恋する乙女と最凶の大剣   作:nasigorenn

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今回もばりばり張り切ってます。
感想も気楽に書いてくれると嬉しいですね。


第四十九話 卑怯とは言わない

 パーティはまだまだ続いていく。

お客様も満足の悲鳴を上げて主催者として嬉しい限りってもんだ。

オレはそのまま端から端へ掃除をするかの用に来てくれたお客様に鉛玉のプレゼントをしたり、トリック無しの切断ショーを見せてあげたりと大忙しだ。

耳を澄ませれば遠くからでも聞こえる声ってのが充実感を与えてくれる。

 

「何で地雷がっ!? うわぁあああああああああああああああああああああ!!」

「おいっ、何だよアイツ等!? 何で軍人がいるんだよ!」

「現地でその他勢力と遭遇! 殲滅に移る」

「迫撃砲はどこから発射されているんだ! ぐぁあああああああああああああああっ…………ケリー?……ケリーーーー!! ちっ、ケリーが戦死した、畜生!!」

 

地雷の爆音と迫撃砲の着弾音、それ以外にも仕掛けたトラップが作動した音などが色々と聞こえてくる。

そのたびに上がる怒号と悲鳴に身体が痺れちまう。

みんな楽しんでくれているようで何よりだ。

オレの方もテンションが上がってきたってモンさ。

おかげさま、ノリよく暴れてる。

 

「おいおい、ここに3000000ドルがあるんだぜ? もうちょっとガッツを見せてみろよ、お前等」

「うるせぇえええ! 黙って死ねよ、糞野郎!」

「ミートパテにしてやるぜ!!」

「うらぁああああああああああああああああああああ!」

 

賞金に釣られてきたアウトローどもが挙ってオレに殺到してくる。

人気者ってのは大変だねぇ。

皆持ってるクラッカーも様々なもんさ。

ベネリM3やAK74、グロック19にM92、ハードボーラーと変わった物まで、まさに見本市が出来ちまう。

そんなイロモンばかり持ってきた奴等から殺到するように飛んでくる弾丸の雨あられ。そいつを射線を読むのと感の二つを使って避ける。長年同じようなことをやってれば、大体慣れるもんさ。

そのまま一気に距離を詰めると、オルトロスを振り回しながらぶっ放す。

オレがあの弾雨の中を一気に近づいてきたことに驚いたようで、写真に撮って爆笑してぇくらいの面を晒している奴等の首が飛び、辺りの木々がミンチになった肉ごと弾け飛んだ。

 

「ひ、怯むなっ! 殺れぇえええええええええええええええええ!!」

「あぁああああああああああああああああああ!!」

「ひぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」

 

怯んで半狂乱になりながらオレに向かってぶっ放す奴等にオレはニヤリと嗤う。

 

「おいおい、怖がんなよ! オレの首を狙いに来たんだろ? なら頑張んないとなぁ。そんな怖じ気づいてるお前等にはこいつをやるよ」

 

そう言って腰に下げてた丸いボール状の物をそいつ等の中へと放置込む。

それをキャッチした奴の顔が途端に凍り付いた。

 

「お兄さんからリンゴ『アップル』のプレゼントだ。こいつを食って元気だしな」

 

オレが投げたモン……そいつの正式名称はM67破片手榴弾。

アメリカ軍やカナダ軍で使われてる結構強力な手榴弾さ。外見からアップルだのベースボールだのと可愛らしく呼ばれてる代物だよ。まぁ、威力は可愛いなんてもんじゃすまねぇけどな。

オレはそいつの顔が凍り付いたと途端に近くにあった大木に飛び込み身体を伏せる。

 

「おいっ! どうすんだこれ!」

「知るか馬鹿! こっちにくるんじゃねぇ!」

「た、たすけ……」

 

そして鼓膜を叩き付ける爆発音!

全くもって嘆かわしいよ。『知らない人から物を貰ってはいけない』ってガキのころに習わなかったのかねぇ。

 

「う……うぁあぁああ~………」

「ぐあぁああああぁああああああああ、足が、俺の足がぁあああああああああああああ!!」

「お、俺の身体が……手が、足ガァ……」

「見えねぇ! 何も見えねぇ! 目が痛てぇ! 焼けるように痛てぇええええええ!!」

 

さて、リンゴを喰らった奴等はホラーヨロシクにゾンビみてぇにのたうち廻ってやがった。

 

「せっかく元気だしてもらおうとプレゼントしたのに、誰もお腹いっぱいってか? 腹八分目にしておけよ……じゃあな」

 

のたうち廻る奴等の脳天に銃弾を叩き込んでいく。

無事な奴には風穴が、吹っ飛びかけてた奴はザクロみてぇに弾けたよ。

辺り一面血の風呂(ブラッドバス)ってなぁ。確か日本の宗教にゃあ地獄ってモンがあって、血で満たされてる池があるって話だったか。

 

「お伽話をこうして現実に見れるって奴か。良かったなぁ、お前等。こうして絵本の物語を体験出来て!」

 

「ひ、ひぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」

「誰だよ、あんな化けモンを狩ろうなんて言い出した奴は!」

「逃げろ、逃げろ! 速くくしろぉおおおおおおおおおおおお!」

 

他に残ってた奴やら辺りで窺ってた奴等に警告すると、途端に逃げ出し始めた。

このまま返してやっても良いんだが……

 

「おいおい、せっかく日本に遊びに来たんだ。もっとゆっくりとしようぜ」

 

逃げる奴を後ろから撃って死体に変えていく。

卑怯? 人道的で無い? 

おいおい、こんな仕事に卑怯も糞もねぇよ。それに向こうもそいつを分かってて仕掛けに来たんだ。やられても文句は言えねぇだろうさ。

そんな中、死体を弄くり回してる二人組を発見。

 

「よぉ、ガルサス兄弟。ここで死体を弄くり回して楽しいかい?」

「「なっ、レオス・ハーケン!?」」

 

俺を見た途端に銃を構えてぶっ放す兄弟。

俺はそいつを笑いながら避けると、お礼替わりに応射する。

二人は咄嗟に射線から飛び退くと、弄っていた死体が弾け飛んだ。

 

「何故貴様がここにいる!」

「先程まで特殊部隊と戦っていたはずだ! 如何に貴様とてそう簡単には殲滅は出来ないはず!」

 

どうやら奴さん達、俺が米軍とやり合っているのを見ていたらしい。

差し詰め米軍とやり合って疲れた所を強襲しようって魂胆なんだろう。それにはしばらく時間が掛かりそうだってんでトラップに掛かって死んだ死体から使えそうなモン剥いでいたところだな。

残念なことにその戦闘は予想以上に速く終わったけどなぁ。

 

「なぁに、向こうは聞き分けが良くて助かったよ。奴さん達はお前等みてぇなアホと比べて真面目で効率的なんでなぁ」

 

そこから始まる銃撃戦。

向こうの獲物はM92とかの普通のもんだが、流石は殺し屋。悪くねぇ腕だ。

 

「くそ、兄貴!」

「ああ、分かってる。今の奴と戦うのは危険だ。後ろに退く」

 

牽制射撃を加えながら後ろに引き始める兄弟。

悪くはねぇ撤退判断だが………

 

「逃がすかよ! せっかく会えたんだ、遊んでいけよ」

 

撤退先を予測してその先にオルトロスを連射する。

その銃弾が木々を弾けさせ、二人の足を止めた。

逃げられねぇことを悟ったのか、二人の内、兄の方が両手を挙げて出てきた。

 

「わかった。俺達は貴様に手を出さない。その代わり貴様も俺達に関わるな」

 

兄貴の言い分は要は降伏することへの交渉だ。

俺としては邪魔じゃなければいいんだが……

ニヤリと笑みを浮かべながらオルトロスを突き付ける。

 

「そいつに俺の得があると思うのか?」

「………確かに。だが、貴様も俺達にばかり構ってはいられないだろう。ならお互いにここで何も言わずに引き下がる方が互いのためだ」

 

オレはその話を聞きながらもう一丁のオルトロスを腰に納めると共に、後ろに手を回すとそこからばれないように上に向かってとある物を放り投げる。

そしてニヤリと笑いながらガルサス兄弟に答える。

 

「確かにそこの兄貴の言う通りだ。お互いにそいつが一番だが………」

 

そして次の言葉を口にする前に、二人を見て『嗤う』。

その途端、二人のいる所に黒い物が落ちてきて、そいつは地面に落ちる前に……

 

大爆発を起こした!!

 

「「っっっっっっっっっっっっっっっっっっ!?!?」」

 

二人は至近距離で爆発に巻き込まれ、爆炎が消えるころには黒と赤のツートンカラーのオブジェに早変わりした。

 

「オレはハイエナってのがあまり好きじゃねぇんだよ。だから却下だ」

 

二つの死体にそう答えると、オレは残りを相手にするためにその場を後にした。

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