雁夜おじさんのバオー来訪者ネタ Staynight編   作:蜜柑ブタ

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もう、勢いで行こう!
書ける内に書く!



序盤、ライダー→ツツジ表現有り。注意。


SS23 決戦

 

 

 柳洞寺。

 そこは、かつて、キャスターと共にあった葛木が居候していた場所でもあった。

 行き場のない流れ者である葛木を受け入れ、葛木は、その居場所で教員という資格を使い、つかの間の平穏を生きていたのだ。

 しかし、今や、その柳洞寺も見る影も無く、無残な境内と、人っ子一人いない不気味な山の形だけを残していた。

 

「桜…。貴女は、無理にこの戦いに参加しなくてもよいのですよ?」

「ううん。私も見届けたい。この戦いを…。それに、貴女のマスターなんだからね、ライダー。」

「…はい。」

 桜の言葉に、ライダーは、微笑んだ。

「うわ…。この匂いは…。」

 雁夜が顔を歪めた。

 まるで、山全体が生き物のように感じれた。

 おそらく、五つの英霊の魂を受け止めた聖杯が胎動しているのだろう。

「セイバー。もう一度確認しておきます。」

「分かっています。」

「念のためです。…もしギルガメッシュと言峰綺礼を討ったならば、私が自害しましょう。そして、降臨した聖杯を、貴女が…。」

 それは、事前の打ち合わせ。

 ギルガメッシュと綺礼。二人を倒し終えたら、聖杯を破壊するために、ライダーが自分で死ぬのだ。

「貴女の宝具ならば、確実です。そのことをお忘れなく。」

「分かっています。…すみません。ライダー。あなたにそのような酷なことをさせてしまうなんて…。」

「いいのですよ。私はもとより、英霊に倒されるべき魂なのです。英霊として喚ばれたのが不思議なくらいですから。」

 謝るセイバーに、ライダーはそう言って手を振った。

「でも、そうですね…。心残りがあるとしたら……、ツツジと一晩熱い夜を…。」

「ぶれないわね、ライダー。」

「ツツジ殿は、そのことを?」

「ええ。知ってますよ。ですが、断られてしまって…。」

「それは、残念ですね…。」

「ところで、そちらは、士郎とは?」

「それは…。」

 聞かれてセイバーは、ポッと頬を染めた。

 士郎はそっぷを向いて、ゲホンゴホンっと咳払いしていた。その耳は真っ赤だった。

「おーい。そろそろ、空気がマジでヤバいから、早く行こう。」

 こんな状況だというのに暢気なメンツに若干呆れながらも、雁夜はそう言った。

 

 そして一行は、長い石階段を登っていった。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 境内の敷地の真ん中に、ギルガメッシュが立っていた。

 境内の空間が、奇妙に歪んで見える。

「見ろ。セイバー。」

 ギルガメッシュが空を見上げた。

「聖杯も重い腰を上げ、孔を開いたところだ。分かるか? 孔からあふれ出る黒い闇が…。」

「っ…。」

 雁夜はイヤでも匂いで感じ取った。この匂いは間違いなく、あの時冬木の大災害を招いた黒い泥だと。

「この呪いこそが、聖杯の中身。」

 ギルガメッシュがセイバーを見る。

「救いと引き換えに、呪い、最悪の形で願いを成就させる聖杯の本質よ。」

「…ギルガメッシュ。その聖杯の呪いを使って、貴様は何を望む?」

 セイバーが聞いた。

「望み? そうさな…。我が望むことなど何もない。だが…、今の我の関心はお前だけだ。」

 ギルガメッシュの背後から無数の武器が現れた。

「ああ…、ようやくこのときが来た。今までずっと考えていたぞ、セイバー。嫌がるお前をどう組み伏せ、アレを飲ませるか。泣き噎(むせ)ぶ顔を踏みつけ、その腹が身籠もるほどの泥を飲ませ、狂い死ぬに耐えきれず、我の足下にすがりつく、その穢れきった姿をな!」

「…悪趣味な奴だな。」

「どうとでも言え、ゲテモノ。貴様には用はない。行くならばさっさと失せろ。言峰は、この先の祭壇にいる。」

「…いいのか?」

「貴様もだ、小娘。雑魚のライダー共々行け。」

「いいえ。行かないわ。」

「はい。桜。」

「ふん! セイバーに貴様ごときが加勢したところで結果は同じよ。」

 桜が後ろに控え、ライダーは二つの短剣を構えた。

 セイバーも剣を構える。

「桜ちゃん!」

「行ってください、雁夜さん!」

「セイバー、行ってくる。」

「はい、シロウ。」

 雁夜と士郎が、言峰の元へ走った。

 二人がいなくなった後、少しの静寂……。

「先にそこなライダーと小娘を潰せば、我と二人きりだな。」

「そうはさせません。」

「簡単に殺せると思わないでください。」

 ライダーは、魔眼の封じを外した。

「ふん、魔眼か。三流の手だな。」

「ですが、効果が無いわけではないでしょう? 揺らいでいますよ、貴方の背後の武器が。」

「…ふん。」

 実際、ギルガメッシュの背後に浮いていた武器のが僅かに揺れていた。まるで支えを失いかけているように。

 ギルガメッシュは、余裕の笑みを崩していないが、まったく効果が無いわけではないようだ。

 次の瞬間、シュンッと闇から帯状の影が現れ、ギルガメッシュの背後にあった武器を絡め取りひと束にした。

「むっ…。」

「私の存在も忘れないように。」

 桜が両手を構えていた。

 奪い取った武器が桜の傍にガランガランと落ちた。

「小娘…、その汚い影で我の宝を…。」

 次の瞬間、一本の武器が凄まじいスピードで射出され、桜に向かって飛んでいった。

 それをライダーが短剣で弾いた。

「気が変わった。小娘、貴様の腸を切り裂き、ぶちまけ、そこの門にでも飾ってやろう。そうすれば、さぞやあのゲテモノも怒り狂うだろうて。まあ…、生きていれば話だがな。」

「雁夜さんは、負けない!」

「それはどうかな?」

「?」

「いかに最強などと謳う生物といえど、しょせんは生物。この世全ての悪(アンリマユ)に、耐えられるか?」

「えっ?」

「桜!」

 次々に投擲されてくる武器を、ライダーが次々に防ぐ。

「桜、気をしっかり!」

「あ、ああ…。雁夜さん…、雁夜さん……!」

 桜の直感が警報を発していた。

 ライダーは、ギルガメッシュと、桜を交互に見て…。

「桜…。行ってください。」

「えっ…?」

「心配なのでしょう? 雁夜を助けられるのは、きっと、あなただけですから。行ってください。」

「で、でも…。」

「私はだいじょうぶです。さあ、早く!」

「行かせると思っているのか?」

「させん!」

「チッ!」

 セイバーの攻め込みに、ギルガメッシュは、背後に出現させた剣を掴んで迎え撃った。

 その隙に桜が走って行った。

 




桜の嫌な予感は、次回。


もう超特急で終わらせていきますよ。
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