恋する乙女と最凶の大剣   作:nasigorenn

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これで本編、終わりです。


百七十三話 その後の話とオレの行く末

 あぁ~いや、時間ってのは充実してるとあっという間に過ぎるもんだ。

最初の頃は実に面倒で、こんな退屈な所に3年間も缶詰みてぇに詰め込まれるのかなんて腐っていたもんだったが、それもある程度慣れれば寧ろ速く時間が過ぎていっちまう。

いや、感傷に浸ってるなんて柄にもねぇ事をしてるわけじゃねぇさ。

何が言いたいのかってぇと、今からオレが話すのは亡国の間抜け共を月の裏側までぶっ飛ばした後の話だ。あの後何があったのかを端折ってなぁ。

時間だけで言えばもう3年が経っちまった。当然オレ等一年も卒業したわけさ。オレからしたら卒業したら何があるってわけでもないんだがね。ただいつも通りにお仕事ってだけ。生温いバケーションの終わりって所だろうよ。

まぁ、そんなオレのことは後でもいい。

あれから3年経ち卒業したことによって周りの連中がどうなったのかを教えようじゃねぇか。皆だってオレの現在よりも他の奴らの方が気になるだろ。

 んじゃまずは我等がヒーローであるイチカの野郎から。

奴さんは在学中にそれはもう色々としでかしてくれたよ。事あるごとにあの6人と一緒に暴れては周りに被害を出してチフユ達から怒られまくってた。しかもそれが殆んど野郎の取り合いだってんだから笑えちまう。それを本人が気付かない所が尚更になぁ。野郎の鈍さはそれこそ世界一かもしれねぇよ。世界を股にかけてる企業の人間が保証してやる。ありゃそれこそオリンピックに出したっていいくらいの鈍さだ。なんならギネスに載せたっていい。

そんな鈍い奴だから、当然誰かとくっつくなんて事はなく、今でもその小競り合いは続いてる。そうそう、奴さんは学園卒業後、急いで日本の代表候補生になって今尚頑張り中だ。

何せ奴さんをそれまで護っていた学園のご加護とやらが切れちまったんでね。奴さんはモルモットにされるよりも御国の為のアイドルになることを選んだわけさ。

 次にホウキだが、こいつは予想通りって所だな。一夏の野郎を追っかけて一緒に日本の代表候補生になってるよ。

何せ第四世代機持ちだからなぁ。この3年間で実力もそれなりに身につけて、結構いい線はいったんじゃねぇかなぁ。まぁ、だからといっておバカな部分は変わらねぇし、戦術的な視野の狭さは相変わらずで詰めが甘い。だから未だに『候補生』なんだよ。それにあの巨乳だ。グラビアの仕事がかなり来てるらしいが、当然お断りだとよ。そいつをもう少し考えればイチカのニブチン野郎を振り向かせられるかもしれねぇってのに、相も変わらずオツムが残念なことで。いっそのこと押し倒してヤッちまった方がいいとさえ思うよ、本当。

 んで今度はファンだな。アイツもアイツで中々に問題を起こしてイイ感じで面白い事になってるよ。

アイツって中国の代表候補生だったろ? あの実力からしてこの度代表に決まりそうですってことになったわけなんだが、卒業したら愛しい愛しい王子様と離れ離れになっちまうだろ。これがまだ遠距離恋愛ってんだったらそこまで焦らなかったんだろうが、王子様の周りにゃぁ手前と同じようなホの字の連中だらけだ。抜け駆けでもされたら溜まったもんじゃない。

そんなわけで中国の代表になりかけだってのに、本人は日本に残るって言いだしてるってわけだ。代表がその国に居ないってのはおかしな話だろ。でもそれがいやだっていうんだかからどうしたものやらってなぁ。まさに色恋ってのは恐ろしいもんだよ。

 まぁ、そんな感じでお次はデュノアなんだが、これまたお笑い草ってもんさ。いや、そもそももうデュノアじゃなかったか。

え、それってどういう意味なのかって? そいつについてはちゃんと話すから待てって。

あのお譲ちゃんはさ、他の奴等と違って手前の身分ってのがあやふやで危なかっただろ。それは今まで学園のお陰で何とか黙らせてこれたんだが、卒業しちまったらそれもないわけで、当然問題として浮かんでくる。そんなわけで、本来ならデュノア社に強制的に連れて行かれるはずだったんだが、ここでチフユが手を打ったんだよ。それもアイツからしてらとびきりジョークの効いた手をなぁ。

では改めて。

 

『この度、シャルロット・デュノアは日本に亡命、そして同時に織斑 千冬の保護の元、織斑家への養子として迎え入れる』

 

だってよ。

つまり卒業とと同時に奴さんはデュノアさんから織斑さんにジョブチェンジを果たしやがったってわけさ。だから今は織斑 シャルロットさんってわけだ。ちなみにイチカの妹な。

だからなのかこの妹様はそりゃあもう権限をフル活用してるようだ。

 

「一夏おにいちゃん!」

「妹はおにいちゃんに甘えて当然なんだよ、えへへへ」

「妹だけど、血は繋がってないから結婚出来るよね」

 

以上、イチカのヤロウから聞かされた惚気でした。

こんなあざといのが居るから奴さん大好きな連中は気が気じゃねぇってわけさ。最近だと布団にもぐりこんでくるらしい。

流石はイチカ、日本が誇る『HENNTAIゲームの主人公』もびっくりってなぁ。

 んでそんなあざとい妹ちゃんの親友ことドイツの子ウサギだが、奴さんは軍に戻って仕事をする傍ら休みに日本に遊びに来るってスタンスを取ってる。奴さんは真面目な軍人なんでね、他の色惚けと違いちゃんと己の役目ってもんを分かってる。

まぁ、その癖遊びに来た際の最後には無理やりにでも城の形をしたホテルにイチカをお持ち帰りしようとしてるんで騒ぎを起こすわけだ。本当にぶれない奴らだ。

 そろそろ終わりも近いってんで会長さんだが、お忙しいらしい。本格的に始まった暗部の御家の棟梁にロシアの代表ってのは中々に大変らしい。そのおかげで鬱憤がたまり、それをイチカの野郎に癒してもらおうと暇さえあれば奴さんの所に行ってる。それでちょっかいをかけてはイチカに迎撃されて顔を真っ赤にしてるわけだ。案外一番まともなのかもしれねぇなぁ。

 あぁ、後妹さんだが、これまた変な事になってる。

日本の代表候補生にして、人気声優になったんだとよ。おかげで今じゃメディアに何ん引っ張りだこだ。そのことはイチカも知ってるらしく、それなりに楽しんでるらしい。

まぁ、その休みの合間を縫ってイチカとの逢引に頑張ってるんだからアレだがね。

 

 と、まぁこんな感じなのがイチカ達の今の状態って奴だ。本当に色男ってのは苦労するらしい。世間様から言わせれば幸せ者は死ねばいいって言われるくらいにな。

そしてオレなんだが……………。

 

 

 

「レオスさん、何を考えていますの?」

 

愛しい恋人に手を繋がれながらそう聞かれ、オレは普通に笑いながら答える。

 

「いや何、現状の把握をちょっとね」

「?」

 

オレの言葉にお嬢様は可愛らしく首をかしげる。おいおい、そんな可愛い真似されたら抱きしめたくなっちまうだろ。

ちなみにオレなんだが、今はイギリスでお嬢様と一緒にいる。

それに関して言えば、単純にオレが大出世を果たしたからなぁ。

あの亡国の一件で名の売れたオレ等はさらにクソ忙しく駆けずりまわった。

お陰で我らが『大剣』はその名を世界に轟かせ、皆恐怖でかたまる程度には有名になったよ。だから周りの目は更にきつくなっていたわけで嫌われ街道まっしぐら。

そんなわけで寄り世間様から睨まれるようになったオレなわけだが、クロードにある日言い渡されちまったんだよ。

 

『この度この組織も大きくなりました。そして今後の発展の為に、イギリスに支部を置こうと思います。その支部の代表はレオス、貴方ですよ』

 

ってことでその日からオレはこのイギリス支部の代表になっちまったわけだ。

そしてそんなオレに向かってお嬢様は我儘を言うんだよ。

 

「レオスさ~ん、キス、してくださいな。出資者からのお願いですわ」

「あいよ、お嬢様…………」

 

そもそも、この支部の出資者がこのお嬢様ってわけだ。お嬢様がいなけりゃ支部は出来ず、こうしてオレと一緒にいることもなかったわけで、逆にいえば卒業後もこうして一緒にいるのに出資者になるなんて大胆なことをしでかしてくれたわけだよ、この可愛いお嬢様は。

ちなみにお嬢様は卒業後はオルコット家の仕事を優先して代表候補生を辞めた。

それでいいのかって聞いたんだが…………。

 

『それよりレオスさんと一緒に居ることの方が大切ですから』

 

滅茶苦茶良い笑顔でそう言われたら、胸がときめいちまうだろうが。

それで新たに始めたのが、この極悪非道な民間軍事会社への出資ってわけだ。

その所為で出資者であるお嬢様には頭が上がらねぇよ。

そんな事を思いながらお嬢様を見てると、お嬢様は幸せそうな顔をしつつ少し頬を膨らませてきた。

 

「むぅ~~~~、レオスさん! お嬢様じゃありませんわ…………セシリアです。ね………アナタ」

 

あ、そうそう。オレ、近々結婚します。

 

 

 

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