雁夜おじさんのバオー来訪者ネタ Staynight編   作:蜜柑ブタ

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サブタイトルがいい加減思い付かなくなってきた。
2~3縛りはキツイかも。なぜかって? pixivであげるときに文字制限があるから。
pixivでは、サブタイトルの前に『雁夜おじさんのバオー来訪者Staynight編。』を付けているんです。


前半は、ギルガメッシュのことを黙っていた雁夜達に問い詰めるセイバー。


後半は、なぜか、ランサーとツツジの対決。
なんとなく、ランサー→←ツツジ?っぽい。


SS22 愛

 

 ギルガメッシュの生存。

 それは、セイバーにとっては、衝撃的な事実だった。

「あなた方は、知っていたのですね?」

「ああ…。」

「なぜ黙っていたのです?」

 場所は、間桐邸。

 そこで、セイバーと士郎は、雁夜達がギルガメッシュのことを知っていて黙っていたことを問い詰めていた。

「別に悪さはしないって思ってたからだよ。」

 ツツジが言った。

「雁夜殿、あなたは前の聖杯戦争の生き残りです。ならば、前の聖杯戦争のサーヴァントがいまだに残っているのは問題だと…。」

「俺も、ツツジと同じで別に問題だとは思ってなかったんだ。」

 雁夜は、ばつが悪そうにそう言った。

「ギルガメッシュはね…。確かにあの時死んだんだよ。でも生き返った。」

「なぜ?」

「それは……、あの冬木の大災害を起こしたあの黒い泥のせいだと思う。あの中から飛び出してきたんだよ。」

「なっ…。」

「今まで何回かギルガメッシュとは会ってたけど、こっちに喧嘩売ったり買ったりして、喧嘩はしてたけど、悪さはしてなかったんだよ?」

「そんな頻繁に?」

「なんでか買い物の時によく会って…。向こうは、待ち伏せしてたのか!?って怒ってたけど、そんなつもり、ひとかけらだってないのに…。」

 はあ…っと、ツツジがため息を吐いた。

「ギルガメッシュを報っておいたことは、私達の責任。そして、彼のマスターである言峰綺礼もね。」

「言峰って…、あの神父のことか!?」

「そう。彼が、前の聖杯戦争での、ギルガメッシュの新しいマスターだった。遠坂時臣さんを裏切って、二人で手を組んだんだよ。」

「そんなことが…。」

「待ってくれ…。遠坂時臣って…まさか…。」

「そう、凛ちゃんのお父さんだよ。あの人は、かつてギルガメッシュのマスターだった。」

「なのに、裏切った…?」

「ギルガメッシュにとって、時臣さんは、つまらないだけの人だったらしいよ。だから、弟子だった言峰綺礼を誘った。そして裏切った。」

「それなのに…、放って置いたっていうのかよ!?」

「シロウ。落ち着いてください!」

「これが落ち着いてなんて…。」

「放っておいてなんかない。雁夜さんは、セイバーと、バーサーカー、そして切嗣さんと一緒に、あの二人を倒しに行った。そして、ギルガメッシュを倒して、言峰綺礼も倒した。でも……。」

「……そう…、私は、切嗣と共に聖杯を破壊してしまい…。」

「お前だけの責任じゃねぇよ。俺だってあの時、あの場にいたのに、令呪の強制力に操られたお前を止められなかったんだ。」

「雁夜殿…。」

「じゃあ、どうして言峰綺礼がまだ聖杯戦争の監督をやってんだ? あいつ…、爺さんが倒したんだろ?」

「それなんだけど……、ギルガメッシュと繋がってたせいか、あの時死んでた言峰綺礼も泥から復活しちゃったんだよ。」

「そんな!」

「確かに死んだ命を生き返らせることが可能な願望器……。聖杯の力は、本物だ。だが…、あの冬木を襲ったあの災害を考えれば、正しいモノじゃないってことは火を見るより明らかだ。どうする、セイバー? このまま聖杯戦争を続けて、聖杯を手に入れるのか? 士郎くんもだ。あの冬木の大災害を起こした元凶を何の願いに使う?」

「それは……。」

「そんなもの…いらない!!」

「シロウ…。」

「そんな歪んだモノは、破壊すべきだ!」

「なら……、あの子、死ぬしかないかもね。」

「なっ…?」

「イリヤって子…、あの子が、この聖杯戦争の今回の聖杯だよ。」

「ツツジ、おまえ…。」

「匂いで分かる…。あの子の中に、あの時の泥と同じ匂いが満ち始めている。あのアイリスフィールって人と同じ匂いがする。」

「あ…。」

 セイバーは、第四次聖杯戦争でのことを思い出した。

 切嗣の妻であったアイリスフィールは、同時に聖杯戦争におけるアインツベルンが寄越した人型の聖杯だったことを。

「ああ…、あぁあ…!」

「セイバー? どうした?」

「私は…アイリスフィールまでもを…!」

「セイバー? セイバー!」

 あの時破壊した黄金の杯が、アイリスフィールのなれの果てだったのだという事実を知ってしまったセイバーは、頭を抱えた。

「それは…、切嗣も覚悟の上だったはずだよ。」

「爺さんが?」

「そうなることは…分かってたはずだよ。二人は…。それでも聖杯を欲して…、結局こんなことになってしまった。過去を悔いても何も変えられないよ?」

「ですが!」

「今気にすることは…、ギルガメッシュのことを私達が放っておいていたこと。そして、言峰綺礼の目的……。それを知ること。…っ。」

「どうした?」

「衛宮くん…、家に帰った方が良い。」

「どうして?」

「イリヤちゃんが…危ない。」

「えっ?」

「先輩! ツツジさんがこう言うときはいつも悪いことが起こる前触れなんです! 急いで!」

「あ、ああ! セイバー、立てるか!?」

「…はい。」

「俺達も行った方がいいか?」

「そうだね。」

 そして、一行は急いで衛宮宅へ急いだ。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 衛宮宅に入ると、まず血の匂いがした。

「遠坂!」

「……士郎?」

 目を覚まさないでいたイリヤの看病をしていた凛が、部屋の壁に血を流して座り込んでいた。

「遠坂? 遠坂!」

「うるさいわね…。失血はしたわよ…。」

「血…。飲むか?」

「それは、願い下げ…。」

 雁夜からの申し出を凛は断った。

「ごめんね…。イリヤ…さらわれちゃった…。」

「言峰か?」

「ええ…。」

「なんで、イリヤを……、まさかアイツは、聖杯を?」

「…知ってるの? イリヤが聖杯の器だったこと…。」

「前の聖杯戦争での器だった人と同じ匂いがしたから。」

 ツツジが答えた。

「そうね…。この地で何度も行われてきた聖杯戦争のための聖杯の器を提供してきたアインツベルンから来たんだもの…、イリヤが聖杯で間違いないわ。正確には、あの子の心臓がよ。でも…、まだ時は満ちてない…。」

「それは…、まだサーヴァントが残ってるからだよね?」

「そう…。セイバー、ランサー、ライダー…。聖杯が降臨するには、少なくとも六つの英霊の魂を捧げる必要があるわ。聖杯を満たしているのは、まだ四人。あと二人分捧げられてないの。だから、今すぐイリヤをどうにかするってことはないはずよ…。」

「そうか…。」

「けど、言峰教会にはいないはずよ。いるとしたら…、あの寺…かもね。」

「寺って…。」

「柳洞寺よ。あそこは、霊脈が通ってて、冬木市中の魔力があそこにとどまるの。たぶん、あそこのはず。」

「分かった。遠坂、必ずイリヤを…、遠坂? 遠坂? 遠坂!」

「だいじょうぶ。寝てるだけだよ。」

 ツツジがそう言った。

 ツツジの言うとおり、凛は眠っていた。

 とりあえず傷の手当てをして、布団に寝かせた。

「あ…。」

「敵の先兵ですね。」

「私が行く。みんなは、ここにいていいよ。」

「おい、どういうことだ?」

「向こうの狙いは、私だよ。」

「それって…。」

「私のせいで酷い目に遭ったんだもの…。」

 ツツジは、そう言って微笑み、玄関から外へ出た。

 

 玄関から出ると、十数メートル離れた位置に、ランサーが立っていた。

 

 

「よお。」

「そんなに殺気を出さなくても、匂いで貴方が来ることは分かってた。」

「そうかよ。なら、言うまでもないな。」

「うん。分かってる。」

「こないだは、酷い目によくも遭わせてくれたな。痛かったぜ~?」

「ごめん。それは、素直に謝る。」

「そうかそうか。でもな、口先だけの謝罪じゃ腸が落ち着かないのよ。」

 ランサーが槍を構えた。

「おまえの中の俺の魔力はまだ満ちてるだろ?」

「…そうだね。あれだけ貰ったから、まだたっぷりあるよ。おかげで……。貴方と、十分すぎるほど戦える。」

「本気で来いよ。」

「それは、ダメ。」

「それじゃあ、俺の気が治まらねぇ。俺のことを本当に思うのなら、本気をだしな。」

「…正直ね。貴方が、サーヴァントじゃなかったら、よかったのにって、思ってる。そしたら、強い子が授かれたのにって。」

「……はは。お前との子か…。想像できねぇ。けど…、悪かないな。」

「…ありがとう。」

 次の瞬間、ツツジの髪の毛が黒から薄い紅色へと変わった。

 そして……。

 

 

 

 

「っ!」

「雁夜さん!」

「ツツジの奴…。」

 雁夜が立ち上がり、玄関から飛び出した。

 そこで見たのは……。

 地面に刺さった赤い槍。それを握りしめている手は、途中から無くなっており、鮮血を流して地面を染め上げていた。

 そして、その槍から少し離れた位置に、仰向けに倒れているランサーがいて、その上にツツジが馬乗りに乗っていた。

「ゴホ…。は、ハハハ…。こういうのも…、悪かねぇな…。」

 ランサーは、吐血しながら笑った。

「ほんとう?」

「ああ…。そろそろ…トドメ…たのむは……。」

 ランサーの腹も胸も切り裂かれ、内臓がぶちまけられていた。それでも生きているのは、英霊であるがゆえだろう。

「……さよなら。」

 ツツジは、ランサーの血で真っ赤に染まったランサーの口に口づけをしてから、首を掴み、そのままランサーの首をねじ切った。

 鮮血が吹き上がり、やがてランサーの体が光となって消え、そして離れた位置に刺さっていた槍も消えた。

「………………………あれ、いたんだ?」

 ツツジは、今気づいたという風に雁夜達を見た。

「ツツジ…。おまえ…。」

「ん…。勝ったよ。これで、残るは、二人。ううん、ギルガメッシュを含めて三人か…。」




ツツジは、ランサーとの戦いで自らの武装現象を発動しました。
雁夜と違って、青白くなくて、薄紅色です。

ランサーとは、お互いに実は…みたいな関係になったが、なぜこうしたのか、自分でも分からん……。

もうすぐ最後かな……。
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