恋する乙女と最凶の大剣   作:nasigorenn

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更にセシリアを弄り、同時にとある奴等も弄ります。


第八十四話 せっかくだから観光に その3

 お嬢様をお着替えさせてからも他に色々と廻ろうって事になったんで色々と廻ってみることになったんだが、こいつが中々に大変だ。

何せこんな歳若い娘さんと出歩くことなんて早々なかったんでなぁ。

前も一緒の出掛けたんじゃないかって?

確かに出掛けたが、ありゃ日本だからなぁ。

対してこっちはアメリカ、それも田舎町だぜ。そんな行く所なんてそうそうねぇよ。

若い娘が好きなモンなんてわからねぇんでなぁ。何処に行ったらいいのかわからねぇのさ。

服屋に行ったのはまぁ、クロードの入れ知恵だよ。

あのウチ一番の紳士はオレを何にする気かはわからねぇが、色々なことを仕込んでくるんでなぁ。御蔭で変な知識ばかり付いちまう。

女のエスコートの仕方からどこかの独裁国家首脳を月の裏までぶっ飛ばす方法まで、さまざまだよ。

と言っても、そこまで活かせるようなもんがねぇのも事実ってなぁ。

そんなわけでどうしようかと思うと、お嬢様は何やら期待した目でオレを見つめてきた。

この期待を裏切るってことは出来そうにねぇなぁ。

 

「んじゃお嬢様、次は何か希望はあるかい? こんな田舎だからそこまで面白いモンはねぇけどなぁ」

「そ、その……初めてなのでレオスさんのお勧めでお願いしますわ」

 

お嬢様は恥じらった様子でそう答えてきた。

その表情はグッとくるもんだが、そう期待されても困っちまうねぇ。

オレはぐるりと辺りを見渡してみると、まぁまぁの店が並んでる。ジュエリーショップやアイスの店、映画館など様々で、どれもこれも女子が好きそうなモンばかりだ。

こん中から選ぶのが無難ってやつなんだろうよ。オレは一度も入ったことがねぇからわからねぇけどなぁ。

もうちょっとマシなもんはねぇのかねぇ。

裏カジノやバーはねぇらしい。行き慣れた所がねぇのは寂しいねぇ。近代化の弊害って奴で、そういう黒いモンはねぇんだと。御蔭で大人の社交場は廃業だとさ。

すると悩んでるオレが珍しいのか、お嬢様は笑顔で見てきた。

 

「あ、あの……お決まりでないのなら、わたくし、あれを見てみたいのですが……」

 

お嬢様が差してきたのは映画館だ。

それなりに有名な店らしく、結構な賑わいって奴を見せていたよ。

何でか聞いてみたら、お嬢様は映画館で映画を見たことがねぇらしい。

 

「そんなもんでいいのかい? 映画なんて何処でも見れるだろうに」

「それでもですわ! せっかくハリウッドの本場、アメリカに来たのですから映画を見てみたいのです。その……レオスさんと一緒に……」

 

なんともまぁ嬉しいことを言ってくれるねぇ。

どっちにしろオレからは案もねぇことだし、お嬢様の誘いに乗ることにした。

 

「わかったよ。お嬢様の提案に乗らせて貰おうか」

「はい!」

 

実に嬉しそうに喜ぶお嬢様はオレの腕をぐいぐいと引っ張っていく。

その様子は年相応で実に微笑ましいもんさ。

それにその提案はオレにも好ましい。

どうもこの街に入ってきてから、臭ぇ臭ぇドブの臭いが周りを探るように臭ってくるんでなぁ。少しカマをかけて見るとするか。

 そんな事を思いながらお嬢様に連れられて映画館へと入っていった。

 

 

 

 映画館に入って約二時間後。

映画を見終わって外に出たオレとお嬢様だが、中々に面白い事になっていた。

 

「うぅ……ぐす……ふぇ……ぐす……」

 

お嬢様はハンカチ片手に泣きまくってるのさ。

おっと、勘違いしないでくれよ。オレは別に何もしてねぇ。

お嬢様と一緒に見たのは何でも今話題作のラブストーリーだったんだが、そいつを見たお嬢様は最初は顔を真っ赤にしながら真剣に見てたんだ。

女ってのはこういうのが好きらしい。オレとしてはシュールで笑わせてくれて仕方ねぇんだが、マナーが悪いとお嬢様に叱られちまうんでね。大人しくしていたよ。

それで後半からお嬢様はずっと感動して泣きっぱなしっだったってわけだ。

男女の感受性の違いって奴をまざまざと見せつけられるってのはこういうことを言うんだろうねぇ。

え、オレは泣かねぇのかだって? 冗談言うなよ。あんな笑い話に泣く野郎はいねぇだろうよ。

もしオレが泣くんだとしたら、それはアジアの悪徳の町にいる女マフィアと一対一でデートしろって言われた時だろうよ。

あんな世界で一番おっかない女とデートだなんて、恐怖のあまりに号泣してちびっちまう。まだアフガンの戦場にナイフ一本で向かって行く方がマシってもんさ。

まぁ、そんなわけでお嬢様は映画に感動して泣いてるってわけさ。

 

「お嬢様、そんなに泣くなよ」

「で、でも……あんな時にカレンは……ぐす……」

 

こんな風に泣いてるお嬢様ってのも中々見る機会がねぇから面白ぇ。

弄り概ってもんがある。

 

「最後はまさかあんな風になるとは思わなかったからなぁ~」

「そうですわ……絶対に幸せになれると思ってましたのに……ふぇえぇ…」

 

こうちょっと何か言うだけで思い出しては泣くんだからなぁ。

だが、あんまりやるとせっかくの美声を出す喉が荒れちまう。それは可哀想だからなぁ。

 

「仕方ねぇなぁ、お嬢様は。取りあえずどこかで休もうぜ」

「うぅ……はいですわ……」

 

未だに泣きが引かねぇお嬢様は何とか返事を返すが、泣くのに疲れたのか足取りがふらついてるよ。

仕方ねぇんでオレが引っ張っていくしかねぇか。

そう思いながら近くにあるバーガーショップまで歩き始めた。

それにしても……やっぱりというか、予想通り過ぎて笑いがこみ上げて来て仕方ねぇんだが、ウロチョロとこっちを探ってくるドブネズミを見つけた。

最初は気配だけだったんだが、もう意識しちまえば丸わかりだ。

堅気じゃねぇ人種が二人一組になって遠くからこっちを監視してるんだよ。それも組織だってなぁ。

大方賞金に釣られたマフィアか何かなんだろうが、一応の人目は気にしてるようで仕掛けてこねぇ。ってなると、狙いは街を出た後って所だろうよ。もしくは……人気が無いところで仕掛けるってところかねぇ。

狙いさえ分かれば対処なんていくらでも出来る。日本じゃこういうのをまな板の上の鯉って言うんだったか?

だからこそ、映画館に入ったときなんて傑作で仕方なかったぜ。

何せムサい野郎二人組でラブストーリーの映画を見てたんだからよぉ。

きっと奴さん達、テメェん家についたら周りの奴等からおホモ達ってからかわれるにちがいねぇ。オレが今弄りたくてしょうがねぇんだから確実だ。

だからこそ、もっとおちょくってやるとしますかねぇ。

お嬢様の手前、ぶっ潰すことは出来ねぇんだ。だったら、もっと楽しませてもらわねぇとなぁ。

 そう思いながら笑いを押し殺してバーガーショップに入り、適当に注文して席に付くと、お嬢様は泣き止んだらしく物珍しそうに店内を見回していた。

 

「お嬢様、どうしたんだ。そんなにキョロキョロして」

「べ、別にキョロキョロだなんて……。ただ、こういったお店にはいるのは初めてですので珍しく思っただけですわ」

 

お嬢様は指摘されて恥ずかしかったのか、顔を真っ赤にして答えてきた。

泣いたり恥じらったりと色々と忙しいらしい。

何でもお嬢様はこういう気安い店に入ったことがないんだと。

流石は本物のお嬢様ってところかねぇ。

見てて面白い反応ばかりするお嬢様は飽きが来ねぇなぁ。

そんなお嬢様を見ていると、注文したもんが来たんで早速食うことにした。

適当に頼んだハンバーガーだが、それを見たお嬢様は目を丸くしてやがった。

 

「どうしたんだ、お嬢様?」

「あの……これはどうやって食べればいいんでしょうか……」

 

お嬢様は食べ方がわからねぇと恥ずかしがりながら聞いてきた。

まぁ、店に行ったことがなけりゃわからねぇのも無理はねぇか。ジャンクフードとか無縁そうだからなぁ、お嬢様は。

 

「お嬢様、こうやって食うんだよ」

 

オレはお嬢様の前でハンバーガーをかぶりついてみせる。

味は大味だが、まずくはねぇ。

それを見たお嬢様は少し驚いた後、恥じらう。

 

「は、はしたないですわ……」

「別に汚ねぇ食い方じゃねぇんだから堅い事は言うなよ。サンドウィッチだって手で食べるだろ。一緒さ」

「そ、そうですけど………」

 

お嬢様はそれでも渋っているようで、ハンバーガーを前に悩んでる。

仕方ねぇと思いながらオレはさっき囓ったハンバーガーをお嬢様の前に差し出した。

 

「ほら、食えよお嬢様。これなら手も汚れねぇだろ」

「いや、そのっ!………」

 

途端に顔を真っ赤にするお嬢様。

おいおい、今更間接キスとか子供染みたことは言いっ子無しだろ。

前にざるそばでも普通に食わせたんだからよぉ。

尚も恥じらうお嬢様にハンバーガーを勧めると、観念したのか真っ赤な顔のまま目を瞑り小さく口を開けた。

 

「あ、あーん………」

「ほらよ」

 

そのままお嬢様の口も世に持って行くと、ちっけぇ鳥が啄むみてぇに食い付いた。

そしてそのまま少し顔を離して顔を真っ赤にしたまま咀嚼して飲み込んだ。

 

「お、美味しいですわ……」

「そいつは結構だ」

 

どうやらお眼鏡に適ったらしい。

今度は自分の分のハンバーガーに遠慮がちに囓り付き始めた。

そしてそのまま食ってたんだがお嬢様は初めて食うことに慣れねぇらしく、口の端にケチャップが付いていることに気付かねぇようだ。

さて、早速弄ることにしますかねぇ。

 

「お嬢様」

「はい、なんですの?」

 

いきなり呼ばれて不思議そうにするお嬢様にオレは手に持った紙ナプキンを近づけていく。

 

「ジッとしてろよ」

「えっ!? あの、その…」

 

オレの行動に焦り始めたお嬢様。

そんなお嬢様にニヤリと笑みを浮かべて手を近づけ、そして口の端を紙ナプキンで拭ってやった。

 

「初めてでハシゃいでんのはわかるが、もうちょっと上品に食わねぇとなぁ。ケチャップ、ついてたよ」

「っ!?」

 

お嬢様は拭った紙ナプキンを見て、頭から蒸気を噴き出すくらい顔を赤くしたよ。

だから弄り概があるんだよなぁ、お嬢様は。

 

「もう、レオスさん! 分かっているなら速く教えて下さいな!」

「悪いなぁ。お嬢様が可愛いんでつい弄りたくなってよ」

「か、かわっ……いい…ですの………っ~~~~~~~~~!?(レオスさんに間接キスさせられてしまって、その上口まで拭って貰うなんて……恥ずかしいですわ……。でも、それ以上に……キャーーーーーー!)」

 

その後、お嬢様はさっき以上にハンバーガーをお上品に食うよう心がけてたみたいだ。心なしかその面は嬉しそうだったけどなぁ。

 

 

 

 そして店を出たオレとお嬢様は次はどうしようかと話し合う。

その合間にもドブネズミは付いてきてるようで、オレはここである企みを考えた。

せっかくだからもっとおちょくってやろうとかねぇ。

オレはお嬢様の肩を急に抱き寄せると、お嬢様はいきなりの事に身体をビクッと震わせた。

そのまま真っ赤になってあたふたするお嬢様に笑みを向けながら耳元で囁く。

 

「お嬢様、せっかくだから大人の社会科見学、行かないか」

「社会科見学……ですの……」

「あぁ、そうだ。ただし……『大人』のな」

 

そう言ってお嬢様を連れてオレが向かったのは……。

 

「こ、これって………」

「そう、所謂『大人のホテル』ってやつだ」

 

お嬢様を連れてやってきたのは良く言う『ラブホテル』だ。

さて、ここから先はどうなるのかは……見ていればわかるてこったなぁ。

 

 

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