恋する乙女と最凶の大剣   作:nasigorenn

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やっと一番書きたかったワールドパージ編ですよ。


百三十二話 久々の『生』の仕事

 さて、前回の話を簡潔に説明するかねぇ。

まぁ、毎度の如く何処ぞのお馬鹿がご自慢のオモチャを自慢しに来たんだが、その出来が良かったもんだから学園の連中は結構熱中したようだ。

オレんところにも遊びに来たんだが、そいつで遊んだけどよぉ……どうにもつまらねぇんだよなぁ。どうもお人形相手ってのは燃え上がらねぇ。

その原因ははっきりしてるんだがね。こりゃお人形を作った奴がそうだからとしか言いようがねぇんだが、単純に殺すって気が感じられねぇのさ。

そう、『コイツを作った奴は処女』だって感じ取れるくらいになぁ。

まぁ、多分そもそも殺すって意識がねぇのかもしれねぇがね。知ってる範囲ならあの『クソ神父』も似たようなもんだ。奴さん曰く、『神の御許へと誘う=殺す』だからなぁ。信仰心丸出しで勧誘してるのが殺すのと同意義なんだから、救いも何もあったもんじゃねぇよ。そういったタイプなのかもしれねぇなぁ。あのクソ神父相手ならこっちも充分楽しめるけどよぉ。

まぁ、オレの話なんざ誰が聞いたって面白みも何もねぇだろ。お嬢様なら喜びそうだけどよ。

んじゃ、今度は学園の連中のお話だ。

まず、今回の遊び相手に選ばれた専用機持ちの連中だが……殆どが修理行きだ。

お嬢様や会長、それに妹はそこまで損傷してなかったんだが、他の奴等の損傷が酷いようでなぁ。一週間程度は各国のお家に帰って治療するんだとさ。そこには勿論我等がヒーロー、イチカの白式も含まれてる。

あの後聞いたが、何でも大層な色男っぷりを見せつけたらしいじゃねぇか。その御蔭もあって妹さんも見事に陥落。会長さんも違うっていってるが、もう落ちてるようなもんだ。まったくもって罪作りな奴だよ、アイツは。その内友達100人じゃなくてハーレム100人出来るかなって感じになるかもなぁ。おぉ、背後からナイフで刺されそうで気が気じゃねぇなぁ。

まぁ、そんなわけで専用機持ちの大体がISを修理中だ。

それでこの学園の防備は大丈夫かねぇ。そう思わなくもねぇが、そもそも学園の防衛を専用機持ちに頼ってる方が可笑しいんだから、寧ろこれぐらいが丁度良いだろ。たまには仕事をしないと腐っちまうぜ、先生方。

 さて、そんなわけで、IS学園なのにISがねぇ連中は実に暇を持て余してるらしい。

 

 

 

「あ~~~~~、暇!」

「もう、鈴さん。だらしないですわよ」

「仕方ないよ、セシリア。ISがないから実技には参加できないしね」

 

昼休み時間になってお嬢様がファンとデュノア、それにホウキや子ウサギ、後会長の妹も交えて駄弁っていた。

何? いつも一緒に昼を喰ってるんじゃないのかだって? いくらオレでもそこまで一緒ってわけじゃねぇよ。お嬢様にだってダチとの交友は大切だろ。

んじゃオレはどこに居るかだって? たまには一人でゆっくりするのだって良いだろ。お嬢様達からは少し離れた席で一人、コーヒー片手に寛いでるよ。

酒じゃないのかだって? 生憎まだ昼休みだ。酒は爺さんのところ行ってからじゃねぇと飲めそうにねぇ。学生は真っ昼間から酒を飲むなってよ。

とはいえだ、コーヒーだって嫌いじゃねぇ。

この職業柄、酒の次に口にするのはコーヒーだからなぁ。こだわりはねぇが、それなりに味を楽しむくらいの知性はある。

流石はIS学園ってところなのかねぇ、良い物使ってるよ。

まぁ、誰だってオレのことなんざ知りたくはねぇだろ。それよりも気になる奴がいるだろ? そう、アイツだ。

アイツは今、此処にはいねぇ。だからこそ、ああして奴さんを大好きな連中はああしてお暇なんだとよ。

んで、この場にいない我等が色男は今何処にいるのかって聞かれるんだったら、こう答えるね。

イチカの野郎は現在、アイツのISの生まれ故郷である『倉持技研』に向かってる。

奴さんのISの手酷くやられたようだからよ。修理が必要なんだとさ。

そんなわけで現在、こうしてイチカの野郎を除いた連中は暇で暇で仕方ねぇんだと。

 

「それで……あんたは一夏とその……付き合ってるの?」

「それは僕も……知りたいかな~」

「そうだ、どうなんだ!」

「黙っていると身にならんぞ、吐け!」

「そ、そんな、私は一夏と、その……」

 

「「「「「一夏ッ!?」」」」」

 

暇なあまりにガールズトークに熱を入れる5人。

まぁ、ここは女なかりだからそういうもんなのかもしれねぇなぁ。

一人いびられてる妹さんが涙目だ。駄目だぜ、そのお嬢ちゃんを虐めちゃあ。この学園でも有数のおっかないお姉ちゃんが飛んでくるからよぉ。

それを知ってるからなのか、お嬢様は周りの連中に呆れた顔を向けてる。

 

「もう、皆さんイジメ過ぎですわよ。別にいいじゃないですの、更識さんが織斑さんとどのような関係なのかということは。寧ろそうならないために、自分自ら行動してこそだとわたくしは思いますわ」

「オルコットさん………」

「セシリアでいいですわ。わたくしもアナタと同じ専用機持ちなのですから。好敵手としても、友人としても仲良くしましょう」

 

お嬢様の救いの声に妹さんが感動して嬉しそうに笑う。

さっすがお嬢様。周りよりも余裕が合って結構だ。

だが、周りはそれが面白くねぇらしい。

 

「うっさいわね、このバカップル! 何よ、自分はもう恋人がいるからっってそんな低脳な話には乗りませんっての!」

「セシリア、彼とはどうなってるのさ。僕達よりも随分と余裕そうじゃない」

「おい、前から言っていたが、あれほど止めておけと」

「も、もう、キスとかしたのか!」

 

イチカ大好きな4人組からの集中砲火を受けるお嬢様。

さて、そんなお嬢様の反応はと言えば………。

 

「…………ぁぅぁぅ……」

 

少し吹きかけちまった。まさか人間が本当にそのままボンッと真っ赤になるなんて思わなかったからなぁ。

お嬢様はそれはもう可愛らしく顔を真っ赤にして慌て始める。

その様子に周りの奴等は食い付いた。

 

「え、何この反応? セシリア、アンタ一体、何処まで行ったの……」

「え、もしかして……もう『しちゃった』とか?」

「何をしたんだ? シャルロットは知ってるのか?」

「は、破廉恥だぞ! もう、その……同衾とか、その……っ~~~~~~」

 

周りの連中も顔が信号みたいに真っ赤になったよ。このまま全員止まれって感じだが、頭の中は寧ろノンストップで暴走してるらしい。お嬢様は根堀葉堀聞かれて少しずつだが漏らし始めてる。

 

「そ、その……口の中に舌が………それが動き廻って、頭の中が真っ白に………」

 

「「「「「キャーーーーーーーーーーーーーーー!!」」」」」

 

ついこの間ちょっとばかしあったが、この学園は『平和』だねぇ。

平和なのは悪くはねぇが、ちっとばかし、やっぱり暇を持て余しちまう。いや、どうにも腐りそうな気分になる。

そう、たまには………。

 

『生の戦場で思う存分暴れたい』

 

本来の御仕事をしたくなるもんだ。

あれ、こうして思えばオレは実に仕事熱心な会社員じゃねぇか。もう少し給料に色を付けても悪くはねぇと思うんだがね。

そう思いながらお嬢様達を眺めていたんだが………やっぱりと言うべきか、IS学園はイベント満載だ。

急に電気が落ちたと思ったら、各自のシャッターが閉まり始めた。それも内側じゃなくて外側からの侵入を防ぐシャッターがだ。

 

「なんだ、コレ?」

「ねぇ、シャルロット」

「可笑しいよ。非常用の電源に切り替わらないし非常灯も付かない」

「内側ではなく外の窓などのシャッターだけが降りた? つまり外を警戒しての行動となると……敵襲かもしれませんわ。それにこの非常事態に可笑しな状況……多分ハッキングか何か受けているのかも」

「お姉ちゃんに連絡してみる」

「皆、この場から散って動くな。固まった方が行動しやすい」

 

お嬢様達もこの事態に驚きつつも対応し始めてる。

何だかんだでやっぱり皆慣れて来たってところかねぇ。

そう思ってるとISのオープンチャネルから通信が入った。

 

『専用機持ちは全員、地下特別区画へと集合。地図は転送する』

 

チフユからそんな通信が入って来た。

どうやら只事じゃないらしい。呼ばれたんで行こうと思いお嬢様達と仲良く行こうかと思ったんだが………もう此処まで来て言わなくてわかってんだろ?

 

「もしもし、爺さん。このワクワクする停電タイムに何の用だい? どうせ使いっ走りにされるのは目に見えてるけどよ」

 

そう爺さんからのラブコールだ。全くもって嬉しくねぇなぁ。

 

『そう言わずに。ここ最近学園生活をしていて(暇)だと思っているでしょう? そんな貴方に朗報です。この非常事態に織斑先生の対応。その答えは?』

 

そう聞かれると期待に応えたくなるじゃねぇか。

オレは口元でニヤリと笑いながら爺さんに答える。

 

「どこぞの馬鹿が遊びに来る」

『正解です。この停電はハッキングで行われたもの。つまり、それをしたであろう人物が狙ってきたというわけですよ。まぁ、このハッキングに乗じて来る人達もいますが』

「因みに聞くが、何で『そんな間抜け』はここに遊びに来るんだ。下手に此処を襲えばバレたら火傷じゃすまねぇだろ」

『実は先日の無人機襲撃事件の際、二つほど織斑先生がコアを無傷で確保したんですよ。それを秘匿したのが漏れたようでして。まったく呆れてしまいます。織斑先生も私も、表に出せば騒ぎになるから隠したというのに』

「まったくだ。連中はそんなにオモチャの電池が欲しいのかい? もう少しまともなお脳なら、そんなアホな考えはしなかっただろうに」

 

そんな会話をしながらオレは一人で歩いて行く。

ただし、向かう先は地下じゃなくてオレの寮の御部屋だ。ご丁寧にその道だけシャッターが開けられてやがった。

何でそんな所に向かってるかだって?

そいつはさ、ガキが信号を渡るときに左右の確認をするくらい常識的な、当たり前のことだよ。

そしてオレが考えてる通り、爺さんはそれを口にした。

 

『そう言う訳で改めて正式に御仕事です。これから指定する場所から侵入してくるであろう人達を一切通すことなく『全滅』させて下さい。それも一人残らず皆息の根を止めて。何でしたら『貴方達流』で結構ですので。その区画は幾ら壊しても構いませんから………『災厄の嵐』が居る所に手を出したらどうなるのかを教えてあげて下さい』

「あいよ。久々の『生』の仕事だ。思いっきり楽しませてもらうぜ、爺さん。後で壁中真っ赤なアートで染まったからって苦情は受け付けねぇよ。それと、サービスに残ったモンは全部纏めて連中のお家に送ってやるよ。日本の宅急便は優秀だって世界に宣伝してやるぜ」

 

 

 さぁ、しばらくぶりの生の御仕事の開始だ。

 

思いっきり暴れるとしますかねぇ……おっと、いけねぇなぁ。楽しみで楽しみで笑いが止まらねぇよ。こんな顔、お嬢様には見せられねぇな。

まぁ、仕方ねぇだろ。

何せ………『ここから先は20歳未満禁止』なんだからよ。

 

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