雁夜おじさんのバオー来訪者ネタ Staynight編 作:蜜柑ブタ
書けるうちに書いとく。
ライダー奪還のための会議?
キャスター襲撃後、衛宮宅から、数キロ離れた場所の路地裏に逃げ込んだ。
「…追っては来ないわね……。」
「遠坂…おまえ…!」
「仕方ないじゃない。セイバーを奪われないためには。」
「そこまでして!」
「じゃあ、アイツにセイバーを取られてもよかったわけ?」
「っ!!」
「私がうまく立ち回っていれば…、ライダーを奪われることはなかったはずです。申し訳ありません、シロウ。」
「いや…、俺が藤ねえを人質に取られてたから、セイバーを止めたからいけなかったんだ…。」
「ごめんね、桜ちゃん……。私が最善を尽くしてって、ライダーに頼んだばっかりに…。」
「どうしようもないだろ。まさか令呪ごとサーヴァントを取るなんて、そんな反則技が使える奴だなんて、誰が想像するかよ。」
胸の前で祈るように手を置いている俯いた桜に代わり、雁夜が言った。
それぞれが謝る相手に謝罪しているのを見ながら、凜はため息を吐いた。
そして、桜を見て、桜に近づいた。
「桜。」
「……なんですか?」
「あなたは、聖杯戦争を降りなさい。」
「凜ちゃん!」
凜の言葉に雁夜が声を上げた。
「そして、遠坂に帰るか、教会で保護を受けるのよ。」
「イヤです。」
凜の言葉を聞いて桜がすぐに拒絶した。
「マスターでなくなったあなたには、聖杯戦争に参加する権限はもうないわ。どこにも属さない魔術師は、教会の保護を受けるか、どこかの魔道の家の加護がないと魔術教会に目を付けられるのがオチよ。桜。あなたは、自分の希少性を分かっていないわ。もし魔術教会が目を付けたら、あなたは……。」
「それでもイヤ。」
「桜! 私はあなたを思って…!」
「なら…、ライダーを取り戻すわ!」
更に言い重ねる凜に、桜が顔を上げて言った。
「それなら、文句は無いでしょう!?」
「サーヴァントを失ったあなたにできると思ってるの!?」
「私は、一人じゃないわ!」
「ああ、もちろんだ。」
「私、ライダーと約束したもの。こっちも最善は尽くすって。」
一人じゃないと言う桜に、雁夜とツツジが賛同した。
雁夜とツツジがいることを思い出した凜は、くっ…っと言葉を詰まらせた。
「凜。君の負けだ。あの様子じゃ、君の妹は、テコでも動かんぞ。」
「……分かってるわよ。でもね、桜、私がさっき言ったこと、頭の隅でも…。」
「いったん帰ろう、桜ちゃん。」
「そうだな。夜遅くに探索しても見つかるモノも見つからないだろうしな。」
「分かったわ。」
「ちょっとぉ、聞いてるの!?」
凜の言葉を無視して、三人は間桐邸に帰って行ったのだった。
凜は悔しさのあまり、路地裏の建物の壁を殴った。
「セイバー。」
「ええ。分かっています。彼女に協力するのですね?」
「ああ。こうなっちまったのは、元を辿れば俺達のせいだからな。俺達を守るために、ライダーが犠牲になっていいわけがない。」
「私も、彼女とは、あの時の勝負を付けなければなりません。」
「明日、間桐の家に行こう。」
「はい。」
「あんた達…、やすやすと敵の懐に入ろうっての?」
「間桐は敵じゃない。」
「違うわ。キャスターよ。アイツの狙いはセイバー。セイバーを連れて行ったら、それこそ敵の思い通りよ。」
「じゃあ、遠坂はどうするんだ?」
「私は…。」
凜は、口ごもったが、すぐに腕組みして堂々と答えた。
「私も行くわよ。今後の戦局を左右するから、セイバーを奪われるわけにはいかないの。」
「じゃあ、一緒に間桐の家に行くか?」
「それは、なし。固まっていたら敵に隙を見せることになるわ。」
そうして、それぞれが動き、ある者達はキャスターからライダーを取り戻すため。
ある者は、セイバーを敵に奪われないようにするため。
それぞれ、動くことにした。
***
そして、翌朝。
朝靄がある早朝に、士郎はセイバーと共に間桐邸に来た。
「おはよう。衛宮くん。セイバーさん。」
「おはようございます。ツツジさん。」
「おはようございます。」
ツツジに出迎えられ、間桐邸にあげてもらった。
茶の間に通され、揃ってから会議となった。
「キャスターの居場所は分からないけど…、ライダーの匂いは辿っていける。」
「そんなことができるんですか?」
「衛宮くんの家でいったん途切れてるけど、風に乗ってくる匂いはある。微かだけど、たぶん建物の中とかかも。」
「コイツの匂いによる探知能力は、とんでもないからな。信用して良いぜ。なにせ、匂いで盗聴までする奴だからな。」
「あなたは一体…?」
「私は、人間じゃない。けど、雁夜とも少し違う。」
不審そうな顔をしてツツジを見つめるセイバーに、ツツジは微笑んだ。
「まあ、それはそうと、凜ちゃんは?」
「あいつは、別に動くみたいだ。」
「うまくいけば、挟み撃ちとかできるかもね。」
「しかし、令呪ごとサーヴァントを奪うとはな……。」
「キャスタークラスは、そのクラスの名の通り、もっとも魔力を行使する能力に長けた英霊です。選ばれた英霊にもよるでしょうが、それぐらいのことが可能な英霊だったのでしょう。」
「ライダー…、だいじょうぶかな?」
「令呪が奪われたとなると、ライダーは、今頃、服従させられるために拷問を受けているかもしれません。下手をすると、ライダーと戦うことになるかもしれませんので、それを念頭に置いてかからなければなりませんよ?」
「ようは、キャスターから令呪を奪い返せれば全部解決だよね?」
「まあ…そうですが…。」
「キャスターの狙いは、本当はセイバーだったんだ。セイバーを囮にするってのはどうだ?」
雁夜がそういうと、セイバーは難色を示した。
「……私は、サーヴァントです。聖杯戦争における、戦いの駒なのですよ?」
「…悪かった。今の無し。」
「失敗したら、あのルールブレイカーってナイフでセイバーを奪われかねないからな…。」
士郎も、良い考えだとは少し思ったが、最終的には賛成できなかった。
「場合によっては、雁夜に、キャスターを倒して貰えばいいよ。今のところサーヴァントを相手にして、殺せる、一番の戦力なんだし。」
「そういえば…、そうですね。」
セイバーは、第四次聖杯戦争の時の雁夜の力を思い出した。
あのアーチャー…、ギルガメッシュの乖離剣による時空の歪みによってサーヴァントである自分達でも動けぬ中、彼だけが身動きを取ってギルガメッシュの首を切り落としたことを。
「セイバー?」
「シロウ。もしも…私がキャスターの手に落ちた…、その時は…間桐雁夜を…彼を頼ってください。」
「何言ってんだよ?」
「彼ならば、キャスターを討つことができるでしょう。」
「っ…、そこまで。」
士郎が、雁夜を見た。
雁夜はポリポリとばつが悪そうに頬を指で掻いた。
「決まり? それとも、もっと他に案がある?」
「いや、今のところない。」
「同じく。」
「ツツジさん。お願いします。」
「分かった。……なんかこう…、……お寺っぽい匂いがする。」
「どこだよ? 寺っつても色々と…。」
「ずいぶんと荒らされてる…。この微かに匂う、この匂いは…バーサーカーかな?」
ツツジは、目を閉じて集中した。
「なるほど…。キャスターがどうしてセイバーを欲しがってるのか分かった気がする。」
「どういうことだ?」
「キャスターは、一度バーサーカーに痛めつけられてる。だからバーサーカーをさっさと倒してしまいたいんだ。そのためには、強力な戦力がいる。そのためには……。」
「それでセイバーを?」
「でも、セイバーだけじゃきっと足りないって分かってるはず。だから、凜ちゃんのところのアーチャーも危ないかも。」
「アーチャーもか。」
「確かに、私とアーチャー、そしてライダーが揃えば、あのバーサーカーとも十分すぎるほど戦えるでしょうね。」
「けど…、向こうも少し考えてるね。」
「どういうことだ?」
「魔力の空きがないんだよ。もし、セイバーとアーチャーを捕まえても、それを維持するだけの力が無いんじゃダメだから…。だから誰を切り捨てて、その空きを作るか…。」
「あっ…、ライダー!?」
桜が口を両手で覆った。
戦闘に長けたサーヴァントで選ぶのだとしたら、おそらくキャスターは、魔力を消費する宝具に依存しているという点で、ライダーを切り捨てるだろうと思い至ったのだ。
「絶対服従させられる令呪が向こうにあるということは……、そういうことだよね。」
「セイバーとアーチャーを手に入れた瞬間に、ライダーを自害させればいいってわけだ…。」
「そんな!」
「あ…。」
「どうした?」
「凜ちゃんが、…先に動いてる。」
「えっ、そこまで…、けど、マズいんじゃ!?」
「そうだね。私達も行こう。アーチャーを取られる前に。」
ツツジが立ち上がり、全員が立ち上がった。
そしてツツジが匂いで凜の匂いと、ライダーの匂いを辿り…、柳洞寺へたどり着くことになる。
しかし、そこで待っていたのは……。
凜を人質にされ、ルールブレイカーで令呪ごとキャスターに存在を奪われたアーチャーがいた。
色々と考えたけど、最後の方は、結局漫画版の展開にしました。
セイバーがいないけど、ライダーが代わりにアーチャーと戦ってます。
暗殺者って……、葛木ほど厄介な初見殺しはいないだろうなぁ…。
魔力に空きが無く、宝具に依存しているという点で、戦闘能力はセイバーに劣るから、キャスターが切り捨てる可能性が高い…っというのは捏造ですので。