雁夜おじさんのバオー来訪者ネタ Staynight編   作:蜜柑ブタ

22 / 27
バーサーカー編の終わり後の、つかの間の平和?

セイバーとの関係について相談しに来る士郎。


後半は、雁夜とツツジの会話。不穏な未来?


SS20 恋路

 

 バーサーカーとの激しい戦いが終わった。

 

 聖杯戦争に敗北したイリヤは、士郎の家にやっかいになることになった。

 その件から以降、セイバーの様子がおかしいと、士郎がなぜか雁夜に相談しに来たのだった。

「なんで、俺?」

「すみません…。」

「まあ、いいけど…。」

「とどのつまり、嫉妬じゃない?」

 お茶をお盆で運んできたツツジがそう言った。

「しっと? セイバーが? 誰に?」

「衛宮くんって意外と鈍いね~。」

「俺、鈍いですか?」

「セイバーから幸せにするって言われてるんでしょう? ……意味分かる?」

「えっ?」

「気にするな。こいつの地獄耳は今に始まったことじゃない。」

「い、いいえ、そうじゃなくて…、俺、確かにセイバーにそう言われましたけど…。それって……、えっと…。」

「仮にもアーサー王なんだよ? 性別偽ってたとはいえ。ようするに、伴侶として幸せにしますって言ったようなものなんじゃない?」

「!?」

 その瞬間、士郎の顔がボンッと赤くなった。

「セイバーって、可愛いかつ綺麗だもんね~。大事にしないといけないよ?」

「ななななな…そ、そそそそそんな! 俺みたいなチンチクリンなんて、セイバーにふさわしくなんて…。」

「ふさわしいとかふさわしくないとかっていうのは、別に関係ないと思うよ。」

「でも、でも、でもぉぉ!!」

「あ、でも待てよ……。」

「はっ?」

「セイバー的には、衛宮くんをお嫁にって感じじゃないかな?」

「俺が嫁!?」

「セイバーの男女感覚が、女性よりなのか男性よりなのか…、まあそれは別に問題はないとして、衛宮くんってずいぶんと家庭的だから、お嫁さんにしたいって思ってたりして。」

「なんか、あり得そうだな…。あっ。」

 ツツジの言葉が妙に真実味をおびているように感じて、雁夜がそう納得していると、ハッとして雁夜が士郎の方を見た。すると士郎は、混乱しているのか、俯き耳まで真っ赤にしていた。

 雁夜とツツジは、顔を見合わせた。

 これ…、満更でもないのではないかと。

「でも…、俺男だし…。セイバーは、女の子だし…。」

「今は、主夫って言葉があるように、昔の男尊女卑が当てはまらないよ。堅く考えないで、焦らず、じっくり考えてみたら?」

「……はい。」

「あれ? 俺が相談に乗られたんじゃなかったっけ?」

「どうせロクに答えれないでしょ?」

「うぐっ!」

 ズバリ言われ、雁夜は呻いた。

 恋患い歴、約11年の男……。間桐雁夜。他人の恋路の相談なんて助言できるわけがない。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 それからというもの、士郎は、ツツジにセイバーとの関係についての相談をするようなった。

 そういう類いの経験の無いはずのツツジは、相談に乗り、士郎を導いた。

「おまえ…、どうしたよ?」

「なにが?」

「色恋沙汰なんて越えて、子供が欲しいって言ってただけのお前が…、どういう風の吹き回しだって思ってな。」

「別に。なんて言うか…、子供の相談に乗る母親の気分ってやつ?」

「おまえが? ハハ…想像出来ねぇ。」

「それって、私が母親になれないってこと?」

「そうじゃないって。ただ、俺もだけど…、お前も見た目が変わってないじゃないか。もっと大人になった淑女になったお前だったら、また話は別だっただろうなって。」

「…そうだね。」

「これも…バオーの影響か?」

「分からない。でも、ただ老いたら、子孫を次には残せないもの。だから時間を遅らせていても不思議じゃない。」

「かりに…、俺に子供が出来たらどうなる?」

「あ、ついに大決断…。」

「そうじゃなくて! もしもの話だ! そうなったら、俺の中のバオーはどうなる?」

「……雁夜は、男だから子供に移行はしないと思うよ。」

「……お前は?」

「……たぶん、死ぬ。」

 意外にもあっさりとツツジは言った。

「蟻にしても、蜂にしても、女王は次世代を産んだら、死ぬんだよ。」

「それだと、生まれた子供はどうすんだよ?」

「さあね……。誰かが育ててくれるよう、私のように孤児院に連れて行くしかないね。もしくは、生まれた時点で一人で生きられるほど強いかもしれないし。分からないや。」

「生まれる子供の能力が未知数か…。」

「私のマザー・バオーだって、マザーだなんて言われたけど、実際のところ進化の途中過程だし…ね。」

「そうなのか?」

「うん。」

「もしも…、お前の子が産まれて、その子にマザー・バオーが、次の世代の卵を植え付けたら……。」

「…その子が望めば世界は変わるだろうね。」

 ツツジがそう言うと、場がシンッとなった。

「だいじょうぶ。まだ、そこまで切羽詰まってないから…。」

「じゃあ、切羽詰まったら、ヤバいって事だろ?」

「私の中のコレ(マザー・バオー)がそこまで望んでないのが幸いだった。」

「じゃあ、こないだのアレなんだよ?」

「うーん…、生理でホルモンバランスが崩れて、影響されたのかなぁ?」

 

「ツツジさん、雁夜さーん!」

 

 そこへ、桜が駆け込んできた。

「どうした、桜ちゃん?」

「先輩が…。」

「衛宮くんが?」

「セイバーさんとデートするらしいんですよ!」

「わぁお。思い切ったね。衛宮くん。」

「はー…。若いなぁ。」

「あの、雁夜さん…。」

「えっ?」

「ほら、雁夜。良い機会だから、行けば?」

 ツツジを見ると、ツツジは、ニヤニヤと笑っていた。

「デート…してください!」

「えーーー!?」

 

 こうして、桜と雁夜によるデートが決まった(強制)。




原作漫画じゃ、士郎とセイバーのデート回なんですが……。
それは、セイバー陣営サイドの話なので、桜と雁夜のデートを突っ込むことにしました。
ダブルデートではありません。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。