元はぐれ・現D08基地のHK417ちゃん   作:ムメイ

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これでこのコミュ活動はおしまいなのじゃよ


Day94 I.O.Pコミュ活動・学び舎訪問その4

今日で一応一連のキャンペーン活動はおしまいかな?

今日訪問するのは専門学校と大学だね。それぞれ1つずつしかない。

専門学校にはI.O.Pもちょっと出資してるから顔が利くみたいだ。

優秀なエンジニアを育成する目的が強いみたいだ。複数の学科があるけど大体が人形関係。

設計学科、これは人形の基礎設計から学んで行く学科だね。骨格から最適な銃の考察まで。

デザイン学科、人形の人相から人格、服装等をトータルデザインする学科。

整備学科、人形本体の整備から周辺機器の整備を担う若者を育成する学科。

指揮学科、人形のコントロールを行う人材開発が目的の学科。

AI学科、文字通りのAIに纏わるイロハを学ぶ学科だ。優秀だとI.O.Pに直接声を掛けられるみたい。

もっぱらI.O.Pに入り込むための学校みたいなところがある。

もう一つだけあるのは編入学用の進学学科だね。もう一つある大学か…別の地区の大学に編入学するための学科だ。

そこに滑り込んだら…正直もうどうにもならないと思うけどね…

かなりカリッカリな学生ばかりみたいでずーっとI.O.Pはこの学校には最新式の人形を派遣してるらしい。

私に白羽の矢を立てられたのは…まぁ珍しい個体だからっていうのもあるんだろうけどね。

かなり最適化が進んでいて詳細不明ながら高度AIを搭載した人形だ。

学生にちょっと触らせてみて思わぬ発見があれば良いかなって所かな?

私を動かしてみたりデータを取ったりするみたいだけど…んー…

まぁ最新式のVR訓練とかもさせてもらえるみたいだから良いかな?

この学校だけはHK417の持ち込みが許可されてる。まぁ戦術人形を動かすのに半身がなけりゃね…

あとは実際に分解整備してみてからってのもあるのかもね。

今日はかなりながーくなるみたいだから…これは大変そうなんだよねぇ…

 

「変な所触られなかったら良いけどなぁ…」

 

まぁ毎日人形のボディとかを見てたら慣れてると思うし…そんな学生は居ないと信じよう。

…お隣I.O.Pの工場じゃん、これはI.O.Pの囲い込みがやべーな。

第2世代人形もばんばん授業に使ってるんだろうな…きっと…

うん、目は肥えてる筈、私に食指が動くことはないと思う!

そもそも学びに来てる連中がそんな欲望に負ける子じゃないでしょ!

私とか大学でわりとゆるーく勉強してたけどさ!専門学校生は違うでしょ!

 

「そういやあの母校の大学どうなってんだろ…AK47と9A91とASValが行ったって聞くけど…」

 

この地区に存在する大学は私の母校でもある。それぞれ学部があるけど…わりとマイナーだったかな?

私が卒業したのは工学部の情報科だったけど…まぁこの就職難で見事に難民化してたしなぁ

さて…詳細は私も知らないがいわゆるヤリサークルがあった気がする…

あの手のチャラ男は結構押しが強いし言葉巧みだから言いくるめられて…とか考えられそう…

見目麗しい人形が行ったらそりゃもう大はしゃぎで連れ込もうとするんじゃないかな?

行った連中が揃いも揃ってヤバイ格好だからなぁ…勘違い起こして祭りになりそう。

反撃許可下りてるなら血祭りになりそうだけど…そうじゃないなら白濁祭りかな?

 

「さてと…行きますか…」

 

 

――――――――――――

 

 

指定位置にバギーを停めてから周辺を見渡す。まぁ見事なまでにオフィス地帯。

というかのI.O.Pオフィスの一部が学校といった感じだよ。周り一帯I.O.Pの関連会社ですよ。

主にここらで請け負ってるのは民生人形の修理交換とかだね。

AIに異常が見つかった民生人形のAIを見たり必要であればリセット等を請け負ってる。

私達戦術人形のパーツの流通もしてる会社もあるからここは大事だなぁ…

前線を支えてるのが私達戦術人形とそれを支える基地だ。

そんな前線を支えているのがいわばこの企業達と言う訳だ。まぁバックボーンだね。

ここが押さえられたり何かあればその影響はかなり大きくなる。

警備についてる人形も前線ほどじゃないけど中々に洗練されている。

 

「そこの貴方、止まりなさい」

「ん…」

「武装をお持ちですね?規定ですのでIDを提示してくださいまし」

「はい、これ」

 

停めてから降りようとした所声を掛けられて銃口を向けられる。

武器はAR、SIG510か。I.O.Pの人形の中でも結構出回っているモデルだな。

ダミーリンクも2体引き連れているから中々手練といった所か。

本体は銃を構えたままこっちを警戒していてダミーにIDを確認させている。

うんうん、良い警戒方法だね。もう一体のダミーも背後をカバーしてるし…

この周辺でドンパチは中々起きそうにないな…主兵装はSIG510だろうけどその他にもサブアームを携行してる。

テーザーガンと手榴弾…フラッシュバンもあるのかな?

 

「確認できましたわ、不躾な歓迎ごめんあそばせ?ようこそHK417」

「いいよ、それくらい警戒したほうが良いだろうし。私としても安心だよ」

「念の為ですがマグは引き抜いてセーフティを掛けて携行してくださいな」

「はーい」

 

チェストマグポーチに引き抜いたSTANAGマグを差し込んでチャージハンドル引いてチャンバーを覗いて…

一発装填されてたから引き抜いてからもう一回ポーチのマグを取って装填、ポーチに収納。

そしてセレクターをセーフティにしてからスリングで背中に回しておく。

承認済みだけどまだ通行証が無いからSIG510がそのまま同行してくれた。

受付まで行ってから通行証を発行してもらいようやく私は一人で校内を歩き回れるようになったと。

ちなみにIDが不正だったり不一致、ないし紛失していた場合は即座に取り押さえられる。

埋め込まれたICチップやコードで認証ができればいいけどそうでない場合はそのままムショ送り。

かなり厳しい管理体制であるよ。問答無用でムショ送りは強い。

 

 

――――――――――――

 

 

まず最初に案内されたのはデザイン学科だった。それぞれの趣味を出してるみたいだ。

パソコン上でスケッチを取っては消して…スケッチしてってのを繰り返してる。

各々の好きな外見で人形をデザインしていってるみたいだけど…わぁぉ…

実用的かどうかはさておいてかなり華美な人形になりそうだなってスケッチが多い。

そこで私の登場です。ハイエンドモデルとして稼働している人形はこうだって実例を見せるんだ。

教室は2つあるのだが…今回Ameliと一緒に配置されているので一室一室相手してりゃOK。

どっちもまぁ冒涜的なまでにちっこいボディにデッパイを搭載してるから変な刺激にならなきゃ良いけどねー…

 

「はーい…今回は…ヒエッ」

 

扉を開けた瞬間に囲まれた、いや、マジ何事?全員目が血走ってるし…

無言で私を視姦したかと思ったらそれぞれの席に戻っていった…

 

「いつもこんななの…?」

「いえ、今回はこの学校周辺でも滅多に見れない人形だからです」

「ふえぇぇ…」

 

この学部の担任が着いてきてるんだけどまたやったか…みたいな反応。

ハイエンドモデルが来るとこんな風に一度取り囲んでカゴメカゴメしながら視姦するらしい。

それで一度造形を頭に叩き込んでから噛み砕きながら授業を受けるらしいの。

反応含まて色々とデザインしていくみたいだからその時の反応とかも見てるのかな?

なんつーかガリ勉が多いのをイメージしてたけど変人の巣窟じゃない?

 

「庇護欲をそそるな…デザインしたものは全て計算の上か」

「あの小さなボディに不要なまでの女性的なボディライン…」

「身の丈程あるライフルを担いでいるギャップも良い…」

「ええっと…HK417です、よろしくおねがいします」

 

人数は10人ちょっとだけどそれぞれがぶつくさ呟きながら私を見てる。

私の自己紹介はそこそこに早速だけど私を題材にした服飾デザインとかが始まった。

まぁ言わばスキン開発の授業だな…もう私は完成した人形だからなぁ。

銃の考察なんざどうでもいいしパーソナルデザインなんざもうとっくの昔に終わっている。

事前にI.O.Pで作成された3Dデータからデザインしていくみたい。

流石に裸体ってわけじゃない、下着の上からだけどね…

このデザインソフトが中々に良い性能をしているみたいでボディの反発係数とかも入って…

服を着込んだ際の食い込みとかも計算するっていう優れもので…

まぁ多分だけど私のバニースーツなんかもこういうソフトで計算されて作られたんだろうなって…

あとはまぁ性格に合うような服装に仕上げてくれたら良いんだけどなぁ…

 

「出来た」

 

いや、早いな…何を作り上げたんだ?出来上がった私の3Dモデルは…

なんと水着を着込んでいた。多分サイズは普通なんだろうけど…私の凶悪おっぱいが原因でマイクロみたいになってる。

ビキニタイプの水着だ。普通のホルターネックビキニに下半身はパレオを着込んでいて…

アクセントに手首にブレスレットがつけられている…可愛い

 

「じゃあ試作してみてください、それが次週までの課題です。完成後は417に試用してもらいます」

「え、聞いてない」

 

ちなみにその後出来上がって来たのはフリッフリな魔法少女みたいなの。

ピッチリスーツにヤーパン風の装飾がつけられたもの、ストリートミュージシャン風のもの。

儀礼装備っぽいの。Theミリタリーって感じの迷彩服装備とか…コレ全部作られるの?

そしてそれを試用しろっていうの…?いや、うっそだろ…

 

 

その後案内されたの指揮学科だ。ドローンコンソールの操作から効率のいい運用計画の練り方を教えていた。

で、今居るのは学校所有のキルハウスで的役の自律人形を相手に私とAmeliでバディ組んでの殲滅戦だ。

 

「よろしく」

「よろしくおねがいします…これも規定の内なんですか?」

 

RFとMGかぁ…リロード隙を上手く潰していかないといけない組み合わせだ。

と言うかCQB戦に不向きな武器を揃えさせるって中々に鬼畜よなI.O.P

まぁ私は訓練してきてるし…自律でも全然やれると思うけど…

 

「両方引き撃ち重点な」

「了解」

「わかりました」

 

引き撃ちって…まぁ待ちの戦法は悪くないだろうけど…ジリ貧になるぞ?

ちなみに自律人形の指揮は先生が執ってるみたいだ。

まぁ精々私とAmeliがペイント弾による極彩色に染め上げられて行くところを見るがいいよ。

今日に限っては口出しできないのがつれぇよ…授業だからって事で口止めされてるんだよなぁ。

開始地点からちょっと移動して2つ存在するロングを抑えろっていう簡単な作戦。

飽和させられたらおしまいなんだけど?まぁ良いけどさ…

 

「規定通り、倒します…!」

「コンタクトー!!」

 

それぞれに担いできた半身が火を噴く。7.62mmの発射音と5.56mmの連射音が響く。

Ameliは100発装填のMGだが…当然リロードの隙ってのは出来る。

リロードに入ればかなりの間隙っ晒になる。それをどうカバーするか…が問題なんだけど…

学生指揮官はそれを考えてるとは思えない。その前に突っ込んでくるって思ってんのか?

 

「リロード入ります」

「417はカバーしろ!!」

「了解」

 

物陰に身を隠してから弾倉交換を行うAmeli、それをカバーするように火線を通しておく。

もちろん私が抑えていた方は無防備になるんだが…サイドアームはテーザーなので一回限りだな。

 

「ぐえっ」

「あいたっ」

「何やってんだ!そこは反応して…あぁくそぅ」

「そこまで、もう一回履修だな」

「そんなぁぁぁぁぁ…」

 

まぁ当然な事で裏取りされて私とAmeliのヘッドに一発貰いましたっと。

Ameliはまだ良いよシューティンググラスに貰ったんだから。

私なんてあれだよ、ほっぺたに貰ったから中々落ちないんですけど?

将来有望な指揮官も居たけど落第生も居て振り回されることになったよ…

途中Ameliの胸のボタンがぶっ飛んでいくってアクシデントがあったから中断になったけどね。

 

で、使用した銃をそのあと整備科に出して実際に使用した戦術人形の銃を整備するって流れ。

撃針まできっちり見てもらった。これは素晴らしいと思うけど…締め付けトルクが甘いぜ?

そんなこんなで私のキャンペーン任務は無事に終りを迎えた。




学校とかは完全な妄想だけどね。
まぁこの世界でも絶対あるだろうし力は入れてるよねって思うのよ。

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