戦闘が終わり、周囲の安全が確認出来たので、ジェレミアはサザーランド・ジークから降りてアーニャに連絡を入れた。
「アーニャ、そちらは無事か?」
『うん。今、避難部屋で待機してる』
「こちらは外の安全を確保出来た。なので、出てきても大丈夫だ」
『わかった』
ジェレミアがアーニャとの連絡を終えると、カレンが紅蓮から降りてきた。
「カレン君、すまなかった。おかげで助かった」
「いえ、私は何もしてませんよ。殆どジェレミアさんやアーニャがやったんですから。…それよりもすみませんでした。こうなる前に抑えることができなくて」
「それは仕方ないだろう。今はこうして、無事に守れた事を喜ぼう」
「…そうですね」
そうしてジェレミアとカレンが話し合いをして、しばらく時間が経つと、ルルーシュとC.C.を連れたアーニャの姿が見えてきた。
「確か、あの男の人はパレードで…」
カレンは3人の方を見たが、ルルーシュの事を知らないので、そう呟いた。
「カレン、久しぶりだな」
「久しぶりね、C.C.。怪我とかはない?」
「ああ。追手は全て蹴散らしたからな。今頃、絶望を体験して心が壊れ始めてるんじゃないか?」
「…ん?よく分からないけど、あなた達が無事であるんならいいや」
「シー様、凄かった。…かなり怖かったけど」
「シー様?…あぁ、C.C.の事か。てか、アーニャが怖がるって、何をしたのよいったい…」
アーニャの言葉にカレンは、C.C.はいったい何をしたのか少し気になったが、それよりも2人と一緒にいる男の存在が気になったので、意識をそちらの方へ向ける。
「ところで、その男の人は…?」
「忘れていたな。こいつは…」
「大丈夫だC.C.。自分で説明するから」
C.C.にそう言って、ルルーシュは少し緊張した表情を浮かべながらカレンの方を向く。
「…久しぶり、カレン」
「久しぶり?私、貴方に会ったことあったっけ?…いや待って。この声聞いた事があるような…」
「俺だよ。ルルーシュだ」
「………え?」
「世間では死んだ事になっている、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアだ」
男の正体が、世界に明日を迎えさせる為に己の命を捧げて死んだ筈のルルーシュだという事を知ったカレンは、愕然とした表情を晒す。
「うそでしょ…?だって、貴方はゼロに刺されて…」
「俺は確かにスザクに刺されて死んだはずだった。だが今はC.C.と同じ不老不死として、人々に嘘をつきながら生きている」
「本当にルルーシュなの……?」
「本物だよ。今はこうして変装はしているが」
ルルーシュがそう言うと、カレンが泣きながら抱きついた。
「生きてて本当に良かったっ…!!」
「今まで色々とすまなかったな。カレンに辛い思いをさせてしまった」
「ううん、謝るのは私っ!。私はあの時、貴方の思いを知っていたのに裏切ってしまったっ!親衛隊隊長で全てを知っていた私は、何があっても貴方についていかないといけなかったのにっ!」
「別に気にしてないんだけどな。あれは俺が悪いと思っているし」
「それでもっ!私だけはっ!貴方を裏切ってはいけなかったっ!!」
「今、それを後悔して俺の為に頑張ってくれているんだろ?なら、それでいいじゃないか。…だからありがとう、カレン。俺の為に頑張ってくれて」
泣きながら抱きついてきたカレンを見て、ルルーシュは少し困った顔したが、苦笑いを浮かべてそう呟いた。
なお、カレンがルルーシュに抱きついた時から不機嫌そうにムスッとしているC.C.を見て、C.C.とルルーシュの2人が結婚している事を知らないカレンが首を傾げていたのは余談である。
…何故か、ルルーシュもカレンと同じように首を傾げていたが。
それから少し時間が経ち、カレンが落ち着いてからルルーシュは今までの事を話していた。
「なるほどねぇ。ゼロレクイエム後は、ルルーシュとC.C.は旅をしていたんだ」
「あぁ。C.C.と俺は不老不死だし、俺が生きてる事がバレると拙いから、人目がある場所に長く居られないからな。だけど、今はC.C.が扇と藤堂から追われているから、この問題が終わるまでジェレミア達に匿ってもらっているんだ。その後はまた旅に出るとは思うが」
「そうね、今はC.C.が追われてるんだから、何処かに身を隠すのが安全だしね」
そうカレンが話していると、ある物に気がついた。
「あれ?C.C.、貴女って指輪を嵌めてたっけ?それにルルーシュも」
「あー…これはだな…」
「ルルーシュ、別に言ってもいいんじゃないか?隠す事でもないし。あと私から伝えさせてくれ」
「…そうだな。分かった」
「どうしたの?聞いちゃダメな事だったら言わなくてもいいわよ?」
「いや、大した事じゃないんだ。ただ、私とルルーシュは結婚したから指輪を嵌めているんだ」
「へ?」
結婚したからルルーシュとC.C.は指輪を嵌めていると言われ、ポカンとした表情を晒してしまうカレン。
「………血痕?」
―ルルーシュと一緒に怪我をして血が出てきたから、指輪で血の跡を隠してるていう事?…ん?でも何で指輪?普通は絆創膏じゃないの?
―…何故だろう。微妙に伝わってないというより、間違ってカレンに伝わっている気がするんだが…?
何故か、カレンに結婚という言葉が間違って伝わっている気がしたが、C.C.は気にしない事にした。
「私とルルーシュは結婚して夫婦になったんだ。だから、ルルーシュに身も心も純潔も全て捧げた私は人妻になったという事だな」
「…C.C.、それは俺からのツッコミ待ちか?」
―あぁ、なんだ結婚か。そうかそうか。
「なるほど、それは良かったじゃない」
―今までそういった関係じゃなかったのが、逆に不思議なぐらいだったしね。うん。
………。
「って、ええええええええぇぇぇぇぇ!?結婚したぁ!!??」
ルルーシュとC.C.が結婚した事をやっと理解したカレンの驚きの絶叫が、辺り一面に響く。
「あなた達、結婚なんていつしたの!?しかも、それをどうしてもっと早く言わなかったのよ!?」
テンパりながら問い詰めてくるカレンに、C.C.は少し呆れた表情を浮かべる。
「お前と会った時はまだ結婚してなかったんだよ。それに、あの時はルルーシュが生きている事をお前に伝えるつもりはなかったし。それよりも少し落ち着いたらどうだ?」
「落ち着けるわけないでしょ!?てか結婚祝い、何も用意してないけど何が良いんだろう!?お金!?それとも一軒家!?それかナイトメアとかの方がいいのかしら!?」
さらにテンパり、頭を抱えながらカレンは結婚祝いの品を口にしていくが、どんどん有り得ない物にグレードアップ?していっていた。
「…懐かしいと言えば懐かしいが、この驚き方は俺達の予想を越えているな。というか、口から出てくる結婚祝いの品が、どんどんぶっ飛んでいってる事にカレンは気付いているんだろうか?」
「こんな状態で気付いてるわけないだろ。…どうする?いい具合にテンパってるが」
「落ち着くのを待つしかないんじゃないか?」
「そうだな」
ルルーシュとC.C.は、暴走したカレンが落ち着くのを待つ事にした。
ちなみに、ルルーシュ達3人が話している間に場から離れたジェレミアとアーニャは、周囲の安全は確保出来ているとはいえ、何があるか分からないので念の為、周辺の警戒を行なっていたりする。
「へぇ〜、結婚して2ヶ月なんだ〜」
落ち着きを取り戻したカレンは、改めてルルーシュとC.C.から話を聞いていた。
「あぁ。俺達はこの先ずっと一緒にいるとしても、やっぱりケジメは必要だと思ったからな。俺からプロポーズしたんだ」
「プロポーズされた時は本当に驚いたがな」
「…そっか。おめでとう、2人とも」
「「ありがとう」」
―あぁ、幸せそうで本当によかった…。
礼を言って微笑むルルーシュとC.C.を見て、カレンはそう思うのであった。
〜おまけ〜
「C.C.、ルルーシュに抱きついたりしてごめんなさい」
何も知らなかったとはいえ、結婚しているルルーシュに抱きついた事に対して、カレンは妻であるC.C.にペコリと頭を下げて謝罪する。
「別に構わないさ。…まぁ、面白くないと感じてはいたが」
「でも貴女がムスッとした表情を浮かべた理由は分かったけど、何でルルーシュは貴女を見て首を傾げたのかしら?」
「…今では、コイツが自身の心に対して素直になったと私は感じているが、自身に対しての想いに鈍感のは変わらないんだ」
「おい2人とも、何の話をしているんだ?」
「お前は相変わらずだ、という話をしているんだ」
「当たり前だろ?俺は俺なんだから。そもそもカレンと別れてから1年ちょっとしか経ってないんだぞ?そう簡単に変わるわけないだろ」
―そういう意味じゃないんだがな…。
―この様子じゃ、私があの時したキスも意味を理解せずに受け取っていたんだろうなぁ…。
「「はぁ…」」
相変わらず自身に向けられる想いに対して鈍感なルルーシュを見て、ルルーシュに想いを寄せてる2人は溜息をつくのであった。