悲報、ブラが合わなくなってた…ウソだろお前。いや、マジでウソだろお前?
朝何気なしに着替えてお化粧に入ろうかと思っていたんだ。
しかしながら悲しいかなこの数ヶ月私のブルンバストを守っていたブラは…何故か入らなくなっていた。
いや、厳密には入るけどかなり無理を強いることになる。サイズが合ってない…
どういう事だよ…と愕然とする私だが…まぁ制服は無理でもゆとりのあるセーターなら良いか…
セーターにジーンズ合わせてから事なきを得るが…今日はテクニカルスタッフが居たっけか?
居たなら問い詰めてから原因を探らなくちゃいかん…私にとっちゃ死活問題だ。
結構激しい運動が加わることもあるしサイズが合ってない状態ってのは危うい。
ちょっとジャンプしてみたら弾むおっぱいに追従できずにぽろりなんてのも考えられる。
……もしかして増えてる?45姉がセクハラしてる時にあれこれ言ってたのもあながち間違いじゃなかったのか?
というか私太ってたりする?待てよ待てよ…人形って機械のボディじゃないの?
食物をそのまま熱エネルギーに変換する機関があるんじゃないの?
もしかして生体パーツってそういう事?いやいやいや…太ったって…?
「ちょっと体重計ってあったっけ…?」
お風呂場にあったような気がする…私の測定時の体重は**キロだから…
あれより増えてたら私の身体のどっかしらが増えている事になる。
つまりは食生活を考えないとぶくぶく太っていくって事になるんだけど…
人形としてはかなり由々しき事態になってるわけですよ…!
こうしちゃ居られない化粧もそこそこに部屋を飛び出してからお風呂場に飛び込む。
洋服の重量なんざたかが知れてるからそれは抜きにしてっと…さて何キロ?
「嘘やん…」
増えてた。ばっちし増えてる。がっつりと増えてないのが救いだけど…
ウエストは制服着てみてチェックしたけど変動なし。ヒップは若干キツさがあるけど特に問題なし。
となるとやっぱりあれか?おっぱいに脂肪がついてしまったのか?
というか人形も太るのかよ…新事実に私は愕然としてるんだけど…
ぴっちり目に制服が作られてるから許容範囲が結構キツイんだよね。
どうするか…ダイエットって有効なのか?それともパーツ交換ってなるのかな?
「あら?417どうしたの?」
「お姉ちゃん…私、太った…」
「あら、417もなの?私も管理しててもついていっちゃって…」
おや、お姉ちゃんもズボラちゃんだったけどカロリー計算はきっちりしてたはずだけど。
それでも太るものなのか?太ったと言って摘んだのが胸元だから悩みは同じか?
「「ここにつくのは困る」」
「お姉ちゃんと同じ体質だったかぁ…」
「というかそういう設計をされていると思うわ」
くそぅ!I.O.Pの変態共余計なところまで人間に寄せやがって!!
やっぱりダイエットするしか無いのか…ダイエットってきっついんだよねぇ…
――――――――――――D08基地工廠・朝
「人形が太るか、ですか?」
「うん、正直に答えて」
「その質問はYesですね。劇的には変わらないはずですが…」
工廠に赴けば一人データを入力しているテクニカルスタッフが居た。
ちょうどいいからと質問を投げかけてみたら帰ってきた答えはこうだった。
劇的には変わらないというのが主張だが…私の場合はそれが死活問題になってんだが?
「ははぁ?さては太りましたか」
「うっせぇ…上下幅はどれくらいなんです?」
「一般的には-0~4の間に収まるはずですが…」
「それ結構な変動値だけど?」
4cmも変わればボディーサイズとしてはかなり変わってくるんだけど?
I.O.Pのガバガバっぷりが露見したんだがまぁそれは良いだろう。
珍しく人間味あふれるレスポンスが帰ってきてこの職員も人間なんだなって安心した。
しかし人形も太るのか…これは想定外のことだ…そんなところまで人間に寄せなくていいから。
「再測定が必要ですか?」
「ブラが合わなくなったんだよ!」
「ふむ…では少しお待ちを」
巻き尺でかるーく計測してるみたい…ふむー?
おや、流石にこういうのはアナログなんだね…どれどれ、私のトップバストはどうだ?
「+3ですね、作り直しを要請しておきます」
「ちなみにほかは…?」
「……素晴らしい±0ですよ」
「なんでおっぱいだけ!?」
どえらいこっちゃ、おっぱいだけ太っていた事実。これあれだろ45姉が原因だろ?
おっぱい揉まれるとおっきくなるなんて迷信だと思ってたけどあながち間違いじゃなかったのか?
それとも私とお姉ちゃんの体質なのか…ぐぬぬ…よく分かんないぞ…
「しかし417もそうですか…FALの服も作り替えですし面倒ですね」
「え?」
「知らなかったのですか?FALも朝に転がり込んできたんですよ」
「え?ウソだろ」
「これで作り替え申請は…はぁ11ですか…」
んぁ?作り替え申請ってことは…待てよ、じゃあだけどよぉ…
各基地によって人形のパーソナルに差異が出てたりするのって…?
この太る太らないとかも…そういう味付けの差だったりしない?
――――――――――――D08基地兵舎共有スペース・昼
「あら、みんなどうしたの?暗い顔してるわね?」
「あら…45?そうね…ここに居る全員が同じ悩みを抱えたのよ…」
「ふぅん?そんなに深刻なの?」
「太ったのよ…みんな揃って…」
同じ悩みを抱えてしまった11の人形が揃いも揃ってテーブル囲って落ち込んでいた。
まぁ若干名はそんなに深刻な顔してないけどね。私とG28とかそう。
FALとスプリングフィールドは結構深刻な顔で俯いてるし…お姉ちゃんはなぁ…
それぞれ自分のおっぱいを見下ろしてからふかーい溜息をついて…
「私は逆に太らないのが悩みなのに…」
「あぁん?」
「あー?」
「やんのか?」
45姉は太らない体質だって?結構だらしない食生活してるくせに…?
9姉に聞く限りでは私生活はかなりズボラしてるって聞くのに…なんだとぉ?
「何事ー?喧嘩?」
「すっこんでろぺたんこが!!」
「あー?」
「喧嘩するの!?家族の友情を深める行動だよね!」
どうしてこうなった。スコーピオンが煽りに来たんだろうけど逆に煽られてキレてるし…
一触即発の空気になったんだけどさーてこの場はどうなることやら…
私は特に怒るようなこと無いし今回は傍聴で済まさせてもらう。
毎回ドッタンバッタンしてたら身体が保たないし。偶には観客に回ってもいいじゃん?
血の気が多い第1部隊組が揃って45姉とスコーピオンに殴り掛かりに行った。
おぉっと45姉さすがの体捌きでFALとわーちゃんを捌いてる。
スコーピオンは…あー躯体スペックの差でなんとかって所か…
スペクトラとのタイマンになってるけどほぼ互角に殴り合いが発生してる。
これは修理案件に発展するな…今のうちに工廠に連絡しておこう…
あーFALが投げ飛ばされてるしわーちゃんも取りつかれたからコレは終わったな。
45姉を取り押さえるなら3対1に持ち込まないとね。
まぁ私だったらダミー使って取り囲んでも何故か私がマウントとられて負けるんだよね…
「ははーん?さては太ったっていうのは…」
「ちょっと!?やめな…あぁっ…!」
「はー…妬ましい…デカチチが…自惚れないで!」
FALのおっぱいに45姉の両手がぐわしと行った。あーこれは揉み込まれますね。
南無三、精々それで無駄にたわわに太らないと良いね…私はそれで多分太ってる。
あ、スペクトラも負けて組み敷かれてる。ぺたんこの意地か。
――――――――――――
で、どうなったかと言うと…喧嘩を売った買ったの取っ組み合いはぺたんこ組が勝った。
しかしながら損害はというと…45姉とスコーピオンは大破。
ガチバトルを演じたスペクトラも大破、巻き添えを食らったステンも大破。
ステンもちっこいながらに中々の物をお持ちで太ってたんだよね。
愉快犯で混ざってた9姉ももれなくパンチ貰って中破といった所。
まぁあれだよ…死屍累々といった様子です。これは酷い。
「いや、ホント君達なにしてんだよ…」
「ダーリンのお仕事を増やすのは止めてくれないかしら?」
「休みだったのに…なんで?」
「いやまぁそういうのが俺たちの仕事だけどさぁ」
工廠組が揃って文句ありありといった顔で兵舎に押し入っていた。
本来ならば休みを謳歌しているはずなのにね。まぁ緊急メンテです。
特に損傷が酷い45姉とスコーピオンから担ぎ出されていってから随時修理って感じだね。
まぁ今日の休日は見事に潰れたんだよ。悪いね、これに私まで巻き込まれてたら大変だったぜ。
「さて、復活した後に速攻で45とFALが第2ラウンドするのに私はかけるー☆」
「そういうのは止めようよ…」
G28がトトカルチョみたいなの開催しようとしてるし…止めておけよ…
私は一応止めたからな…これでどうなっても私は関与しませーん。
さってと…私はこの後どうするかなぁ…ダイエット代わりにランニングしてみるかな?
いや、スクワットとか筋トレみたいなことをしてみるか。
「あ、これ痛い」
走ってると普通にブルンブルンしてからすごく痛い。
これはいけない…じゃあ普通にスクワット…と思っても重心が狂うし…
ダイエットこれ捗らないなぁ…でっぱいも大変だよ…とほほ…
まぁあれですよ。人間にくっそ近いパーツで作られてるって解釈です。
太るし汗とかもかくどこまでも人間に近い模倣品ってのが人形じゃない?
解釈違いは認める。異論があるなら君も書いて☆
僕が喜んで見に行くから