元はぐれ・現D08基地のHK417ちゃん   作:ムメイ

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スゴイ級に短い。あと頭がおかしい


エイプリルフールクライシス

「指揮官辞めるわ」

「…え?」

 

突然何を言い出すんだ?と私は持っていた書類を落っことした。

一体お兄ちゃんは何を言い出すんだ?指揮官を辞める?辞職?

 

「ついでに言えばお前らとも関係を断ち切る」

「え?は?」

「じゃあな」

「ま、待って!やだ、私達に何か落ち度があったの!?」

「いや、戦闘がもう嫌なんだよ…じゃあな次の指揮官によろしく」

「じゃ、じゃあ私も戦術人形を辞める!お兄ちゃんについて行くから!!」

「そのさ…お兄ちゃんってのも止めてくれね?」

「ッ…」

「あばよ」

 

言葉を失う…私の中で何もかもがガラガラと音を立てて崩れていく…

嫌われていた?あの笑顔とか向けられてた優しい言葉の数々は我慢してひねり出してた?

私達に…落胆してたの?戦闘行為に嫌気を持つのは分からなくもないけど…

あ、あ…やだ…嫌われたくない…捨てられたくない…

 

「ぁ…ぁ…ああああ…」

 

ボロボロと涙が溢れてくる。感情がもう抑えられない…

指揮官が出ていった後の真っ暗になってしまった部屋に蹲って…

両手で払っても払っても涙は止まらない滲んだ視界にはもう何も映らない。

真っ暗だ。私の心の中身と同じ様に真っ暗で…何も…光が差し込まない。

 

「指揮官!?」

 

誰かが入り込んできた…声っぽいのが聞こえるけどもう私には…関係ない。

 

「なんで暗いのよ…417!?ちょっとどうしたの…?」

「……ぅ…ぁ…?」

 

涙で滲んだ視界に映る色彩から察するにFALみたいだけど…

 

「答えなさい、指揮官はどこ?」

「知らないよ…もう私達…嫌われちゃったんだよぉ…!」

「はぁ?イントゥルーダーに攫われたんじゃ?」

「…え?」

「待ちなさい…あのエンジン音は!」

「待ってそれって…?」

「このデータを見なさい…」

「……ん…え?」

 

『お前たちの無能な指揮官を捕らえた。殺されたくないのなら一人一人順を追って立ち向かってきなさい』

なんてメッセージ付きで拘束された指揮官の写真データと座標データ…指揮官の端末から送りつけられてる。

でも耳につくのは低く唸るV4サウンドで指揮官の大好きなバイクの音。

 

「指揮官どういうことよコレー!!」

 

ブチ切れたFALが窓の外に身を乗り出してから怒鳴っているけど…

待てよ?今日は何日だっけか…4月1日…?あ!

 

「くそっ!騙された!!エイプリルフールだ!!」

「あぁ?あんのバカ指揮官!!」

「私達まんまと騙されちゃったんだよ!」

「そんなのは理解ったわよ!!あのバカを追っかけるわよ!!」

「バギーで追っかけれると思う!?」

「こんな事もあろうかとね…」

「ほほぅ?なら追っかけれるな…マップは?」

「勿論トレーサーを貼り付けてるから」

「よっしゃとっ捕まえて血祭りね」

 

「しきかぁ~ん?」

「45姉も何かされたの?」

「牛乳飲むと胸が大きくなるなんて言ったの嘘ね~?」

「えぇ…」

「飲み終わった後にウソ☆なんて書いてやがったからキレたわよー?」

 

「417ァ!?あれ、居る…?」

「お姉ちゃん?どったの…?」

「え?I.O.PのLabに送られて…?え?」

「今日何日だー?」

「……なるほど。騙すなんて酷いわね…ふふ、ふふふふ…」

 

「とりあえずあれだよね?」

「そうね」

「決まりね~」

「「「「指揮官ぶっ殺す♪」」」」

 

私達の意思が完全に固まった。

とりあえず騙したくっそ酷いお兄ちゃんはとっ捕まえて吊るし上げる。

ちなみに又聞きなんだけど全戦術人形は騙されている。

私と同じで辞めるってウソを吹聴された人形が多かった。

他にもタイプライターを打てばトリガーを引いたときと同じ快感があるとか…

ゲームに特定の名前を入れ込むとデバッグモードになるとか…

ピンポイントに引っかかりそうなウソをねじ込んでやがったから皆ムカ着火ファイヤーだぞ?

私も例に漏れずブチ切れたから流石に今回ばっかりはぶん殴る!

 

「取り敢えず私が運転する。逃さん」

「じゃあ私が取り押さえるから~」

「FALと私で拘束ね」

「了解」

「バギーを抑えろ!一番速度が出るヤツ!!」

 

 

一方その頃の指揮官

 

 

「(´・ω・`)」

 

エラーコードを吐き出してエンストした愛馬の傍でたそがれていた。

 

 

「FALゥ!ターゲットまで後何キロォ!?」

「え?何コーヒー代ぃ?」

「10ドルぅ?」

「何世代前のネタだよ!!」

「知るかバカ!そんな事より072よ!!」

「ガンホー!ガンホー!!」

「もう嫌よこの連中…」

 

ハァーイ!現在爆走中のバギーの上からお送りしますはHK417でーす!!

現在エンスト起こしてるだろうバイク目掛けてかっ飛ばしている最中でーす!

ガッタンガッタン揺れるから私のおっぱいも揺れる揺れる。

FALのもお姉ちゃんのも揺れる揺れる。45姉のは揺れない。ペターンである。

 

「あにゃぁ!?」

「止めなさい!45!!流石に不味いわよ!!」

「スゴイ、シツレイ級」

「何言ってるの?」

「待って待って417前を見なさい!」

「ふにゃぁ?あ」

「「「あ」」」

 

眼の前には大木がっコレが何を意味するかって?

 

「爆発オチなんてサイテー!!」

 

「え、待てなんで君達飛んでるの!?」

「「「「アバーッ!!」」」」

 

大破するバギー。宙を舞う私達。地面に刻まれる4つの人影。

数秒後には大量の土煙とくっきり人形に穴が空いた地面があったとさ。




はい、お茶濁しです。サーセン

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