらないなんて。まさか誤情報だったのか?」
「それは有り得ないわ。騎士団に入ってきた情報は間違いなく確かだったし、こっちだって念入りに調査したんだから」
スザク達は、日本が不正所持しているナイトメアが隠されている場所が判明した為、その場所に部下達を突入させたのだが、肝心のナイトメアが1機も見当たらない事に困惑してるのだ。
「数日前からナイトメアの隠し場所を厳重に監視していたのに、それを潜り抜けられたという事は誰かが情報を流したな」
「なら、扇さんに情報を流した犯人は藤堂さんか」
「…もうちょっと慎重に動くべきだったか。これでは、間違いなく扇さんに振り切られてしまう」
スザクとカレンが話し合いをしているのと同時に、東京政庁の一室では、評議会議長である神楽耶が扇を追求しているのだが、扇本人が所持していないと言っているのと、不正所持している筈のナイトメアが見つからない為に、このまま逃げ切られるのも時間の問題だった。
「どうするの?」
「一応、捜査は継続させるが、決定的な証拠が出てこないのなら今回は諦めるしかない。これ以上はただの言いがかりになる」
―これが僕とルルーシュの差か…。ルルーシュなら、もっと上手くやれたんだろうな。
スザクは、今すぐに扇を捕まえる事を諦め、次の問題に目を向ける。
「次に問題になっているのが、藤堂さんや複数名の団員の行方がわからない事か…」
「藤堂さんが行きそうな場所を捜索してはいるけど、まだ見つかってないわね…。それと念の為、アーニャに確認を取ってみたけど、オレンジ農園には現れてないらしいから、C.C.の居場所が分かったわけではないみたい。…可能性が無いわけじゃないけど」
日本が不正所持しているナイトメアの調査と同時に、記念パレードが終わった次の日から、行方が分からなくなっている藤堂と複数名の団員を、スザクとカレンは探していた。
―不正所持しているはずのナイトメアがなく、藤堂の行方も同時に分からなくなる。という事は…
「カレン、日本が不正所持していたナイトメアは、藤堂さんと行方が分からない団員達が、国外に運び出したと見て間違いない」
「そうとしか考えられないか。でも、藤堂さんはナイトメアを持って何処に行ったの?」
「たぶん、ギアスの研究施設を見つけて、そこに向かったんだと思うけど、その施設が何処にあるのか…。とりあえず、先に騎士団の再編をしよう。このまま総司令が代理も不在というのもまずいし」
そう考えるスザクだったが、藤堂と団員の行方やナイトメアの事は後回しにして、黒の騎士団の再編をする事にした。
「そうね。私が総司令を代理するんだっけ?」
「あ、その事なんだけど、違う人にお願いしたんだ」
「はぁ!?誰よ!?大丈夫なの!?てか、C.C.の事もそうだったけど、何で先にそんな大事な事を私に伝えないの!?」
半ギレ状態のカレンに詰め寄られるスザク。
…大事な連絡事項を伝えていなかったら、怒られて当たり前だ。
なお、スザクがカレンにC.C.の事を伝え忘れていた際は、思いっきり腹を殴られていたりする。
「ご、ごめん。でも、カレンも知ってる人だから大丈夫だよ。待ってて。今、呼ぶから。…私だ。彼を私の部屋に連れてきてくれ」
―彼?いったい誰だろう?
そう言ってスザクが仮面を被ってから部下に連絡して、その間、カレンはスザクが呼んだ人物について考えるのであった。
「ゼロ、彼をお連れしました」
「ありがとう。…扉のロックを外した。入ってくれ」
2人が待っていると扉の向こう側から声をかけられ、ゼロの仮面を被ったスザクが扉のロックを外す。
「久しぶりだな、カレン」
「星刻!?」
部屋に入ってきた人物…黎星刻がカレンに挨拶をし、ブリタニア本土で療養している筈の星刻がこの場に現れた事にカレンは驚いた。
「という事で星刻にお願いしたんだ。まぁ、総司令代理をお願いしたと言うより、単なる総司令復帰だけどね」
星刻が部屋に入った後に扉のロックを再びかけて、スザクはゼロの仮面を外しながら答える。
「貴方、ブリタニアで療養してたんじゃないの?」
「1年間近く療養してたからな。ほぼ完治したさ。1日数回、薬を飲まないといけないが大丈夫だ」
ブリタニアで大人しく療養していたおかげで、星刻の体調は現場復帰出来るまで良くなったのだ。
「ゼロ…いやスザク、礼を言う。お前のおかげで私は生きる事が出来た」
「礼ならナナリーに言ってくれ」
「ん?星刻、貴方、ゼロの正体を知っているの?」
「ああ。ゼロレクイエムの真実もな」
「そう…」
「私はこの命を世界の為に使っていくつもりだ。それが、世界の明日の為に逝ってしまったルルーシュと
「…わかった。またよろしくね」
「こちらこそ、よろしく頼む」
―ごめん、2人とも…。でもルルーシュが生きている事を知ったら、どうなるんだろ?
カレンと星刻が話してる間、スザクは罪悪感に襲われながらも、そんな事を考えてたりする。
「本来の総司令も戻ってきた事だし、まずは藤堂さんを総司令代理から外し、藤堂さんを含む、複数の団員の行方が分からなくなっている事を公表する」
「わかった」
「了解した」
そうして黒の騎士団から、総司令代理を勤めていた藤堂を含む、複数の団員が行方不明になっている事と、療養していた星刻が総司令に復帰したことが発表された。
ただ前から決めたあった藤堂を除名する事に関しては、決定的証拠を掴めなかった事と、理由を公表せずに除名してしまうと色々混乱を招いてしまうと考えられた為に、幹部から一時的に外すという処置を行うだけで除名は見送られる事になった。
そして、秘密裏に黒の騎士団に所属している者全員の調査をスザク、星刻、カレンの3人で行い、黒の者に対しては容赦なく捕まえる事も決定したのであった。
スザクとカレン、そして星刻の話し合いが終わった頃、ルルーシュは白い花束を持って、C.C.と一緒にある場所へと向かっていた。
「ルルーシュ、こんな所にあるのか?」
「ああ。ちゃんとした場所に作ってやるべきなんだろうが、アイツはこういった静かな場所を望んでいるんじゃないかと思ったんだ。それよりも、ついて来なくても良かったんだぞ?ただの
「私も来たかったからな。それに報告したい事があって、するならお前と一緒が良かったんだ」
「そうか」
ルルーシュとC.C.がそう話しながら歩いて行くと、海一面が見渡せる場所に着き、目の前にストラップがかけられた1本の木が立っていた。
「久しぶりだな、ロロ」
ここはルルーシュの弟であるロロ・ランペルージが眠る墓である。
「此処に来るのが遅くなってすまなかった。ちょっとした事情があったんだ。…言い訳をするなんて、俺らしくないかもしれないな」
そう言いながらルルーシュは、持っていた白い花束を木の前に置く。
「お前が死んでから、俺はお前の事を大切な弟として見ていた事に気づいた。…俺はいつも遅いんだ。その人を失ってから初めて気付く」
シャーリーの時も、そして記憶を失ったC.C.の時もルルーシュは失ってから、その人の事をどれだけ大切に思っていたのかを気付き、絶望してしまう。
「本当は直接会って言うべきなんだろうが、今この場にて言わせてもらう。お前が俺の弟になってくれた事、俺を救ってくれた事、本当に感謝している」
最初はルルーシュの後ろで見守っていたC.C.だが、途中から隣にやってきて、ロロの墓に語りかける。
「ロロ、お前が命を賭してルルーシュを救ってくれたおかげで、こうしてルルーシュと一緒に生きる事が出来ている。本当にありがとう。それと、私はルルーシュと結婚したんだ。だから私にとっても、お前は大切な義弟だよ」
「逝く事が出来ない俺たちは、二度とお前に会うことはない。だから、Cの世界がお前に優しく、幸せに過ごせる場所であるとこの世界から願っている」
そう言ってルルーシュとC.C.は、オレンジ農園へと帰っていった。
「私達の思いが、ロロに届いてるといいな」
「…そうだな」
その日の夜、オレンジ農園へと戻ってきたルルーシュとC.C.はスザクと通信をしていた。
「再編の目処が立ったのか?」
『うん。3ヶ月後ぐらいには再編が終わるかな』
「随分と早いな。俺は半年はかかると予想していたんだが」
『今日から星刻が総司令に復帰したからね。おかげで再編がスムーズに進みそうなんだ』
「なるほど」
『でもその前に、カレンをオレンジ農園へ送ろうかと思っている』
「……」
スザクがカレンをオレンジ農園へ送るという言葉に、ルルーシュは理解が出来ずに固まってしまう。
「いや、まて。理解が出来ない。俺がいるのに何でカレンを送ってくるんだ?」
カレンが来た場合、ルルーシュが生きている事がバレてしまうのだ。
『…実は藤堂さんと複数名の団員の行方が分からなくなっているんだ。それで、もしかしたらC.C.の居場所がバレてしまった可能性もあるから、護衛としてカレンをそっちに送るんだ』
もし藤堂達がC.C.の居場所を見つけていたとしたら、確実にオレンジ農園に攻め込んでくるので、それの対策でカレンを送ろうとスザクは考えた。
『それに事情を知っているカレンならルルーシュが生きている事がバレても大丈夫だし、何より君達の安全が確保されるからね』
「…それで俺達の安全が確保されるのであれば仕方ないか。だがC.C.は良いのか?」
「何がだ?」
「カレンと会う事にだ。心の整理はついているのか?」
「ある程度はついているよ。まぁ、まだ許してはいないが、頑張っている事は知っているし、また会おうと約束もしたからな」
「…分かった。ならスザク、お願いするよ」
『了解』
「それと1つ気になってる事があるんだが、どうやって俺達を神根島に連れてってくれるんだ?」
『それなら、君は斑鳩に乗れないから、内密に航空艦を一隻用意したよ。ちょうどブリタニアで、ステルス機能がついた航空艦を一隻造ってあったから』
「ステルス付きの航空艦?いつの間に…」
『犯人はロイドさん』
―あぁ、ロイドか…。
―アイツも変わらないなぁ。
スザクから犯人がロイドであると言われ、納得したルルーシュとC.C.
『で、その艦にラクシャータも乗る予定だ』
「…また理解出来ない事を言われた気がするが、とりあえず理由を聞こうか?」
『ラクシャータに君達の事がバレてたからだよ』
「「……は?」」
世界の人々にルルーシュの生存がバレないよう、迂闊な行動をしてこなかった筈なのに、生きている事がラクシャータにバレていると聞かされ、ルルーシュとC.C.は驚いてしまう。
『ラクシャータ曰く、「女の勘もあるけど、あのC.C.が他の男と一緒にいる筈ないじゃなぁい。それと、私にも協力させなさいな」だってさ。…女の勘って怖いね』
「…スザク、それ絶対カレンに言うなよ?アイツの女としてのプライドが傷つくから。私だったら寝込んでしまうな」
C.C.が言うように、この事をスザクがカレンに言った場合、ルルーシュが生きている事に気付かなかった自分はいったい何なのかと落ち込むであろう。
…スザクに腹パンを決めながら。
『絶対に言わないよ。てか言ったらカレンに殺されそうだし。ラクシャータも後悔していたよ。君に全てを押し付けてしまったってね。だから協力してもらう事にしたんだ』
「…納得した」
『じゃあ、航空艦はすぐに手配して、ラクシャータには僕から説明しておくよ。ただ、カレンに関しては引き継ぎ等があるから少し待ってほしい。終わり次第向かわせる』
「分かった」
『それじゃあ、またね、ルルーシュ、C.C.』
「ああ、またなスザク」
「カレンに殺されるなよ?」
『あはは…』
そうしてスザクとの通信が終了して、ルルーシュとC.C.は寝る為に自室へと戻っていった。
補足なんですが、スザクがゼロとして話してる時は、相手が年上の人だろうがさん付けをしていません。
簡単に言うと、話し方を切り替えてるということです。