「えーと、龍神がお前さんの現人神の力を再解放したことまではわかった、で、なんでだ?」
「知るか。十五代、君は?」
「十五代っていうのやめなさいよ……私は、ここ博麗神社の巫女、博麗霊夢。改めて、宜しく。気を許すつもりは微塵もないけど」
「見りゃわかるさ。そりゃ空から自分の神社の現人神が降ってきたって言っても疑われるだろ」
「なら話は早いわ。【夢想天生】」
霊夢の体が宙に浮き、色とりどりの光る玉がその体の周りを回る。廻るといっても遜色は無い、美しさ。
「ああなりゃ霊夢は無敵だ。ここの神なら、何をすればいいかわかるだろ?」
「…触れろと?」
「ご名答。ま、できたら一応は信じてやる」
小馬鹿にするようなアドバイス。どうせハッタリだとでも思っているのか。まあ仕方ないか…
と、その時。
周りの玉が突如分裂したかと思うと、自分目がけて飛んできた。
「おーっっと……魔法使い君、これはどうすりゃいいの?ルールがイマイチわからん」
「スペルカードバトル。勝利条件は、相手より美しくあること」
「単純明快で助かるね。それに」
眼に火が点る。
「美は、好みだ」
「……!?」
雰囲気が変わった。霊夢は眼を瞑っているから何が起こったかはわかるよしもないが、明らかに、何かが変わった。それしか感じられないほど、何も変わっていないように見える。実際に何も変わっていないのだ、無理もない。
剣に、手をかける。
「ふっ」
チィン!
「……は?え、は?」
口を開けるしかない。
一瞬にして彼の周囲の弾幕が消えた。
能力……であれば使えば気づく。じっと見ていたのだ、気づかないはずがない。
まさか、真逆……
ただの居合?
「魔理沙くんでいいのかな?ご名答」
口に出ていたようだ。それにしても目で追えなかった。さしもの霊夢も眼を開けて、情景に戦慄する。それも眼だけ、表情は穏やかなまま。なんかきもちわりいなそれ。
「じゃ、俺の番。【コトノハ】」
「【夢想天生】」
ふわりと、宙に浮く。
あいつ、霊夢のスペルを、何故……!?
それにコトノハって何だ!?
浮いた彼は、満足気な顔をする。
「よしよし、できた。鈍っちゃいねぇな」
そのまま、霊夢との20メートルほどの距離を一瞬で詰め。
触れた。それも霊夢の頬に。掌をあてて。
「どうだい、霊夢?これで信じられるかい?」
「……参ったわね…降参、降参。一応のところは信じてあげる。それより今の、説明をしなさいな」
掌をあてられた頬の赤らみは驚きによるものだろう。説得は上手くいったらしい、助かった。
「……はいはい」
「……マジかよ……何か、これも普通に異変じゃね?」
外見は健全なお年頃の若者二人(空中)を白い目で見つつ、こたつの中の魔理沙は呟いたのだった。
ちんちん