レオス「そいつを俺に言うのは筋違いってやつだろ。そいつぁ手前の仕事ってやつだ。手前でどうにかしな」
作者 「それはそうなんだけどさぁ~、私はあっんまいの大好きだからさ~、ついついね。この作品ももしかした激甘になるかもよ?」
レオス「あまりバカなこと言ってんなよ? あまりイライラさせるようなことばっか言ってるとよぉ・・・・・・」
作者 「言ってると?」
レオス「バラすぜ(殺気満載な笑顔を作者に向ける)」
作者 「す、すんません・・・・・・・・・」
さて、あれからあっという間に一週間が経っちまった。
その間に何かあったかって?
おあいにく様、そんなもんは無かったよ。
俺はいつも通りに授業受けて、毎日あの爺さんのいる理事長室でだべりながらタバコを吹かしてばかりだった。
それであっという間に一週間。
イチカの野郎はホウキとやらに連れて行かれてからはよく知らねぇなぁ。
まぁ、よろしくやってんだろ。
訓練はしなかったのかのかって?
俺のISは荷物と一緒に没収されてたからなぁ、返して貰えるのはクラス代表決定戦のときだとさ。
だから訓練なんてしてねぇのさ。
まぁ、元からそんなことなんてしねぇけどなぁ。
それで当日ってわけだ。
「だ~か~ら~、なんでこっちを向かないんだ、箒!」
「・・・・・・・・・・・・」
ピットでイチカがホウキに喰ってかかっていた。
どうやらホウキはイチカにISのことは一切教えず、ご自慢とやらの剣道をイチカに仕込んでたみてぇなんだ、こいつが。
そんでISが届く今日になっても未だにイチカの野郎はISについてまったく分からずじまいってこった。そんなわけで、まったく教えなかったホウキはイチカに睨まれてるってのが今の光景ってわけだ。
「そういうがなぁ、ISが無ければ教えること何て出来ないのだぞ!」
「いや、別に知識として教えるくらいは出来たよなぁ!」
やれやれ、夫婦喧嘩は犬も食わねぇってな。
流石に呆れて物も言えねぇな、こりゃぁ。
しかしおせぇな。
最初はイチカが戦う手筈になってんだが、どういうわけかイチカのISが未だにこねぇ。
何か運送のトラブルでもあったか?
お陰でお嬢様がアリーナで十分以上放置ってわけだ。
流石にもうそろそろ何とかしねぇとお嬢様のご機嫌が更に悪くなっちまう。
あれからちょっとだけ変わったことと言えば、お嬢様が妙に俺のことを避けるような感じなんだよなぁ。でも前に比べると刺々しくはねぇから、嫌われてるわけではねぇらしい。
まぁ、どっちでもいいけどな、俺は。
「流石にこれ以上オルコットを待たせる訳にもいかん。仕方ないか・・・・・・ハーケン、お前が先に行け」
流石にこれ以上はまずいとチフユが判断したらしく、俺に向かってある物を投げる。
そいつを片手でキャッチする。
俺の手の中にはチェーンで繋がれたドックタグが捕まれている。
「へぇ、それがハーケンのISなんだ」
イチカは早速興味津々な感じにこっちに面を向けてくるが、展開前の代物なんて見たって面白いもんでもねぇと思うけどなぁ、俺は。
俺は受け取ったドックタグを首に下げるとチフユに向かって両腕、正確には手錠を前に出す。
「んじゃ、コイツをさっさと外してくれ」
「ああ」
チフユは歯切れ悪く返事をすると懐から手錠の鍵を出し、俺の手錠を解錠する。
「んぅ~、やっぱり腕が自由ってのはいいねぇ~」
自由になった腕回し、さっそく自由を満喫する。やっぱり人間てのは自由に動けたほうがいいぜ。
頭を思うさま搔いてすっきりさせる。
くぅ~、やっとかゆいところに手が届きやがった。
一通りすっきりすると早速ISを『起動』させる。
ドックタグが光るとあっという間に光りが俺を包み込み装着されていく。
光が収まると、そこには灰色の装甲を纏った姿に変わる。
しかしISというのには少し以上に細身だ。
体に密着するように装甲が付き、顔以外に露出した部分がない。
ぱっと見、ライダースーツに腕や足、胸部に装甲が付けられた感じだ。ISスーツの上に更に纏った感じで、スラスターの類が無い。
「へぇ~、こいつがハーケンのISかぁ」
「残念ながらに外れなんだよなぁ、こいつが」
「え?」
イチカがぽかんとした面を向けて来やがった。
まぁ、普通ならそうなるよなぁ。
俺はさらに『展開』する。
するとまた俺の身体が光り出す。
光が収まると、俺は全身を装甲で覆われていた。
通常のISとほぼ同サイズ。
しかしやはり細身であり、人体に近い形をしている。
さっきよりも分厚い装甲で覆われ、顔も完全に纏っている。
フルフェイスであり、顔にはデュアルアイにバイザーが目を覆っている。
全体的にはマッシブなシルエットをしつつも、航空機のような鋭さを感じさせる。
「コイツが正解だ」
俺はイチカに振り向きながらそう言う。
イチカの野郎はポカン、と開いた口がふさがらねぇ、て面になってやがった。
「こいつのISは特殊でな。一次展開と二次展開の二つがあって、二次展開してやっとISとして機能するらしい。一次までの起動は言わば、ISスーツを着ているのと差は無いらしい。一次の段階では飛行能力はないが、パワードスーツとして機能するようだ。私も詳しくは知らんが・・・・・・」
チフユがぽかんとしてるイチカに説明するが、アイツはあまり理解できてねぇみたいだ。
「そ、そうなのか・・・・・・でもこのIS、おかしくないか?」
「おかしい?」
「だって・・・・・・飛行用のスラスターが無くないか?」
そうイチカが指摘するのは正しい。
俺のISだが、スラスターの類が一切ねぇ。
そういう使用だ。
「ああ、その通りだ。こいつには飛行のためのスラスター類が一切ねぇ。空中で浮くために補助のPICがあるだけだぜ」
「それって欠陥機じゃ・・・・・・」
イチカの野郎が言いたいことも分かるが、別にそういうわけじゃねぇんだな、これが。
こいつにはそのための特殊な機能ってやつが付いてる。そのためにスラスターはついてねぇんだ。
「まぁ、そう言うなよ。んじゃそろそろ行ってくるぜ。あんまりお嬢様待たせてるとおっかない目に遭いそうだからなぁ」
「そうか。一応言っとくが、くれぐれも・・・・・・やり過ぎるなよ」
チフユが凄く念を押しに言ってきた。
そこまで念押しに言われるほどのことした憶えはねぇんだけどなぁ。
そう思いながら俺はアリーナから発進・・・・・・もとい・・・・・・
空中を散歩するかのように歩いて行く。
「「はぁっ!?」」
イチカとホウキの驚きの声が重なった。
ISにはPICがあるから浮遊出来るのは知っていたが、まさか空中を歩くとは思ってなかったみてぇだな。うん、良い面だ、中々に笑えるぜ。
「あれがアイツのIS、『スカイウォーカー』の第三世代型装備だ。ドイツのAICに似ているが、少し違う。力場を発生させて足場などにし、文字通り『空を駆け回る』」
チフユが二人にそう説明していた。
お嬢様ことセシリア・オルコットの前まで行くと驚いた顔をしていた。
「織斑 一夏はどうしましたの?」
「悪いな、お嬢様。イチカの野郎のパーティードレスがくんのが遅れてるってんで先に俺と踊れってよ。ドレスが来るまでお相手願えるかい?」
「そうですか・・・・・・ええ、わかりましたわ」
俺の申し出にお嬢様は緊張しつつも了承した。どうも俺が空中を歩いてきたのにも結構驚いたみてぇだ。
俺の目に早速お嬢様のISの情報が入ってくる。
といっても、既に事前に調べは付いてるからなぁ・・・・・・気にするようなこともねぇ。
改めて見ても射撃型なのが窺える。
それだけで相手の手が丸見えだなぁ。お嬢様はつくづく真面目だねぇ。
「んじゃ、さっそくやるとするかねぇ」
「ええ、では! ブルーティアーズの奏でるワルツで踊って貰いますわ!」
開始のブザーが鳴ると同時にお嬢様がレーザーライフルを此方に構えて撃ってくる。
そいつを俺はひらりと半歩下がって躱す。
「なっ!?」
お嬢様が俺の反応を見て驚いてやがった。
まさか最初の初撃を避けられるとは思わなかったみてぇだな。
「何驚いてんだ、お嬢様? 別に避けただけだぜ、俺はなぁ」
「ッ・・・まだですわ!」
更にお嬢様がレーザーを撃ってくるが、俺はそれをのらりくらりと躱す。その度にお嬢様の顔は驚愕に染まっていく。
(な、何故当たらないんですの!? それどころか余裕で避けられてる)
別になんてこたぁない。
単純にお嬢様が真面目ってだけさ。
真面目だから、銃を構えて綺麗に撃ってくる。
それだけに『読みやすい』。
しかもいかにも撃ちますって面してるもんだから、発射のタイミングも読みやすいってわけだ。
銃を避けんのには、射線と発射のタイミングが分かれば何てことはねぇ。
つまりはそういうこと、お上品ってわけさ。
俺は少しばかりそうして避けてたわけだが・・・・・・ちっと飽きて来ちまった。
どこからか電子タバコを取り出すと口の部分の装甲が開き、口が現れる。
「ちょっと退屈してきたから少し吸わせてもらうぜ」
「なぁっ!?」
驚くお嬢様を後目に俺は電子タバコを、試合中だというのに吸い始めた。
うん、相変わらずだがまじぃな。
「ば、バカにしてぇ! いきなさい、ティアーズ!」
そしてキレたお嬢様は名前の由来でもある独立兵装、非固定ユニットから繰り出される小型ユニット、『ブルーティアーズ』を展開し、俺に襲いかかってくる・・・・・・・・・のだが・・・・・・
「なっ!? 何故!?」
ティアーズから繰り出されるレーザーは俺に一つも掠りもしない。
何度も言うが、お嬢様はお上品過ぎだぜ。避けるのも楽々って感じだな。
お嬢様は空いた口がふさがらなくなってやがった。
まさかご自慢の多方向攻撃を全部躱されるとはまったく思ってなかったみてぇだ。
そのままタバコをもう一息吸う。
「あぁ~、やっぱ何度吸ってもまじぃなぁ~。もうちょっとマシなもんはなかったのかね~、あの爺さんは」
ついついそんな愚痴をもらしちまう。
こいつも偏に、退屈なのがいけねぇ。
さっきから俺に向かって四方からレーザーが飛んでくるが、それでも焦らせるようなもんは一つもねぇ。散歩にいくような気分で空中を歩いて行く。
その光景にお嬢様の顔が恐怖に染まっていく。
信じられないようなものを見ているような、そんな目だ。
俺はそれを眺めつつ、またタバコを吹かす。
そろそろ一箱吸い終わっちまうんじゃねぇか? まぁ、電子タバコだから本数もへったくれもねぇんだがなぁ。
それであっという間に二十分が過ぎ、そろそろ三十分になりそうになった。
お嬢様は血圧が上がりまくったうえに息切れを起こしていやがった。
試合を見ていた奴らは最初こそ驚いてやがったが、後半からは何も言わなくなった。
そりゃあ、代表候補性との試合がここまで長引くとは思ってなかったんだろ。
(実際はこの異様な試合に言葉を失っているだけである。猛攻を仕掛けているはずの代表候補生が息切れを起こし、その相手である男子生徒はタバコを片手にリラックスした様子なものだからどちらが優勢なのかまったくわからなくなっていた)
そして俺の方にプライベートチャネルが入る。
「はい、もしもし」
『ハーケン君ですか! やっと・・・やっと届きましたよ、織斑君のIS』
マヤから息切れしつつも喜んだ報告が入って来やがった。
やっと来やがったかぁ。いい加減飽きちまってたよ。
俺はやっとかぁ、と思いながらお嬢様に通信を入れる。
「やっとイチカの野郎のドレスが届いたってさ。んじゃ終わらせるかねぇ」
「ひっ!?」
そう口元で笑顔を浮かべてお嬢様に言うと、お嬢様は声を引きつかせる。
そして俺は・・・・・・・・・
試合終了のブザーが鳴り響いた。
『レオス・ハーケン棄権のため、セシリア・オルコットの勝利』
「「「「「「「「「はぁっ!?」」」」」」」」」」
試合会場から満場一致の声が上がる。
お嬢様は何が起こったのか分からなねぇ、て面してやがった。
「そんじゃ後はイチカとよろしくな。んじゃ」
そうお嬢様に言って、俺はピットに歩いていった。
何で戦わねぇって? 報酬も無いのに戦うかよ。
それにな・・・俺が楽しみたいのはお嬢様とイチカの試合であって、俺の試合じゃねぇんだよ。俺はそれまでの時間稼ぎだってな。そういうわけで俺は失礼させてもらうぜ。
クラス代表はどうするんだって?
そんな面倒なことはやらねぇよ、面倒臭せぇ。
ま、そういうわけだ。
イチカの野郎にはこの後楽しませて貰うとするぜ。
そう思い笑顔を浮かべながら俺は周りを放置してアリーナを去って行った。
主人公の専用機のイメージはフルメタのガーンズバックみたいな感じです。
一次展開ではブースターの無いマクロスFのEXギアみたいな感じで。
空中での機動は陸上と変わらずに出来、イメージではヴァルヴレイブのカーミラに近いかも。
もっとアクロバティックな動きもしますが、今回は余裕で避けられるのであまり動いてないです。