迷宮の都市のアリス   作:RyujiOturu

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お久しぶりです。

サブタイトルが思い浮かばないこの頃、全く内容も思い浮かばず他の小説を書き始める始末。

久しぶりにワンダーをしに行くか......


挑戦と勇敢の四頁目
アリスちゃんが復帰する御話


 先日のベルさんの戦いから一夜が明け、私はベルさんと共にギルドに向かったのだが、

 

「半年でランクアップゥゥゥ!!!???」

 

 おっとこれはどこかで見たような......

 

 

「ごめんっ!!!」

 

「アハハ......大丈夫ですよ、いずれ知られることですし」

 

「「どこかで見たことがあるような......」」

 

 ベルさんのランクアップの報告を受け、詳しいランクアップの経緯を聞くためにも防音のしっかりとした個室に向かった。

 私とミイシャさんは面白がってついてきたのだがどこかで見たことがある光景に二人揃って首をかしげていた。

 

「一人でミノタウロスを討伐......あれだけ冒険しちゃいけないって言ったのに......」

 

 ベルさんがランクアップした経緯を話していればエイナさんが頭をかかえる。

 私はエイナさんに御愁傷様です。と心の中で思いながらベルさんの報告に耳を傾けていた。

 

 

 僕のエイナさんへの報告を終え、アリスちゃんと二人で壊れた防具を買いに〈摩天楼施設(バベル)〉に向かっていた。

 

「アリスちゃんも上にお店があること知ってたんだね」

 

「はい、杖以外の武器を探しに来たときに上のお店を見つけまして......それからもちょくちょく投げナイフだったりを買いに」

 

「へー、投げナイフとかも使うんだ」

 

「はい、手数が多いことに越したことはないので」

 

 話は特にはずむことなく〈ヘファイトス・ファミリア〉のランクの高い冒険者ではなくランクアップも果たしていないような構成員が作品を販売する店に到着した。

 

「それじゃあお店の中を見て回ろう」

 

「お好きなのを買ってください。資金はありますし。何よりランクアップの記念にもなりますしね」

 

 嬉しそうに笑うアリスちゃんに思わず見惚れてしまう。アイズさんばっかりを見ていたせいであんまり気にしていなかったがランクアップを期に周りの仲間のことを見るようにしていたが、アイズさんに匹敵するような美形ばっかりなことに気がついた。

 今さらに意識をしてしまうのはおかしいがそれでもアリスちゃんのいつもの大人びてる雰囲気は感じられない年頃のような笑みは不意打ちだと思う。

 

「そ、そうだね」

 

 赤くなっていた顔をそらして返答をする。

 アリスちゃんは特に気にすることもなく店の奥に歩いていっていた、僕もそれを追う。

 それから堂々と展示されていた大剣や綺麗な装飾を施したきらびやかな軽鎧を見たがどれもグッと来るものはなく、十数分見て回ったが僕が使っていたあの軽鎧と同じ作者のものは見つからなかった。前のように乱雑に作品の入れられた箱の中を見ても見つからず、店の人に聞こうかと思っていた時。

 

『......んでだよ! ......にも......』

 

 誰かと誰かが口論しているのが強化された聴覚が感知した。気になって声が聞こえて来た方に向かってみるとそこでは短く切った赤髪の青年とこの店の定員さんが言い争っていて、定員さんがこちらに気づくと、

 

「いらっしゃいませ、何かお探しですか?」

 

「え? あ、はい。ヴェルフ・クロッゾさんの作品を探してるんですけど......」

 

 そう言うと定員さんはばつの悪そうな顔をし、さっきまで定員さんと口論をしていた青年がこちらを勢いよく振り向く。

 

「はーはははっ! ほらな! 俺にも顧客(ファン)の一人ぐらいいるんだよ!」

 

「え?」

 

「よう、俺の顧客(ファン)一号。あるぜヴェルフ・クロッゾの作品」

 

「本当ですか!?」

 

「ああ、あるぞ。ほら、持っていけ!」

 

 そう言ってクロッゾさんはずいっとカウンターに置いていた鎧だったりが入っているケースを僕の前に置いた。

 

「え? これってあなたのじゃ?」

 

「ああ、そうだぜ。俺がヴェルフ・クロッゾ。よろしくな顧客(ファン)第一号」

 

 

「さて、まず自己紹介からだが、俺はヴェルフ・クロッゾ。ヘファイトス・ファミリアに入ってる」

 

「私はアリス、ヘスティア・ファミリアに所属しています」

 

「あ、僕はベル、ベル・クラネルです。アリスちゃんと同じヘスティア・ファミリアに入ってます」

 

 お店で少し話していたんだけど、アリスちゃんの提案で談話スペースを使って話すことにしたけども、なんだか視線を感じる......

 

「ベルさんは半年でランクアップした有名人ですからね、ここで関係を持っていれば後々のしあがれる......そんな考えで回りの人は見ていると思いますよ」

 

「まあ、違いないな」

 

 感じたことのない視線にウズウズしていた僕に二人の言葉がやけに納得できる言葉だった。全身を舐め回すような不快な視線だけどランクアップした者の宿命らしい、アリスちゃんが苦笑いを浮かべながらそう僕に耳打ちをする。

 

「想定Lv4の怪物を一人で倒したって言うLv1の少女も相当有名だと思うぞ」

 

「......あの値踏みするかのような視線は少なくとも女の子に向けるものじゃないですね」

 

 ヴェルフさんの言葉に苦虫を噛み潰したような表情で答えるアリスちゃん、相当堪えたらしい。

 

「おっと、話がそれちまった。ベル......でいいか?」

 

「あ、はい。大丈夫ですよ」

 

「ベルは少なくとも俺の防具を買って使ってくれた、見た目や名前は関係なく、違うか?」

 

「あ......はい」

 

「そこでなんだが......俺と専属契約を結ばないか?」

 

 

「だからって、誰とも知れない鍛冶士を一向(パーティー)に加えますか!? アリス様もいたのに!」

 

「リリさん落ち着いて。私も考えなしにOKをだした訳じゃないよ?」

 

 アリスちゃんがリリを宥めているのを苦笑しながら僕はヴェルフに自己紹介をしてもらうよう促す。

 

「あー、なんだ。一応自己紹介しておく、ヴェルフ・クロッゾ。ヘファイトス・ファミリア所属の鍛冶士(スミス)だ」

 

「え? クロッゾ......? 呪われた魔剣鍛冶の......」

 

「呪われた魔剣鍛冶? リリ、どういうこと?」

 

 ヴェルフの自己紹介を聞いて気になる言葉をリリが呟く。

 

「ええっと、そこは私が説明しようと思います」

 

 リリに聞こうとしたときにアリスちゃんがそう言って回りを確認する。摩天楼施設(バベル)の中、回りに他の冒険者がいる迷宮(ダンジョン)に降りるところの近くから少し外れた人の少ないところまでアリスちゃんに連れられ、

 

「あんまり聞かれたくないことですしね......それで、呪われた魔剣鍛冶って言うのはクロッゾ一族のことを言います。とある事件をきっかけに没落したんですけど......クロッゾ一族はその事件で呪われたんです、その事件は......」

 

 それからも説明が続いたけど、要約すると本来の魔法よりも強い力を持った魔剣を国に納めて地位を得ていたヴェルフの家は魔剣を作る力を与えていた精霊の怒りを受けて、呪われて魔剣を作れなくなり、没落したと。

 その様を見て呪われた魔剣鍛冶なんて呼び方をされていると、

 

「そんなところです。すいませんヴェルフさんには不快な話をしてしまって......」

 

「ん? 気にすんなってもう慣れたしよ」

 

 そう言って笑うヴェルフはんで、と話を繋げる。

 

「一応ランクアップまではパーティーを組ませてもらうつもりなんだが、いいか?」

 

「私は勿論大丈夫ですが、リリさんは......」

 

「嫌です。ランクアップまでなんてちょうどいいカモみたいなものじゃないですか」

 

「うーん、ここでヴェルフさんと関係を築いておけば、ヘファイトス・ファミリアと友好な関係を築けるかもしれません、損は少ないと思いますよ? リリさん」

 

「......私は反対ですが、ベル様がいいと言うなら」

 

 アリスちゃんの説得に折れたのか渋々と言った雰囲気でそうリリは言う。

 僕はリリにありがとうと言ってヴェルフに手を出す。アリスちゃん曰く、最初の印象を良くするのは友好な関係を築きやすくらしく、誰かとパーティーを組んだりするときは握手からはいるのもいいと言われたからだ。

 

「よろしくね、ヴェルフ」

 

「おう、よろしくな。ベル」

 

 ヴェルフは僕の差し出していた手を握り、僕も握り返す。初めてにしては淀みなくできたと思う。

 

「それじゃあ、早速行きましょう。迷宮(ダンジョン)に」

 

 アリスちゃんは可愛らしい笑みを浮かべながら迷宮(ダンジョン)の入り口を指差した。僕達は頷き、迷宮(ダンジョン)に向かった。

 

 

「今回はしっかり後衛になれそうですね」

 

「なんだ? アリスは魔法も打てるのか?」

 

「はい、この頃は槍を使ってばっかりでしたが」

 

 数回戦闘をこなして、ヴェルフさんとベルさんの前衛がしっかりとしていたこともあり、槍を持っていた私はそろそろ杖に切り替えようかと考える。

 

「ん? なにやらあっちが騒がしいな」

 

 少し考え事をしているとヴェルフさんの呟きに意識が現実に引き戻される。

 すでにベルさんは走り出していて、それを追うようにしてリリさんも走り出している。ヴェルフさんは私を見て肩を少し竦めた後ベルさん達を追う。それを私は急いで追った。

 追いかけていった先は少し広めのルーム。私達以外の冒険者が複数いるなかで中央にいるのは、

 

「あれは〈小竜(インファント・ドラゴン)〉!?」

 

 私の少ない心傷(トラウマ)の一つ、あの時の個体は私が仕留めたけれども、いまだに身体は強張るし、武器はカタカタと震えてしまう。だけど立ち向かうことはできる。

 

「アリスちゃん! 少し時間を稼いで!」

 

「了解です!」

 

 硬直していた戦いの盤面に私と言う横槍が入ることで一気にこちらに傾く。

 槍を片手に〈小竜(インファント・ドラゴン)〉の目の前に躍り出る。

 突然現れた冒険者に――ほぼ反射的にだろう――鋭い爪を振り下ろす〈小竜(インファント・ドラゴン)〉だったが、容易く回避され、付き出された槍が硬質な鱗を貫きその下の肉に食らいつく。それは十近くの冒険者が戦ってつけられなかった傷で、〈小竜(インファント・ドラゴン)〉からすれば初めての激痛だった。

 

 ガアァァァッ!!!

 

 逆ギレして私に向かって再度その爪を振り下ろすが、槍の表面を使ってその一撃を難なく防ぎ、

 

「《四創聖よ、力を私に!》」

 

 私の魔法はカスタムがある程度できる。WLW内のゲームシステムにあったアシストカードの選択のように、私が決めた詠唱を加えることによって威力を上げる。射程を伸ばす等々、詠唱は短いけど効果は覿面。

 硬く魔法にも強い〈小竜(インファント・ドラゴン)〉の鱗を肉ごと容易く吹き飛ばす。

 

「アリスちゃん! 退いてっ!!」

 

 そこでベルさんの声がルームに響く。

 私は槍の柄の部分で〈小竜(インファント・ドラゴン)〉の頭部を叩き、注意を引いたところで目の前から素早く横に飛び退く。

 

「《ファイヤ・ボルトォ!!!》」

 

 そして私の横を掠めるようにして巨大化、高速化した青白い光に包まれた雷型の炎が駆け抜ける。その雷炎は〈小竜(インファント・ドラゴン)〉を正面から喰い千切り、ルームの壁まで駆け抜ける。

 轟音が響き、遅れて〈小竜(インファント・ドラゴン)〉の倒れる音がルームに響く。

 心傷(トラウマ)との再戦は思った以上にすんなりと終わってしまった。がいきなり来て一撃で上層最強と言われる怪物(モンスター)を倒してしまったベルさんと、いいようにあしらっていた私に注目が向く。

 下手な詮索をされても困るのでそそくさと下の階層に逃げるようにして行った。

 

「これより下の層は〈最初の死線(ファーストライン)〉と呼ばれてます。まだまだ私達は弱いですが更に下に行けるように頑張りましょうね? ベルさん」

 

 振り返ってそう満面の笑みで言う。それを見たベルさん達が苦笑いをしていたのは気のせいでは無いだろう。

 

 

 異界の魔法少女と兎少年達が新たなステージに足を踏み入れたその時、彼女達の主神はと言えば摩天楼施設(バベル)の上層で神会が開かれ、そこで小さくなっていた。

 

「ラキアの方はあんまり動いてないな、そこまで気にしなくても良さそうだ」

 

 名前も知らない男神の報告が何度か続き、神会に参加していた神達がぐたーっとなってきたが、

 

「さて、そんじゃお次は二つ名決めといこか!」

 

 ロキがそう言った瞬間にやる気無さげにしていた神達が色めき立つ。

 ボクもそうだ。アリスちゃんは......その、悪いがロキに丸投げしようと想う。なぜだかわからないけどロキの子供達に好かれているみたいだし。だから今回はすまないがベル君に無難な二つ名を上あげるためにボクは全力を尽くす!

 

「よし、命ちゃんの二つ名は〈絶†影〉で決まりだ!」

 

「うわあぁぁぁっ!!!」

 

 タケの悲痛な叫びが聞こえるが、ボクはそんなことよりもいかに普通の二つ名をつけさせるかシュミレーションしている。

 

「んじゃ、次! 次はヘスティア・ファミリアのリトル・アリスや!」

 

「おおっ! 来たな最速少女(レコードホールダー)が」

 

「うーん、見た目は可愛いし仕事もできる優秀な子ってのはわかるんだけどな......一ヶ月はいくらなんでもおかしいだろ」

 

「だな、どうなんだ? ヘスティア」

 

「うっ......」

 

 アリスちゃんの番になり、その異様なまでに速いランクアップの裏にボクが神威を使って違法に改造したんじゃないかと疑惑が出ている。

 

『私のせいでヘスティア様が困るようなことがあれば遠慮なく私のことを喋ってもらって構いません。ヘスティア様は気にせず言っちゃってください』

 

 ニコッと可愛らしく笑ってそう言うアリスちゃんの顔が浮かぶ、ボクにしては相当出来すぎた子供だと思う。

 それこそロキ・ファミリアにだって行けただろうに、でもボクのファミリアに留まってくれてるのはとてもありがたいことだ、ご飯も美味しいし、

 

「っ......ごめん、アリスちゃん」

 

「ん?」

 

「......アリスちゃんには成長を補正するスキルが発現している」

 

「「「「なんだと(やて)!!!???」」」」

 

「だから恐ろしい速度でステイタスも上がる、それにアリスちゃんが倒した怪物(ジャバウォック)はアリスちゃんにとって因縁の相手だったんだ。ランクアップしてもおかしくないだろ?」

 

 

 アリスちゃん、ごめんね......! そう頭の中で言いながらボクにさまざまな質問を投げかけてくる他の神達をあしらう。そうやって一通り捌ききった後にアリスちゃんの二つ名を決める事になったが、すぐに決まった。その名は、

 

「アリスの二つ名は〈不可思議少女(ワンダー・ガール)〉に決定や!」

 

 比較的まともになったのはいいことだろう。うん

 

 




いかかでしたか?

今回は字数も少ない上に内容も薄いと......

さてさて、久々にワンダーをしに行った訳ですが、ジョーカーにボコられるわ、玉藻に封殺されるわ、引退を考えましたね。あんまりお金を入れてないので......

さて、そんな話はさておき、オリ主(アリスちゃん)の二つ名が決定しましたがネーミングセンスの無さに毎度うちひしがれます。

誰か優しい人がオリ主の次の二つ名をきめてくれないかなぁ(まだまだ先)

とまあ、ふざけるのはここまでにして、私の拙い作品を読んでくださっている皆様に感謝申し上げます。誠にありがとうございます。
感想、評価、お気に入り登録等々、いただけたら励みになります。
それでは次の作品で!
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