ガールズアンドパンツァー×仮面ライダーエグゼイド   作:ジョルノ利家

25 / 26
今回も会話シーンです。


3-3

私達が疲れを癒す為にやって来たのは艦内のとある場所に存在している生徒会専用の浴場だ。この浴場は私たちが生徒会に入る以前から存在していたのだが、設置されている場所が場所なだけに一般生徒にはほとんど知られていない、まさに秘湯だ。が、まぁ今はそんなことはどうだっていいよね。

私たち三人はシャワーもそこそこに湯船に浸かり、今日一日の疲れを癒す事にした。

「いや~、働いた後のお風呂はやっぱり気持ち良いねぇ」

「ええ、まったくですね、会長」

「そんなこと言って、杏は私たちの後ろで干し芋食べてただけでしょ?」

「いやいや、それも仕事なんだってー」

「そうだぞ、柚子。そもそもたかが身内同士での練習試合程度でわざわざ会長のお力を借りる必要など無いだろう。それに柚子も知っての通り、会長は常日頃から我らが大洗女子の未来をより良い方向へ導くために色々と頑張ってくださっているのだ。ならばこそ戦車に乗っている間くらいは我々が努力し、その間会長には干し芋を食べながらゆっくりと休んでいただく、それこそがあるべき理想の形だと、私は思う!」

うんうん。さっすがかーしま、分かってるね~。まぁ、なんか必要以上に美化されちゃってる感はあるけど。

「…桃ちゃん、何言ってるの?」

「ヒィ!」

あ、あれ…?もしかして小山さん、笑ってなくない?いや、顔には満面の笑みが浮かんでいるけど、これ多分目の奥が笑ってないヤツだわ。あーあ、こりゃダメだ。

「…たしかに杏がいろいろ頑張ってくれているのは私も分かってるけど、だからってサボるのはダメだからね」

「分かってるってば」

私だってまだ命は惜しいからね、いざとなったら馬車馬の如く働かせていただきますとも。

さて、私の責任問題?はここら辺で終わりにしたいので、ここからは話題を変えよう。

「それよりさ、私らって戦車道始めたばっかりで、全国大会優勝!って目的こそあってもそれを実現する為にはどうするべきか、とかってあんまり考えてなかったじゃん?ちょっとそこら辺も考えてみようよ」

「そうね。西住さんが入ってくれたけど、それはこれから頑張っていくために必要な最低条件なだけで、それだけで全部上手くいくわけじゃ無いものね」

「とは言っても、今の我々に出来ることなんて基礎練習を何度もこなすしか無いのでは?」

「基礎練はマストだからなぁ。それ以外で何か、ドカンと経験値を稼げるような手段が必要……ってなると、やっぱ実戦ぐらいしか無いのかなぁ」

「仲間内だけでやるのも限界があるだろうし、どこか他の学校と実際に試合出来れば良いんだけど」

「けど、全国大会もそろそろ近づいて来てるし、そうなれば当然他の学校だって練習試合を受けてる余裕なんて無いだろうしなぁ」

「…そうよね」

「…ですよね」

始めるのが遅かった、とは思いたくはない。だがそれでも、さすがにこの時期に、しかも戦車道が復活したてで隊員のほとんどがずぶの素人の学校との試合なんて、普通は受けてくれないだろうなぁ。むしろ私がその立場なら絶対に断る自信がある。

もしこの申し出を受けるような人がいるのなら、そいつは余程の物好きに違いない。

「…まぁ、可能性はゼロじゃ無いだろうし、後で探してみるよ」

「分かった。それじゃあ杏はそっちはお願いね」

「練習の方は私と柚子でみっちりと鍛え上げてみせますので、ご心配なく!」

「ハハハ、そりゃあ心強いね。頼りにしてるよ」

なんて言うか、こういう時のかーしまのこの感じって助かるよなぁ。本人に言うと調子に乗りそうだから言わないけど。

「後は、そうだな…、験担ぎとかお参りとか何かご利益が有りそうな事も今からしておいた方が良いな」

「験担ぎ、ねぇ。確かに、困った時には神頼みっていうのは定番だけど、学園艦には神社も教会も無かったような…」

「うーむ、それ以外で何かご利益が有りそうなモノ…」

「何かあるかなぁ…」

「…。……。……あっ!」

「杏、何か閃いたの?」

「ん、まぁね。アレなら少しはご利益があるんじゃないかな」

「「アレ?」」

 

 

大洗女子学園の艦内には、生徒であれば誰でも、そして何時でも使用出来るお風呂が様々な箇所に設置されている。と言うのも、元々お風呂自体は毎日忙しい船舶科の生徒の為に設置されたものらしいのだけど、それがいつしか運動部や忍道などの選択授業の中でも特殊な授業を選択した生徒も利用するようになり、そこから評判が広がって今では様々な箇所に設置され、全生徒にも解放されるようになったのだとか。

戦車道終わりに誰かと一緒にお風呂に入るだなんて、それこそまだ私が小さかった時以来だから、なんだか懐かしい感じがするなぁ。黒森峰にいた頃は練習が終わっても反省会やら何やらで結構忙しかったから、いつもシャワーだけで済ませてたもんなぁ…。

私たちは体に付いた汚れや戦車の臭いを洗い流し、湯船にちゃぷんと浸かる。はあ、温かくて気持ちいい…。

「あぁ~、生き返った~。やっぱお風呂サイコ~」

「沙織さん、大丈夫?」

「ああ、うん。みほ、ごめんね。さっきは迷惑かけちゃって。なんかもう今日一日でいろんなことが起こり過ぎたのと疲れで、ちょっとパニクっちゃってたみたい」

「ううん。私はいつもの沙織さんに戻ってくれただけで大丈夫だから」

「武部殿、すみませんでした。私、武部殿がそんな状態にあったとも知らずに失礼な事を…」

「ああ、あれぐらいなら昔から麻子とか華に言われてたから別にどうってこと無いの。だから気にしないでいいよ」

「そうなんですか?」

「そうそう」

「あ、ありがとうございます!」

「ふふっ。あ、そう言えば麻子、あんたゲーム病治ったんだよね?」

「ん?ああ、宝生先生のおかげでな」

「なら良かった。よし、それじゃあとりあえず全部元通りになったってことで、ここで改めて私から提案があるんだけど、いいかな?」

「提案?」

「なんでしょう?」

「麻子も正式に私たちの仲間になった訳だし、ここらで戦車に乗る時のちゃんとしたポジション決め、しとかない?」

「確かに、今日のは時間無いからって適当に決めちゃったもんね」

「それに明日からは本格的な練習も始まりますから、今のうちに決めておいた方が良いですね」

「でしょ?それで、まず戦車の操縦は、これはまぁ当然麻子がやるとしてー」

「待て沙織、私はもうそれで確定なのか?」

「だってあんた、他のポジションとか出来ないでしょ?多分」

「それは……まぁ。それに、また何かを一から覚えるのも面倒だしな」

「でしょ?だったら操縦担当で決定ね。で、車長はみほね」

「ええっ!?なんで私が…」

「だって、なんか自然と仕切ってたじゃん」

「確かに、あの指揮はお見事でした!」

「私も西住さんが指揮を執るのに賛成だ。他の二人はともかくとしても、沙織よりは遥かに向いているだろう」

「そもそもわたくし達では戦車道の知識に乏しいですしね」

「でも…」

「みほ、お願い」

「西住殿、お願いします」

「お願いします」

…正直、車長はあまり得意じゃないんだけど、それでも、みんなが期待してくれているなら、私もその期待に応えたい。

「…分かりました。じゃあ、私、車長、頑張ってみます」

「うん、お願いね。で、それから…」

「あの!…わたくし、もし出来るなら、砲手をやらせていただきたいのですが…」

「それは別にいいけど、何で?」

「実は…、わたくし、あの力強い砲声と衝撃に心を撃ち抜かれてしまいまして」

「おお!その気持ち分かりますよ、五十鈴殿!何を隠そう私が戦車の魅力に取りつかれたきっかけも強烈な砲撃の瞬間を見たからでして!砲撃の瞬間に感じたあの凄まじい衝撃、響く轟音!そして狙いを定めた一撃が敵車輌に見事命中し、撃破した時の感動と言ったら!…もう、控えめに言っても最高ですよね!」

「ええ。わたくしとしては、あの時感じた感覚を、今度は自らの手で感じてみたいのです」

「ふーん、それで砲手をやりたいって訳ね。それで、ゆかりんはどうなの?」

「私ですか?…そうですね、そういうことでしたら、砲手は五十鈴殿にお任せします!確かに砲手も戦車好きとしては凄く魅力的なポジションなのですが、個人的には実弾に触れられる装填手も良いかなーと思っていまして。何しろ装填は戦車の生命線、ですからね」

「ほうほう、それじゃ砲手は華で、装填手はゆかりんに決定っと。あと残ってるのって何だっけ?」

「通信手だね」

「その通信手って、何やる人なの?」

「通信手は、仲間の戦車と連絡を取り合う為に通信機の操作をするのがメインですね」

「機械の操作かぁ…、なんか難しそう。そもそもさ、通信機とか使わないで携帯とかで直接話したりしちゃダメなの?」

「うーん、厳密にはダメじゃないかもしれないけど、試合中に一々電話したりするよりも、無線機を使って一斉に連絡を取り合った方が早いから」

「まぁそう言われると、そっか」

「通信手は伝達の要ですから、作戦の成否、ひいては勝敗も通信手次第、とも言えますね」

「え!?」

「もちろん戦車の性能や個人の技量によっても左右されるけど、あながち間違い、でもないかな」

「それぐらい通信手って大事なんですね」

「縁の下の力持ち、って奴か」

「…なるほど。つまり通信手は勝利の女神ってことだ!大洗女子の勝利の女神、武部沙織か…。なかなか良い響きじゃない!何だか急にやる気が湧いてきたかも」

「ふふ、沙織さんがいてくれれば安泰ですね」

「武部殿、頑張って下さいね!」

「まっかせなさい!」

どうやら沙織さんの中では通信手=勝利の女神みたいになっているみたいだけど、重要なポジションであることには代わり無いからそこまで間違っている訳じゃないし、そもそも本人がやる気になっているんだから余計なことは言わないでいいか。

満面の笑みを浮かべながらVサインを掲げる沙織さんと、それを持て囃す華さんと秋山さん。麻子さんは我関せずって感じだけど、ともかくこれで私たちのポジション決めは終了した。

なんとなくだけど、私たちなら上手くやっていけそう。黒森峰にいた時はあまり思わなかったけど、明日からの練習が今から少し楽しみになった。

「じゃあポジションも無事に決まったし、帰りにあそこ寄ろっか?」




前回の投稿から気づけば3か月経ってしまいました。
再放送されたガルパンのアニメはもう終わってしまいましたが、この作品はまだ序盤なので、先は長いなぁと思うばかりです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。