ロシアでの出来事から約1ヶ月が経ち、ルルーシュとC.C.の姿は中華連邦の首都にあった。
2人は砂漠を数日間歩いたが、無事、中華連邦の首都に辿り着けたので、今までずっと観光をしていたのである。
「中華連邦に来て1ヶ月近くが経つが、いつ日本に渡るんだ?」
「1週間後ぐらいには渡ろうと思っている」
C.C.がラーメンを啜りながら質問をして、ルルーシュもラーメンを啜りながら、その質問に答える。
2人は中華の街を観光していたら美味そうなラーメン屋を見つけた為、そこで昼食を取っていた。
「それにしても、ここのラーメンは美味しいな」
「たまにはこういうのもいいな。まぁ、ピザが至高なのは変わらないが」
「流石ピザ女」
その後も、2人はラーメンを啜り続けた。
「そういえば…」
「なんだ?」
ラーメンを食べ終えたルルーシュが呟き、同じくラーメンを食べ終えて満足そうに座るC.C.が、その呟きに反応をした。
「今から約2ヶ月後の''ゼロ''によって俺が討たれた日に、記念パレードをやるらしいぞ」
「お前から世界が解放された記念にか?」
「ああ。それと、二度とあんな事にならないよう、忘れない為でもあるだろうな」
と、お茶を飲みながらルルーシュが答えると、C.C.は複雑な表情を浮かべる。
「どうした?そんな顔をして」
「世界にとって祝うべき嬉しい日なんだろうが、私にとっては嬉しくない日なんだよ」
「…なるほどな。別にお前が気に病むこともないだろ?俺はこうなる事を覚悟してやったし、今はちゃんと、この通り生きてるだろ?」
「それでもな…」
そんな姿を見たルルーシュは、苦笑いを浮かべながらそう言ったが、C.C.は、それでも複雑そうな表情をしていた。
「でも、ありがとう、心配してくれて」
ルルーシュがそう言うと、C.C.は照れながら横を向き、ラーメン屋の外を見る。
そして…、
「……」
「……ん?」
外を見たままC.C.は固まった。
「どうした、C.C.。何かあったのか?」
「外を見てみろ」
C.C.に言われた通り、ルルーシュも少し疑問に思いながら外を見て、同じように固まった。
「…何で黒の騎士団が、この街を歩いているんだ…?」
「私に分かるわけないだろ…」
外には、黒の騎士団の制服を着た、20人ぐらいの集団が歩いていた。
「あっ、分かったぞルルーシュ」
「本当か?」
「ああ。100万人のゼロの真似だ。どうだ、疑問が解決しただろ?」
「そんなわけあるか。お前、ワザと言ってるだろ?」
「当たり前だ。私はそんなバカじゃないぞ」
「…まぁ、別にこの国にいる事に関しては、何かあったんだなと想像することは出来るんだが、この街を、しかもあんな人数で行動してる理由は、余程な事がないとありえないぞ?」
「この街で何か重大な事が起きたのか?」
「だから黒の騎士団がいるんじゃないのか?俺たちには関係ないことだが。…さて、昼食も食べたし、観光の続きでもするか」
「そうだな」
ルルーシュとC.C.は会計を済ませ、観光の続きをしに、手を繋いで街中へと消えて行った。
その日の夜、ルルーシュとC.C.は泊まっているホテルの部屋にあるテレビでニュースを観ていた。
ニュースの内容は、日本政府の高官の家族が誘拐され、中華連邦の街に監禁されていたのを黒の騎士団が救出し、事件を解決したというもので、その誘拐され監禁されていた場所が、ルルーシュとC.C.がいる街だった。
「ルルーシュ、このニュースは…」
「間違いなくデマだろうな。監禁されてる奴を助ける為に街中を堂々と歩くわけがない。別の目的があって、それを隠す為にこのデマを流したんだろうな。たぶん中華連邦の政府にも真実を話していない」
「ということは評議会も通していないな」
「ああ。考えられるのは、日本が評議会を通さずに黒の騎士団に依頼したか、黒の騎士団が独自に動いたかのどちらかだ。…中華連邦の政府には、誘拐されて中華の街に監禁されているという情報を黒の騎士団が掴み、独自に動いたと話しているだろうな」
「確か日本の首相は、あのもじゃもじゃ頭だったな」
「…扇な。そして黒の騎士団のCEOはゼロだが、総司令である星刻が現在療養に専念している為、藤堂が代理で総司令を務めている。だから扇が依頼すれば藤堂は黒の騎士団を動かすだろうな。…まぁ、昼間に言ったように俺たちには関係ないことだ」
ルルーシュは、そう言いながら寝る為にベッドに向かい、それにC.C.はついて行き、ルルーシュと同じベッドで横になった。
「おやすみ、C.C.」
「おやすみ、ルルーシュ」
ルルーシュはC.C.を軽く抱きしめ、髪を撫でながら目を閉じ、C.C.もルルーシュを抱きしめ返して、目を閉じた。
「いったい何を企んでいる?藤堂、扇…」
ルルーシュとC.C.が抱き合って寝ている頃、ブリタニア本国にあるアリエス宮の1室でそう呟く、ゼロことスザクの姿があった。
帝都ペンドラゴンがフレイヤによって消滅してしまったため、少し離れた場所にあるアリエス宮で作業をしており、今スザクがいる部屋はゼロの私室で、ゼロ以外に入る事が出来ないようセキュリティを厳重にしてあるので、この部屋ではスザクは仮面を取っていた。
「何故藤堂はこのような依頼を…それも、評議会を通してもいない依頼を受けた?黒の騎士団は日本個人の軍隊ではなく、合集国に"契約"している軍隊なんだぞ?仮に、依頼ではなく藤堂個人が指示したものとしても、何故自分に相談や報告がないんだ…」
そしてスザクは、黒の騎士団CEOである自分に何も言わず、騎士団を動かしてる藤堂に疑問を感じ、その理由を調べていたら、扇が藤堂に、嚮団跡地の調査と、C.C.の捜索を極秘に依頼していた事が分かったのだ。
「扇がC.C.を探している理由と嚮団跡地の調査の依頼をした理由は、おそらくギアスの情報が欲しいからだろうが、何故、今更ギアスの情報なんかを…」
そう疑問に思いながら、もう一つの情報、C.C.の目撃情報の資料を目にした。
「C.C.はロシアと中華連邦で目撃されているのか。…という事は日本に来るのか?C.C.と一緒にいるはずのルルーシュが、何処へ行くのかは分からないけど、世界を旅している2人の邪魔はさせない」
旅をしている2人の邪魔はさせないと、スザクは決意したが、
「…うん?1ヶ月程前に、ロシアで男をぶっ飛ばした女性の目撃情報?…もしかしてこれ、C.C.の事なんじゃ…」
という情報を見て、
――あの2人、本当に何やってるんだろ…?
…と、首を傾げるのであった。
それと同じく、日本の東京政庁の1室で、2人の男が話し合っていた。
日本の首相、扇 要と黒の騎士団総司令代理、藤堂 鏡志朗だ。
「それで藤堂さん、状況はどうなっています?」
「あまり成果は無いな。一応C.C.を探させている部隊とは別に、極秘でルルーシュが壊滅させたというギアス嚮団跡地を調べさせてはいるが…」
今、扇の手腕が悪いのと、それが原因で先の戦争の復興が遅れているせいもあり、日本の合集国としての立場は悪い方だったりする。
そこで扇は、日本の復興が遅いのはルルーシュとギアスを与えたC.C.のせいにしよう考えており、藤堂は、自身が日本至上主義者だからでもあるが、扇の目的を聞いた上で協力していた。
「しかし、C.C.の捜索は、中華連邦の政府に伝えている理由が理由のため、これ以上の大掛かりな捜索はできないし、嚮団跡地の調査も極秘でやってる為、そろそろ危ないぞ?」
「分かっています。…嚮団跡地の調査は評議会に通しましょう。藤堂さんが、ブリタニアのものと思われる施設の調査を黒の騎士団で行う、と言えば可決されると思いますし。そしてC.C.の捜索は、地道にやるしかないですね」
「承知した」
「では、よろしくお願いします」
そうして、扇と藤堂による話し合いは終了した。