恋する乙女と最凶の大剣   作:nasigorenn

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こっちはなかなか感想こないんですよね~。
まぁ、結構叩かれてばかりですけど。


第二十一話 クラス代表戦 後編

 さて、お嬢様を連れて鹿狩りに行くとしようか。

オレは爆破した扉を潜り、セシリアの先を歩いて行く。

 

「レ、レオスさん、何てことなさるんですの!? こんなことが織斑先生に知れたら…」

 

セシリアは驚きと怒りの二つの感情をごちゃ混ぜにした面でオレに詰め寄ってきた。

何て言うか、ミルクにコーヒーをぶちまけたみてぇな面だ。その後出来んのはカフェオレってな。

 

「別にそんなビクビクしなさんな。なぁに、ちょっとやんちゃした程度なら爺さんが何とかすんだろうよ」

「じ、爺さん? それは誰のことですの?」

「ただのいけ好かねぇ爺さんがこのIS学園にはいんのさ。仮にぶっ壊した扉の請求書がオレに来たって爺さんの方に回させて貰うぜ。アリーナに行くのは扉をどうにかしなきゃならねぇからなぁ。文句は言わせねぇよ」

「どんなお爺さんなんですか、その人!?」

「ただのむかつく爺さまだよ」

 

そんな会話をセシリアとしながら歩いて行く。

 

「レオスさん、急ぎませんと!? 織斑さんと鈴さんが!!」

 

セシリアはオレの急かすように言うが、もうちょっと落ち着きってもんを持たねぇと立派な淑女にはなれねぇぜ。(笑)

オレは懐から電子タバコを取り出し、悠々と咥える。

相変わらずまじぃが、無いよりマシだ。はぁ……日本って国は制限がきびしぃからよぉ。

久々に本物が吸いたくなるぜ、本当に。

 

「セシリア、もうちっと落ち着きな。素人じゃねぇんだ、緊急事態だからって騒いでたら代表候補生の名が泣くぜ。なぁに、イチカの野郎は今日運が良いんだ。そう簡単にゃぁくたばらねぇよ」

「そ、それは確かにそうですけど、でも……」

 

言われていることを分かってはいるみてぇだが、まだまだ若ぇからなぁ。葛藤してるところを見るとまさに青春って感じがするぜ。

難しそうな顔をしてるお嬢様の頭をぐしゃぐしゃと撫でてやることにした。

 

「きゃっ!? なっ、なっ、レオスさん、一体何を!!」

「そう難しそうな顔すんな。別に難しいことじゃねぇんだからよ。要はイチカの野郎がケシズミになるまえに奴さんを助ければいいだけの話なんだからよ」

「そ、それはそうですけど~」

 

まったくウチのお嬢様は心配性で仕方ねぇなぁ。

 

「なぁに、安心しときな。『巨人の大剣』の正式な仕事なんだからよ。まずトチッたりしねぇよ。その辺でちょっと一服してる間に終わる」

「それってどういう………」

 

そうお嬢様はオレに聞こうとするが、その前にアリーナについちまったから会話を打ち切るとするか。

 

「へぇ~、何だ、イチカの野郎はぴんぴんしてるじゃねぇか。オレが出る幕でもなかったかねぇ」

 

アリーナを見るとイチカがファンと二人で果敢に黒いISに向かって戦っていた。

あれが対象ねぇ~。間近で見るとやっぱり変なISだなぁ。

イチカが斬りかかり、ファンが衝撃砲で援護していく。

へぇ~、まぁ、即席にしちゃ悪くねぇなぁ。まだまだイチカの野郎が甘めぇのが偶に傷だが。

 

「レオスさん、早く織斑さん達を助けないと!」

「まぁ、そう慌てなさんな。彼奴等、結構良い線行ってるだろ。そのまま試合観戦としゃれ込もうぜ」

「何暢気なことを言っているのですか!」

 

まったく、ウチのお嬢様はせっかちでいけねぇ。

 

「そう急かすな。彼奴等だってやる気なんだろ。なら彼奴等にまかせりゃいいじゃねぇか。そのまま倒せりゃ良し。やられそうになったんなら、そんときゃ助ける。それでいいだろ」

「…………っもう!! 何でさっきからレオスさんはマイペースなんですの! そんなことしてる内に織斑さん達は危ないっていうのに。それにどうやって助けるっていうんですの! アリーナには強力なバリアが張られていて此方からの攻撃は届かないのですのよ!」

 

あれま。

あまりのんびりしてたせいでお嬢様がキレちまったか。

ま、見せようと思って連れてきたんだし、そろそろいいかねぇ。

 

「そうがなり立てんな。そろそろ仕事かもしんねぇから準備するとするか。セシリア、ちょっと離れてな」

 

そう言ってセシリアを離れさせると、オレは早速IS『スカイウォーカー』を展開する。

一次展開を経由して二次展開へ。

その後は武器を展開させてもらうとするかねぇ。

オレはある武器を展開する。

それはいつもの二丁拳銃『オルトロス』じゃねぇ。自分の身長より遙かに長い、長大なスナイパーライフルだ。ISサイズのスナイパーライフルよりも長げぇ。

 

「それは………」

 

セシリアがそのライフルを見ながら聞いてきた。

まぁ、こんなライフル見たこともねぇだろうよ。

 

「あぁ、こいつか。そうだな、構えながら説明してやるよ」

 

そう答えると、そのまま腹ばいになって横たわりながらライフルを構える。

その間にも二人の戦い続いてるみてぇだな。結構結構。

 

「本当は狙撃なんてオレの領分じゃねぇんだけどな。まぁ、大体こういう業界にいると一通りは出来るようになるもんさ。それでISに使うってんなら丁度良いって渡されたんだよ」

「特殊なライフルですの?」

「いんや。普通のスナイパーライフルだ。ただなぁ、これを作った奴も相当な変態でよぉ。セシリア、前にスナイパーライフルがどういう代物かを言ったことがあったよな」

「ええ、確か『対象に気付かれないような遠距離で一撃を持って殺す武器』でしたわよね」

「ああ、そうだ。それをどう考えたのか、こいつを作り出した変態は『どのような兵器も一撃で破壊する』スナイパーライフルを作ろうと考えたのさ。一撃必殺の極致だな。それで作られたのがこのライフルの前でな、戦車だろうが装甲車だろうがお構いなしに全部壊していったよ。それでもすげぇのに、その馬鹿はさらに調子に乗って、『ISですら一撃で殺すスナイパーライフル』ってのを作ろうとしたんだ。その試行錯誤の結果がこいつさ。確かに威力や貫通力はすげぇが、撃っただけで全身の骨に罅が入って腕が千切れ飛ぶってアホなもん作りやがった。常人じゃぜってぇ使えないもんにしやがったんだよ。まぁ、そいつを涼しい顔で易々と使ってる化け物もいるけどな。つーわけでこいつを使うってわけさ」

 

セシリアにそう説明しながら構えて装弾する。

 

「た、確かに凄いライフルだとは思いますけど、それでもあのバリアは……」

「まぁ見てなっての。ほら、丁度いいところだぜ」

 

イチカ達の戦いを見てたら、急にアリーナ全体に放送が掛かってきやがった。

 

『一夏! 男なら……男なら、これくらいの敵に勝てなくてどうする!!』

 

「篠ノ之さん! あの人は何してるんですの!!」

 

セシリアがアリーナの放送室を見て驚いてやがった。

そっちの方を見てみると、ホウキが窓に立ってやがった。

オイオイ、中々に愉快なことしてくれるじゃねぇか! そんなに目立ちたいのかねぇ。

おかげで黒いISの注意がホウキのほうに向きやがった。そのまま黒いISは放送室に向かってレーザーを発射しようとする。

 

「おぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお、箒ぃいいいいいいいいいいいいい!!」

 

それを阻止しようとイチカが黒いISに突っ込んで行った。

中々にガッツがあるじゃねぇか。まさに主人公ってか。格好いいねぇ~。

 

「そういやセシリア。こいつの名前をまだ教えてなかったよなぁ」

「ええ」

 

オレは構えているライフルを指で指してから言う。

 

「こいつの名前はなぁ…」

 

そう話し始めているところでイチカが黒いISの左腕を切り落とした。

だが、それは致命傷ではなかったみてぇで、そのまま残ってる右腕でぶん殴られて地面に叩きおとされた。

まったく詰めが甘めぇなぁ。

そのまま黒いISがイチカに右腕を向けてレーザーを放とうとする。

 

「「一夏っ!!」」

 

ホウキとファンの声がほぼ一緒に聞こえた。まったく、なんでこういうときだけ仲がいいんやら。

オレはそのままニヤリと笑いながらライフルの名を口にするとともに引き金を引いた。

 

「『ゲイボルグ』っていうんだぜ」

 

その瞬間、まるで大砲を至近距離でぶっ放したような轟音が鼓膜を叩き付けた。

 

「きゃっ!! なんなんですの!!」

 

その轟音に顔をしかめ耳を押さえるお嬢様。

ゲイボルグ………それはケルト神話における有名な宝具。相手の心臓を確実に突き刺すと言われている一撃必殺の化身のような槍。

そいつの名を与えられたこのライフルは、文字通り一撃でどんな相手でも殺すことを考えて作られたスナイパーライフルだ。

発射された弾丸はそのままアリーナのバリアを強引に突き破り、そのまま黒いISの右腕を肩からごっそりと引きちぎった。

 

「なっ…………」

 

さすがのお嬢様もこの光景には言葉をうしなったみたいだ。

 

「別に驚くようなことでもねぇだろ。何せこいつは『ISの絶対防御を貫通して対象を確実に殺す』ことを目指して作られたんだから」

「いや、だって、あの、」

 

言いたいことが多すぎて言えないって感じだな。まぁ、後で聞くとするか。

 

「話は後でな。後二発でアレを仕留めなきゃならねぇからな」

 

このライフルは威力と引き替えに装弾数は三発しか装弾できねぇっていうむちゃくちゃな使用だ。しかも、オレはISで何とかしてるが、本来ならIS無しで使うことが前提なんだぜ? そのまま撃ったら確実に腕がイッちまうよ。

アリーナで驚きに目を剝いてる二人を気にせずに更に黒いISに向かって撃つ。

さっきと同じ轟音が鳴り響き、黒いISの胸部と頭部の二カ所に当たってそのカ所を粉砕していった。黒いISはもう跡形も無いくらいのスクラップに早変わりってわけだ。

 

「いっちょ上がりだな。これでもう動けねぇだろ」

「え、なっ……だって人が…」

 

終わったと思ったらセシリアが顔を真っ青にしてオレに聞いてきた。

あぁ、成る程。人を殺した奴が目の前にいたらこうなるってか。いやはや、全くもってウチのお嬢様はお淑やかだねぇ。

 

「アレに人は乗ってねぇよ」

「え?」

 

何だよ、その鳩がショットガン喰らったような面して。

 

「あんな動きを人が出来るわけねぇだろ。間接とか可笑しな方向に曲がってるんだぜ。もしそうだったらホラーだ。映画館に行かなくても安上がりに楽しめるってな。それにイチカが左手切り落とした時の切断面を見たが、ありゃ中身なんて無かったんでな」

「そ、そうですの………よかったです」

 

そう言ってペタンと座り込むセシリア。

おいおい、撃った当人でもねぇのにそんなに緊張してんなよ。

まぁ…………人が乗っていようが、構わず撃ったがね。これも仕事だからなぁ。

黒いISがぶっ壊された後にアリーナのバリアは解除されたみてぇだ。イチカ達がこっちに向かってきやがった。まぁ、面倒臭いことになるから逃げるけどよ。

 

「んじゃお嬢様、終わったしとっとと帰るとするか」

「はい? きゃっ! レオスさん!?」

 

面倒だからライフルを収納すると、そのままセシリアを抱えて空を突っ走ることにした。

イチカやファンはしつこく聞いてきそうだからな。

そのまま走りながらプライベートチャネルで通信を入れる。

 

「爺さん、終わったぜ。あとで料金よろしくな」

『はい、ご苦労様です』

 

それで通信を切ったオレは、そのまま寮まで走って行った。

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