まさか私の総武校生活はまちがっているのか!?   作:ばなナイン

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「その....どうだ? 味の方は....」

 

「おう、いけるぞ! これは砂糖だけじゃ無い、練乳入りだな!」

 

「おお! わかるか! そうだ! 砂糖だけではどうも....だから思いきって練乳も加えてみたんだ!

そうか! いけるか!!」

 

「これでコーヒーが混じっていたら....おお! 我が千葉県民のソウルドリンクM○Xコーヒーの卵焼きバージョンになるじゃないか!! よしこれを落花生と並ぶ千葉のソウルフードにしてだな....!」

 

「そ、そうか! コーヒーだな! 明日を楽しみにしてくれ!!」

 

「おう!!」

 

 

「あの....貴方達....? 確かに今は昼食中なのだけれども....特別な会議中でもあるのよ....!」

「そっ....そうだし! 卵焼きにコーヒーなんて邪道だし!!」

「えー? 面白そうだよー? ね? いろはちゃん!」

「えー・・・・ハイ! あはは・・・・」

「んー? 私もあした比企谷君に何か作ってあげてこようかしら??」

「城廻先輩まで....」

 

 

次の日....昼食の時間にまで今後の対応について部室での会議が開かれる事となった。勿論雪ノ下の提案だが....若干周りからジトっとした視線を感じるがここはシレっと鈍感系で行くぞ! 箸を持って無自覚にア〜ンしてくる隣の十条さんも何も気づいてない様だしさて残りの卵焼きを頂くか!

 

 

「わたし的にはー? 信任投票で落選なんてショボいじゃないですかー!ですからぁー!

わたしよりスゴい人に立候補してもらってそれで安心して落選したいんですよねぇー?!」

 

 

何をヌケヌケと....! オマエの為に雪ノ下はじめ総武高トップレベルの優秀な頭脳がここでアタマを捻ってるんだぞ!

 

 

「そうだし! この高校に合格するぐらいのアタマなら落選するなんて楽勝じゃん!!」

 

「えーユイちゃん? 落選するより合格しない方が当選しないんじゃないのー! ね?

姫和ちゃん!」

 

「可奈美....言ってる事が自分で理解出来てるのか?」

 

 

ほう....衛藤と由比ヶ浜は云うなればツッコミ不在の凹凹コンビだな....

 

 

「....立候補者には....心当たりがあります。彼が引き受けてくれるかどうかですが....」

 

「ゆきのん....『彼』ってやっぱり....隼人だし?」

 

 

うむ、困った時の葉山詣....しかしだな....

 

 

「隼人、とは! あの葉山の事だろう! 何故ヤツに頼む?!」

 

「そうですよぉ〜! 葉山先輩はサッカー部次期部長に確定している様なもんですからぁ〜!

マネージャーとしてわたしのために葉山先輩をサッカー部から引き離すのはゼッタイにイヤですぅ〜!!」

 

 

根強い反対意見もある....

 

 

「ねえ? ひきがやセンパイじゃ駄目なの??」

 

「おい俺は....」

 

 

衛藤の思わぬ発言にここの面々が俺に顔を向ける。少々イタい視線を感じるが....

おい衛藤....!この世界には言っていいことと悪いことがある。この場で言っていいのは有益な意見、悪いのは場を白けさせることだ。つまりだな....

 

 

「衛藤さん? この男は最初から選択肢に入っていないわ。人望も無ければ存在感そのものも。ね? 蛻の殻ヶ谷君?」

 

 

雪ノ下に俺を罵倒させる恰好のエサを与えるということだ....

 

 

「....そうだな衛藤、万が一俺が会長になれば最初から俺の存在が無かったかのように周りが勝手に動いて全てが順調に進み結果! 会長であるこの俺が手柄を独り占めする事も出来るかも知れん。お前のアイデアはナイスだ」....サムズアップ!

 

「ホント!! 褒めてくれたの!? ヤッター! センパイに褒められたー!!」

 

 

....おい真に受けちゃったよ....! この衛藤ってヤツはどこまでおメデタいんだ??

 

 

「比企谷君....あまり衛藤さんに余計な事を吹き込まないで頂戴....」

 

「ヒッキー最低だし....」

 

「えー? わたしそうやってたよ? わたしが『おねが〜い!』て頼めば周りのメガネ君たちがサッ! て片づけてくれるしねー!」

 

「おお! 『動か不る事山の如し』だな! かの武田信玄公も愛読したと言う『孫子』の兵法にも通じる人心掌握術を身につけていたとは....! 民間校も侮り難い!」

 

「十条さん....城廻先輩も....」

 

 

と、滞り無く会議は進み、結論は....

 

 

「でないねゆきのん....」

「そうね....私達の発想も案外貧しいものね....」

 

「ねーもうすぐお昼おわるよー」

「ですよねー・・・・」

 

「どうだ? 明日の卵焼きにはやはり....」

「おう! コーヒー入だな! 任せておけ!!」

「比企谷君てそんなに卵に目が無いの〜?」

 

「比企谷君! 少しは真面目に....!」

「おう、一応俺にも案が有るには有るんだが....」

「....却下よ」

「おい! 話を聞く前に....!」

「だってヒッキーのやり方って....」

「どうだっていうんだ? 結衣さん」

 

「また自分を....でしょ? ヒッキー・・・・」

 

 

・・・・由比ヶ浜がまたも捨てられた子犬のような目指しを俺に向ける。あの京都の竹林での一件以来だ....

 

 

「....信任投票の選挙演説の時、応援演説で俺が....とは考えた。俺がヤラカせば一色が落選しても俺が責任を取れば....」

「おいっ!!《ダンッ!!》比企....谷君!! もうそんな事はするな!! 結衣さんに聞いた話でも貴方のやり方では問題は解決しても必ず何かしこりを残す! 雪ノ下さんや結衣さんの事も考えろっ!!」

 

 

・・・・机を叩き押して十条さんが身を乗り出し....! おい....

 

 

「ひよりんっ!?」

「姫和ちゃんっ??」

「十条さん! 貴女....」

 

「・・・・お、おう....」

 

「 ・・・・すまん・・・・声を荒げてしまった....謝罪する....」

 

「おう....」

 

 

ズバリ直球だな....周りの連中も一瞬息が止まったかのようだ....が、そう....だよな、もうあんなやり方は辞めだ。俺も少しは十条....さんのように自分を大事にしてみるわ....

 

 

この十条....姫和という子はブレ無い。まだ数日の付き合いだが常に前を真っ直ぐ見据えている印象だ。刀使という世界に身を置いているだけあって常に目的を見定めて一機に事を成就する術を身に負っているんだろう。この十条さんにしてみれば俺達の世界というのはまどろっこしくウジウジして観えているのかも知れんし....それに十条さんがここに来てくれてなかったら俺と雪ノ下と由比ヶ浜との関係もここまで改善される事も難しかったかもな・・・・衛藤? んー....十条さんも一目置く剣術の天才との事だが....どこの世界でも十分通用するお得な性格かも知れん。俺の事もセンパイ! て慕って? くれているしな....フム。

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当に試験を受けるんだな」

 

「うん、 来週の土曜の午後だ。それまでは鎌倉や平城へとしばらく間を開けることになる。試験の結果が出る頃にはもう生徒会長が決まっているんだな」

 

「選挙までもう一週間を切っているてのに結論が出て無いというのもな....」

 

「私は簡単な話だと思うぞ」

 

「やはり....そうか....?」

 

「ねえ、簡単て?」

 

 

結局午後の部活時間にも結論がでず解散となり、途中まで帰りの道が重なる俺と十条さんと衛藤とで下校後稲毛海岸駅に向かっている。そこから二人は千葉に向かう....千葉駅周辺な。この二人が宿泊しているのが駅周辺の民泊施設で自炊を前提とするやや古めの建物だ。その一室を二人で共有しているので食事の当番は折半との事だが実態は....

 

 

「ねえねえ! これ買ってこ〜! アイス〜!!」

 

 

自販機の前で衛藤がはしゃぐ....年相応かな....

 

「....たく....もう寒くなってきてるというのに」

 

「おう、俺も買って食うわ。そこらで立ちながら、だな」

 

「ヤッター! センパイのおごりねー!!」

 

「可奈美!! お前も給料貰ってるだろう! 後輩だと思って甘えるな!!」

 

「うん! じゃセンパイにおごるね!! なにがい〜い??」

 

「....俺、自分で買うわ....」

 

 

うむ、やはり刀使という職種はちゃんと給金を貰って任務を果たしているんだな。命懸けだし巷に噂されている完全なブラックという程でもなさそうだ。

 

 

「わたし濃厚イチゴ味!!」

「では、私はこれで....」

「ん、じゃ俺も」

 

 

ガチャンッ!・・・・

 

 

「「・・・・えっ!?」」

「ん? どおした?」

 

 

俺が自販機から取り出したアイスを頬張るところを見て二人が固まった。

おい....俺何かヤラカしたのか?? 女子共の前でしてはならない暗黙のルールに触れてしまったのか!? やはり俺にとって女子と歩く事さへハードルが高いというのか....

 

 

「えー・・・・センパイ、それ、好きなの?」

「おー・・・・事のついでだぞ....妹の小町と街でブラついている時なんか小町につき合って同じもの食うしな」

「ど、どうだろう・・・・味の方は・・・・」

 

 

二人の....特に十条さんの目が真剣だ....ナニ? どう答えたら正解なの?? この解答を間違えたらオレ先輩の威厳もコーヒー練乳入の卵焼きもお預けになっちゃうの?!?

 

 

「おう・・・・歯を磨いてるみたいで口の中がサッパリして気持ちいいぞ、俺はこう見えても綺麗好きだからな」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「・・・・姫和ちゃん....これセーフ・・・・?」

「おう・・・・微妙なとこだが必ずしも否定的な意見では無さそうだ・・・・」

 

 

この答えでOK? まあ完全に不興を買うことはならないみたいだな。つまりコレが十条さんにとっての地雷か....別に嫌いな味じゃ無いけどな....

 

 

「なんならコレに練乳をかけてアンコやきな粉に黒蜜、さらには蜂蜜やメイプルシロップを加えるまである」

 

「ウゲ・・・・」

「おい! ・・・・そ、そうか!! やはりな!! トッピングにはこだわらないとな!! どうだ今度ウチに来てそのデコレーションをするのは?!」

「ハイ!?!」

 

 

衛藤が若干引いているが....いきなり話が飛躍してるぞ....! なに!? お呼ばれ?! 十条さんチに?? この二人がウチの部に来てからこのテのイベントが多発してるんですけど!?! どおして???

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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