ガールズアンドパンツァー×仮面ライダーエグゼイド 作:ジョルノ利家
午前の授業が終わり、昼休みになった。
休み時間の度にクラスメイトに声をかけようとしたけど、すでに仲の良いグループがいくつも出来上がっており、結局その輪に入ることが出来ない私は一人も友達をつくれなかった。
少し落ち込みながら教科書や筆箱を片付けていると、後ろから声をかけられた。
「か~のじょ、一緒にお昼行かない?」
「ふぇっ、あの、えっと」
「ほら沙織さん、急に声をかけるから西住さんビックリされてるじゃないですか」
「えー、そうかなぁ」
「あ、あのー」
「ああ、私、武部沙織」
「五十鈴華です」
「あっ、西住みほです」
「いや、知ってるから」
「西住さん、これからわたくしたちと一緒にお昼どうですか?」
お昼のお誘い!もしかしてこれって友達をつくるチャンスかも!
食堂に備え付けられている券売機でそれぞれ食券を購入する。
私はB定食、みほは少し悩んでから海鮮丼を選んだ。その後ろに並んだ華がラーメン(大盛り)と日替わり定食(ご飯大盛り)の二枚を購入するのを見て、みほはビックリしていた。私もはじめて見た時はそうだったなぁ。
「五十鈴さん、それ二つとも食べるんですか?」
「ええ」
「両方大盛りですよね?」
「これでも足りないくらいです」
「そ、そうなんですか」
「ほんとビックリするよね。そんな痩せてんのにさ、なんでそんなに入るのか私も未だに分かんないもん」
「ふふ、実はわたくし食べてもあまり太らないんです」
「なんですと!」
ダイエットに励む世界中の女子を敵に回しかねない発言をした私の友人五十鈴華は、腰の辺りまで伸びたキレイな黒髪にすらっとした手足、柔らかな言葉遣いとおっとりした性格の正統派美少女ながら、少しずれたところもあって、多分男子に人気なタイプ。その上食べても太んないとかそんなのヒキョーだよ!
うぅー、私なんてモテるために日々努力して、スタイルを気にして食べ物にも気を使っているっていうのに、なんて羨まけしからん!
このままじゃ嫉妬でおかしくなりそうなので、私は話題を変えることにした。
「そう言えばみほってさー」
「……」
「みほ?」
「は、ひゃい!」
「どうしたの?ぼうっとしちゃって」
「名前で呼ばれ慣れてないからビックリしちゃって」
「前の学校ではお友達にどう呼ばれていたんですか?」
「えーと、西住さんとか妹ちゃんとか副隊長とか」
「副隊長?」
「ちょっと色々あって…」
アダ名みたいなもの?それにしては何か堅苦しい感じ。
「名前で呼びあうようなお友達は?」
「いなかったかも…」
「一人も?」
「一人も…」
みほの表情が暗くなっていく。このままじゃいけない。
「じゃあ私たちがみほの友達になる。ていうか私もう友達だと思ってた」
「えっ?そうなんですか?」
「うん。今日が初めてだけど、一緒にご飯食べるし」
「それだけでお友達になれるんですか?」
「友達ってそんなもんでしょ。まぁ、みほがイヤじゃなかったらだけど」
「そんな、イヤだなんて!」
「だったら決まりね。それと、みほって名前で呼ぶから、私たちのことも沙織とか華って呼んでね」
それを聞いてみほの顔が明るさを取り戻す。そして少し間をあけてから私たちの名前を呼んでくれた。
「沙織さん」
「なぁに?みほ」
「華さん」
「はい。みほさん」
「あの、これからよろしくお願いします!」
窓際のテーブルに座って楽しく食事していると、校内放送でみほに呼び出しがかかった。
呼び出したのはうちの生徒会。私個人としては生徒会、とりわけ生徒会長にはあまり良いイメージないのよね。だって思いつきで変なイベントとかやるし、反対意見は権力をちらつかせて黙らせたりするし。
「呼び出し、って私なにかやっちゃったのかなぁ?」
「そんなこと無いと思うけど」
「転校されてきたばかりですし、必要な提出書類が残っているとかでは?」
「書類は全部出したはずなんだけど」
「まぁとにかく行ってきなって。待たせると面倒くさそうだし」
「あ、そうだね。ちょっと行ってきます」
そう言ってみほは席を立ち、食堂を後にする。
みほがいなくなってからしばらく経つ。昼休みもそろそろ終わろうというのに、一向に戻ってくる気配がない。
「みほさん、戻ってきませんね」
「そうだね」
「早く戻って来ないとお昼休みが終わってしまいます。まだ海鮮丼も残っているようですし、食べないと勿体ないです」
「あー、時間までに戻って来なかったら華が食べちゃえば?」
「よろしいのでしょうか?」
「仕方ないんじゃない?てゆうかまだ食べれんの?」
「あれぐらいでしたら」
マジか!大盛りのラーメンと定食食べてまだ入るの?それだけ食べてるのにこのスタイル維持できてるとかもう信じらんない!
結局、昼休みが終わってもみほが食堂に戻ってくることはなく、華は残った海鮮丼をペロリとたいらげた。
私たちが教室に戻ると、そこには話しかけるのもためらわれるほど青ざめた顔をして自分の席に座るみほの姿があった。