元はぐれ・現D08基地のHK417ちゃん   作:ムメイ

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治安維持とかもしてるならこういう活動してても良いよね?


Day91 I.O.Pコミュ活動・学び舎訪問

――――――――――――D08基地司令室・朝

 

 

午後出撃なのに私は朝から呼び出された。何事だろうか…?

まぁ朝から動くからお化粧とかも全部済ませてるけど…戦闘配備じゃないからそのまま来たんだけど。

先に指示を貰ったお姉ちゃん達とはすれ違った。G11が駄々をこねてたけどお姉ちゃんに蹴られてた。

あとでラムレーズンアイスを食わせておこうか。機嫌悪くなると何もしなくなるし…

安易ではあるけど物で釣るのが一番なんだよね。G11の好物だし一発。

さて…私の用事はなんだろうか…出撃でなさそうだけど…ふーむ…

 

「417だよ、ご用事はなーに?」

「入れ…あーいや何、ちょっとした活動に出てもらうだけだ」

「活動?後方支援みたいな感じ?」

「そこまで大それたもんじゃねぇんだけど…まぁそんな所か」

 

入室すると私に向かって活動を命じてきた。なんのこっちゃ?と首を傾げてみると一枚ペラ紙を見せてきた。

これに詳細じゃないけど書いてるのかなー?どれどれ…はい?

I.O.P主催、人形触れ合いキャンペーン…?ちょっとよく分かんない…

学校に戦術人形を派遣してから触れ合わせてこいって…?いや、戦術人形を何だと思ってんだ?

既に人形のコマーシャルなんてのは腐るほどしてんだろうが。今更私達がそんな事する必要性よ。

待てよ、私を呼び出してコレを見せてるってことは…おい、まさかと思うけど…

 

「まぁそういう事だ」

「えぇー…まさかと思うけど制服で行けって事は…」

「制服です」

「最初に行く場所は?」

「幼稚園」

「お兄ちゃんって教育に悪いことを平然としようとしてない?」

 

こんな格好の女の子がいきなり行ってみろ。まだ早い性の開花が起こるかもしれんぞ?

私は絶対に責任を取らないよ?人形のせいでーとかあーだこーだ言われても知らんよ?

いや、これで小学校に行っても中学校に行ってもアホなんじゃねーのって思うけどさ。

まだスプリングフィールドとか適任居たでしょ?なんでよりによって私なんだよ。

このちんまいボディにででーんとしたおっぱいがくっついた私が抜擢されてんだよ。

 

「いや、先方の指名だ」

「よし、園長ぶん殴ってくる」

 

園長、校長連中覚悟しておけよ、私の鉄拳は痛いじゃすまさんからな?

 

「ねぇお兄ちゃん…私一人前提?それともなにか持っていっても良いの?」

「携行品は武器以外は許可されてる。テーザー位は許可されるようだが…」

「ふぅん…じゃあ私が携行するのは決まりかな。移動手段は?」

「バギー」

「OK、じゃあマップデータを頂戴、すぐに行ってくるから」

「時間は昼間から夕方までだ。まぁなんだ…愉しんでこい」

「了解♪」

 

子供相手ならあれが大活躍する場面でしょ…使わない手はないし…

あと私のバディとしてあの子を連れて行こうか。ふふん…やってやる。

 

 

――――――――――――

 

 

バギーを走らせること数時間、ようやくと私は今回お邪魔することになった幼稚園についた。

時刻は昼前。中では保育士と預けられている園児が賑やかに動き回っている。

…この中に孤児がどれだけ居るのやら。孤児院的な所もあるんだよね。

近くの区営住宅は…まだ焼けてはないよね。あそこに大体の友達は居たっけか。

 

「あのぉ…?」

「ん、交流会っていうか…触れ合いキャンペーンの」

「あぁえっと確か…HK416さん?」

「417です…よろしくおねがいしますね」

 

思いっきり職員には間違われたがまぁ良いだろう…戦術人形なんて知る機会無いほうが良いわ。

さてと…車はどこに止めたら良いのかなー?一応門の前に置いてるんだけどね。

 

「車は…あぁ、あそこで大丈夫です。他に手荷物は?」

「今から取ってきますよ。まぁ多分大丈夫だと思うんですけど…」

「はぁ?」

「見てからのお楽しみですよ」

 

そう言ってから振り返って指笛を鳴らす。すると合図を受けてヤツらが起きる。

飛び跳ねながらやって来たのは私のだーちゃんと5体のおゆうぎしますちゃん。

だーちゃんは私の肩に飛び乗ってからおゆうぎしますちゃんは足元にずらり。

まぁペットロボみたいな所だからへーきへーき。子供の遊び相手にはちょうど良いでしょ?

 

「問題はないですよね?」

「はい…武装のたぐいはありませんよね?」

「この子にはスタンガンがありますが私に危害が無ければ発射されることは無いですね」

「なるほど…では良いでしょう、こちらへ」

 

肩に飛び乗っただーちゃんの頭をぽんぽんしてから示す。デモンストレーションは特に無いけどね。

おゆうぎしますちゃんの装備は猫じゃらしだっけか?そんなもんだから文字通りに戯れるだけ。

おまけにボディはタックル食らっても痛くない魅惑のぷにぷにボディだから安心。

パワフルな子供にも負けないと思うし…流石に叩きつけるようなやんちゃ君はいないと思う。

園児に合う前に職員にご紹介なのかな?各部屋に居る園児を脇目に奥へと案内される。

 

「園長、例の人形が着きました」

「おほー!これはこれは…また見目麗しい…」

「え…」

 

このご時世に丸々と肥えていらっしゃる中年がそこには居た。

ただ脳天の栄養は死滅してる模様でハゲ散らかしてる。ちょっとしたサングラスが変なイメージを加速させる。

紛うことなき不審者と思われるヤツが居た。これ本当に園長なの?

 

「HK417って言います。よろしくおねがいしますね」

「よ、よろしくおねがいしますぞ…ふひ…」

「……チッ」

 

あからさまに挙動不審だし手汗びっちゃびちゃじゃん…手袋しててよかった…

帰った後処分しなくちゃ…気色悪い。これには誰でも絶対キレるだろ。

 

 

――――――――――――

 

 

「はーい、皆集まってー今日はお客さんが来てますよー」

 

私は廊下で待機。先に保育士が簡単に説明してからお披露目らしい。

まぁ人形に対して子供が悪いイメージを持たないようにって言うのがI.O.Pの狙いらしい。

ほら、人権団体の過激派が今は結構どこそこ活動してるしねぇ…

あとはロボット権利団体とかも口うるさいんだろうね。まぁそんな思惑に私は駆り出されてるんだ。

ありがた迷惑って思うけど思わぬ任務だし…社会活動に参加できるのは結構貴重な経験だし…偶には良いかな?

 

「では入ってきてもらいます、HK417ちゃんです、拍手ー」

 

ん、私の出番だな…何がどうなっても私は関与しないからな。

戸を開けてから室内に入ると広い室内に所狭しと児童が集まって座っていた。

全員私の方を見てからお互いに顔を合わせてぺちゃくちゃ喋ってるな。

まぁ拍手で迎えてもらえてるからそう悪くは思われてないかな?

 

「I.O.Pの人形、HK417です。今日は皆と触れ合う為に来ましたーよろしくねー♪」

「きれー」

「おっぱいでけー!」

 

反応は様々だけど取り敢えず拒絶となる反応は無いね…おいそこの男子おっぱいばっか見てんじゃねーぞ。

まったく…随分とませたガキが多いことで…まぁ今日は多分一緒にお遊戯って所でしょ。

ぞろぞろと入ってきただーちゃんとおゆうぎしますちゃんにも視線は行ってる。

まぁ上々な反応じゃないかな。流れでよろしくとか言われてるんだけど…

 

「では皆417お姉ちゃんと遊びましょ」

「「「「とつげきー!!」」」」

「うわ…」

 

大人しくしてると思ったら我慢してただけだったか。遊びましょうと言う保育士の言葉を待たずに突撃してきた。

5体のおゆうぎしますちゃんはそれぞれ逃げるように室内を駆け回り始めた。

それを追っかけて園児はあっちへバタバタこっちへバタバタ…

女子児童と一部の男子が私の方に近寄ってきて遊ぶのかな?どう遊ぼうか…

参ったなぁ…ちっちゃい子供の遊びなんて私覚えてないしなぁ…

 

「なにして遊ぼっか?」

「人形なんでしょ?あれやってあれ!」

「あれって…なーに?」

「ろけっとぱんち!」

「ん、んー…お姉ちゃんは出来ないかなー…」

「じゃあスゴイことしてみて!」

 

無茶振りするなぁ…遊ぶって言ってるのに私のパフォーマンスを期待してるじゃん。

というかロケットパンチってなんだよ。人形にどんなイメージ持ってるんだ?

それはどちらかと言えばアニメとかのロボットだぞ?人形ちゃうやん。

まぁ児童のご要望だから…目に見えてスゴイのって言ったら…んー…

このスカートでやるのは憚られるが…しょうがない、やるか…ブレイクダンス。

ウィンドミルとか見せれば納得してくれるかな?

 

「そーれ!」

「うわー…パンツ丸見え」

「おっぱいもたぷたぷ…」

「そんなところばっかり見てないでよー!!」

 

私のパフォーマンスって全部そういうのに吸い込まれて消えちゃうのね…くすん…

 

 

――――――――――――

 

 

結局あの後普通にお歌を歌ったり人形ってなーにって事で色々私が説明することになった。

これI.O.Pの職員呼んできてそいつに説明させたほうが良いんじゃないの?

まぁ良いんだけどさ…お話して遊んでってしてたらあっという間に時間は過ぎていって私は帰る時間になった。

最後に皆とハグして回ってお別れの挨拶を受けて私は幼稚園を後にした。

 

「皆いい笑顔だったな…」

 

この暗雲立ち込める時代には眩しい存在だった。きっと明日も逞しく生きているんだろう。

ただやっぱりと言うか…パパ、ママの事を聞いてくる子が多かったなぁ…

察するに孤児なんだろうな。人形にもパパやママが居たらってやっかみ…じゃないけどまぁそんな感じの感情があったんだろう。

勿論私にはそんなのは存在しない。強いて言えばI.O.Pの生産ラインの機械がママだな。

私だって孤児だったわけだしパパやママなんざ知らないよ。

 

「…親、かぁ」

 

帰り道、バギーを走らせていると歩道には恐らく迎えにあがっている親と思われる女性がちらほらと見える。

ただ片手で数える程しかいない。やっぱりここは戦争や世知辛い今の時代を物語るな。

そんな貴重な親も何時くたばるかも知れないんだよね。

この前みたいな凶悪犯がいきなりぶっ放して暴れれば命なんざ軽々しく消えていく。

 

「精々明日を無事に拝めることを祈っておくんだね…」

 

沈みゆく夕日に照らされて二日前と同じ様にセンチな気分に浸る。

次の日は小学校だっけか?まーたどうせレクリエーション活動に混ぜられるんでしょ?

私に何を求めてるんだか…私は戦術人形なんだぞ?ドンパチ賑やかにして価値を発揮するんだぞ?

それこそ民生人形…そういやI.O.Pの戦術人形は元々民生人形か。

戦線が落ち着いた後の活動の場を今のうちに作っておくって算段か?

だとしたら時期尚早というか…取らぬ狸の皮算用って言うべきか…

 

「ま、明日は明日でどうにかなるか…」

「(´・ω・`)」

 

ぴょんと肩に飛び乗っただーちゃんが頬にすりすりボディを擦り付けてきた。

犬って飼い主の心の動向に敏感だったりするっけ?

ふふ、励ましてるのかな?ありがとうね…だーちゃん。

 

「よし…まぁ頑張ろ」

 

明日は明日の風が吹く。




企業ってこういう活動にも力入れそうじゃない?
イメージアップに子供から売り込んでいくってヤツ。

あと今更の注釈だけどバギーって言っても4輪バイクじゃなくて軍用車両のバギーカーがイメージっすからね?
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