東方破天荒   作:Xeta

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えっち(大嘘)


1_幻想の郷

「よっ」

 

「ん。お茶いる?丁度入ったところよ」

 

「おぉ、頂くとしようか」

 

 

春も手を伸ばせばすぐそこ。

 

道行く者十人に問えば、普段は十人がのどかだと応えるような季節だ。

 

ただ、この神社には道行く者などいない。

 

呆れるほどの妖怪と、ごく少数の変わり者だけが。

 

 

「みかんもらうぜ」

 

「あ、ちょっと、勝手にとらないの」

 

 

弥生の末時期だ。冬のお裾分けでもらったみかんもそろそろきれる時期だろう。

 

こたつの上のザルが、空になる。

 

「……ったく、これは異変でしょ……」

 

それもそのはず。

 

 

まだ雪が積もっているのだ。

 

 

しんしんという擬音が憎たらしいほど似合う寒さ。

 

「……なあ、なんか聞こえないか?」

 

「5秒くらい前からね」

 

「じゃあ空耳じゃなさそうだな。どこだ、またあの天狗か?それにしちゃ声が低いか」

 

「やっぱり声ね。しかも、聞き覚えがない」

 

そう言って、博麗の巫女…霊夢は縁側の板べりを蹴り、雪の上を浮き回る。

 

「……上よ」

 

「じゃあ大方『スキマ』妖怪の仕業だろ」

 

「…でも人が降るなんてある?」

 

「そう言われると…確かに」

 

言う間にも声はどんどん近くなる。よほど上から落ちてきたのだろう。

 

「助けに行かないのか?どうせ真上だろ、神社に尸撒き散らされたってお前も嬉しかないだろ」

 

「真上じゃないわ、石畳寄り。それに紫が落としたのなら着弾対策も施されてるわ」

 

「着弾てお前なぁ「ズドム!!!」おっと…来たな」

 

「さーて、そこの妖怪、どういうことか説明してくれるかしら?」

 

「グェ」

 

「変な声出さないの。レディなんでしょ?」

 

「妖怪よ」

 

いつの間にか魔法使い…魔理沙の帽子に、小さな境界が創られていた。躊躇いなく指を突っ込み、覗いていた目が引っ込む。

代わりに部屋の隅の空間が歪み、大仰な仕草と共に妖怪の白い肌が現れる。レディと言っても遜色のない大人びた輪郭がそれに続く。

 

「で、どういうこと」

 

「彼に聞きなさいよ。私も知らないわ」

 

「管理者が侵入者をつかんでないわけ?」

 

「私は境界の管理者。今回の担当は幻想郷の管理者よ」

 

「…博麗神社だから霊夢じゃないのか?」

 

「もっと上よ。本質的な管理者」

 

「じゃあ…龍神だっていうの?」

 

「そうよ。だから私も知らない。それじゃ」

 

「あ、おい、ちょっと!」

 

魔理沙の食べかけのみかんを掠めとり、空間の歪みの先に薄紫のドレスが消える。

 

「……じゃ、聞くしかないわね。あの人に」

 

霊夢は呆れた様子。大体管理外だというのならなぜ紫が手を出す。そうでなくとも顔を出すんだろうか…?

 

 

まさか、紫の「予想外」が起こったのかしら?

 

 

その予感は、巻き起こっていた雪煙の中から覗いた人影に掻き消される。立って、歩いている?あの高度で?

 

まず人間ではない。人間だとしても「こっち」の人間だろう。妖怪etcだった場合まずシバキ倒してそれからここの神様にちょーっとお灸を据えなきゃね。

 

そのアテは外れ、人間の形だ。角も羽根も妙なものもつけていない。いや、ついていない、か。

 

1つ特異を挙げるとするならば。

 

「っあ゛ーーー……もうやだ……」

 

そいつは、刀を背負っていた。

 

真剣…。

 

「うーんと、初めまして、かな?」

 

気さくに言う。

 

「俺もよくわからんうちに戻されたが、久しいな、こんな風景は」

 

「…色々聞きたいことはあるけれど、まず聞きましょ。

 

あんた、誰?」

 

「まあそう構えるなって。俺は言葉 結斗。カンナは確か…ヨロズノコトノハノミコト?そうだ、万代言葉命。ここ、博麗神社の現人神だ。気軽にゆいととでも呼んでくれ。」

 

「……は?」

 

畳の上で、巫女と魔法使いは、口を開けるしかなかった。

 

「はぁあああああぁあああああ!?」

 

 

 

 

第一章:冥界の楊貴妃

 

 

 

 

Start!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




えっち(大嘘)(まんざらでもない)
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