ガールズアンドパンツァー×仮面ライダーエグゼイド 作:ジョルノ利家
みほちゃんのゲーム病が発症した。
話の邪魔にならないよう少し離れた場所に待機していた僕は、その様子を見て急いで駆けつける。
みほちゃんのゲーム病は急激に進行しつつある。彼女が消滅してしまう前に手を施さなければ。
「みんな、みほちゃんから離れて!」
心配そうに彼女の背をさする二人の生徒、おそらくみほちゃんの友達だろう二人は、突然現れた僕をビックリした顔で見る。
「あなた、たしか戦車道連盟のスタッフの方ですよね」
「いきなり離れろってどういうこと?」
「いいからさっさと西住から離れてこっちに来い!」
「武部ちゃん、五十鈴ちゃん、説明は後でするから今は言うとおりに従ってくれ」
「…分かりました。離れましょう、沙織さん」
「でも、みほが…」
「この方にお任せしましょう。それでよろしいのですよね、会長?」
「ああ」
「……」
しぶしぶと言った感じでみほちゃんから離れる二人。
その時、みほちゃんの全身がオレンジ色の光に覆われる。光の正体こそ彼女を苦しめているバグスターウイルスであり、そのバグスターウイルスは増殖を繰り返して内部にみほちゃんを取り込むようにその形を変化させながら大きく膨らんでいく。
「ギャオオオオ!」
みほちゃんの体から出現したバグスターウイルスは、ユニオンと呼ばれる巨大な姿を形成する。
「何、あれ…」
「みほさんが怪物に…」
「…永夢先生、これ大丈夫なんだよね?」
「ああ。必ず助けるよ」
「っ!みほ、助かるの!?」
「お願いします!早くみほさんを助けてあげてください!」
「分かってる。みんなは倉庫の中から動かないで!」
ここからは時間の勝負だ。
僕はゲーマドライバーを取り出して腰に装着する。続けてマイティアクションXのライダーガシャットを取り出し、起動スイッチを押す。
『マイティアクションエーックス!』
その瞬間、僕の背後にマイティアクションXのタイトルロゴ画面が表示され、ゲームエリアと呼ばれる特殊空間が生成されていく。
それと同時に僕の人格が「俺」に切り替わる。とは言っても別に二重人格ってわけじゃない。ハンドルを握ると性格が変わる人がいるように、俺はゲームをする時自然と気合いが入って好戦的な性格に変わる。それが「俺」だ。
「ゲームソフト?」
「そんなもの取り出してどうしようっていうの?」
「こいつでみほのゲーム病を治療するのさ。まぁそこで見てなって」
俺はバグスターウイルスを睨みながら構えをとる。
「みほの運命は、俺が変える!変身!」
自分に気合いを入れ直すように宣言し、ゲーマドライバーの左側に備え付けられた二つの装填スロットの右側のスロットにマイティアクションXを装填する。
俺は周囲で回転するキャラセレクト画面からエグゼイドの画像を腕を突き出して選択する。
『レッツゲーム!ムッチャゲーム!メッチャゲーム!ワッチャネーム!?アイムア仮面ライダー!』
変身音声が流れ、白を基調にした四頭身ボディの仮面ライダーエグゼイド アクションゲーマー レベル1への変身が完了した。
「何、あれ…ダサっ」
「あれが仮面ライダーなのか?」
「衛生省からもらった資料とは大分違うなぁ」
「可愛らしいです」
「「「あれが?」」」
なんか後ろで好き放題に言われているが、この姿でしかバグスターユニオンとみほを分離出来ない。
俺はエグゼイドの専用武器であるガシャコンブレイカーをハンマーモードで装備して立ち向かう。
ダッシュで懐へ入ろうとするが、バグスターも俺を近づけまいと薙ぎ払うように腕をブンブンと振り回す。
その攻撃をバックステップで回避しながら、近くにあったアイテムブロックをガシャコンブレイカーで破壊する。
「おっと…だがその程度じゃ俺は止められないぜ!」
『高速化!』
破壊したブロックから出現したのは『高速化』のエナジーアイテム。その名のとおり、仮面ライダーのスピードを上げるアイテムだ。いくらアクションゲームをモチーフにしたエグゼイドでも、レベル1じゃパワーもスピードも低いからアイテムで能力を底上げしとかないとな。
俺はもう一度ダッシュでバグスターに接近する。バグスターも先ほどと同じ攻撃を繰り出すが、スピードアップした俺を捉えられず攻撃は空を切る。
俺はダッシュの勢いを利用して大ジャンプし、ガシャコンブレイカーをバグスターの頭部へ振り下ろす。
「そりゃ!」
『HIT!』
攻撃が当たった瞬間、エフェクトが表示される。与えたダメージはまずまずってとこか。
俺は攻撃の反動を生かして後方へ大きくジャンプし、空中に浮かぶブロックの一つに着地する。
「ギャオオオオ!」
バグスターが右腕にウイルスを集中させて巨大な右腕を形成して殴りかかってくるが、俺は攻撃のタイミングを読んで、ジャンプで回避。別のブロックへ着地する。
「そら、こっちだ!」
「ギャオオオオ!」
ブンッ、ブンッと振り下ろされる腕を挑発の意味を込めてわざとギリギリのタイミングで回避し続ける。
ブロックからブロックへ跳び移りながら、目当てのアイテムが入ったブロックを探し出す。
しばらくしてそのブロックを見つけた俺は、そこへ跳び移るため、攻撃を回避しながらさらにバグスターを挑発する。
「どこ狙ってんだ?俺はここだぜ!」
「ギャオオオオ!」
俺が目当てのアイテムブロックへ跳び移ろうとした瞬間、バグスターが渾身の一振りでアイテムブロックを攻撃するが、それこそ俺の狙い通り!
横薙ぎ攻撃を避けつつガシャコンブレイカーをブレードモードに変化させ、破壊されたブロックから出現したアイテムに切っ先を当ててゲットする。
『マッスル化!』
仮面ライダーのパワーをアップする『マッスル化』によって、エグゼイドの攻撃力が上昇。これで準備は整った。
「よし!一気に行くぜ!」
俺はスピードを生かしてピンボールのように動き回りながら、すれ違う度にガシャコンブレイカーでバグスターを切りつける。
『HIT!』『HIT!』『HIT!』『GREAT!』『GREAT!』
ダメージのエフェクトが変化する。バグスターもヨロヨロとよろめいているし、そろそろフィニッシュと行くか!
俺はゲーマドライバーに装填していたマイティアクションXを一度抜き、左腰のガシャットホルダーにあるキメワザスロットへ挿し替える。
『キメワザ!』
エグゼイドの必殺技の発動準備が整った。俺はガシャットホルダーの上のボタンを押して必殺技を発動させる。
『マイティ クリティカル ストライク!』
上空へ高くジャンプし、前方へ一回転。そのまま右足を突き出しながらバグスターに向けて急降下する。
「ハアァァッ!」
『PERFECT!』
キックを受けたバグスターは数歩後ずさり、自分の肉体を維持できなくなり悲鳴を上げて爆発する。
俺はバグスターから解放されたみほをキャッチすると、後ろで避難している杏たちの下へ走っていく。
「みほ!」
「みほさん!」
みほの友達二人が駆け寄ってくる。
「これでみほの病気は治ったんですよね?」
「いや、まだだ」
「でも、あの怪物を倒したんだからもう大丈夫なんじゃ…」
「さっきのは第一段階。本番はここからさ」
「えっ?」
飛び散ったバグスターウイルスが再び集まり、たくさんの怪人を形成する。
「あんなにたくさん…」
「あれだけの数をお一人で相手にするんですか?」
「あのオレンジ頭はザコキャラだから、いくらいようが大して問題じゃない。それよりも真ん中にいる青いヤツ、あのバグスターがみほを苦しめている原因だ」
「あれが…」
「じゃあ、あいつを倒せば…」
「ああ。みほは元気になる。これから倒してくるから、お前たちはみほを連れて隠れていてくれ」
「分かりました」
「頑張って!」
「ああ、任せとけ」
俺はバグスターの方へ向き直る。
「行くぜ!大 変 身 !」
『ガッチャーン!レベルアーップ!マイティジャンプ! マイティキック! マイティマイティアクション エーックス!』
ゲーマドライバーのレバーを右に開いてレベルアップ。ピンクを基調にした等身大の戦士、仮面ライダーエグゼイド アクションゲーマー レベル2へ変身する。
「ノーコンティニューで、クリアしてやるぜ!」
ガシャコンブレイカーをハンマーモードへ戻すと、一気にバグスターに向かって走る。
「お前たち、行けっ!」
みほに感染した青いバグスター、ソルティの号令を受けて、ザコバグスターたちがこっちに向かって来る。
「どれだけ数を揃えようが、相手にならないぜ!」
ガシャコンブレイカーを一回転させて持ち直し、一番手前のバグスターの懐に入ると、思い切りスイングして吹き飛ばす。
「うりゃ!」
『HIT!』
エフェクトが表示されるのと同時に吹き飛んだバグスターが消滅する。
「まだまだぁ!」
同様の手筈で次々とザコバグスターを蹴散らしていく。
「ハッ!そらっ!ハアッ!」
「ぬうぅぅ…!」
全てのザコバグスターを倒し、残るソルティにガシャコンブレイカーを向ける。
「後はお前だけだぜ、ソルティ!」
「貴様の様なしょっぱいヤツの相手をせねばならんとは…」
「偉そうにしていられるのも今のうちだ!行くぜ!」
俺はダッシュでソルティに近づいていく。それに合わせる様に、ソルティの腕に電気が流れる。
「くらえ!」
「ハッ!」
放電攻撃をジャンプで避け、ガシャコンブレイカーをソルティの顔面に直撃させる。だが、直撃させたのにダメージエフェクトが表示されない。
「!?…だったら!」
一度距離を取り、再びブレードモードに切り替える。そしてマイティアクションXをガシャコンブレイカーのキメワザスロットに装填する。
『キメワザ!』
『マイティ クリティカル フィニッシュ!』
「ハァーッ…タァッ!」
切っ先にエネルギーを集中させたガシャコンブレイカーの一撃を気合いとともにソルティにぶつける。それでも、ダメージエフェクトが表示されることは無かった。
「なんでっ!?」
「次はこちらの番だ。フンッ!」
ソルティの放ったボディブローを受け、吹き飛ばされてしまう。残り体力を示すライダーゲージも半分まで減ってしまっている。
「ぐっ…一撃でこれかよ…」
『永夢、大丈夫か!?』
俺に感染しているバグスター「パラド」が心配している。
「この程度なら、まだ…」
『さっきの攻撃からゲムデウスの力を感じた。おそらくあいつはゲムデウスウイルスに感染しているはずだ』
「ゲムデウスだって!?」
ゲムデウスウイルスはバグスターであっても感染すれば命の保証は無い強力なウイルス。それだけに、適応出来れば文字通りレベルを超えた力を手にすることが出来る。
「…なるほどな。それだったらこの強さも納得だ」
仮にヤツのレベルを100としても、こっちはレベル2。強さの桁が違っているんだから、攻撃が通用しなくてもおかしくはない。
「ならこっちも全力だ!」
俺は二つのガシャットを取り出して、同時に起動する。
『マキシマムマイティエーックス!』『ハイパームテキ!』
マキシマムマイティXはゲーマドライバーの二つのスロットを使用する代わりに最大レベルへパワーアップさせる最強のガシャット。ハイパームテキはマキシマムマイティXに連結させることでマキシマムをさらに強化することが出来る特殊なガシャットだ。
俺はゲーマドライバーに二つのガシャットを装填、ガシャット上部のスイッチを押して変身する。
「ハイパー 大 変 身!」
『パッカーン、ムーテーキ! 輝け~流星の如~く!黄金の最強ゲーマー!ハイパームテキエグゼ~イド!』
エグゼイドのボディが光り輝き、レベルを超えた無敵の戦士、仮面ライダーエグゼイド ムテキゲーマーへの変身が完了する。
「ぬうっ…」
専用武器のガシャコンキースラッシャーを装備して、ソルティとの距離をワープで一気に詰めそのままキースラッシャーで何度も切りつける。
『GREAT!』『GREAT!』『GREAT!』
「ぐわぁっ!」
ソルティを倒すため、俺はハイパームテキのスイッチを押してキメワザの発動準備をする。
『キメワザ!』
「こいつで終わりだ!」
もう一度スイッチを押し、キメワザを発動する。
『ハイパー クリティカル スパーキング!』
ソルティに跳び蹴りを食らわせ、上空にワープして再度キック。それを十数回繰り返し、最後の一撃を食らわせ着地する。
「ぐうぅぅ…」
よろめくソルティに背を向け、杏たちの方へ歩いていく。
「待たせたな、みほ。終わったぜ」
「いやいや、まだ後ろで生きてるじゃん!」
「そうだ!あいつまだ立ってるぞ!どうするんだ!」
「どうするって…じゃあ分かりやすくしてやるよ、ほら」
ソルティの全身に時間差でダメージが与えられ、次々と『HIT!』や『GREAT!』『PERFECT!』のエフェクトが表示されていく。
「ぐわぁぁぁぁっ!」
そしてついに耐えきれなくなったソルティが爆発、消滅する。
『GAME CLEAR』
ゲームクリアのエフェクトが表示され、俺は変身を解除する。
「…確かに、終わってたな…」
「…ですね…」