雁夜おじさんのバオー来訪者ネタ Staynight編 作:蜜柑ブタ
桜の魔術師としての実力が高いので、ライダーがセイバーをちょっと圧倒してます。
でも、途中で横槍入って、バーサーカー参戦。
蟲食。注意。
「こんばんわー。」
桜は、衛宮家のチャイムを鳴らした。
「はーい。…間桐?」
玄関を開けた士郎は、桜を見て驚いた。
「どうしたんだ、こんな遅くに?」
「すみません、先輩。セイバーさんは、いますよね?」
「いるけど?」
「……無理を承知でお願いします。うちのライダーと戦ってください。」
「……はっ?」
「だから…、聖杯戦争をしましょう、っということです。」
「おま…!」
「私は、さっさとこの戦争を終わらせたいんです。だから戦いに来ました。それだけです。」
「……分かった。」
「…すみません、先輩…。」
「セイバー!」
「はい。シロウ、どうしました?」
「……おまえと戦いたいってさ。」
「!」
「桜!」
「……いたんですか?」
凜が現れると、途端、桜の表情が無になった。
「まさか、あなた…聖杯戦争を勝ち抜く気?」
「あなたには関係ありません。」
「関係あるわ! 私は、遠坂の家督! この冬木の地の管理者よ!」
「……先輩、セイバーさんと一緒に庭に行きましょう。」
「桜! セイバーと戦うなら、先に私と戦いなさい!」
「それで? なにか私に得でも?」
「私とアーチャーが勝ったら、あなたは遠坂に戻ってきなさい。」
「…どうして?」
「間桐には、もう魔道の加護は無い。だからあなたの身を守るためには…。」
「それで…、また別の家に行かせるんでしょう?」
「!」
「一子相伝だってことは知ってるわ。遠坂は、骨の髄まで魔術師だもの。そんなの願い下げ。」
「けど、これはあなたのためなのよ!」
「私は、雁夜さんと生きる。それ以外に無いわ。」
「あの人は、ダメ!」
「他人のあなたにとやかく言われる筋合いはないわ。」
「私は…!」
「間桐…、実の姉なんだろ?」
「……もう、他人です。」
桜は、ふるふると首を振った。
「さっさとこの聖杯戦争を終わらせるため、戦ってください。」
「……セイバー。行こう。」
「シロウ。いいのですか?」
「ああ…。意思は硬そうだから。」
「はい…。」
そうして、庭に出た。
凜もアーチャーを連れてついて行った。
***
ライダーが霊体化状態から実体化して鎖の付いた短剣を構え、セイバーは、剣を手にして構えた。
「先輩。貴方には何も恨みはありませんので。」
「分かってる。」
両サーヴァントの後方に立つ、桜と士郎がそう言いあった。
「このような形で相まみえたのが呪わしいですわ…。」
「何を言っている?」
妖艶な笑みを浮かべるライダーに、セイバーは、怪訝そうに眉を寄せた。
「では、はじめましょう。行きます。」
「ハぁッ!」
ライダーとセイバーが同時に動いた。
凄まじい金属音を鳴らして、両者がぶつかった。
ガンガン! ギンギン!っと、両者の武器による打ち合いが発生する。
優れた機動性を誇るライダーの蹴り上げにより、セイバーが顎を上へ逸らして避ける。その隙にバック転をしながら距離を取ったライダー。
「やはり…、セイバークラスと真っ向から戦えない…。」
「ライダー、遠慮はしないで。」
「はい。桜。」
ライダーが、目を覆っているベルトのような物を取った。
そして、その目が開かれた。
その瞬間、凄まじい重圧のような力がセイバーの体を蝕んだ。
「っ! 魔眼!?」
「うあ…。」
「シロウ!?」
「これは、石化の魔眼!? 士郎! アイツの目を見ちゃダメ!」
「そう、私は、この呪われし眼を持つ者。ですが、目を閉じた程度では、この呪いを防ぐことはできない。そして…。」
ライダーが動いた。
魔眼の力によりステータスがワンランク下がってしまったセイバーの腹に、ライダーが突きのような蹴りを入れた。
「サーヴァントを石化させることはできずとも、その力を少し抑えることぐらいならできる。」
吹っ飛んでいったセイバーを見つめ、ライダーが体制を整える。
ヨロリッと起き上がったセイバーに向け、ライダーが跳び、セイバーの頭を蹴って、前へ吹っ飛ばしうつ伏せに倒した。
「どうやら……、貴女…、魔力が不足しているようですね?」
「くっ…。」
立ち上がったセイバーを見つめるライダー。
「そんなことでは、勝ち残れませんよ?」
「セイバー!」
「未熟な魔術師をマスターに持った運の無さを呪うのですね。」
ライダーが、トドメを刺そうと、短剣を構えた。
「シロウを愚弄するな…!」
「事実でしょう。」
「この程度で私を…。」
セイバーが魔眼の影響で重たい体を酷使して動く。
「愚かですね。」
ライダーが呆れたようにそう言い、セイバーを迎え撃った。
「させないよ。」
その直後、少女の声が聞こえた。
ハッとしたライダーが、その場から後ろへ跳んだ。
その瞬間、ライダーがいた位置に、バーサーカーの武器が振り下ろされて地面が抉れた。
「イリヤ!?」
「お兄ちゃん、だいじょうぶ?」
「どうして、ここに?」
「もう、お兄ちゃん危なっかしいから見てられなかったの。」
石化の魔眼の影響であまり身動きが取れないでいる士郎に、イリヤが駆け寄ってその顔に手を伸ばした。
「……横やりを入れてくるなんて、悪い子だね。」
「…っ、あなた…!」
物陰から現れたツツジの存在に気づいたイリヤが顔を歪めた。
「前は、よくもやったわね! バーサーカー! そいつ殺しちゃえ!」
バーサーカーの武器の矛先がツツジに向いた。
「マズい! 逃げ…。」
「だいじょうぶですよ、先輩。」
「間桐?」
「あの人…、下手するとサーヴァントとより強いかもしれませんから。」
「はっ?」
士郎が、キョトンッとしてる間に、ツツジとバーサーカーの戦いが始まった。
バーサーカーの凄まじい攻撃を、すべて軽々と避けるツツジ。
「なにやってるの、バーサーカー! そんな奴簡単に殺せるでしょ!?」
「…殺せたらいいわね。」
「なに!?」
桜の呟きを聞いてイリヤが桜を見た。
「コレ…、試してみようかな~。」
そう言って懐から出したのは、一匹の大きな蟲。
それは、膨大な魔力を持つ刻印蟲と呼ばれていた蟲の一種の、干物だ。
それをアーンと口を開けたツツジが……食べた。
「…うぇ…。」
変な虫をガリガリバリバリと食べてるツツジの姿に、凜がオエッとなった。
「よっし…! さあ、かかってきなさい巨人さん。」
バーサーカーがツツジを頭から真っ二つにしようと武器を振り下ろした。
その腕をツツジが片手を振っただけで弾き飛ばす。
腕を弾かれて驚くバーサーカーの懐に入ったツツジの真空跳び膝蹴りが、バーサーカーの顎に決まった。
バーサーカーの巨体が後方へ反れ、そのまま後ろに倒れた。
「あれ?」
場がシーンっとなった。
「ば、バーサーカー!?」
イリヤが驚愕した。
「つ、ツツジさん…。」
「わぁお。すごい。魔力があるだけで、ここまで変わる?」
「バーサーカー? 嘘! バーサーカー!」
イリヤが倒れたバーサーカーに駆け寄り、その体を揺すった。
バーサーカーは、気絶していた。
「あー、その状態じゃしばらく起きそうにないね。」
「貴女! バーサーカーに何をしたの!?」
「いや…、ちょっと魔力を取り入れてみて、攻撃したらどうなるかな~って思ってやってみたら…。こんなことに…。」
「さっきの蟲?」
「そう、魔力をたっぷり含んでる間桐の蟲だよ。その干物を取っておいて、食べてみたの。私、魔術師じゃないから、魔力を物理的に取り入れて一時的に魔力を持ったらどうなるかなって思ってやっていたんだけど…。」
「そ…、そんなことで…、たったそれだけで、バーサーカーを!?」
「まさか、ここまで変わるとは思わなかったなぁ。」
「くっ……。」
イリヤがギッとツツジを睨む。
「ごめんね。」
ツツジが申し訳なさそうに謝った。
「イリヤ。おまえの負けだ…。」
「私の負け? そんなの認められないわ!」
士郎に言われ、イリヤが士郎を睨み付けながら言った。
「現にバーサーカーがやられたんだぞ? 負けを認めろよ。」
「……くっ…。」
イリヤは、悔しさに歯を食いしばり、その場に膝をついた。
「……仕切り直しですね。」
「仕方ないわ。ライダー。お疲れ様。」
目の封じを施すライダーを、桜が労った。
原作は、魔術師じゃない慎二がライダーを使役してたから、セイバーにあっさり負けてますが、このネタでは、魔術師として力を付けている桜がマスターなので原作より多少ライダーの能力が高いかも。
セイバーが負けてるのは、まだ魔術回路の移植をしてないので、魔力供給が十分じゃないからです。
zero編の番外編だったかな? の、後書きで書いた、ツツジが魔力をたっぷり含んでる蟲を食べて一時的に魔力を持ったらという一時的なチートを発揮したらという捏造です。結果、バーサーカーを一撃でKO。
ギルが知ったら、きっと涙目。