まさか私の総武校生活はまちがっているのか!?   作:ばなナイン

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....そして、今日のように依頼の仕事の無い平日の夕方五時には帰宅の途につく。部活動終了時間をキチンと守る新部長様の方針だ。前部長もだったな....俺の道連れには十条さん、衛藤....そして....

 

「・・・・なんでお前までついて来る・・・・」

 

「いいじゃないですかー! みんなヒマですしぃー!それにわたしもせんぱいのおウチで夕食の手伝いするんでよぉー? 感謝感謝です!!」

 

....そう言って自転車を押して歩く俺にパシパシ! と肩をはたく一色....おい、生徒会はどうした!?

 

「え~? せんぱい! 自宅に戻るまでが仕事っていうじゃないですかー! せんぱいがちゃんと奉仕部の仕事してるのか見定めるためですよ~!」

 

....連絡係ってのは奉仕部部員達の動向を把握する為のお目付け役でもあるの?? 雪ノ下め、衛藤や十条さんだけじゃ無く半年も苦楽を共にした『同志』である筈の俺にまでサボリの嫌疑を懸けてくるとは....! まあ疑わしいのはオレ一人なんですケドね....? ハイ。

 

「いろはちゃん仕事熱心だー!」

「単に夕食を安上がりに済ます為だろう」

「....今日の係は小町だ。従ってお前はお役御免、労働終了。帰れ」

「もお~! せんぱいのイケズー!!」

 

 

 

....カチャ「うす....」「ただいまー!!」「只今だ」

「おかえりなさい!! お兄ーちゃん! ひよりさん! かなちゃん! ....えーと・・・・」

「小町ちゃん! ただいまです! ウフ♡!」

 

....一色め、自宅に着くなり小町の前で腰をくねらせ右目に横からVサインをカマしやがる....不思議とイタ痛さは感じられないのはこの一年後輩のあざとさの完成型からだな....

 

「そうです! いろはさん! 久しぶりです! じゃあ今日は両親も入れて七人分ですね! 了解五稜~郭です☆!テヘっ!!」

 

小町まで....コイツからもイタイタしさを感じさせないのは....まあいい。

 

 

「あーわたしもーっ!エヘっ♡!*・゜゚・*:.。..<(^_−)−☆*・. .。.:*・゜゚・*♡」

 

 

・・・・ 総天然には誰にも敵わない・・・・そう悟らされる一瞬だった・・・・

 

「姫和ちゃんはー?」

「するかっ! 馬鹿っ!!」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「....ひよりさん! これもお願いしまーす!」

「これだな! 任せろ!」

「こまちゃん? これどーするの??」

「....えーと....ですねー....はは....」

「....お前はあっちで皿の用意でもしてろ....」

 

帰宅して直ぐに十条さん、衛藤は制服のブラウスの上にエプロンを着けて小町と共にキッチンで夕食の腕を奮い始めた。余り物の俺と一色は....

 

「姫和さんて疲れをしらないひとですねー!」

「一色....お前手伝うんじゃなかったのか?」

「やですよ~せんぱい! 自分でお役御免て言ってたじゃないですかー!」 (肩を....)パシ!

「帰れともな....」

「むー! これじゃ副会長に報告できないですよ~!!」

「....何を報告するつもりだ?」

「んもー! そんなの決まってるじゃないですかー! せんぱいが通報されるようなことしてないかですよー!」 パシパシ!

 

「・・・・ハア・・・・」

 

....一緒にリビングのソファーで寛ぎながらテレビを観賞している....つまりは監視役の一色の眼が光りながら....なのだが....コンなコト、この俺に許されていいワケ?? ここでオレの一生分の運を使い果たしちゃうナンてコト....ナイよね???

 

 

 

「あ~おいしかったー! ごちそおさまー!!」

「ごちそうさまです~!」

「じゃあ帰れ。....夕飯ありがとな」

「なんですとー!!」

「....口に合っただろうか?」

「ひよりさんの腕前はお姉ちゃん候補の基準を遙かに超えてます! ね! お兄ちゃん!!」

「おう....」

「そ、そうか....! で、何だ? その....『お姉ちゃん候補』とは....」

 

しばしの談笑の後に俺と一色が食器の片付けを担当して、リビングのテーブルでは十条さんが小町の受験勉強を手伝い始めている。衛藤? この部屋の隅で剣術のエア素振り稽古中....たまに一色がウチに上がり込んでくることもあるが、ここ数日はこんな処だ。そして....

 

ピンポーン!!

 

「・・・・お迎えだぞ、一色」

「・・・・え....留守って言ってくれませんかねー・・・・」

「一色さん、やはり無断でここに来てたのか....」

「んー? なに??」

「あの二人に居留守は不可能ですよ! いろはさん!」

 

 

カチャ....「・・・・おう」

「今晩わ、比企谷君。私のとこの役員がお邪魔ではないかしら?」

「そうだし! いろはちゃんだけ抜け駆けなんて反則だし!!」

「・・・・バレてるぞ一色・・・・」

『・・・・せんぱーい!! そこは今帰ったトコって言うトコじゃないですかー!!』

 

リビングの方から玄関まで声がまる聞こえなんだがな....一色わかりやすい子!!

 

「この通りだ副会長」

『・・・・ せんぱいわたしを売りましたね~!!』

 

生徒会会長由比ヶ浜と副会長雪ノ下様が帰宅のついでにサボリ魔の一色を引き摺り出しに来た。

....次いでにウチに上がり込んできた....なに? 実況見分??

 

「・・・・ やっはろーっ! みんなー!!」

「わー! ユイちゃんに雪乃ちゃんだー! こんばんわー!!」

「あはは・・・・ おヒサですぅ!」

「おお、会長に副会長、お疲れ様だ。今晩はどの様な件だ?」

「今晩は、みなさん。これ、どうぞ....昨日の晩、家で焼いてきたの....」

「ありがとうございます! 雪乃さん!!」

 

俺が雪ノ下と由比ヶ浜をリビングに通し、小町は席を立って雪ノ下の持ってきた手作りクッキーを盛り付ける皿を取りにキッチンへと向かう。ん? 雪ノ下も向かったな。

 

「おいしそー! いいの!?」

「みんな遠慮なく食べるし!」

「おいまさか....これって由比ヶ浜との共同作業じゃ....」

「そこは安心して頂戴。この作業には誰にも指一本触れさせてはいないから」

 

キッチンで紅茶を淹れてくれる雪ノ下の発言に一同ホッと胸を撫で下ろした。どうやらホムセンの木炭化現象は免れたようだ。

 

「....わわわたしは袋に詰めただけだし!! あ! ひよりんはコレ!!」

「これは....」

 

由比ヶ浜が十条さんに手渡した透明な袋の中には、青い蛍光塗料でコーティングされている様な

ナニカが詰め込まれていた。アレだな。

 

「貴女はこれが好物と聞いて....どうかしら?」

「いただこう!!」

「んじゃ俺も」

「あ・・・・」

 

・・・・俺が十条さんと同じクッキーを手にとって口に入れた途端、衛藤以外の女子共が沈黙した....おい....オレまた何かやっちまったの? どんな禁忌に触れたんだ?? て....ああこれ....なるほど....

 

「・・・・あのぉ....せんぱい....それってぇ....」

「おう、食べないのか?」

 

そうだな....またもシレッといくか....鈍感系主人公比企谷八幡の爆誕だ!

 

「そ、そう....以外ね....これからは二人....三人分用意....しようかしら?」

「ゆ、ゆきのん四人分! わたしもコレ貰うし!!」

「おお! そうか! 遠慮する事はない! どんどん摘まんでくれ!!」

 

....俺の発言に拍子抜けする雪ノ下に、またも不可解に張り合おうとする由比ヶ浜....まあチョコミント愛好家が増えて十条さんにしてみれば大歓迎だがな....

 

 

「それにしても....この家に十条さんと衛藤さんが間借りする事になるなんて、一体どんな薬を嗅がせてこの二人を垂らし込んだものかしらね? 連れ込み宿ヶ谷君?」

 

「そそそそうだし! みせーねん! の男女が同じ屋根の下で寝泊りするなんて! ふじゅんいせーこーゆう? だし!!」

 

「おい雪ノ下、俺をスケコマ師の様にいうな....!コレは不可抗力だ!ウチの顧問の陰謀だ!!それに由比ヶ浜、その論法でいくと俺と小町もイケナイ関係にされてしまうんだぞ....」

 

「タラシ? フジュン??スケコマシ??? いけない関係なの??」」

「....おおおい! 会長! 副会長!! これは私達でも比企....谷君の意思でもない!! 民泊所から引き払った私達の荷物が何時の間にかこの比企....谷君の家に持ち込まれていたんだ!!」

 

「おうそうだな....あの手伝いの後、そのまま引越し屋がウチに上がりこんで勝手に空部屋に荷物を運び込みもしたしな....」

 

「....はっ! せんぱいそんな手があったんですね!! 何気なく親切を装おってその気にさせて!....気がついたらすべてが事後....! いや! わたしこころに決めたひと以外の前では酔っぱらったりしませんし将来仕事の付き合いでせんぱいがわたしをお酒に誘ってもお猪口一つだって口にしませんしむしろわたしがせんぱいをベロンベロンにしてコトを起こさせて一生責任を取って貰うまでありますから!今は無理ですごめんなさいおことわりしますすいませんっ!!・・・・」

 

「・・・・ いろはちゃんいまなんかサラッとスゴいこと喋ってるし!!

ヒッキーと....ナニっ??」

「・・・・ 一色さん? その発言について、一晩とことんお話しを聞かせて貰えないかしら? 貴女と比企谷君との将来について、のね?」

「へ・・・・ ? イヤ! ちがいますちがいますちがいますう!! せんぱいはせんぱいでもはやま先輩ですぅ~!! ですよね~せんぱい!!」

「おう....そうだな....」

「えーとナニ? いろはちゃん雪乃ちゃんのウチでお泊りするの?? わーわたしも~!!」

「・・・・ おい可奈美、お前が付き合うにはまだ早い話だ....しかし、普通の高校生はこの歳でもう自身の将来をこんな風に綿密に描き上げているというのか....」

「ははは・・・・ ひよりさん....真に受けないでください....このいろはさんは少し計り先走ってるんですよー....」

「・・・・そ、そうなのか....」

 

 

 

おおう....一色が勝手に舞い上がって勝手に自爆して俺にまで火の粉が降り掛かるまであるのだが....それにそもそも! ....この二人が俺の家に下宿をしている経緯というのもあの平塚先生が....!

 

『・・・・ ああ、確かキミの自宅の部屋が余っていると聞いてな! あの二人なら丁度いいと思ったんだ! ハハ!』

 

『・・・・ どうしてそんなにウチの事情に詳しいんスかね?』

 

『・・・・ あ、....いや~! この前フと小町君の声を聞きたくなってな? そしたら電話での話のついでにキミんチの自宅事情が耳に入ってきたんだ! アハハ!』

 

『んで俺のウチに?』

 

『....おお! 『話のついで』にそんな話になってな! 小町君が御両親に話を着けてくれる事となったんだ! 何はともあれコレであの二人の下宿問題は解決だ! フハハハハ!!!・・・・』

 

・・・・ 単に面倒事を俺に押し付けただけなんだけどな....それにあのセンセ俺や学校関係者じゃ

ウチの両親を堕とせないと知って小町まで利用したな! 特に親父は小町のおネダリには辛っきし

弱いからな・・・・ ん? まさかあのセンセ....ソノ手を使ってこの俺まで絡め取ろうとしてないか? 妙にウチの家族の力関係に詳しいし....行き遅れも事によっては手段と相手を選ばないともいう・・・・ おいっ!?!

 

 

 

「たのしかったしー! またねーみんな!」

「....お邪魔したわね、比企谷君。....さっ! 行くわよ一色さん?」

「えー・・・・お泊りセットも用意してたんですけどぉー・・・・」

「....ついでにしては準備がいいな....」

「ふふっ! 一色さん? そんなにお泊りがしたいのなら、これから私の部屋で由比ヶ浜さんと生徒会の詰めの作業を行うのでよかったらいかがかしら? ついでに生徒会役員の心得を一晩掛けてミッチリと叩き込んであげてもいいのだけれども。どう?」

 

「おとなしく帰りますぅ・・・・ムムゥ~!!」

 

こうして総武校奉仕部自宅出張所での活動は終了した・・・・後は各自風呂に入って就寝するだけだが、十条さん、衛藤と風呂が続く間は俺は小町に自室での監禁状態を強いられている。単に監視係の小町が俺の部屋でくつろいでたり勉強してたりするだけなんだけどな....

 

 

 

 

「おはよーセンパイ!!」

「・・・・ンンン・・・・」

 

・・・・ おう、もう朝か・・・・ このところ俺への起床係は『暇潰し機能付き目覚し端末』では無くコイツ....十条さんと朝5時には起床しランニング、ストレッチ、朝食の準備と....一通り終えた後俺を起こしに来る。7時過ぎ位だ....さて、リビングへと顔を出しますかね....

 

 

「・・・・おはよ・・・・」

「おお! お早う! もう少し自発的に起きて貰えれば健康的なんだがな」

 

テーブルの上にはすでに四人分の朝食が置いてある....ウチの両親は早々に十条さんの朝食を食して出勤しているし。なんか申し訳ない....

 

「そうだな・・・・長年身に付いた習慣は早々変わらんな・・・・フゥワァ・・・・」

 

「お早よーございます! お兄ーちゃん!!」

「おお・・・・小町まで・・・・」

「ここんとこかなちゃんと一緒に寝ることが続いてたんで早起きがうっちゃいましたー!!」

 

「おう・・・・俺にはうつすな・・・・」

 

 

8時頃には家を出る。なんとなくこの二人と一緒に登校してるうちにこんな時間となった。一応自転車は押して行くが元々歩いて通える距離なので今の処必要無いかも知れん・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

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