恋する乙女と最凶の大剣   作:nasigorenn

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こっちもやっと少しはマシになってきた……・のでしょうかね~。


第二十二話 今回の黒幕

 結局……せっかくの賭けがお流れになったのは仕方ねぇが、まぁその分の楽しませてもらったんでいいとするかねぇ。

だが、ちと気になる事があるのは問題だ。

そんなわけで、オレはお嬢様を寮までお届けするとチフユ達の方へと行くことにした。

爺さんにチフユがどこにいるか聞いたら、地下の極秘解析室だとさ。

さすが天下のIS学園ってか。どうやら表沙汰に出来ないことを隠れてやるための設備ってのも色々とあるらしい。金の使いどころが中々にそれらしいぜ。

んで、さっそく爺さんの許可を貰ったことを振りかざして部屋に通して貰うことにした。

部屋に来たんで渡されたカードキーを通してロックを外して中に入ってみたら、チフユとマヤが驚きに顔を固めてやがった。

 

「なっ、な、何でハーケン君がここに!」

「ハーケン、貴様どういうことだ!」

 

おいおい、来客にいきなりそいつはねぇだろ。

 

「単に気になることがあったんで来たってだけだよ。爺さんに許可もらってなぁ」

 

そう答えたら何とも言いづらい顔でオレを睨むチフユ。んな顔すんなよ。

 

「最近は結構言ってるけど、文句は爺さんに言いな。あの爺さんなら喜んで聞いてくれるだろうさ」

「………後でそうさせてもらおう」

 

そう言うチフユからは明らかに怒ってますってオーラが出てやがった。こりゃあ爺さん、きっと喜ぶだろうな。何せ会話に飢えてるからなぁ、あの暇は爺さまは。

そんなチフユは放っておいて、取りあえずマヤに話を聞こうかねぇ。

 

「んで、マヤ。このデカ物の解析結果ってのは出たのかい?」

「いや、それは! だ、駄目ですよ、これは先生のお仕事で重要なことだから教えるわけには…」

「さっき言ったろ、爺さんには許可貰ってるってな。つーわけでオレが見ても問題ねぇ。仮にチフユや他の奴に怒られたところで爺さんの名を出しゃ黙るってな」

 

そう言いながらマヤの持っていた調査書をひったくると、マヤはアワアワをして泣きそうになり返して下さい~って手をばたつかせていた。

オイオイ、やっといて何だがそれで教師が務まるのかよ。

そう思いながらもひったくった資料に目を通す。

えぇ~、何々……所属不明で使用されているコアは未登録の物、ただし損傷してしまったので使用は不可能……ふ~ん、成る程、そういうことか。

少なくても、『向こう』の考えまではわかんねぇが、このデカ物の出所は分かった。

それを踏まえた上で一応チフユに聞いておこうかねぇ。

 

「チフユ、ちょっと言いかい」

「何だ……」

 

未だに不機嫌真っ盛りなチフユ。

そう怒られても困っちまうぜ。それに一応、オレもこのデカ物を叩き潰した人間なんだからそれくらい知ってもバチはあたらねぇだろうよ。

 

「このデカ物を送り込んだ奴ってのは分かったよ。その目的まではわからねぇけどなぁ。確かお前さん、そいつとは『お友達』だったよなぁ……何か聞いてるかい」

「っ……! いや、私は何も知らない」

 

どうやら奴さんはご自分の親友とやらに何の連絡も入れてないらしい。

本当に親友か疑わしいねぇ~こりゃ。

チフユは顔に出してはいねぇが、何か察してるって面だな。まぁ、そこまで利く気はねぇがな。

プライベートってのは大切なもんだからなぁ。

前にオレが知ってる企業に産業スパイが侵入したことがあったが、それがばれた翌日には養豚場の餌になってたよ。あんまし人のプライベートは覗き込むもんじゃねぇってな。

知りたいことは分かったし、これ以上ここにいる用事もねぇな。

 

「んじゃ知りたいことも分かったし、オレはもう帰るぜ。そろそろ腹も減ってきたしなぁ」

「ちょっと待て、ハーケン! 貴様に聞きたいことがある」

 

せっかく喉に引っかかったもんが取れたって気分なのになぁ。

まぁ、聞かれるとは思ってたけどよぉ。

 

「なんだよ、チフユ。そろそろ腹が減ってきたから帰りたかったんだがねぇ」

「はぐらかすな! 貴様、轡木さんと何をしている!」

 

何度も言うが、あんまし怒んなよ。あまりの怖さに縮こまっちまうぜ。

 

「別に悪いことはしてねぇよ。俺はただ、爺さんから頼まれたことを正式にやってるだけさ。聞きたきゃ爺さんに聞けばいいさ。生憎こんな俺でも『守秘義務』ってやつはあるからなぁ」

 

別に言っちゃいけねぇなんてことはねぇんだが、面倒臭せぇからな。

づらかるのに爺さんに全部なすりつけておくことした。

 

「ふん! ではそうさせて貰う」

 

オレが話さねぇってことを理解したらしく、チフユはそっぽを向いた。

おいおい、その反応はいい年した大人がしていい反応じゃねぇだろ。明らかに拗ねてますっての丸わかりだぜ。

 

「んじゃ、今度こそお暇させてもらうぜ。んじゃな」

 

そうチフユ達に言って俺はとっとと部屋を出た。

きっとこの後チフユは荒れるんだろうぜ。

そんな荒ぶる鬼神様のお相手はごめんだぜ、本当に。

後は爺さん任せて、オレは帰らせてもらうぜ。

 

 

 

「レオスさん、もう用はいいんですの?」

 

部屋に戻ったらセシリアが待っていた。

何やら喜んでるみてぇだが、その面は飼い主が帰ってきた子犬みてぇだ。

どうも慣れねぇなぁ、この面は。

 

「ああ、大体終わったよ。御蔭でこんな時間だ。お嬢様はディナーはもう済んだのかい」

「いえ、実はまだですの。レオスさんは?」

「いや、まだだ。そのまま帰ってきたからなぁ」

 

そう答えた途端に、お嬢様の顔が華やいだ。

本当にわかりやすいお嬢様だ。

 

「で、でしたら、ご一緒なさいませんか」

「ああ、いいぜ。では、エスコートさせて貰います、お嬢様」

「はい!」

 

そう言って畏まったふうに手を差し出すと、セシリアが嬉しそうに手を取った。

こういうノリが良くなったのは、たぶんお祭り好きの奴等の御蔭かねぇ。

それでオレはそのまま夕食を取りに食堂へとお嬢様をエスコートしながら行った。

その後に狙撃について教えてくれないかと頼まれたが、そいつはお断りだ。

何せオレは専門外だからなぁ。

そう言ったら少し微妙な顔をしたが、納得してもらうしかねぇ。

少し余裕が出来たらもっと凄いスナイパーに教えてもらえないか聞いといてやるからよ。

こうして、この日は少しだけマシに過ごせた。

 

後日談だが、イチカの野郎はファンと何だかんだと言って仲を直したらしい。

だが、それでもやっぱり野郎の鈍感なところは変わってねぇらしく、度々何かあっては教室でコメディよろしくに騒ぎを起こしてやがったが。

まったくもって飽きさせねぇ奴だよ、本当。

依頼もあって、やっと少しは暇を慰める程度はできるようになったんだ。もっと楽しませて貰うぜ……なぁ、イチカ。

 

 

 

 

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