恋する乙女と最凶の大剣   作:nasigorenn

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何だか変な感じになってないか心配ですね。


百三十四話 久々に生仕事。やっぱりこっちの方が楽しいねぇ

 真っ暗だった通路内が一気に真っ赤に燃え上がった。

それと共に騒ぎ立てるお客さんのざわめきが距離があるのに聞こえてきそうだ。

曰く、

 

「何でだっ!? センサーに一切の反応なんて無かったぞ!」

「床が爆発した!? 何でこんな通路内にそんな、地雷が!」

「さっきので10人くらい駄目になったぞ!?」

「ちっ! こうも簡単に気付かれるとはなぁ!」

 

だそうだ。

うんうん、まず最初の花火は好評のようだ。お客さんを歓迎するんならこうじゃねぇとなぁ。

あぁ、ちなみに言っておくが、大層な花火じゃねぇからな、さっきのアレ。

寧ろ真逆の代物だよ。中古も中古、寧ろ骨董品の部類だ。最近普通に使われてる高性能CPU搭載の地雷じゃなくて、ありゃ第二次世界大戦とかで使われてた火薬と圧力で反応する実に単純な地雷だよ。最近のセンサーじゃ反応しないような程原始的な代物さ。床板には細工させてもらったがね。

何でそんなもんを使ったのかって? そいつは勿論、サプライズだからに決まってるだろ。まぁ、高性能な物を突き詰めていくと、逆に古い物には対応しなくなるってのを利用しただけさ。良くあるだろ、ゲーム機が最新機種になると古い前の機種のソフトは一切使えなくなるってのが。まぁ、オレは詳しくがしらねぇよ。部隊内のゲームが好きな奴がよく愚痴ってたのを聞いたことがあるだけだ。

それは何もゲームだけじゃねぇってこった。

真新しいオモチャにはまりまくってるお子様にゃぁ、古き良きものの良さはわからねぇってなぁ。

そんなわけで、物の見事に歓迎を受けた連中はこっちに向かってきてる。

だが、

 

「まだまだオレの歓迎は始まったばかりだぜ」

 

そう、奴さん達が来る前に仕掛けさせてもらったクラッカーがまだ鳴ってねぇ。

そいつを聞いて初めてこのパーティーの始まりの鐘が鳴るってモンさ。

さっきの地雷で疑心暗鬼になってる間抜けな奴等を更に呷るための鏖殺の鐘がなぁ。

そして奴さん達はおっかなびっくりに、でも急ぎ足で来る。

そして今度は引っかからなかったらしい。

 

「これは……ワイヤートラップか。そしてこの先は……手榴弾のピンにくくりつけられてると」

「随分と典型的なトラップを使ってきますね」

「先程の地雷も今にして思えば随分と古い手でした。まさか通路に地雷を仕掛けるとは思いませんでしたが」

「この先にいるのは一体何者なんだ? ここはIS学園だろ。いくら何でもこのような手を打つような存在が居るとは……いや、一人だけ思い当たる人物がいる…」

 

すっかり筒抜けな会話に笑いが込み上げてくるのを堪えつつ、オレはそんなお利口さんにご褒美をあげてやることにした。

 

『どうやら正解にたどり着いたらしいなぁ。そんなお利口さんには豪華なプレゼントをくれてやるよ』

 

「「「「「!?」」」」」

 

そして手元にあるスイッチのボタンを押す。

それと共に、奴さん達が今いる近くに仕掛けてある『本命』が起動した。

 

『パパパパパパパパパァンッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!』

 

炸薬が連続で炸裂する音と共に、金属が壁を削り始める音が鳴り始める。

そして同時に、

 

「―――――――――――――――――――――――――――――――!?」

 

まさに阿鼻叫喚って奴の叫び声が聞こえてきた。

うん、中々に喜んで貰えてるようだぜ。

 

「なっ、クレイモアだと!」

「これを仕掛けた奴は人でなしか!!」

「う、腕がぁああぁああぁあぁああぁあああぁあああああああ!!」

「隊長、先程のクレイモアにより五名が死亡、残り五名が行動不能となりました! 行動不能者も急いで搬送しないと死んでしまうほどの重傷です!」

 

そう、オレが仕掛けたのは指向性爆雷クレイモアだ。室内なんかに仕掛けると、ボールベアリングがイイ具合に弾けて周りの連中に思いっきり襲い掛かるって代物だよ。御蔭であっちは大変なご様子だ。目の前でお仲間がミンチに早変わり、明日からは健康志向のベジタリアンに鞍替えするだろうさ……明日があればだがね。

やっと鳴った、もとい鳴らしたクラッカーのファンファーレを聞いて始まりに心躍らせる連中にやっとオレは姿を現す。

オレの姿を見た途端に警戒を顕わにする連中。その恰好は何とも可笑しな恰好だ。一部が消えてる奴等が幾人かいて、それ以外は血まみれになって倒れてる奴。そして無事な奴でも全身を防弾ジャケットで覆って実にそれらしい恰好だ。

そんな連中を見て、オレはどこの御国の奴等かを考える。

そして直ぐにどこの国から送られてきた間抜けかを気付いた。

 

「その投影型外套、そいつは確かアメリカの連中が使ってたオモチャだったよなぁ。つまりお宅等はアメリカのもんか。前の臨海学校の時に来た連中とは違う部隊って事を考えると、アメリカ軍も一枚岩じゃねぇってこったなぁ、えぇ」

「……やはりそうか。このIS学園に『災厄の嵐』が転入しているとは聞いていたが……」

「くそっ! 貴様がビリーを!」

「撃て、撃てぇえぇええええええええええええええええええええええ!!」

 

もう待ちきれなかったのか、半狂乱気味に叫んだ奴を皮切りに奴さん達から銃撃が飛んで来た。

これ以上のお喋りは結構だとさ。後は『こっち』で語り合うことにしようか。

オレは早速オルトロスを構えて奴さん達にぶっ放した。

通常弾頭でデザートイーグルと同じ威力を実現させたこいつから放たれた銃弾は、例え技術が進んでも防弾ジャケット程度で防げるもんじゃねぇよ。

発射された銃弾は狙い通り、こっちにライフルを向けて来た奴の心臓に当たってそいつの後ろに真っ赤なアートを描いた。

 

「ちっ! 散開して十字砲火!」

「やらせるわけねぇだろ!」

 

オレから距離を取って銃弾の雨を浴びせさせようとする連中にそう叫ぶと、笑いながら連中の集団に飛び込む。

銃撃戦では相手との距離がものを言う。詰まるところ間合いに入られちまうと、下手には撃てねぇのさ、特に取り回しが悪いもんだとなおさらになぁ。

下手に撃てばお仲間に当たっちまう。味方撃ちなんて御間抜けをやらかす馬鹿はこの場にはいねぇだろ。だからこそ、この超至近距離じゃ連中の銃は役にたたねぇ。

 

「な、ナイフを!」

「おせぇよ、ボケ!」

 

オレが目の前に来たことでナイフを引き抜こうとする。その動きは一応は鍛えられていることが窺えるが、それでもオレには追いつかねぇ。何せこっちは『既に抜いている』んだからよぉ。

オレは叫ぶと共にオルトロスを目の前の奴の首目がけて一線。いつもよりもノリ気で振るったそれは、そいつがナイフを引き抜くよりも前に首に食らい付き、見事にそいつの首を宙に舞わせた。

 

「くそ、アイザックが殺られた!」

「奴は銃剣でこっちをバラしてくるぞ! 急いで離れろ! ライフルじゃ駄目だ、ハンドガンに切り替えろ!」

 

チンピラと違い冷静に対処するのは流石は軍隊ってところだねぇ。

だが、それだけで止まる程柔でもないんでね。

 

「そんなもんは常識だろ。そんなんじゃオレは満足させられねぇなぁ!」

「なっ、ぐがっ……」

 

連中がハンドガンでこっちを狙おうとするのは予想済みだ。この距離でナイフじゃ無理ならハンドガンか格闘にならざる得ない。でも、格闘で下手に手を出そうもんなら、その手は思いっきりサヨナラすることになるから連中は下手に手をだせねぇ。つまりハンドガンでしか対応できねぇってわけだ。それにハンドガンなら防弾チョッキで防げるから、味方に当たっても致命傷にはならねぇってなぁ。

だが、そんな『甘さ』で殺し合いを楽しめるかよ。

オレがそいつを教えてやるよ。

オルトロスの銃剣で近づいてはぶった切ってたわけだが、そろそろ撃たれそうだと判断したら、そこからは少し毛色を変える。

近くに居た奴を思いっきりオルトロスでぶっ刺して、そいつを盾として使うのさ。

 

「これでオレは鉄のスコールが来ても一安心ってなぁ」

 

盾にされた奴に向かって降り注ぐ弾丸の雨。オレはその盾の後ろで安心した面でそう言うが、盾は可哀想なことにもうボロボロだ。心臓が動いてねぇ。いくらハンドガンでもしこたまぶち込まれれば防弾でも耐えられないらしい。連中の数は今じゃ30人。最初はその二倍は居たようだが、度重なる歓迎に数が減っていったって感じだ。だが、それでも30人からなるハンドガンの嵐は充分におっかねぇ。

 

「そんな熱烈にアタックをかけられちまうと照れちまうねぇ。んじゃ、今度はオレからお返しだ」

 

そして今まで盾にしてた奴を連中に向けたままオルトロスの引き金を引く。

その途端、盾にしてた『肉の塊』は一気に弾ける。

 

「ひっ!?」

「くっ」

 

そのまま弾けた肉片と共に飛び出した弾丸が近くに居た奴の脳天にあたり、更に脳漿を床にぶちまける。

その実にアート染みた光景に顔は見えねぇが、全員実に『イイ顔色』してるってのが良く分かる。

経験豊富な奴は落ち着いてこっちに仕掛けてくるが、どうにも若い経験不足な奴は目の前で弾け飛んだお仲間の血を浴びて腰が引けてるみてぇだなぁ。

だが、だからって……容赦なんてもんをかける気はサラサラねぇよ。

 

「おいおい、お前さんも分かっててここに来たんだろ。もっと楽しまなきゃ損だぜ」

「ひっ、や、やめろ! やめっ……」

 

腕に仕込んだ極細ワイヤーを投げて腰が引けている奴の足を絡め取り、そのまま思いっきり引っ張り込む。

顔はみえねぇのに何となくわかるが、随分と怯えた真っ青な顔だ。それは実に身体に悪そうなんでなぁ。オレが『温めて』やるよ。

 

「随分と顔色がわるいじゃねぇか、ん? だったらオレが身体が温まるもんをくれてやるよ」

 

そして手元に引き込むと共に懐から『粘土状』の代物を取り出してそいつの腹に叩き着ける、勿論、『マッチ棒』もちゃんと差してな。

そしてその勢いのままそいつを連中が集まってる一角に放り込む。

 

「た、助けっ」

「来るなぁあぁああああぁあああああああぁあああ!!」

「仕方ない、今すぐそいつを殺せ」

 

経験不足な連中が叫ぶ中、それなりに『やれる』奴が冷静な指示を出してお仲間を撃ち殺した。

だが、死んだところ止める気はねぇぜ、オレは。

ニヤリと笑いながらオレは信管のスイッチを押した。

そして皆が予想する通り、確かにそいつは『温かく』なったよ。

爆発音と弾ける肉体。飛び散るのは生焼けの肉片と色々な臓物。

あっという間にその場で汚いアートの出来上がりだ。勿論、巻き込まれた連中も真っ赤になりながら呻いてる。

 

「でも、まだ始まったばかりだろ。もっと殺ろうぜ、なぁ!」

 

 そして再びオレは連中にオルトロスを振るっていく。

腕や足を斬り飛ばし、頭や胸と吹き飛ばし、愉快に笑いながら連中を肉のオブジェに変えていくのは、まぁまぁに面白い。

後半になってからは今までよりも難易度が上がってきた。何せそれまで殺してきた奴等と違い、実戦を経験しまくった玄人が残ってたからなぁ。

だが、それでも……殺しちまったがね。

確かにイイ腕してたよ。格闘も銃撃も悪くねぇ、思考だって冴えてるもんさ。何度もひやっとさせられたよ。

だが、それでも……やっぱり硬いんだよなぁ、その考え方が。

まさか銃がなければぶっ放せないとは思わなかったらしい。確かにその腕でオレはオルトロスを両方とも手放されちまったが、ここはお前さん等が持ち込んだオモチャが一杯在るんだ。何も撃つのに困りはしねぇよ。

それで奪い取ったライフルをそいつの腹に叩き着けてフルオート。

あっという間に内臓がミンチにされて事切れちまった。

それ以外にも色々としたが、そいつは言わなくてもいいだろ。お食事中の皆には悪いからなぁ。

そして最後の一人になったって訳だ。

周りはあっという間に火の海。肉の焼ける香りが何とも香ばしいことで。

床は真っ赤になっちまってるから、清掃業者には悪いことをしたとは思ってるよ。反省はしてる。けどするだけだ、もう一回しないとは言えねぇなぁ。

 

「ば、化け物………悪魔だ」

 

残ったのは一応はこの部隊の上の方の奴らしい。

と言っても、そいつの顔は実に愉快な面になってる。

フェイスガードを外してるわけだが、それは顔周りがゲロまみれだからだろうさ。その面が真っ青になったまま怯えた目でオレを捕らえてる。

そんな奴にオレはニッコリと笑いながら答えてやった。

 

「おいおい、オレはただのサラリーマンだぜ? そいつは心外だよ。別にオレは何でも無い、お前さんと何もかわらねぇただの金貰って働く社会人だっての」

 

そう言うと、奴さんは信じられねぇって感じに首を横に振る。きっと気付いてねぇようだが、下の口が思いっきり解放してダダ漏れだ。

流石にここまでいくと哀れみを持っちまうねぇ。だから少し抱け慰めの言葉を掛けてやるか。

 

「最後くらい慰めてやるよ。いいか……アンタ達は悪くねぇ。仕事に良い悪いはねぇんだからなぁ。悪かったのは……アンタ達の運だよ」

 

そしてオルトロスを奴さんに向けて慈悲の一撃を入れてやった。

弾ける脳漿と血肉。力なく倒れたそいつは自分が出した汚物にまみれた。

 

「さて、こっちは取りあえず終わったし、今度はお嬢様の様子でも……あぁ、その前に『お片付け』が残ってやがったか。面倒臭ぇなぁ」

 

そう洩らしながら、オレは死体袋の用意を始めた。

 

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