ppp…ppp…けたたましい電子音が耳をつんざく…うるさい…
もぞもぞとお布団から手を出す…うぅ、寒い空気が入り込んでくる…
手探りでぱんぱんぶっ叩いてると枕元に置いている目覚まし時計を手が叩く。
電子音は鳴り止む…頭まで被っていたお布団から顔を出せば朝日が窓から差し込んでいる。
あぁ…朝だ。小鳥の囀りがする。今日も朝が来た…んん…面倒くさい…
けれど起きないといけない…あぁ悲しきかな、お布団から這い出る。
おぉ寒い寒い…パジャマ一枚の我が身に朝の冷たい空気が襲いかかる…ふえぇ…
さてと…顔を洗ってから朝ごはん…ぁ~…朝は何だろ…?
「シーナおねーちゃんおっはよー!」
「にーや…おはよ…」
「シール姉ちゃんはもう起きてるよ早く早くー!」
「うっさい…頭痛いんだから…」
「低血圧だねー」
「だまらっしゃい…」
私は結構な低血圧を煩っている。で、このクソがつくほどテンションが高いのは我が妹G28。
家族での呼び名はニーヤ、私はHK417、家族内での呼び名、及び親しい人からの呼び方はシーナ。
この家の長女である私の姉はHK416、呼び名はシール。私と同じく低血圧。
朝はかなり機嫌が悪い。姉妹なのになぜニーヤだけ低血圧じゃないのか不思議でならん…
洗面所でバシャバシャ水で顔を洗う…目やにとかは落ちるけどThe寝起きな顔はどうにもならん。
あと低血圧でどうにも頭が回らん…ぽやーっとするぅ…
「おはよー…」
「おはようシーナ、朝ごはん出来てるわよ」
「んぁー…」
キッチンには我らが長女シール姉さんが立っていた。パパとママはもうお仕事に出かけている。
まぁそれはどうでもいいや…ぁー…朝ごはんは白米に卵焼き、ソーセージか。
「シーナのその姿を学園の男子に見せたら告白減るんじゃない?」
「ぁー?」
まぁ客観的に見て寝起きのボサボサヘアーにパジャマでお腹掻いてる姿なんか見せたら幻滅でしょうね。
それをしたら女子として死滅するから絶対しないけど…
眠そうな私としゃっきり制服に着替えてるお姉ちゃん、それとパジャマだけど元気いっぱいな妹で食卓を囲む。
これが私の毎朝だ…妹のキンキン声はマジどうにかしてくれ…
「シーナは二度寝するんじゃないわよ。お姉ちゃんはもう出るから」
「ぁーぃ…」
「ごちそうさまでしたー!」
お姉ちゃんは風紀委員長で朝から校門での服装チェックのお仕事がある。
低血圧だっつーのに良くやるよ…私には無理…ニーヤはアーチェリー部の朝練とかだっけか。
バタバタ部屋に戻って着替えてから出ていくんだろうなぁ…
料理部の私とは大違いで一家の朝は早い…朝のんびり出来るのは私だけー
さてと…私もそろそろ着替えておこう。マジで二度寝したらダメだし…
パジャマのままだとお布団ダイブしちゃう…初等部の頃はそれで良く遅刻しかけてママにこっぴどく叱られてた。
私達が通う学園は小中高一体型の学園、ドルフロ女学園。
風紀は一応あるけど結構自由が効く学園で有名。変わった部活動でクレー射撃部があることでも有名かな?
国際色豊かで色んな国出身の生徒、先生が在籍する。
私は一応高等部の生徒になる。今年の春ようやく2年に上がるから後輩ができる。
ニーヤは私と同じ学年だ。まぁ生まれた年一緒だからね。
さてと…髪を梳いてから寝かしつけて…お姉ちゃんに貰ったリボンで結ってから~の…ツーサイドアップにして。
パジャマを脱いで…下着は…んー…今日はこのカラーにしよう。
制服のブラウス、スカートを着てってしたらようやく血が回ってくる。
首元を学校のリボンで締めて…上からブレザーを羽織れば制服でーす。
えっと、今日の時間割はっと…うげー数学があるぅ…あのセンセ目がいやらしいから嫌なんだよなぁ。
まぁしょうがない…カバンに必要最低限詰め込んで…っと…
「いってきまーす!!」
「ニーヤが行ったか…じゃ、私もボチボチ出ますか…鍵はっと…」
――――――――――――
「はい、止まって…よし、行っていいわ」
「いぇーい」
風紀委員はお姉ちゃんの他にも居る。今日私をチェックしたのはAR15先輩。通称イチゴ先輩。
生徒会の書紀も兼任してるすごい人。ちなみにぺったんこ。
「ぃだ!?」
「また胸の事をけなしたわね?」
「言いがかりだぁ~」
胸弄りに関してはニュータイプかよって位鋭い。同じ様に胸弄りに異様なくらい鋭いのはもう一人居る。
チェス部の主将、UMP45…通称しこねぇコイツも胸がぺったんこ。
真正面からんなこと言ったら鼻をへし折られるから注意な?
「おはよー」
「おはよー!」
私が登校する時間帯は生徒が少ない。朝練の生徒はもう全員登校した後だし…かと言って遅刻ギリギリかと言ったらNO。
早くもないし遅くもない。中途半端な時間なんだよね。通勤途中って思わしきサラリーマンとかとすれ違ったりする。
登校手段は自転車。電車使っても良いんだけど私はねー…あの満員電車は嫌なんだよね。
それにちょっとしたトラウマ持ちで…私が乗ると十中八九痴漢被害に遭うから乗らないことにしてる。
距離はあるけど気軽な自転車通学に切り替えた次第です。
と言うか私達姉妹揃ってそういう経験があるからなぁ…皆揃って電アシ自転車通学でーす。
痴漢って捕まっても捕まっても全然減らないんだもん…変態滅べ。
教室に入ってみてもまぁ生徒は疎ら。朝練中なんだろうなぁーと思う。
この静かな環境が私は好きだったりする。学園の中庭ではラクロス部とかが動いてたりする。
テニスコートを見れば見知った顔がちらほら…あ、3年の廊下でM4先輩がM16先輩を叱ってる。
まーたあの人何かやらかしたんでしょ…懲りないなぁ。
「おはよー!」
「ん、おはよ…ソップちゃん」
この子はM4ファミリーの一人SOPMOD2ちゃん、あだ名はソップ。
私のクラスの元気印の一人。ちょっとアクセサリーとかが奇抜だけどすごくいい子。
無邪気で子犬みたいでクラスの人気者。皆口を揃えて友達っていうね。
「シーナちゃん今日は何読んでるの?」
「ん…」
「キノの旅?ラノベ?」
「ラノベー面白いよ」
「漫画が良いや、文字ばっかでつまんない!」
「じゃあホイ、これあげる」
「アポロチョコー!ありがとー!!」
これだからソップちゃんは可愛がられるんだよね。この子が嫌われる姿が浮かばん。
「ごきげんよう、あら子犬に子猫コンビは今日もお早いのですね」
「おはよー!かーちゃん!!」
「おはよ、かーちゃん」
「かーちゃんと呼ぶのはお止しになって!!」
母ちゃんとダブるからだろうなと思うけど名前長いじゃん…
このお嬢様はKar98ちゃん。カラビーナ・アハトウントノインツィヒ…発音がすんげー面倒くさい。
まぁ同郷のドイツ出身です。お嬢様なのは間違いないけどなぁ…
「まぁ良いですわ、では私は朝のティータイムに…あちゃい!!」
「あーあまたやってるよ…」
「ねー」
見ての通りのポンコツです。猫舌なのにあっつあつの紅茶を飲みだして舌を焼く。
その他にも背伸びしてブラックコーヒー飲んでプルプル震えたりとかね…
このかーちゃんも可愛がられる勢筆頭に分類される。
初等部の時の伝説が今も語り草であるよ…鳩に餌やりをしてたら襲われて中庭で泣きちらしたとか。
しかもその時の悲鳴が…「ぎゃああああああ!!」であったとかなんとか。
その後も続々と生徒が入ってくる。学校はこれからでーす。
――――――――――――
「朝のSHRを始めるぞー、はい当番!」
「はいっ!きりーつ、礼…ちゃんぽん!」
「ニーヤ、ふざけるんじゃないの」
「てへへ…あだっ!?」
「G28はそのまま立ってろ」
おー痛そう、チョークがおでこに炸裂してらぁ。まぁふざけたから残当。
クラスは20名程で構成されている。まぁ全体がまだまだ少ないからかな?
先生は私達HK姉妹のお隣で幼馴染のお兄ちゃん。私はこの人にあわーい恋心を抱いてたり…
担当教科はジャパニーズとイタリアン。まぁお兄ちゃんも割りかし目線がいやらしかったり…
他にも先生は居る、英語の先生はBAR先生。ばーさん呼びしたら怒られる。
科学の先生はペルシカ先生、猫耳が特徴的な人。体育はトンプソン先生。
保険医はカルカノ姉先生、美術はカルカノ妹先生だね。結構女の先生が多い。
まぁ女学園だしねぇ…女の子だらけじゃないだけ良いけどね。気が締まる。
女の子だらけになると気が緩んで女子力死滅するとかなんとか。
まぁ女子校だけど男の話が無いってわけじゃない…お隣に男子校があるから狙われたりはする。
この学園の女子のレベルが高いからだろうけどねー…
惚れた腫れたの話は残念ながらあんまり聞かない…なので専らネタにされやすいのは…
「で、シーナちゃんは告ったの?」
「ま、まだ…てかSHR中…!!」
まぁ好きな人が割れてる私になるわけです…隣に座ってるソップがよーくからかってくる…
「はい、417私語は慎めー?」
「は、はひぃ…」
何故か私にはえらく的確にお小言がすっ飛んでくる…クスクス笑われて肩身が狭くなるぅ…
縮こまってるとお兄ちゃんは決まって咳払いして来るんだよなぁ…
「来年度の案内だ、親御さんに渡せよーじゃあSHR終わり、一日頑張れよー」
来年度かぁ…後輩って言ってもまぁあんまり代わり映えはしないんだよねー。
編入組がどうなるかなんだよなぁ…今の中等部って言ったら顔馴染みだしなぁ。
FN49にG43、FNCとかだし…あとはM60にM1919だねー…
噂だとあのスケバンのスペクトラが編入するとかなんとか聞いたけど…
スケバンで喧嘩っ早いって聞くから関わりたくねぇ…
まぁ喧嘩ならFAL先生がなんとかするかぁ…あの先生怒らせると怖いし。
「皆宿題やった?」
「もち!あの先生忘れるといやじゃん」
「勿論ですわ」
「右に同じく」
「そういうのは他をあたって」
ソップから順にかーちゃん、G36C、キャリコが応じた。まぁ皆やってきてるか。
私も夜中にベッドの上でごろごろしながら終わらせてるんだよね。
一時間目が数学でこの先生がド変態…おっぱいこそがどうのこうのと宣うの。
女子からの評価は地を這うんだけど教え方は天下一品だから追い出されない。
G36Cの姉、G36によく足蹴にされてる。それで喜んでるから度し難いと思う。
「始めるぞー、はい417ちゃん挨拶よろしく。おっぱいをバルンバルンさせながら!」
「死ね」
これが私の学園生活、楽しいよ?
細かい所は知らん。ぶっちゃけただのネタ回