コードギアス −魔王と魔女の旅路−   作:アンサラ

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今回も遅くなり本当に申し訳ありません。




それと今更なんですが、この小説は復活のルルーシュの設定が少し出ています。


第26話

「「中東地域で戦闘?」」

 

いつも通り自室でのんびりと過ごしていたルルーシュとC.C.は、これもまたいつも通り2人の部屋にやって来たカレンに、中東地域で戦闘があったという事を聞かされていた。

 

「なんでそれを私達に伝えるんだ?流石に関係ないだろ?」

「俺達はもう黒の騎士団ではないからな。まぁ、何か困ったことがあるのなら協力するが」

 

既に黒の騎士団ではないルルーシュとC.C.は全く関係ない事なので、協力を求められたのならまだしも、中東地域で戦闘があった事を伝えられても困るだけである。

 

「いや、力を貸して欲しいっていうより、あなた達にちょっと聞きたい事があって…」

「「聞きたい事?」」

「あなた達はジルクスタン王国って知ってる?」

「知ってるも何も、有名な国じゃないか」

「かつて神聖ブリタニア帝国の大軍すらも打ち破った無敵の王国。シャルルが皇帝時代の時に一度だけ侵攻を試みたが、現役の頃のマリアンヌやナイト・オブ・ワンだったビスマルクが戦場に駆けつけたにもかかわらず、勝つ事が出来なかった国だ。今は資源が乏しい所為で色々と苦しいみたいだが。…それがどうかしたのか?」

「それがね?中東で戦闘を行ったのが、ジルクスタン王国と扇さん達らしいのよ」

 

―…なに?

 

思わず驚いてしまうC.C.だったが、それを表に出す事はなかった。

 

「扇さん達は何か目的があって中東に居たと、私達は思ってるんだけど」

「…私達に聞きたい事とは、ジルクスタン王国、または、その周辺地域にギアス関連の施設があるかどうか、というところか」

「そういうこと。何か知ってる?」

「流石に俺は知らないぞ?俺は中東に行ったことないからな。C.C.は?」

 

ここでC.C.は少し考えるが、すぐに首を横に降る。

 

「すまないが私も知らないな。そもそも私はお飾りだったからな。嚮団が使っていた施設とかはあんまり把握していないんだ」

 

C.C.はこう言っているが、ジルクスタン王国にギアス嚮団が使っていた神殿が存在している事を知っている。

 

だがC.C.は嘘をついた。

 

そして、それをカレンに気付かれる事はなかった。

 

「なら、扇さん達は中東方面に逃走してただけなのかなぁ」

「それか、戦力を求めて中東方面に向かったとかだと思うんだが。未だに私達に仕掛けてこないという事は、戦力に目処が立ってないという事だろうからな」

「なるほど。その線が1番高いか」

 

カレンと話を進めていくC.C.だったが、その姿を途中から話さなくなったルルーシュが見つめている事に気付かなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

−斑鳩−

 

「星刻、新たな情報は入ったか?」

「入ってないな。扇達がジルクスタン王国と戦闘を行ったのは明らかだが、その後の行方が分からない状態だ」

 

斑鳩内にある会議室で、ゼロことスザクと星刻は、テーブルの上に置かれている資料を見ながら話し合いをしていた。

 

「ふむ。ジルクスタン王国はなんと?」

「「我々がテロリストと戦闘を行ったのは事実だが、その後の行方までは把握してない」と。おそらく、ジルクスタン王国が言っている事は真実だ」

「だろうな。扇達を匿ったところで、ジルクスタン側にメリットが何一つも…いや、もし扇達がギアスの存在を教えていれば、匿うメリットはあるのか」

「相手がギアスの事を信じればな。しかし、その可能性は低いだろう。扇達はテロリストとして国際手配されている。そんな者達の言葉を簡単に信じるわけがない」

「それもそうか」

 

もしギアスの事を教えていたとしても、無断で自国の領土内に侵入し、尚且つ、急に攻撃を仕掛けてきた奴等の言葉なんて、どう考えても信用できるはずがない。そう、星刻とスザクは考えていた。

 

「どうする?」

「…戦闘が行われた場所、および、その場所に近い国に団員を向かわせろ。念の為調査する」

「いいのか?」

「ああ。ちゃんと超合集国に話は通すし、一応お飾りとはいえ、黒の騎士団CEOで世界の救世主ことゼロが動いていると分かれば、調査を断る国はない筈だ」

 

この調査の協力を断った場合、その国は世間に知られたくない何かを隠している可能性が高い。そうなったら、スザクはその国に団員を潜入させ、徹底的に調べるつもりでいた。

 

「星刻、各国の調査に、お前とカレンを除く幹部達全員を含め、戦力の3分の2とシュナイゼルを回せ」

「そんなに戦力を回すのか?超合集国から別の依頼が入った場合はどうするつもりだ?」

「基本は後回しにするが、依頼の内容によっては調査を行っている団員を回してでもすぐに処理する。その他の細かい調整はシュナイゼルにさせる」

「了解した。そのように手配しよう」

「では任せた」

 

そう言って星刻は団員達に指示をする為に、スザクは超合集国評議会に説明をする為に行動を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんとか逃げ切ることが出来ましたね…」

 

なんとかジルクスタン王国から逃げ切った扇達は、現在別の所を目指していた。

 

「こうも手痛くやられるとはな。…特に、あの場にいたジルクスタンのエース機だと思われる機体。あれの機体性能は異常だった」

 

ジルクスタンのエース機と思われる機体と戦った藤堂だったが、圧倒的な機体性能を見せつけられ、斬月の左腕と右脚を犠牲にする事で、なんとか逃げる事に成功したのだ。…ただ見逃されただけだが。

 

そして、ジルクスタンとの戦いで扇達はかなり戦力を消耗しており、戦う前と比べて3分の1ほど戦力を減らしていた。

 

「残りのナイトメアフレームはどれぐらいあるのだ?」

「およそ50機ぐらいですね。あと、斬月の修理に関しては最優先で進めています」

「そうか。…カンボジアにいた頃の戦力でも黒の騎士団と戦うには厳しいというのに、今の状態では策を講じても確実に負けてしまう。どうにかして新たな戦力を確保しなければ…」

「そうですね…」

 

ジルクスタンとの戦いで消耗しきった戦力のままだと、黒の騎士団と戦闘を行っても一方的にやられるだけなので、新たな戦力を何とか確保しようと頭を悩ませる2人。

 

「…あっ」

 

しばらく時間が経った後に、扇は何かを閃いたかのように声を上げた。

 

「どうした?」

「戦力の件、何とかなるかもしれません」

「本当か?」

「はい。ある人に情報を伝えるですよ。黒の騎士団…いや、ゼロが魔女(C.C.)を匿っているとね」

「それだけで動く人物がいるというのか?流石に危険過ぎる気が…」

「大丈夫です。この情報を伝えれば、ギアスを憎悪しているあの人なら確実に動く」

「そこまで言い切るか。誰なのだ?その人物とは」

 

扇が言っている、ゼロがC.C.を匿っているという情報を伝えれば確実に動く人物。

 

それは…

 

 

「コーネリア・リ・ブリタニアですよ」

 

 

ブリタニアの魔女であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ルルーシュ、調子はどうだ?」

「ボチボチだな。一応、5年ぐらいの旅の資金は確保した」

 

ルルーシュは現在、パソコンを使って旅の資金集めをしており、数時間で約400万ぐらいの大金を手に入れていた。(これでボチボチと言ってしまうルルーシュはどうかしているのかもしれない)

 

「別に今から資金集めをしなくても良かったんじゃないのか?お前が私に渡してくれた金があるんだぞ?」

 

C.C.はとんでもない額の金(皇帝時代にC.C.に渡したピザ代を含めた旅の資金)を持っていたので、今すぐに資金集めをする必要はないとC.C.は考えていたのだが、ルルーシュはそれを旅の資金として数えていなかった。

 

「それは既にお前個人の金だ。旅の資金として考えるつもりはない。…おい、いい加減髪を乾かせ。そして服を着てこい」

 

ルルーシュが資金集めをしている間、C.C.はシャワーを浴びていたのだが、その後、C.C.は服を着ずに下着姿のまま部屋で過ごしており、しかも髪がまだ乾ききっていないのか、髪が濡れているC.C.が色っぽく見えたので、ルルーシュは極力C.C.の方を見ないようにしていた。

 

「別にいいだろ?髪はそのうち乾くんだし、シャワーから出たばかりだから、まだ身体が熱いんだ」

 

―…俺の事を考えてくれ。俺でも人並みに性欲がある事は、お前も知っているだろうが。結構キツイんだよ…。

 

「よくないから言っているんだ。急に俺が襲ったらどうする?」

 

「それならいつでもバッチこいだ」と言ってC.C.が両手を広げたら、ルルーシュが残念な奴を見るような顔で「アホな事言ってないで、さっさとしろ」とため息をつきながら言ったので、C.C.は仕方なく寝室へと向かった。

 

「ほら、ちゃんと着たぞ」

 

しかし、寝室から戻ってきたC.C.が着てきたのはルルーシュのシャツで、下は下着のままだった。…髪はちゃんと乾かしてあったが。

 

―…シィィィツゥゥゥゥ!!どうしてその格好で出てきた!?昔なら今の姿に何とも思わなかったが、今は違うんだぞ!?これは誘っているのか!?お前は俺を誘っていると判断して良いのか!?

 

「どうした?」

 

ニヤリと笑ってこっちを見てくるC.C.を見てルルーシュは確信した。…コイツ、ワザとやっていると。

 

「…別に。なんでもない」

「美女がこんな姿でいるのに?」

「…それはそうと少し真面目な話をするが、どうして昼間、カレンに嘘をついたんだ?」

「なるほど。余裕がないのかお前」

「気のせいだ。…で?嘘をついた理由は?」

「何の事だ?私は何も嘘をついては…」

「あるんだろ?ジルクスタンにギアスと関わりがある施設が」

「…はぁ、お前に嘘は通じないか」

 

降参だと言わんばかりにC.C.は両手を上げて、ため息をつく。

 

「お前の言う通りだ。私はジルクスタンにギアスに関わりがある神殿があるのを知っている」

「では何故?」

「仮にカレン達に教えたら、黒の騎士団はジルクスタンを強引にでも徹底的に調査するだろう。ジルクスタンが超合集国に加盟しているのなら大丈夫だが、あの国は加盟していないんだ。強引に調査した場合、下手したら戦いになる。私はそれを防ぎたかったんだ」

 

ジルクスタンは閃光のマリアンヌとして名を馳せていたマリアンヌと、最強のラウンズと呼ばれたビスマルクを投入したブリタニアを退けている。

 

それにジルクスタンにはギアス嚮団の分派、ファフラムが存在するので、ギアスユーザーがいる可能性もあるのだ。

 

そんな国と戦うのは危険過ぎるとC.C.は考えていた。

 

「なるほど」

「…すまない。嘘をついて」

「気にしていないさ。おそらく俺も同じ事をしていただろうし」

「お前は嘘吐きだからなぁ」

「否定はしない。現時点でも、世間に嘘をついて生きているんだからな。これでお前が嘘をついた理由が分かった事だし、もう少しだけ稼いだら寝るとしよう」

 

「だからC.C.、先に寝ておくといい」とルルーシュは言うが、その声はかなり震えていた。

 

「いや、本当に余裕無さ過ぎだろお前。…ところで、どうしてパソコン1台でそんなに稼げるんだ?しかも数時間の間に」

「どうしてと言われても…。こんなの余裕だろ?」

「えっ?」

「ん?」

 

何かおかしい事を言ったか?と言わんばかりの表情を晒すルルーシュに対して、それはお前だけで、決してパソコン1台だけでそんな大金を稼ぐなど余裕な事ではない。と思うC.C.であった。

 

 

 

ちなみに、この後すぐにルルーシュは、C.C.の誘惑に負けてしまいました。

 

 

 

「別に我慢しなくても良かっただろうに」

「…煩い。こんなの、俺のキャラじゃないんだ…」

 

 

 




仕事がかなり忙しい為、次回更新予定は7月末になりそうです。


本当に申し訳ありません…。

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