ガールズアンドパンツァー×仮面ライダーエグゼイド 作:ジョルノ利家
麻子も私達と一緒に戦車道をしてくれることになったし、戦車に乗る時のポジションもちゃんと決めた。後はここで必要なものを買い揃えれば準備オッケー!
ってな訳で、私がみんなを誘ってやってきたのは学園艦内にある雑貨屋さん。ここってお店が広くて品揃えも豊富だから、いつ来てもお目当ての物が買えるし結構気に入ってるんだよね。
「へぇ、こんなお店もあるんだ」
「あれ?みほここ来たこと無いの?」
「うん。と言うかこっちの方自体来たのが初めてで…」
「みほさんはまだこちらに引っ越して来たばかりですし、それにここ数日は色々とありましたから、艦内のお店などを見て回る時間があまり無かったのではありませんか?」
「それもあるにはあるんだけど、実は寮の近くにコンビニがあったから、大体はそっちで済ませちゃってて…」
「確かに最近のコンビニは品揃えが良くなってきているからな。西住さんの気持ちは分からんでもない」
「えっ、冷泉さんもコンビニよく行くんですか!?」
「ああ。基本週5ぐらいでな」
「週5って…、それは少々行き過ぎじゃないですか?」
「でも滞在時間は短い方だぞ」
「そういう問題じゃないの。ちなみにみほはどれくらいのペースで行くの?」
「私は週3ぐらいかな」
「週3…それもちょっと行き過ぎな気もするけど、麻子のを聞いた後だからかなんか普通な感じだわ」
「でも私、一回行ったら結構な時間コンビニに居るから、総合的な時間だと冷泉さん以上かも」
「それって何分ぐらい?」
「何分って言うか、何時間、かなぁ」
「何時間!?…え、みほは何でそんな長時間もコンビニに居るの?」
「季節限定の物とか、新発売の商品とか、色々な物を見て回ってたらついつい時間が経っちゃってて」
コンビニの品揃えの豊富さは私も同意するけど、だからって普通は何時間も居るほど商品を見たりはしないと思うんだけど。…うーん、やっぱりみほって他の子とはちょっとズレてる気がする。もしかして前に居た学園艦でもこんな感じだったのかな?
「な、なるほどぉ。つまり、西住殿にとってのコンビニとは、私にとっての戦車道ショップのような物、ってことですかね。ね?」
「え?…あ、あーなるほど、そういうことね。…まぁ、みほの気持ちも分からなくはないけど、これからは滞在するのはほどほどにしといた方が良いんじゃない?」
「そうかなぁ?」
「…ところで武部殿、一つお尋ねしたいのですが、武部殿はここで一体何を買うおつもりなんです?私はてっきりせんしゃ倶楽部でトレーニング用品や専門書でも買われるのかと思っていたのですが」
「ああ、それはね…」
私はキョロキョロと辺りを見回して目的の物を探す。お目当ての商品が置いてあるコーナーには着いたから多分この辺りにあるはずなんだけど…。
「あ、あったあった」
私は目的の品を手に取るとみんなの方へ振り向き、それを見せた。
「じゃじゃーん。今日はこれを買いに来たの」
「クッション?」
「そう。実は今日の試合中さ、あの椅子に座ってる間私ずーっとお尻が痛くってね、それで試合が終わったら絶対クッション買いに行こうって考えてたの」
「実は、わたくしも沙織さんほどではないでしょうけれど、少々お尻が痛くって…。クッションがあれば戦車の中で長時間座りっぱなしでも幾分かは楽になりますものね」
「それについては私も同意見だ。今回は短い時間だったから良かったが、あの硬い椅子に何十分も座りっぱなしでいるのははっきり言って私には耐えられん」
「だよねだよね!」
「ええっ、あの硬さがいかにも戦車に乗ってるぜって感じがして良いんじゃないですか。西住殿もそう思いますよね?」
「へ?あー…、まぁクッションはあっても良いんじゃないかな」
「え、えぇぇ……」
「それじゃあ賛成多数ってことでクッション導入けってーい!…で、他にも芳香剤とか色々置きたい物があるんだけど」
「芳香剤ですか!?それは流石に…」
「だって戦車の中鉄臭くってヤなんだもん」
「それも分からんではないが、走行中や砲撃時の衝撃で容器が落ちて中身が溢れたりでもしたら大変じゃないか?」
「そこら辺の対策はちゃんと考えてるってば」
「…まぁ、それなら別に良いんじゃないかな」
「西住殿!?え、本当に良いんですか?」
「うん。戦車の内観だけなら、少しくらいは自由でも良いかなって。それにせっかくならみんなにも楽しんで戦車道やってほしいしね」
「西住殿…」
「あ、後土足禁止にしない?」
「沙織さん、それはちょっとやり過ぎかな」
「あ、ごめん…」
「いやー、大漁大漁!…でも、ちょっと買いすぎたかなぁ」
みんなでお金を出しあい、必要な物は買い揃えた、はず。後はこれらを戦車倉庫内に置いてある私たちの戦車の中に置きに行くだけ。
別に明日にしても良かったんだけど、それはそれで朝とかに風紀委員の人に見つかったりしたらちょっと面倒なことになりそうだし、ならば今のうちにと私はみんなと別れ、一人戦車倉庫を目指すことにした。
みほ達は一緒に付いて行くと言ってくれたけど、買い物に意外と時間が掛かってしまったし、それぞれの帰り道の関係もあったから、せっかくの申し出も断らせてもらった。そもそもみんなを誘ったのは私なんだし、これ以上は迷惑かけられないもんね。
いつもの通学路を通り学園にたどり着くと、そのまま戦車倉庫へ向かう。
倉庫の手前辺りまで来た時、中から灯りがもれてきていることに気づいた。誰かまだ残っているのかな?
私が少しだけ扉を開けて中を覗くと、そこにはツナギを着て何やら作業をしている4人組がいた。
「…あれ?こんな時間に人が来るなんて珍しいね。何か忘れ物?」
「あ、いえ、そういう訳じゃないんですけど。えーと、皆さんは…?」
「私たちは自動車部だよ」
自動車部…。たしか前に河嶋先輩がそんな名前を言ってたような…。
「ここに来たってことは、君も戦車道を履修している一人だよね?なら、簡単に説明すると、私達自動車部は角谷さん達から戦車の修理とかその他諸々を頼まれているんだ。けどまぁその分の見返りとして、こっちも色々と融通してもらったりはしているんだけどね」
「はあ……はあ!?」
生徒会から戦車の修理を頼まれている、ってことはつまり、今日の練習試合でボロボロになった戦車を、明日にはまた使えるようにしてくれているってこと!?しかもたった4人だけで!?え、それってめちゃくちゃスゴくない!?
「え、あ、わ、お、お世話になります!あ、いや、なってます!」
「あはは、お世話してまーす。ところで、君はこんな時間に何しに来たの?」
「えと、戦車内に置く用のクッションとか色々と買ってきたんで、それを置きに来たんです」
「なるほどね。それで、君は何に乗ってる人?」
「えーと、Ⅳ号?戦車、です」
「Ⅳ号ね。修理はもう終わってるから戦車の中に入っても大丈夫だよ。あ、今はここから見て一番奥に停めてあるからね」
「あ、ありがとうございます。…あの、ところで、皆さんは今は何をやってるんですか?」
「戦車の塗装だよ。まぁ私らも塗ってて、このカラーリングはどうかと思うけど、でも依頼は依頼だからね」
自動車部の人が指差した先には、キラキラしたハデ目のゴールドで塗られた生徒会チームの戦車があった。自動車部の皆さんの塗り方なのかそういう塗料なのかは分からないけど、そのゴールドが倉庫内を照らすライトの光を反射してきてすっごく眩しい。
「うわぁ…」
「あはは、なかなか素直な反応だね」
「いや、だってこれは…」
「はは、確かにゴールドカラーの車はたまにあるけど、ここまでキラキラしたやつは無いもんなぁ」
光の反射に気を付けながら顔を近づけてみると、私の顔がはっきり写るくらいのキラキラっぷり。おそらくだけど戦車ってこんなにキラキラしてたら多分ダメだよね。
「他の戦車も見てみる?今はまだ途中だけど、どの戦車も面白いカラーリングばかりだよ」
「あぁ、いや、遠慮しときます…」
苦笑いを浮かべながら自動車部の人と別れ、私は買ってきた商品をⅣ号戦車の中に袋ごとしまうと、頑張ってくれている自動車部の人達に別れを告げ、そそくさと戦車倉庫を後にした。
「あー、まだなんか目がショボショボしている気がするぅ…」
帰り道、さっき見た生徒会の戦車の姿が頭に残り過ぎて、少し思い出しただけでも思わずクラっとしてしまう。いかんいかん、頑張れ私!
…明日の練習の時間になったら、あのキラキラゴールドの戦車をはじめとした、「面白い」色の戦車が並ぶんだよなぁ。
ゆかりん、ショックで気絶とかしないといいんだけど…。