ガールズアンドパンツァー×仮面ライダーエグゼイド 作:ジョルノ利家
お店に入った私は、店内を見てどこか懐かしさを感じていた。と言うのも私がまだ小さかった頃、お姉ちゃんと一緒にお母さんに連れられて似たようなお店に行ったことがあったから。私が行ったお店は熊本にあったから黒森峰や西住流の影響もあってドイツの戦車や軍服を中心に取り扱ってたけど、このお店は幅広く取り扱っているように見える。
「うーん、勉強するにしても、戦車ってなんかどれも同じに見えるんだけどさぁ」
「何をおっしゃいますか!一口に戦車と言っても、国や時代でそれぞれ違うんですから。あっ、例えばこれ、我々が乗るⅣ号戦車ですけど、これとこれの違いとか、分かりませんか?」
「? 一緒じゃないの?」
「違いますよ!こっちがD型、我々が明日乗る戦車です。で、こっちがH型、主砲を長砲身に強化してシュルツェンを取り付けてⅣ号をパワーアップした物です」
「はぁー、そう言われて見るとたしかに違うね」
「そうでしょう!」
「たしかに、活け花でも花の色や活け方が違えば、与える印象も違ってきますものね」
「なるほど。つまりモテとおんなじだね!」
「…多分違うと思う…」
そっか、いままで私の周りにはいなかったけど、これまで戦車に触れる機会も知識も無い人に戦車の違いとか説明するのって難しいんだ。まぁ、ポジションにもよるだろうけど、戦車道をやるだけならそれぞれの違いとか無理に覚えなくてもいいのかもしれないけど。
その後はしばらくみんなで店内のグッズや雑誌を見て回ったり、筐体の戦車ゲームをやったりした。
ふと時計を見るとそれなりの時間になっていた。お店のテレビでも夕方のニュース番組がスポーツの特集をやっている。
「いやー、結構遊んだね。そろそろ帰る?」
「そうですね」
「そうしましょうか」
「あ、うん。そうだね」
その時、ニュース番組が戦車道の話題に切り替わる。その内容に思わず私は振り返ってしまう。
テレビから流れてきたのは、黒森峰にいるお姉ちゃんへのインタビュー。お姉ちゃんは戦車道の勝利の秘訣を聞かれ、「諦めないこと、そしてどんな状況でも逃げ出さないこと」とカメラを真っ直ぐ見つめて答えていた。
私はそれを聞いてショックを受ける。きっとお姉ちゃんに他意は無いんだろう。それでもさっきの言葉は誰にも言わずに黒森峰を飛び出した私のことを言っているように、ただのカメラ目線もこれを見ている私を見つめているように感じてしまう。
「……」
「あ、あー、そうだ!」
突然、沙織さんが何か思いついたようで、思わずびっくりする。
「ねえ、今からみほん家行って良い?そんで、みんなで一緒にご飯食べようよ!」
「まあ、それ良いですね。わたくしもみほさんのお家にお邪魔したいです」
「あ、うん。それくらいなら別に…」
「あのー…」
「もちろん、秋山さんも」
「良いんですか!?」
沙織さん、自分では気づけなかったけどさっきの放送を見て少し沈んでいただろう私を心配してくれたんだろうな。
多分、一人でいたらきっといつまでも放送のことを思い出して引きずっちゃいそうだし、沙織さんの気づかいが私はとっても嬉しかった。
その後、せっかくだからみんなで料理しようということになり、スーパーに寄って食材とかを買ってから私の部屋へ。
「ちょっと散らかってるけど…」
「おぉ!クマがいっぱいでかわいい」
「ボコられ熊のボコって言うの!かわいいよね」
「ボコられ…?」
「あぁ、たしかに所々包帯を巻いてらっしゃいますね。お名前のことも考えると、ボコさんって可愛らしい顔して結構喧嘩っ早いんでしょうか」
「そうなの!ボコはケンカがすごく弱くていつもボコボコにされるんだけど、些細なことで自分からケンカを売りに行っちゃうの!それからーー」
「ストーップ!ボコの話しは後にして、まずは料理しよう!」
「あ、そうだね」
「華はジャガイモの皮剥きをお願いね」
「あ、はい」
「私、ご飯炊きます!いえ、むしろ炊かせて下さい!」
そう言っていそいそとカバンの中から飯ごうを取り出す秋山さん。
「それ、いつも持ち歩いてるの?」
「はい!いつでも野営出来るように」
「きゃあ!」
私達がキッチンに目をやると、華さんの指先から血が流れていた。
「すみません、花しか切ったことが無いもので」
「絆創膏を用意するからちょっと待ってて」
そう言ったものの、私救急箱ってどこに置いたっけ?一人だとケガとかあんまりしないし、ちょっとくらいのケガなら放っておいちゃうしなぁ。
結局料理は沙織さんと秋山さんの二人がほとんど作り、私は特にこれと言ったことができなかった。華さんは「何も出来なくてすみません」と申し訳なさそうにしていたけど、きれいな花を用意してくれた。
みんなで食卓を囲む。こんな賑やかなのははじめてだけどなんだかすごく久しぶりな感じ。料理はどれも美味しかったけど、中でも沙織さん自慢の肉じゃがはとっても美味しかった。
「やっぱり手料理と言えば肉じゃがだからね。これでどんな男の人でもイチコロよ」
「いままで落とした相手もいないのに?」
「と言うか本当に男の人って肉じゃが好きなんですかね」
「そういう噂は聞いたことあるけど」
「だってそう雑誌に書いてあったし間違い無いって!…多分」
食事を食べ終え、みんなは遅くならないうちにそれぞれの家へ帰って行った。
今日一日色々あったけど、楽しかったな。
明日からもこんな日が続くと良いんだけど。