ガールズアンドパンツァー×仮面ライダーエグゼイド   作:ジョルノ利家

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今から7年前に発生した不特定多数への感染による大規模なゲーム病発症事件、通称「ゼロデイ」を機にその脅威が知られるようになったバグスターウイルスに立ち向かう為に仮面ライダーは生み出された。

その変身には、適合手術を受けた者だけが使用出来るゲーマドライバーと、それぞれに各ジャンルのゲームが収録されたライダーガシャットが必要となっているが、その中でも今俺が使用しているハイパームテキは、とりわけ強力なガシャットだ。

ハイパームテキは他のガシャットと同じように誰でも使えるだけでなく、俺専用の特別なガシャットであるマキシマムマイティXと組み合わせることでその真価が発揮される。それがこのムテキゲーマーだ。

ムテキゲーマーは自分へのダメージやゲームエリア内の影響を遮断する特殊能力に加え、他の仮面ライダーやバグスターを圧倒する高い基礎スペックを兼ね備えており、その高いスペックは今回のような現場が比較的近い場所でのオペにおいては、治療行為そのものだけでなく、現場への移動手段としてもかなり役に立つ。

俺はムテキゲーマーの力を使い、わき目も振らずに一気に森の上を駆け抜けて行く。途中にあった大きな川を軽々と飛び越え少し進むと、その先には草原が広がっていた。

「! あれは…!」

その草原の中を、かなりのスピードで走り続けるⅣ号戦車の姿を見つけた。ここからはまだかなり離れているが、それでもムテキゲーマーなら余裕で追いつける。

…それにしても、戦車ってあんなに速く走るものなのか?たしか、沙織から連絡をもらってここまでせいぜい十数秒ぐらいしか経っていないはずだけど。

…まぁ、そんなことは今考えていてもしょうがない。俺は一気にⅣ号戦車との距離を詰めると、戦車の前方に回り込み、ムテキゲーマーのパワーを生かして車体を押さえつけた。

「悪いが、走り回るのももうおしまいだ!」

Ⅳ号戦車はそれでもなお進もうとするが、当然その場から進むことはなく、しばらくして諦めたのか完全に停止する。そしてⅣ号戦車のハッチが勢い良く開き、中から一人の小柄な少女が姿を現した。

おそらく、この子が沙織が言っていたマコって子か。

「おい、お前!無理矢理止めるなんて危ねえじゃねえか!ったく、オレの走りのジャマすんじゃねぇよ!」

少女の口から放たれた言葉は明らかに別人のものだった。彼女の意識は既にバグスターによって乗っ取られてしまっているようだ。

「…お前、モータスだろ?爆走バイクのバグスターであるお前が、なんだって戦車なんか乗り回してるんだ?」

「それがよぉ、オレの宿主、昼間から寝てばっかりでたまに動く時も一切乗り物にも乗らねえくせにストレスもほとんど溜めねえ厄介なやつでさぁ。そのせいでオレもちょっとやる気を失ってたんだが、ついさっき、偶然こいつと出会ってな。普段ならスピードの遅えやつにはまったく興味が無いオレでも、運転出来るってなったら流石にテンションが上がっちまってな」

「…それで今まで乗り回してたのか」

「まぁな。でも、やっぱ物足りねえって言うか、どうしてもオレのバイクと比べちまってさ。こいつ、パワーは文句無えんだが、全然スピードが出ねえんだよな。まぁでも、こいつに乗ってた間になんかレベルアップ出来たから、そこだけは良かったけどよ」

モータスがレベルアップしたと言うことは、それだけ患者が苦しんでいると言うことに他ならない。俺は拳を握りしめ、モータスを睨み付ける。

「でも、やっぱ走るのは気持ちいいぜ。…あ、そうだ。お前、今からオレとレースしねえか?」

「は?するわけ無いだろ」

「何でだよ!?オレとレースしようぜ!」

「うるさいな、お前に構っている時間は無いんだよ!」

俺はガシャコンキースラッシャーを召喚し、ガンモードで装備する。そしてキースラッシャーのキメワザスロットにマキシマムマイティXを差し込んだ。

『キメワザ!』

『マキシマムマイティ クリティカル フィニッシュ!』

「げぇっ!いきなりかよ!」

モータスはマコの姿から自身の姿に変わると、召喚したバイクに飛び乗って逃げ出した。

「っ、逃がすか!」

「永夢先生、待って!」

モータスを追おうとする俺を沙織が呼び止めた。何事かと思い振り向くと、沙織は不安そうな顔で俺を見つめていた。

「ねえ、麻子、大丈夫なんだよね?」

「ああ」

「ちゃんと、助かるんだよね?」

「もちろん」

「…なら、お願い!麻子を早く助けてあげて!麻子、お化けとか苦手で、多分今も怖い思いしてるはずだから…」

「ああ、任せてくれ!マコの運命は、俺が変える!」

 

 

 

自慢の愛車に乗って逃げ出したモータスは、宿主である麻子が先ほど感じた大きなストレスによって急激なレベルアップを果たし、僅かな時間でⅣ号戦車が遠くに見えるほどの距離まで逃げていた。

「まさか仮面ライダーがこんなところにいるなんて思いもしなかったぜ。だが、流石の仮面ライダーもこのオレのスピードには付いてこれなかったみたいだな!ハッハー!」

「ああ?誰が付いてこれてないって?」

「えっ?」

『キメワザ!』

『ハイパー クリティカル スパーキング!』

「ハァッ!」

モータスすら凌駕する超スピードで一気に接近した俺は、すかさずムテキゲーマーのキメワザを発動、ショートワープを駆使した連続キックをモータスに浴びせる。

「ぐわぁぁぁ……ってあら?なんともない?」

「いいや、お前はもうゲームオーバーだ」

「! ぐわぁぁぁぁぁ!」

モータスの体に『HIT!』のエフェクトがいくつも表示され、遅れて来たダメージがモータスの全身を駆け巡っていく。そしてついにダメージに耐えきれなくなったモータスは爆発し、消滅した。

『GAME CREAR!』

爆炎が晴れ、中からマコの姿が現れる。俺はマコの体をそっと抱き抱えると、急いで沙織達の下へと戻った。

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