恋する乙女と最凶の大剣   作:nasigorenn

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まだ殺戮は始まらず、そしてお嬢様がどんどんエロいことに……。


百三十三話 盛大なおもてなしは大切だ。

 実に面白いことになって来やがった。

どうやらこの学園に本格的に遊びに来た連中がいるらしい。さっそくシステムを乗っ取るなんてアポを取ってきた辺り、連中さん達が如何に遊ぶのにお熱なのかが良く窺える。

だからオレは周りの奴等とは別行動。最初に向かうのはチフユに言われたステージじゃなくて自分の御部屋だ。

いや、敢えていうならお嬢様とオレの愛の巣ってやつか(笑)。

その部屋に入ると支度をするオレだが、この部屋は殆どお嬢様に譲ってるからなぁ。簡潔に言うと、ぱっと見じゃオレの荷物なんてモンは必要最低限しかねぇ。

んじゃどこに必要なオモチャがあるのかだって? そいつを今から教えてやるよ。

オレはまず、お嬢様のベットの下に潜り込む。え? 乙女の寝所の下に潜り込むなんて恥知らずだって? そう言うなよ。まずはここにあるんだからよ。

ベットの下から引っ張り出したのは、アタッシュケースが二つ。その中身はオモチャの弾がぎっしりだ。

何でお嬢様のベットの下かだって? おいおい、テメェの手元に置いておくのはバレバレだろ。逆にありえねぇ所の方がばれにくいんだよ。

他にも色々あるぜ。オレは更にそこから色々と動く天井の排気口やら床に設置されてる収納スペースやらから色々と引っ張り出す。

中身はオレのパーティー用のスーツに各種クラッカー、それに手品グッズの数々さ。

これだけあれば本格的なパーティーでも胸を張って皆の前に出られるってもんだよ。

お嬢様はあまり部屋のモンに執着しねぇから、隠し場所には困らないんでね。御蔭で随分と助かってる。

そいつ等を着込んで身体に仕込みいざ参ろうか、パーティーにってなぁ。

だが、その前に顔を出しにいかねぇと五月蠅そうなんでね。まずはお嬢様の所に行って様子でも窺ってくるかねぇ。

そう思いながらオレは地下特別区画とやらに向かって歩き出した。

 

 

 

 さて、チフユに呼ばれた場所に向かってみりゃ、丁度何か始めようって感じだ。いきなり現れたオレを見て奴さん達が何やら驚いた目をしてやがる。

因みに全員ISスーツだ。ISを修理に出してる連中が何でISスーツなのかはしらねぇが、この学園で安全性を考えるんならISスーツの方が幾分かマシかもなぁ。あぁ、それと我等がクラス一の色男はまだ帰ってきてねぇよ。向こうも向こうで予定ってもんがあるんだよ。

奴さんも可哀想なもんだ。こんなパーティーでキャンプファイヤー付きのビックイベントに参加出来ねぇんだからなぁ。参加出来たなら、奴さんも一旗あげてより箔がついただろうにってか? まぁ、そんな冗談はおいとくか。アイツにゃぁ刺激が強すぎる。これから開かれるのは『大人の社交場』だ。お子様で童貞処女なお坊ちゃんお嬢ちゃんには早すぎるんでね。

それはそれとして、お嬢様が目を輝かせてる中でさっそくチフユがおっかない目で睨んできやがった。

 

「ハーケン、私は早く来いと言ったはずだ。それにその恰好は…」

「悪いね、こっちもちょっとした『御仕事』だ。爺さんが遊びに来る来客を『手厚く歓迎しろ』ってさ。だから悪いが、オレはこっちのパーティーには参加できねぇ。こっちに来たのは、まぁチフユに言わねぇとおっかない目で睨まれるのが恐かったのと、それにだ……お嬢様の顔を見にね」

「れ、レオスさん………」

 

お嬢様は途端に顔を赤くしてた。

こうやって直ぐ赤くなるところは可愛げがあるもんだ。出来ればこの先もずっとそんな素直な娘で居て欲しいよ。間違ってもあの冷血鉄面皮な上司様のようにはなってほしくねぇもんだ。

こう言えば、流石のチフユも文句は言えねぇ。見事にぐぬぬって感じな面で睨んできた。前から言ってるが、美人がきつい目で睨むとかなりおっかないんだ。あまり睨まないでくれよ。善良で小市民で小心者なオレはビビってちびりそうになっちまうだろ。

 

「それにそれはお前さんも一緒だろ。爺さんから聞いたが、会場入り口のゲートは3つ。それを会長さんとオレ、それとアンタの3人で請け負うって話だったはずだけどよ。アンタは爺さんから聞かされてねぇのかい?」

「くっ……またあの人は……」

 

どうやら爺さんは伝えてねぇらしい。まぁ、チフユもまだまだ若いからねぇ。

オレの歓迎内容があまりにも濃すぎて知られると面倒ってのもあるんだろうさ。会長さんの姿はねぇが、もう向こうも動いてるんだろ。あっちも随分と若いからなぁ。処女だから、まぁ捕まえて終わりじゃねぇのか。天下のISもあることだしね。

え? オレは使わないのかって? おいおい、そんなつまんねぇ真似するかよ。せっかくの『本番』があるんだぜ。そりゃ直に楽しまなきゃ損ってもんだろ。

だからオレは使わねぇ。元から宛にもしてねぇ

せっかくの『戦場』だ。とことんやらせてもらわねぇとなぁ。

チフユが黙りを決めてマヤが慌ててるのを尻目に、オレはお嬢様の方に歩いて行く。お嬢様は近づいてくるオレを見て凄く嬉しそうに笑ってらっしゃる。

 

「よぉ、お嬢様。そっちはどんなダンスを踊るんだい?」

「レオスさん……私達はこの後、電脳ダイブを行いクラッキングをしますわ。何でも、ISのコアネットワークを介したハッキングのようで、通常の手段では間に合わないらしいのですわ」

 

それでお嬢様達が呼ばれたわけか。

コアネットワークってのは、確かISのコアによって情報交換が可能な通信網だったか。そこからハッキングを掛けている奴がいるらしい。それで専用機持ちが呼ばれたと。このクラッキングは確かに専用機持ちでもなきゃ出来ねぇ手段だなぁ。まぁ……ちと臭すぎるきらいがあるが…な。

するとお嬢様は少し険しい顔をしてきた。

 

「でも、レオスさんにそんな話が来ていたのなら、私も入って一緒に敵を捕まえた方が……」

 

どうやらお嬢様もこっちにきたいらしい。

だが、それは駄目だ。何せここから先は洒落にならない生の『殺し合い』だ。お嬢様にはずっと触れさせたくない部類なんでね。

だからこそ、オレはお嬢様にお断りをいれる。

 

「駄目だ、お嬢様。お嬢様はこっちに残って妹さんのサポートと護衛してやんな。勿論、電脳ダイブは無しでだ」

「な、何でですの!?」

 

お嬢様は断られたことにショックを受けつつも何故かと聞いてくる。チフユもオレの案に文句が言いたそうだ。お嬢様の口ぶりだと、大体妹さんを除いて全員でダイブってところだろ。それはあまりにも『不用心』だぜ、チフユ。

 

「何も全員ダイブする必要がそもそもねぇだろ。ホウキにファンにデュノアの子ウサギ、これだけでも4人もいるんだ。それ以上はいる必要はねぇ。そして妹さんは一人だけ。サポートの必要性はあるし、いざこっちが攻められた時に防衛力は必要だ。その点、今もISが健在なお嬢様なら最適だしなぁ」

 

そもそも、どうしてこっちががら空きになるような作戦を立ててるのかねぇ。そっちの方が余程疑問だ。一体誰が考えたのやら。わざととしか思えねぇよ。

チフユは何とも言えない面をしてる辺り、何もいえねぇよなぁ。

 

「だからよ、これはお嬢様にしか頼めねぇ仕事だ。『頼んだぜ、お嬢様』」

 

そう言うと、それまでむくれてたお嬢様は華が咲いたかのような笑顔になった。

 

「レオスさんに頼まれましたわ………私、頑張りますわ!」

「おう、任せたぜ。こいつは『お嬢様にしか頼めねぇんでなぁ』」

「はい!」

 

因みにおだててるわけじゃねぇ。本当にお嬢様にしか頼めねぇんだ。

現在の戦力でここの防衛が出来るのはお嬢様しかいねぇんだからなぁ。

お嬢様はオレに頼まれたことでやる気満々のようだが、まだ皆の所には戻らない。

何やら上目使いで頬を赤く染めながらモジモジとし始めた。

 

「そ、その、レオスさん…」

「なんだい、お嬢様?」

「その……ちゃんと出来たら、その……ご褒美が……」

 

あぁ、言いたいことが分かってきた。どうやらお嬢様、癖になってきてるらしい。

女を磨くのは感心だが、如何せん淫欲が強まるのは若いものとしてどうかと思うぜ。え、仕込んだオレが言うなって? そう言われると身も蓋もねぇなぁ。

だからさ、そんなお嬢様には笑顔で返してやるのさ。

 

「あぁ、勿論だ。飛びっきりの奴をくれてやるから、楽しみにしておきな」

「は、はい!」

 

そしてお嬢様はやる気を漲らせて皆の所に戻って行ったが、周りの奴等は何か気になってるようで全員顔を真っ赤にしてるよ。想像良く豊かなことだ。

 

「んじゃ、そういうわけでオレは行くぜ。あぁ、勿論応援はいらねぇよ。せっかくのステージだ。邪魔はされたくねぇんでな」

 

それだけ言うと、オレはこれから文字通り『燃え上がるであろう』ステージに向かって歩き出した。

 

 

 

 そしてお客さんが来るまでの間に、出来うる限りの歓迎グッズを設置して待つことに。

未だに真っ暗な広い通路内は物静かだ。物音一つしねぇ。

普通だったらこれで問題無しだと判断するだろうさ。

だけどよ……オレは口元をつり上げて思いっきり笑った。

 

「腐った血と臓物の臭さは隠せねぇよなぁ……なぁ、お客さん」

 

その声と共に、少し言った先のクラッカーが盛大に弾けて通路を真っ赤に照らした。

 

「さぁ、オレこと『巨人の大剣』が一人、レオス・ハーケンの殺戮ステージにようこそだ! こんな場所から遊びに来た時点で、お前さん等には参加資格は充分だ。だからこそ、思いっきり楽しませてくれよ、なぁっ!!」

 

 そしてオレの手が掴んでいるオルトロスが火を噴いた。

 

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