恋する乙女と最凶の大剣   作:nasigorenn

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あまり上手く書けない……。
けっこう画風が難しいからなのだろうか?


第十九話 一夏が何か騒動を起こしている傍らで

 イチカの野郎の幼馴染み、ファンが来たことでさらに彼奴の周りは賑やかになったみてぇだ。

いやはや、こいつがまた随分と騒がしい奴でなぁ。どうも彼奴の知り合いってのは、濃い奴ばかりだぜ。チフユと言いホウキと言い、あのファンと言い……全くもって飽きさせねぇ。

そんな奴等に毎日囲まれてるんだ。イチカは大層暇にはならねぇだろうよ。

 そんなわけで彼奴を見ていたわけだが、学園では常にファンとホウキが火花を散らして睨み合ってた。

アレだな、あれは。戦いは同じレベル同士でしか起こらないって奴だ。

オレから言わせてもらえりゃ、子猫と子犬が唸り合ってるようにしか見えねぇがなぁ。

セシリアはそんな二人を見て少しオロオロしてるみてぇだが、微笑ましい光景んいオロオロする必要はねぇなぁ。

それで時間が経って、今は放課後も過ぎて夜間近。

その間にもイチカの野郎は二人のいがみ合いとやらに付き合わされてクタクタって面してやがった。

まぁ、これも偏に色男の宿命ってやつだ。羨ましいって言われても仕方ねぇっ。

オレはどうかって?

あまりそういうことには興味が今はねぇなぁ。

でも、それを傍から見るのは好きだぜぇ。変に滑ってるコメディなんかよりよっぽど面白れぇからなぁ。

そんな訳で寮の自室にいる間もオレは上機嫌ってわけさ。

 

「レオスさん、随分とご機嫌ですわね」

 

セシリアがそんなオレを見てそう聞いてきた。

そう言うセシリアも機嫌がいいみてぇだ。

だからオレも機嫌良く答えることにした。

 

「ああ、今日もまた愉快だったからなぁ。セシリア、覚えときな。人生ってのは面白れぇってことが一番大切なんだぜぇ」

「そうなんですの?」

「そいつがなかったら人生ってのは枯れちまうからなぁ。潤いってのが必要なんだよ」

 

そう答えるとセシリアは感慨深く何かを考え始めちまった。

そう言えば、こいつはあの試合から妙にオレのことを聞きたがるんだよなぁ。懐かれたか?

オレはそんなセシリアを尻目にテーブルの上に置いた拳銃を解体し掃除を始める。

ここ最近はご無沙汰だったし、やっとあのジジイから許可を貰って返して貰ったんだ久々に相棒と会ったから機嫌もうなぎ登りってわけさ。

外したパーツを手早くテーブルの上に並べ、歪みが無いかをチェックしていく。

 

「あら、この拳銃……」

 

オレが喜びながら掃除をし始めると、その様子をセシリアが横から見てきた。

どうやらオレの拳銃を見て何か思い出したみてぇだな。

それが何なのかってことは大体察しがつくがよぉ。

 

「この拳銃かい。そういやセシリアにはまだ見せたことがなかったなぁ、こいつがオレのISの武器の元となった拳銃、『オルトロス』だ」

「これがレオスさんのISの武器の元になったものですの」

 

セシリアは博物館で展示品を見るみてぇな目でマジマジと見てやがった。

オレの相棒、『オルトロス』はデザートイーグルを元にした改造銃で、これを作った奴は大層頭のイカれてる奴だ。威力で定評のある銃だが、弾数が少ねぇことや反動が強すぎて使いづれぇことなどのせいであまり使われることがねぇ。それを何を思ったのか、装弾数を上げつつより実戦向きの銃にしようと考えたのさ。そいつは分からなくはねぇが、だからって作ったのがこんなぶっ飛んだ銃だとは思わねぇよなぁ。弾丸をより小さい九ミリにしつつ、威力を下げないように特殊な火薬で発射するようにした。そのせいで装弾数が二倍近く変わっても威力は変わらない。だけど、その分反動は凄まじくて、ガキが使えば腕が肩ごと吹っ飛ぶってとんでもねぇ狂ったもんになっちまった。

それでさえぶっ飛んでるってのに、何を考えたのかこいつを作った奴は更にそんな銃に、『どのような状況下でも距離を選ばずに戦える』っていう万能性を付与しようと考えたんだぜ。只でさえ使える奴が少ないってのに、こんどはそんなことを考えやがった。それで付けられたのが銃身に沿うように付けられた銃剣だ。こいつは特殊な合金を使って作られたらしく、切れ味以上に頑丈でぶつけても傷一つつかねぇ。こいつを付けるに当たって銃その物の材質も特殊な合金に変更。結果打突兵器としても優秀な代物へと変わったが、もう重さが拳銃じゃねぇもんになっちまったんだ。アサルトライフルを片手で盛り上げてるようなもんだぜ、こりゃあよう。

おかげで使う奴がいねぇの何の。そんな巫山戯た銃を作る変態が『巨人の大剣』のスポンサーやってる会社の兵器開発科のトップだってんだから、世も末だぜ。

まぁ、そんな変態が作るもんなだけに、面白れぇもんばっかりなんだけどな。

このイカレっぷりがオレは好きだがなぁ。

オレはちゃちゃっと整備掃除を終わらせると、銃剣を取り外した状態で一端手を止める。

どうにもセシリアの奴から気になるって視線を感じて仕方ねぇ。

 

「そんなに気になるなら持ってみるか? ほれ」

「え…キャ!?」

 

軽くセシリアの方に投げて渡すと、セシリアは慌てて拳銃を受け取った。

その瞬間、セシリアは重さに拳銃を落としちまった。

 

「ご、ごめんなさい」

「別に気にするようなことでもねぇよ。弾ぁ抜いてあるしなぁ。それにどうせお前さんじゃ落とすと思ってたしなぁ」

 

そう言ったら、セシリアの奴からかわれたことに気付いて顔を赤くして膨れ始めやがった。

 

「もう、レオスさんはイジワルですわ!」

「すまねぇな。ちょっとからかいたくなっただけなんだけどよ」

「むぅ~~~~~」

 

膨れる姿はお嬢様って感じじゃねぇなぁ。

まぁ、その分年相応ってか。

 

「そう膨れるなよ。可愛い顔が台無しだぜ、お嬢様」

「なっ、可愛い!? っ~~~~~~~~~~~~~~!?」

 

そう言ったらセシリアの奴、さっきとは違ったふうに顔を赤くしやがった。

なんつーか……

 

最近色々あってストレスたまってたからなぁ。

 

からかいがいがあるとついついやりたくなっちまう。

ジジイに使いパシらされたり、上司から嫌みを言われつつ仕事のことを言われたり。

結構疲れるんだぜ、社会人ってのはなぁ。

そのまま拳銃を回収して納めるまでセシリアは石みたいに固まってたみてぇだ。

それでやっと動き始めるまでにオレは電子タバコで一服することにした。

どうせ前の試合で皆には吸ってるところを見られてるんだ。寮で吸ってもあの爺さんには文句言われねぇだろ。

 

「あっ、レオスさん、何をなさってるんですの!」

 

吸ってる途中で気付いたセシリアが注意しようとオレの方に来やがった。

流石に優等生はこういうのは気にくわねぇらしい。

 

「そうケチケチしなさんな。別に体に悪りぃわけでもねぇんだからよぉ」

「そう言う問題ではありませんわ」

 

セシリアはプリプリつった感じに怒ってオレを止めようとしやがる。

お前さんはオレのお袋かってか? まぁ、オレに親なんていた記憶はねぇがな。

すると突然、上の階がドタバタを騒がしくなってきた。

 

「何ですの、一体?」

 

セシリアは怪訝そうな顔で天井を見つめる。

それを見て、オレはある予感にニヤリと笑いながら答えた。

 

「どうせ…またイチカの野郎が何か問題起こしたんだろうさ。まったくもってアイツは飽きさせねぇなぁ」

 

そう答えながら、もう一服電子タバコを吹かす。

 

ああ、まったく……愉快な時にふかすタバコはクソまずくても格別だぜ。

 

オレはこれからも起こるであろう騒動に退屈が凌げると楽しみにしながらもう一吸い吸った。

 

 

 

 

 

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