字数がゆっくりと多くなっていくことに違和感を覚える事なく書いていくといつの間にか七千字。何故だ。
そんなわけで今回多めです字数。比較的ほんわかで行きます。そしてついにアリスちゃんに春が来る! 需要あるかは知らないが。HAHAHA!!
と言うわけで、本編をどうぞ。
ベルさんとは別に特訓をする御話
左目を負傷して二週間ほどがたち、ナーザァさん達ミアハ・ファミリアからの
左目を負傷したのも槍を使いこなせないのに調子に乗ってどんどんと下の階層に降りて行ったせいだ。
ランクが上がった直後だったし、慢心していたんだろうなー。そう感じたので特訓することにしました。
え? 唐突過ぎ? だって言うじゃん? 思い立ったが吉日って。そんなわけで今私はロキ・ファミリアの
「そんなわけで、ってことで僕を呼び出したのかい?」
「そうですね、他に槍使いの人は知りませんし」
私の正面にはロキ・ファミリアの団長でLv.6の
「それじゃあ始めるけど、まずは君の力を見せてもらうよ」
予想通りが言葉に即座にうなずき槍を構える。
「じゃあ君からどうぞ」
フィンさんの言葉に甘える形で私は〈スキル〉[
背中の神聖文字が燃えているかのように熱くなり、体の奥底から力が溢れてくるような感覚が全身を包み込む。
「不思議な世界のおもちゃ箱、全部ひっくり返しちゃう!」
さらに〈スキル〉の[
「行きます」
フィンさんが聞き取れるかどうかは気にしていなかった。
私は強化されたステイタスによって今までとは比にならない速度でフィンさんに接近し、手に持った騎槍を突き出す。しかしフィンさんは槍を器用に使い騎槍を弾き、そのまま私の腕を狙って突きを連続で繰り出す。
少し無理な体勢ながらも強引に回避し、〈
残り二つの光弾も発射し、それにあわせてフィンさんに接近する。
回避するか〈スキル〉か〈魔法〉を使ってどうにかするだろうと考えていた。のだが、
「僕もやられっぱなしじゃ箔が付かないからね」
魔法が斬られた。
いや、おかしいでしょ!? 何であの速度で飛んで行った魔法を斬れるの!? どっかのブラッ○ー先生しかしてるところ見たことないよ!?
私が内心でツッコミまくるもフィンさんはさらに接近してくる。素早く〈
またもや魔法を斬られた。
だからワケわかんないって! 〈
またもや私はフィンさんにツッコミを入れながらも突き出される槍を避け、カウンターを叩き込もうとするが、素早く後ろに下がる。なんだか背筋がぞっとしたのだ。
「直感は僕と同じぐらいかな?」
フィンさんはそう呟きながらさっきよりも速く踏み込んで来る。高速で繰り出される槍を反らし、弾き、横から叩くことで事なきを得るがフィンさんは一旦引くとすぐに接近し、槍を突き出してくる。速い上に重いのだからやりにくい。
魔法は斬られる、どうにかして当てたい......あ、ボムバル......忘れてた。ミニオンに対しての削りとhit稼ぎにしか使って無かったからなー。
なんて思考をしているが、フィンさんの繰り出す槍の連擊を受け流しながらだ。
甘く繰り出された槍の一撃を大きく弾くとフィンさんは後ろに下がる。そのタイミングで私は空いた右手を突きだし、
『ボムバルーン!』
紡ぐ言葉は短く、Lv.6でオラリオの二大ファミリアの一つロキ・ファミリアの団長であるフィンさんですら反応に遅れる発生の速さ。そして〈
そして高い性能に加えて広範囲に広がる爆風と、それに付与された体力を削り取っていく毒。凶悪な性能を持つ〈ボムバルーン〉はフィンさんの少し手前で着弾し、爆発する。
「うぐっ!?」
フィンさんの呻く声が青紫色の爆風の中から聞こえる。
私はその時既に走り出していた。毒は[
それは気付かれてしまったため二の腕を掠めるだけだったが毒の中で無理に動いたせいで動きのキレはなく、隙を晒したままだ。毒の爆風がなくなりフィンさんの姿がはっきり見えるようになったタイミングで近付こうと踏み込んだその時、
ガクンッ!
今まで身体中からあふれでていた力が一瞬にして消え去った。
〈スキル〉の効果時間がきれてステイタスが下がっているんだろうけど、いきなり効果がきれるのは予想外だった。
私は膝をついてへなへなと座りこむ。
「ううぅ、すいません」
私は中途半端に終わってしまったことに謝るが、
「大丈夫だよ、しかし、毒まで使って来るとは思わなかったな」
フィンさんに苦笑され、羞恥心を感じていると、
「大丈夫ですかー! 団長ー!」
少し若い声が聞こえて来た。
私は首だけを動かして声のした方を見ると山吹色の髪を伸ばしたエルフの少女が走って来ていた。
彼女は確かレフィーヤさん、ランクは3か4だったはずよく覚えて無いのが悔やまれる。
「とりあえず解毒薬ってある? 毒をもらったみたいでさ」
なんだか居たたまれなくなってきたのだが、上手く体に力が入らず座り込んだままでいると。
「おいてめぇ、いつまで座り込んでるつもりだ?」
「あ、ベートさん......すいません」
「あ......ありがとうございます」
「礼を言われる筋合いはねぇよ......さっきの戦い見てた、強く、なったんだな」
唐突にかけられた言葉に私は思考が一旦停止する。
「え? ......あ、はい。ありがとうございます」
言葉の意味を理解しとりあえずそう言うがそれを聞いたベートさんは少し頭を掻きながらも私をお姫様だっこの形で抱き上げると、
「おいレフィーヤ! リヴェリアを医務室に連れてこい!」
レフィーヤさんにそう大声で言い何処かへ、おそらく医務室に私をお姫様だっこをしたまま歩き出す。羞恥で顔を真っ赤に染め上げ心臓がバクバクと音を立てているのがわかるほど激しく動く。
恥ずかしいのもあるが、それよりも初めてお姫様だっこと言うものをされたことでドキドキしているのだろう。
んー、私もされたことないけど、そんなに恥ずかしい?
恥ずかしいからねっ!? 逆に何で恥ずかしくないの!?
私も恥ずかしくないわね、貴方だけじゃない?
シャリスちゃんまでっ!?
私は思わぬ言葉にうちひしがれているとベートさんが医務室についたのか、ベッドに寝かせられる。
「おい、大丈夫か?」
「ふぇっ? ......あっ、はい。大丈夫です」
顔が真っ赤なのが恥ずかしくて顔を反らしながら答える。
「そうか、リヴェリアってエルフが来るからそいつに見てもらえ」
そう言ってベートさんは何処かへいってしまった。私はベッドに寝たままバクバクとうるさい心臓に落ち着けと心の中で言いながら深呼吸をする。ゆっくりと心が落ち着き、体の倦怠感も和らいで来る。
「ふむ、レフィーヤ。ベートに言われたんだよな? ......ん?」
「あ、さっきの......ベートさんは?」
私がベッドの上で寝ていると緑色の髪を伸ばしたエルフの女性とレフィーヤさんが医務室に入ってきた。
「あー、えっと、わからないです。ここに寝かされたらすぐに何処かに行ったみたいで」
私がたどたどしくもそう答えると緑色の髪のエルフは何か考える素振りを見せるが、椅子を持つと私が寝ているベッドの側に椅子を置き、座り、私を見ると。
「ふむ、君がベートやアイズ達が言っていたアリス君、だな?」
「えっと......そうですね」
答えはするものの何だか凄く居心地が悪い、何故だろうか。
「まあいい、それで君はここに何をしに来たんだ?」
「あ、えっとベートさんに連れて来られたんですけど、大丈夫です」
そう言って医務室から出るため、ベッドから立ち上がろうとするが、
「うわわっ!?」
足に力が入らずにこけそうになる。レフィーヤさんに支えてもらう形で再度ベッドに座る。
「ふむ、力が入らないのか。倦怠感はあるか?」
「え?......あ、え、えーと倦怠感はないです」
「ふむ、なら何か〈スキル〉か〈魔法〉を使ったか?」
「はい、多分それの影響だと思うんですけど」
「む、ならば治癒系の〈魔法〉はダメだな」
うん?私ってこの人に癒してもらうの?
そう思うと私は自分の〈スキル〉のせいで全身に倦怠感があるので、さすがに恥ずかしいのでやんわりと断っておく。レフィーヤさんやリヴェリアさん(?)はうむむ、と唸っていたがちょっとしたプライドみたいなものがあるのでこれは治療なんか受けられない。
少しずつ体に力が入るようになって来たのでベッドから立ち上がってゆっくりと扉に向かって歩いて行く、リヴェリアさん(?)が止めようとするが私が医務室の扉に手をかけた、その時、唐突に扉が開きバランスを崩す。その結果、扉を開けたベートさんの胸にダイブすることになった。
服の上からもわかる筋肉質ながらも引き締まった体の少し硬い感触に加え、ほんのりと感じる暖かな体温を全身で感じる、何故だかドクドクと激しく心臓が脈をうち、顔は熱くなる。
「す、すすすっ、すいませんっ!!??」
今までより最速でベートさんの胸から離れ、そのまま脇を走り去って行く。フィンさんが止めようとしていたようだったが構わずに走り去る。
そのままロキ・ファミリアの
*
何処かに行ってしまったアリスちゃんを追い掛けようとしたものの何故だか異様に速い速度で出ていったので、間に合わずベート達がいる医務室に戻って来たのだが、
「るっせぇ!」
入った瞬間聞こえて来たのがこれだ、思わず僕は苦笑を浮かべた。
「どうしたんだい? リヴェリア?」
「ああ、フィンか、先程からベートがアリスに何をしたのか問い詰めていたのだが......」
「ああ、なるほど」
ベートのことだ、何かあったとしても何かを言うことはしないだろう。でもアリスちゃんがそう言った感情を理解しているのかはわからないから何かしら本能的に逃げたのかもしれないし、それはわからない。
「まあ、ベートが春が来たんだから応援して上げないとね」
「んなっ!? そんなんじゃねぇだろ!」
「わからんぞ? アリスが気づいているのかはわからんが、あれはそう言うことだろうしな」
リヴェリアの追撃に狼狽えるベート、ベート自身も鈍いところがあるのを考えると少し難しいだろう、頑張れ二人とも。
「ふふふ、ベートさんにも春が来たんですか」
「んなわけねぇだろ!」
「はいはい、頑張ってねベート、応援してるよ」
「ざけんな! フィン!!」
少しほんわかした雰囲気が医務室に充満した。
*
「ううぅぅーーー!!」
真っ赤になった顔を覆い悶絶する。今私はエイルファミリアの
いつも来る時間より少し遅くなり治療を受けた後に、エイル様とエイル・ファミリアの団長で私の左目の治療をしてくださっているアルナ・フォリアスさんに弄られた結果が今だ。
遅れた理由を聞かれたのでロキ・ファミリアで特訓をさせてもらっていたことを言い、その後でベートさんに抱くつくような形になってしまい何故だかわからずここまで逃げて来たと話すと、エイル様とアルナさんは
さんざんおちょくられ、ベートさんに抱きついたことについて根掘り葉掘り聞き出され、その度に顔を赤くする私を面白そうに弄ってから二人で何かを話し込んでいるかと思うと、エイル様が真っ赤になって悶絶している私の耳元で、
「ふふふ、アリスちゃん。その何故だかわからなかったものはね〈恋〉って言うものなのよ?」
なんて言うのだ、いきなり言われたその言葉を私は即座に理解できなかったが、少しして意味を理解し始めると私の頭の中でエイル様に囁かれた言葉が再生される。その言葉は私の顔を真っ赤に変えて、その上で悶絶させるには十分過ぎた。
そして今に至るのだ。エイル様とアルナさんはお腹を抱えて笑い、私は私でベッドの上で悶絶しながらゴロゴロと転がっているのだから混沌と化していた。そんな医院長室に茶髪の中性的な容姿の少年(?)がお茶を持って入ってきた。
「え? えぇ? な、なにこれ? ......え、エイル様? ど、どういう状況ですかこれ?」
私はその少年(?)を見て驚いた。その少年(?)が私にハイポーションを振りかけてくれた少年(?)だと言うことに。
「あ、君はあの時の!! じゃあ特別な治療をしているのって......」
「ええ、アリスちゃんよ。紹介しておくわね、彼は
「あ、えっとアリスです。あの時は助けてくださってありがとうございました」
私はアルベスさんに向かって頭を下げる。アルベスさんはそれを見て焦ったのか頭を上げてください、と少し早口で言う。
私は頭を上げてアルベスさんを見る、前に私を助けてくれたときと同じミディアムの茶髪に中性的な容姿だった。
「ううん、僕もあの時アリスさんが助けに来てもらわなければ死んでたでしょうし、お礼を言うのは僕の方です。ありがとうございました」
アルベスさんも頭を下げ、上げた後、左手を差し出して来た。私はその手を握る。するとアルベスさんも私の手を握り返してくる。
「ふふふ、アリスちゃんが助けてくれたお陰でアルベスは戻ってこれた、そのお礼なのよ左目の治療は」
「そうだったんですか......」
「弟を助けてくれてありがとうね、アリスちゃん」
エイル様とアルナさんにお礼を言われむず痒いような感じがして照れている私を見てエイル様達はふふふ、と笑う、それにつられて思わずと言った雰囲気でアルベスさんも笑う。
私はエイル様達に笑われ、恥ずかしいような気をしながらも苦笑を浮かべる。やんわりとした雰囲気が医院長室を包み込み全員が笑う。
*
〈黒衣の病館〉での治療を終え少し買い物をして
「お帰りー! おお! アリスちゃん。その手に持っているものはなんだい?」
「ヘスティア様、ただいま戻りました。これは今日の夕飯の食材です。今日はオムライスにしようと思っています」
ヘスティア様は楽しみだよ、と言ってソファに腰かける。私は台所に立つとオムライスをるんるんと高めのテンションで作り始める。
そして二十分程して三人分のオムライスを作り終わると、
「ヘスティア様ー! ただいまー!」
ベルさんが帰ってきた。
ヘスティア様はベルさんに飛び付き、テキパキと体を確かめる。いつもヘスティア様はダンジョンに行った後に絶対体を確かめるのだ、ヘスティア様の優しさが見える。
「ベルさん、お帰りなさい。今日はオムライスです」
そう言い、私はオムレツをチキンライスの上にのせて行く。
「アリスちゃんただいま、もう食べれる?」
「勿論です、先にヘスティア様どうぞ」
私は皿にのせたオムライスとスプーンをヘスティア様の座る席の前に置く。
「おお、ありがとうアリスちゃん。それじゃいただきます」
ヘスティア様はそれを嬉しそうに食べ始める。
「どうぞ、ベルさんも」
「ありがとうアリスちゃん」
そしてベルさんの前にもオムライスとスプーンを置き、私は自分の分を持ってベルさんの前に座り、オムライスを食べ始める。
和気あいあいとした食事を終えステイタスの更新を行う。先にベルさんそして私の順だ。
ベルさんの更新が終わり私の更新が始まる。背中の上を柔らかい指が動き私の経験をステイタスに昇華させていく。
「はい、終わったよアリスちゃん。これが今回の更新結果だよ」
そう言って手渡された紙に目を通す。
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Lv.2
《発展》
情報:H→G
《ステイタス》
力:F327→F342
耐久:D502→D514
器用:G258→G291
敏捷:C601→C675
魔力:C649→B723
《魔法》
変化なし
《スキル》
[
・
・対象のステイタスに補正。絆の強さに応じて効果上昇。
・恋心の丈に応じて効果上昇。
以下変化なし
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私はそのステイタスに思わず吹き出した。反射的にヘスティア様を見ると生暖かい優しい目で私を見ていた。
「ふーん、まさかアリスちゃんがねー。ステイタスに現れる程思っているなんて、ボクは応援するよ」
その言葉と優しい目が私の心を完全に砕く、膝から崩れ落ちた私はそのままうなだれる。まさかエイル様に言われた言葉がこうやって現れるなんて、思わぬ形でヘスティア様にバレたことに羞恥で再度悶絶する。
そうしてヘスティア様に優しい目で見つめられ続けた私はそのまま力尽き、洗いざらい吐かされた。そのまま悶絶し続けた私はベッドに逃げて追及を逃れられた。今日一日が今までで一番散々な日だったと思いながらも笑みを浮かべて私は眠った。
いかかでしたか?
少しずつ更新が遅くなっていく気がしているのですが、出来るだけ1ヶ月以内に更新したいところです。(するとは言ってない)
そろそろ原作のメインヒロインが登場します。アリスちゃんはどういう立ち位置になるのかは決まってません。
さて、それではこの辺で、次回もよろしくお願いします。