ガールズアンドパンツァー×仮面ライダーエグゼイド   作:ジョルノ利家

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「…そう、だったんだ」

ゲーム病が原因でご両親を亡くしたと麻子ちゃんは言った。

7年前のゼロデイをきっかけに爆発的に感染が広まったゲーム病は、どんな名医であっても仮面ライダーに変身出来なければ対処できない。だけど、今現在、仮面ライダーに変身出来る人間は限られているし、仮面ライダーの力をもってしても全ての患者の命を救うことが不可能なのは事実だ。

僕自身、ドクターとなり、仮面ライダーの力を得てから、多くの命を救ってきたつもりだ。それでも、手が届かなかった命も多い。麻子ちゃんのご両親も、おそらく僕の手が届かなかった命の一つに違いないはずだ。

「ええ。まぁ、とは言っても、別にゲーム病になって消滅したって訳じゃないんですけどね」

「え?」

「両親が亡くなったのは7年前。宝生先生ならご存知だと思いますが、その当時ゲーム病が一気に知られるようになった原因になった大きな事件があったじゃないですか。その事件でゲーム病に感染した人が起こした交通事故に、両親は巻き込まれてしまったんです」

「交通事故…」

「ええ。私が病院に着いた時には既に両親は亡くなっていました。それに、事故を起こした人もその時にはもうゲーム病のせいで消滅してしまっていて…」

「…」

「…実は、両親が出掛ける前、母と少し口論になってしまって、それでちょっと言い過ぎてしまったと思って、帰ってきたらちゃんと謝らなきゃって思っていたんです。でもそれももう叶わなくて……、だからずっと後悔しているんです」

「そうだったんだね…」

大切なお母さんを傷つけてしまったこと、そしてそれを謝ることが出来ないまま永遠に別れてしまったこと。

麻子ちゃんが今まで抱えてきた想いが、いつしか麻子ちゃん自身も気付かない間に大きな傷になってしまっていたのかもしれない。

心に付いた傷は、いくら時間が経とうと簡単に癒やせるものじゃない。でも、こればかりは麻子ちゃんがどうにかしなければいけない問題だ。僕たち他人が容易に関わっていい物じゃない。

少なくとも、僕にはその資格は無い。

「確かに、今の話を聞く限りでは、君のその想いが知らず知らずの内にバグスターウイルスに感染した要因の一つになった可能性はあると思う。でも、それとは別にウイルスが活性化した原因、つまり、強いストレスを感じた出来事があるはずなんだ」

「他に、ですか?」

「うん」

モータスの口ぶりからして、奴は麻子ちゃんに感染してからかなりの時間、潜伏していたはず。だけどその間あそこまで強力なパワーを身につけることは無かったとモータス自身が言っていた以上、彼女の抱えてきた想いがウイルス活性化の原因とはならない。なら、一体何が原因なんだ?

「…そうだ、麻子ちゃん。今日の体調はどうだった?どこかおかしい感じとかはしなかったかな?」

「今日の体調ですか?そうですね…、私は元々低血圧なので朝は弱いですけど、それは普段からそうですし、特別今日だけ何かって言うのは無かったと思います」

「そう。それじゃあ戦車に乗ってからはどうだった?て言うか、そもそも麻子ちゃんって戦車道選択してたっけ?」

「そこはまぁ色々とありまして…。それよりも戦車に乗ってからのことですけど、戦車に乗ってしばらくは何とも無かったと思います。けど、途中で色々あって戦車を操縦することになった時に、ちょっとだけ違和感があったと言うか…」

「そこちょっと気になっていたんだけど、どうして麻子ちゃんが操縦してたの?確かⅣ号戦車の操縦は五十鈴さんが担当していたはずだけど」

「ああ、それは橋を渡っている時にその五十鈴さんが気絶してしまったので、それで私が戦車の操縦を買って出たんです」

「へぇ、なるほどね。でも操縦したのって初めてだったんだよね?」

「ええ。と言うか、戦車に乗ったこと自体初めてでしたけど。まぁそれでも手元に操縦マニュアルが置いてあったのでそれを見ながら何とかって感じですね」

「そうだったんだ。それで、その時感じた違和感ってどんな感じだったのかな?」

「うーん…。何て言えば伝わりやすいのかは分かりませんけど…強いて言うなら……不安、とかですかね?」

「不安…」

「初めての操縦だったので、それで不安を感じただけだとは思うんですけど…」

本当にそれだけでウイルスが活性化するほどのストレスになるのか?だけど、モータスも麻子ちゃんが戦車を操縦しだしてから強くなったと言っていたしなぁ。うーん…、それだけじゃ無いとは思うんだけど…。

「あの…、大丈夫ですか?」

「へ?ああ、大丈夫。それよりごめんね、変なことばかり聞いちゃって」

「いえ。よく分かりませんけど、宝生先生の仕事には必要なことだったんでしょう?なら構いませんよ」

「そう言ってくれると助かるよ」

そうこうしている間に僕たちは戦車倉庫の近くにまで戻ってきていた。

多少トラブルはあったものの、大洗女子初の試合はこうして無事終了することが出来た。

とは言え、この試合は彼女達にとっては始まりでしかない。大変なのはこれからだ。

僕にとっても他人事ではないし、これからより一層頑張らないと。…とりあえず、麻子ちゃんのことについては貴利矢さんに聞いてみようかな。




色々あって前回から一月経っての更新となってしまいました。
楽しみにしてくださっている皆様には大変申し訳ありませんでした。
今後はもう少し更新ペースをあげられるよう努力して参りますので次回以降も気長にお待ち頂けると幸いです。
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