感想、もっと来てくれると嬉しいです。
改善点なんかあったりすると有り難いですね。
オレ達は試合を終えて、第二試合に向けて控え室にいるのが本来の決まりらしいんだが、そんなもん暇で仕方ねぇからなぁ。
オレはお嬢様を連れて観客席に座ることにした。
「い、良いんでしょうか、控え室にいなくて」
「別に試合に出れればいいんだったら、どこにいても問題ねぇだろ」
どうもお嬢様は規則を破るってのが苦手でいけねぇ。
え? ROEとかは守るくせに規則は守らねぇのかって?
そりゃぁ程度によるだろうよ。誰だって破ったら怒られる程度のと、破った瞬間命を狙われるの、どちらがいいかなんて聞くまでもねぇだろうが。
それに日本じゃよく『規則は破るためにある』なんてジョークもあるくらいだからな。
まぁ、それもお嬢様が真面目だからこそ、後ろめたく感じるんだろ。流石、優等生だねぇ。
そんなお嬢様にはこいつをプレゼントだ。
「ほれ、さっきは頑張ったからなぁ。こいつは頑張ったご褒美だ」
「きゃっ!? いきなり投げないで下さい! って、これって……缶の紅茶?」
オレはここに来る前に自販機で買った缶の紅茶をお嬢様に投げ渡すと、お嬢様は慌ててそいつをキャッチした。
「まぁ、お嬢様の淹れる紅茶に比べれば泥水みてぇなもんで悪いけどなぁ。今はこいつで我慢してくれ」
「い、いえ、そんなことありませんわ」
お嬢様は渡された紅茶の缶をやけに嬉しそうに抱える。
そんなに嬉しかったのかねぇ。
それで席に座ると、オレは電子タバコを取り出して一服することにした。
「あ、レオスさん! こんなところで吸わないで下さいな」
早速吸ったらお嬢様が咎めてきた。
「そう固いこと言うなよ。生憎、オレにはこれしかねぇんだからなぁ。それにこいつなら吸っても周りに害がねぇんだから、文句は言わないでくれよ」
「もう~、レオスさんったら」
お嬢様は仕方ねぇって面をしてきたが、見逃してくれたよ。
流石、お嬢様様々だぜ。
それでお嬢様と一緒に試合を見ていたら、次はイチカの野郎と子ウサギの試合になった。
「お、次はイチカの試合だな。アイツはどう戦うのかねぇ」
「そうですわね。あのボーデヴィッヒさんとどう戦うのか、気になりますわ」
お嬢様は興味津々にアリーナに出てきたアイツ等を見る。
その目はこれから始まる戦いを見逃さねぇって感じだ。
真面目だが、ちっと面白くはねぇなぁ。
「なぁ、お嬢様。ついでに賭けをしないかい?」
そう聞いてみたらお嬢様はジト目でオレを睨んできたよ。
「レオスさん! 賭け事なんて失礼ですわ!」
ウチのお嬢様は真面目なのが良い所なんだが、こう真面目過ぎて固いのはいけねぇなぁ。
「そう固いこと言うなって。その方がより試合観戦ってのを楽しめるってもんだ。一回お嬢様もやってみるといいさ」
「そ、そう言われると……ちょっとしてみたくなりますわね」
お嬢様は真面目なだけに、少しこういうのに興味があるって感じだ。
これも最近に変わってきたからかもしれねぇなぁ。
「そ、それで……何を賭けますの?」
お嬢様が賭けにノッてきたのを見て笑いながらオレは答えた。
「そうだな……んじゃ勝った方が一つ相手の頼みを聞くっていうのはどうだ?」
「頼み…ですの? それって………あっ!? そ、それは何でもいいんですの!」
何やらお嬢様がやけに顔を真っ赤にして食い付いてきた。
良い反応だ。
「ああ、そう捕らえてもいいぜ」
「そ、そうですか……(な、何をお願いしましょうか)」
お嬢様は完璧に賭けに乗ると決めたようだ。
こういうノリの良さは嫌いじゃねぇ。だからお嬢様はお気に入りなんだよなぁ。
「んじゃ、お嬢様、レディーファーストだ。どっちに賭ける?」
「そ、そうですわね……ちなみにレオスさんはどっちに賭けるおつもりですの?」
「それはそうだな……まだ内緒かねぇ」
そう答えたらお嬢様の頬があっという間に膨れた。
「むぅ~、それでは聞いても意味ないじゃありませんか。もう~……それでは、私は織斑さんとデュノアさんを応援させていただきますわ。やはりあのお二人には頑張っていただきたいですもの」
「おっと、そいつじゃ賭けにならねぇなぁ」
「レオスさんも織斑さん達に賭けてたのですか?」
「まぁな。何せどっちが厄介なのか考えればすぐにでも分かるからなぁ。でもこれじゃぁ賭けにならねぇな。どうしたもんかねぇ~」
どっちも同じ方に賭けたんじゃあ賭けは成立しねぇなぁ。
ま、ここはせっかく賭けに乗ってくれたお嬢様のために折れることにするかねぇ。
それに………分の悪い賭けほどスリルがあって良いってもんだ。
「んじゃ、オレはあの子ウサギの方に賭けるとするか。こいつで賭けは成立だ」
「わかりましたわ。では、試合を観戦しましょうか」
そして試合開始のブザーが鳴ると共にイチカが子ウサギに向かって突進した。
それをAICで停止させる子ウサギ。
如何に余裕って面をしてるが、イチカの野郎がいくら接近戦しか出来ねぇからって初っ端から仕掛けるわけねだろ。そいつはフェイクだって何で気付かねぇかねぇ。
案の定、イチカの野郎の後ろに控えてたデュノアからアサルトライフルの歓迎を浴びせられてるよ。
その後はホウキがデュノアに斬り掛かって行ったが、難なく躱されてた。
次にイチカがデュノアに指示を出すと、デュノアはホウキと一対一を仕掛け、イチカも負けじと子ウサギに仕掛けに行く。
「何で織斑さんはあんな戦法を取っているんですの?」
その戦い方にお嬢様が首を傾げて聞いてきた。
「ありゃあ先にホウキを潰そうって判断だろ。普通なら上策だが、生憎イチカがサポートをロクに出来ねぇからな。作戦の狙いは悪くねぇが、戦力がたりねぇからこうするしかなかったんだろ。実際にデュノアの方が強いからなぁ。戦力比でホウキを潰すのは当たり前のことだな」
「そうですの。確かにペアで戦うのなら、先に相手の戦力を削いだ方が有利ですものね」
その狙い通り、イチカは子ウサギ相手に善戦はしているが、やっぱり戦力差はいなめねぇなぁ。何とか子ウサギのAICに捕まらねぇようにフェイントを織り交ぜて攻めてるようだが、防戦になりつつあるなぁ。
そしてホウキを潰し終えたデュノアがイチカに合流すると、そこから戦局が変わった。
デュノアと何とか連携して攻めるイチカに、子ウサギが押され始めた。
「やはり二対一では二の方が有利ですわね」
「ああ、その通りだ。あの子ウサギは一人で何でも出来るなんて思い上がってるから足下掬われるんだよ。戦争は一人じゃ出来ねぇっての」
そうお嬢様には答えたが、おっといけねぇなぁ。自分で賭けてる方を貶すってのはよくねぇ。
それで押された子ウサギは焦ってやり合うが、デュノアが隠して渡したライフルをイチカが使って撃たれたことで更に焦りやがった。その動揺を突かれて一気にデュノアに接近されたあげく、デュノアが隠し持ってたらしいパイルバンカーを叩き込んでぶっ放した。
そいつを喰らった子ウサギは壁に叩き付けられて、さらにデュノアに打ちのめされてた。
こりゃあもう決まったか?
そう思ってたら、急に子ウサギが紫電を発して叫び始めやがった。
「い、一体なんですの!?」
お嬢様がこの事態に戸惑い、辺りに緊急警報が鳴り響いた。
そして周りの観客が批難し始める。
それと同時に、オレにISを通じて通信が入った。
当然こんな時に掛かってくるのはあの爺さんしかありえねぇわけだが。
「んで爺さん。オレはどうすればいいんだ? どうせまた何かさせんだろ。もう慣れたよ」
『話が早くて助かります。このままだと織斑君が危ないので、彼に危害が加わらないように助けてあげて下さい』
「はぁ……人使いの荒い爺さんだ。OK、わかったよ」
『よろしくお願いしますね』
それで通信を切った後、オレはお嬢様に向き合う。
「どうやらお仕事らしい。お嬢様も見学に来るかい?」
「お、お仕事……ですの……」
そう呟くお嬢様をつれてアリーナの方に向かうと、どうやらイチカが何やら切れて仕掛けたらしい。
それで逆にやられてISを解除されたら、そのまま素手で向かおうとしてホウキにぶっ叩かれたようだ。その後冷静になったようで、デュノアと話し合ってるところを見る辺り、何か策があるらしい。
それでその策ってのはデュノアのISからエネルギーを直接イチカのISに渡して一部とは言え展開するようにしたことらしい。
それでイチカは右腕と武器だけ展開して黒いのに斬り掛かった。
結果、イチカの野郎が少しだけ速かったこともあって黒いのの胸部を切り、そこから子ウサギを救出した。
それを受け止めて終わりってのだったらハッピーエンドで終わるんだが、そうもいかねぇようだ。
子ウサギが抜けた後も、黒いのはそのままの形を保っているわけだが、その腕が少し動き始めていることに誰も気付かねぇ。
「はぁ……仕方ねぇなぁ。お嬢様、丁度良いから接近戦を見せてやるよ」
「え……あ、レオスさん!」
オレはそのままスカイウォーカーを一次展開し、そのまま二次展開へと移行するとそのまま駆け出した。
「え? 何でレオスが…」
そうイチカが呟いたみてぇだ。それを聞いてオレはイチカに説教をすることにした。
「イチカよぉ、お姫様助けてハッピーエンドで終わりにするには、ちょっと後始末が悪ぃよ。やるんなら、ちゃんと全部終わらせてからエンドロールは降ろすんだな」
イチカにそう言うと、そのまま黒い奴の前に飛び込んだ。
黒い奴は持っていたブレードみてぇので斬り掛かったが、オルトロスを一丁だけ展開してその攻撃を相手の腕ごと斬り飛ばす。
「んなおざなりな攻撃で落とせるほどオレは甘くねぇよ」
開いた右手にゲイボルグを展開すると、黒い奴の頭に銃口を近距離で向ける。
そして引き金を引いた途端、黒い奴首から上が全て吹き飛んだ。
反動で身体が吹っ飛び腕が軋むが、そいつを身体を回転させることで散らし、斬り付けると共に今度は黒い奴の胸にゲイボルグを叩き付けて発砲。
「これぐらいはしねぇとなぁ」
胸に大穴を開けた黒い奴に新たに展開した『茶色い粘土のような物』をくっつくように叩き付けると、思いっきりアリーナの壁まで蹴っ飛ばした。
「こいつで終わりだ。最後はフィナーレの花火で決まりだな」
そう言うと共に信管を作動させた。
その瞬間………
アリーナの壁辺りが大爆発を起こした。
それを唖然とした顔で見て驚いてる奴等の顔ときたら、最高に笑えるぜ、本当。
その爆炎が晴れると、そこには何も残って無かったわけだがね。
これでお終いってことだ。
『爺さん、こんなんでどうだい?』
『ええ、上出来ですよ』
爺さんに通信をいれて、オレはお嬢様達の元に戻って行った。