ギアス教会での出来事からある程度の時が経ち、日本を目指しているルルーシュとC.C.は、現在ロシアにいた。
「ルルーシュ、今度は何処を見に行く?」
「そうだな…」
何故2人がロシアにいるかというと、日本に行くついでに、観光をしに来たのである。
ちなみに、ルルーシュの姿はE.Uの頃と変わらないが、C.C.はギアス教会から離れた時に変装をやめ、元の姿に戻っていた。
「クレムリンにでも行こうか」
「わかった。道案内は任せろ。旅の途中、何回か寄った事があるからな」
「そうなのか?」
「あぁ。旅の途中で寄ったというより、逃走してる時に不法侵入をしたと言った方が正しいか」
「…何やってるんだお前」
2人がクレムリンに向かおうとした時、ルルーシュとC.C.を複数の男が囲んだ。
「そこの女、名前はC.C.だな?」
「なんだお前ら?」
「我々について来てもらおうか」
「…断ると言ったら?」
「嫌でもついて来てもらう」
そう言って、1人の男がC.C.の腕を掴もうとした瞬間、その男が遥か後方にぶっ飛んだ。
「「「「!?」」」」
「ふぅ…。まったく、断ると言っただろ?それに、お前ら如きが私に触れようとするな」
「綺麗にぶっ飛んだな…」
男を蹴りでぶっ飛ばしたC.C.は、足を降ろしながらため息をつき、ルルーシュは男がぶっ飛んだ方を向いて、冷や汗をかいていた。
「さて、どうする?かかってくるか?」
「っ、多少怪我させても構わん!やれ!!」
「生身での戦闘は久しぶりなんだ。…手加減はできんから覚悟しろよ?」
その言葉を皮切りに、C.C.と男達の戦闘が…いや、C.C.による、一方的な戦闘が始まった。
「…もう、ロシアは観光出来ないな」
目の前で行われてる一方的な戦闘を見て、ルルーシュはそう呟くのであった。
「手応えないな、お前ら」
「「「「……」」」」
「これはひどい」
C.C.と男達の戦闘はすぐ終わり、目の前にはC.C.によって気絶させられた、男達の山が出来ていた。
「それじゃあルルーシュ、クレムリンに行くか」
「行けるわけないだろバカ。それと、この状況で俺の名を呼ぶ時は、偽名の''アラン''と呼べ」
「イタッ」
意気揚々とクレムリンに向かおうとするC.C.の頭を、ルルーシュは軽く叩いた。
「とりあえず、ロシアを出るぞ」
「…叩く事ないじゃないか。…で、ロシアを出て何処へ行くんだ?」
「中華連邦だ。日本に渡るためには、そこが一番安全だろう」
「なるほどな。よし、行くか」
そしてルルーシュとC.C.は、中華連邦へ向かった。
それから少し時間が経った後、日本ではある男が、部下からの報告を聞いていた。
「逃げられた?」
「はい。対象はかなり高い身体能力を持ってるようで…。それと、対象と一緒に1人の男がいたみたいです」
「なに?」
――アイツ、そんなに身体能力が高かったのか。それに男が一緒にいただと?…もし、新たな契約者なら、俺にもチャンスがあるかもしれないな。
「それで気がついた時には、すでに姿が見えなかったみたいで、今はロシアの国内を探させています」
報告を受けている男の名前は、黒の騎士団元事務総長、扇 要で、現在は日本の総理大臣を務めている。
「そうか。いや、すまなかった。俺が身体能力の事を知っていれば良かったんだけど」
「大丈夫ですよ、首相。引き続き、ロシア国内を探させますか?」
「そうだな。よろしく頼む」
「了解しました」
報告をしていた人物が、部屋から退出するのと入れ替わりに、1人の女性が入ってきた。
「お久しぶりです。扇首相」
「久しぶりだな、''カレン''」
部屋に入ってきた女性とは、現在、黒の騎士団に所属していて、世間からナイトオブゼロ、枢木スザクを討った英雄と呼ばれており、少し前にアッシュフォード学園を卒業した紅月カレンであった。
「どうしたんだ?俺に面会希望だなんて」
カレンはある事を聞きたくて、扇に面会希望を出していた。
「首相に聞きたい事がありまして」
「なんだ、聞きたい事って?それと、畏まって話さなくてもいいぞ?俺とカレンの仲なんだし」
「そう訳にはいきません。私は黒の騎士団として、ここに来てますから。…それで聞きたい事なんですが、''緑髪の少女''を探してるという噂は本当ですか?」
「っ!?」
――その反応、…''クロ''ね。
緑髪の少女…C.C.の事を聞いた時の、扇の反応を見たカレンは、噂は本当だと確信した。
「緑髪の少女の名前を言った方がよろしいですか?」
「…大丈夫だ。緑髪の少女とはC.C.の事なんだろ?言っておくが、その噂は嘘だ」
「…それは本当ですか?」
「あぁ。俺がC.C.を探す理由がない」
「そうですか。…すみませんでした。変な疑いを持ってしまって」
「気にしないでくれ。ギアスの事を知っていれば、疑いを持って当然だ」
カレンが持っている疑いは、しょうがないものだと、扇は苦笑いを浮かべながらそう言った。
「お気遣いありがとうございます。…これで失礼させていただきますね」
「もう行くのか?」
「はい。この後も予定がありますので」
「そうか。また今度来た時は、ゆっくりしていってくれ」
「ありがとうございます。それでは…」
そう言って、カレンは部屋を後にした。
その後、扇と面会をおこなった場所…東京政庁を出て、愛機である紅蓮が置かれてる基地へ歩きながら、カレンはある人物へと電話をかけていた。
『…私だ』
「あ、カレンです。今、大丈夫ですか?''ゼロ''」
カレンの電話相手は、ゼロの姿をしたスザクだった。
『大丈夫だ。…どうだった?』
「クロでした」
『…そうか』
噂の真実を調べてきてくれと、ゼロからお願いされた為、カレンは扇と面会をしたのである。
「どうするんです?」
『まず、扇がC.C.を探している理由を調べる。カレンは、そのまま斑鳩に戻ってくれ』
「了解です」
ゼロとの電話が終わったカレンは、携帯をしまいながら、ため息をついた。
「はぁ…。空の向こうで私達を見守ってくれているルルーシュに、何て報告すればいいのよ…」
カレンは悲しい表情を浮かべながら、暗くなった空を見上げてそう呟いた。
「…ごめんなさい、ルルーシュ…」
その頃、ルルーシュとC.C.はというと…、
「「寒い…!!」」
中華連邦の首都に向かって、夜の砂漠を薄着で歩いていた。
「おいルルーシュ!夜の砂漠が、こんなに寒いなんて聞いてないぞ!?」
「砂漠は昼と夜との気温差が激しいという事を失念していた…!というより、お前は知っていたはずだろ!?」
「覚えてるわけないだろ!?夜の砂漠なんて、100年近く来ていないんだぞ!?」
「記憶の回路はどうしたんだ!?」
「そんなもん、回路にあるわけないだろ!?」
「なら、ここの砂漠に嚮団のアジトがあったんだから、それぐらい覚えておけ!元嚮主だろ!!」
「無茶苦茶な事言うな!それに私が嚮主の時は、ブリタニアにアジトがあったし、移動する時は黄昏の間を使ってたんだ!!」
すると2人同時に、
「「…へっくしっ!!…それにしても、本当に寒いなぁ…」」
くしゃみをして、くだらない言い合いをしながら、中華連邦の首都を目指して歩いていった。