元はぐれ・現D08基地のHK417ちゃん   作:ムメイ

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妹堕ちの次はなんだろうね~?


Day11 こうして花開く

――――――――――――D08基地第3部隊兵舎・朝

 

 

「ん…」

 

誰かに包まれている…目が覚めた私はぽやっとそんな包んでるのをむにゅり

…むにゅり?離れない…あれ、なんで…

 

「んん…」

 

頭上から聞き慣れた声がする、あ…そっか

昨日は結局お姉ちゃんに添い寝してもらったんだった。

てことは今掴んでるのは…おっぱい…

何でもない、何も胸が高鳴らない。

男の頃は見てるだけでも楽しかった物だけど…どうでも…

ううん、どうでもは良くないけど…別にいいかなって感じだ。

 

「おはよう、417…その手はどけて?」

「ごめん、お姉ちゃん…おはよ」

 

ちょっと変わった朝を私とお姉ちゃんは迎えた。

ふふ、お姉ちゃんくすぐったそう…

 

 

「おはよう、HK姉妹」

「「おはようMk23」」

 

通気性を考えて上着着崩していたお姉ちゃん。

姉妹揃って寝起きで着崩してると何だかアレした後みたいで…

Mk23は昨晩の事もあってかちょっと余所余所しかった。

けど、行先は指揮官の元ね…変わらず、一途というか。

乙女まっしぐらきっと直後には素敵なショータイムね…

 

「お姉ちゃんはこの後どうするの?」

「4小隊の出撃があるわ、食事して出るけど…

一緒に寝坊助のお世話に行く?」

「うん、行く…G11でしょ」

 

――――――――――――D08基地第4部隊兵舎・朝

 

「あ、おはよ416に417」

「おはよう、すっかりお姉ちゃんが板についてる♪」

「おはよう、先に支度してて後で向かうわ」

「……おはよう」

 

苦手なのが…うぷ、また戻しそうに…

朝から兵舎でゲーゲーしてたら迷惑だしこらえるけど…!

そしてお姉ちゃんの影に隠れながら進んでいくと…起きてなきゃ不味いのに…

ぐーすか寝てる寝坊助が居た、幸せそうな寝顔。

 

「起きろ、朝だよー」

「んー…うるさいよ416…あと24時間寝かせて…」

 

まずは…と私からゆさゆさ揺さぶって起こしにかかるけど…

そんなんじゃ起きなくて唇をへの字に突き出す…へぇ…

私をお姉ちゃんと間違えた…お姉ちゃんはそんなに優しいかしら?

 

「ん?声がロリっとしてたような…それにこんな起こし方じゃ…」

「ロリで悪かったわね!」

「おぉー…これは楽だー…移動しながら寝れる…おやすみー」

「417そのまま食堂に連れて行くわよ起こすのはそこでいいわ…いつもの手荒な起こし方するから」

「らじゃー!」

 

よっこいせー…っと背中に負ぶってそのまま歩く。

抱っこは無理、私おっぱいでっかいもん。

丁度いいカウンターウェイトと思えば良い。

えっへへ、これで少なくとも私はG11よりはお姉ちゃんね!

 

 

――――――――――――D08基地食堂・朝

 

 

「お待たせ」

「あだっ…暴力反対だよぅ…」

「起きないアンタが悪い、降りて」

「はいはーい…またよろしくね、417タクシー…」

「私からも一発貰いたい?」

「妹まで暴力だぁ…」

 

背負った状態のG11はすっかり寝入っていた。

お姉ちゃんの目覚めの拳骨が頭に降って無理やり起こされてる。

先に食堂でスペース確保してたUMP姉妹と合流、食事?

お姉ちゃんが完璧に3膳持ってる。今日は1枚で終わるメニューだもん。

ハムエッグサンドにBLTサンド…朝のメニュー…?調理班今日は誰よ?

まぁいいわ、起きたなら…とG11を下ろして私も相席する。

場所はもちろんお姉ちゃんの隣、G11もお姉ちゃんの隣。

 

対面のUMP姉妹は何だか微笑ましくこっちを見てたけど…何?

45のニヤニヤ顔はキライ!

 

「416~お姉ちゃん、良いでしょ~?」

「面倒を見る相手が増えただけ、さっさと食事を済ませて出撃するわよ」

「顔、ニヤけてる♪」

「ニヤケ顔で言われてもね~」

「っ…黙りなさい!417も…なんでそんな顔して…抱きつくな!」

 

えへへへ~知ってる、お姉ちゃんの胸の内は分かりやすいよ。

私と同じで表情に出やすいんだもん。

食べづらいかもだけど、私はお食事中ずっとお姉ちゃんに抱きついてた。

 

「こうもうるさいと寝ながら食べれない…」

 

G11、食べるか寝るかはっきり区別したほうが身のためだと思うけど。

喉詰まらせてもしーらない。私はしーらない。

 

 

――――――――――――D08基地司令室・朝

 

 

Mk23はもう居ない、お仕事モードの指揮官が居た。

食事を終えたお姉ちゃん達は足早に出撃していった。

今週の午前中組が第4、午後が第2…そう言えば任務自体は簡単な警備がほとんどだからローテーションなの

私達人形だから疲れとかは人間に比べて感じないよ?と聞いたことがあったけど…

指揮官はどうも私達を人間と同じ様に扱いたいらしい、物好きで甘ちゃん…

 

「そんな顔しても417は出撃させないぞ」

「むー…お姉ちゃんと一緒がいい…」

 

やだやだとは言わないけど偽らざる本心はそう。

お姉ちゃんと一緒の隊で出撃したい。

どうにかならないかなぁ…私が戦闘では完璧な所見せたいのに。

私はあんまり出撃させてもらえない。まぁ心配なのかな?

 

「あ、そうだ…今日副官やってくれる?

まだ決めて無くて…最悪無しでも良かったんだけど」

「やる」

 

そうだ…副官業務について私は未経験だ。

教えてもらえばすぐに覚えれるのが人形の良いところだから…

ほらあった、報告書形式のデータ媒体

 

「じゃあ、そこの椅子に座って。最初だからそのフロッピーからデータを…」

「これでしょ、これにやり方とかのデータが入ってるのよね?」

「流石、じゃあよろぴく」

「うん、任された」

 

指揮官は結構ノリが軽いし緩い。

けど…仕事に関しては結構真面目でセクハラ目線も鳴りを潜める。

今日一日副官したらより理解できるかも。

副官用の椅子に座ってデータインストール、仕事開始!

れっつわーきんぐ!

 

 

――――――――――――D08基地司令室・昼

 

 

「ふぅ…もっと出来るけど」

「良いから休憩、ついでにおっぱい揉ませろ」

「……お姉ちゃんに言うよ?」

「あっはい…ごめんて、冗談だよ」

 

お休み時間に入った。

私は別に休まなくても良いと言ったけど指揮官が良いから休むんだと命令してきた。

休むのが命令っていうのも変ね。

で、おやすみモードの指揮官は内面の変態っぷりを表した。

手をワキワキしながらこっち見ないで、セクハラよ。

着任当初なら私、無言でアームロックしてたのに…暴力で黙らせるって思考に行かなくなってた。

おかしい、おかしいけど胸にすとんと落ちていく。

 

言うほど、私…嫌って気持ちが浮かんでこない。

どうしたんだろ…おかしな私。

 

「今日のお昼はなんだろな…」

「アメリカンピザらしいよ、指揮官」

「ほー…お、来た来た…」

「肉肉しいピザ…指揮官、太らないようにしましょうね?」

 

朝がサンドイッチでお昼がピザ…炊事担当今日休みか何か?

晩ごはんもこれは期待できなさそう…あ、美味しい…

ジャンクフードだけど美味しいのは認めるわ。

ムカつくくらいに…

 

これなら私がお料理したほうが良さそう。

ここの職員の総数なんてそう多くないわ。

夜がダメだったらちょっとカチコミしようかしら…

あ、でも大凡30人の食事か…大変よね。

 

「そう言えば調理班の風邪パンデミックってマジ?」

「…スイマセン、暫く冷食っす」

「まぁ不味いレーションよりはマシでしょ」

「今週の出撃が第2じゃ無かったら…まだヘルプ呼べたんですけど…」

「あー春田マッマ…兼務はさせれないしなぁ」

 

むー…そういう理由かぁ…第2部隊にお料理上手の人形がいるのかな?

今度教わってみて私が補欠で行けるようになったら…

配膳に来た職員は本来メンテナンスの人だ。

申し訳無さそうだけど仕方ないわね、うん。

 

胸の中でも罵ってごめんなさい。

 

「にしても今日はおっぱいちゃんが副官っすか」

「お前が言うおっぱいちゃんは多いから分からんぞ」

「おっぱいちゃん言うな」

「今度暇な時に相手してくれたら考えるわ」

 

むー…私のことをまたそのあだ名で呼んでー…

というかおっぱいちゃんってあだ名多いのね。

あのメカマンは…出ていくまで私の胸をガン見して…

私の顔見て手を振った、二度と来るな。

 

「よし、食ったら軽く運動して…お仕事だ」

「運動?」

「そ、イイ運動だぞぉ…417も協力してくれると…ぐへへ」

「…その顔はセクハラ?嫌よ」

 

あ、分かったMk23が突撃して来るんでしょ?

 

 

食べ終わった頃にMk23が突撃してきて指揮官に抱きついていた。

運動って?お姫様抱っこしてスクワット、背中に乗ってもらっての腕立て伏せとか…

所謂筋トレだった、変態の耐久力の秘訣はここにあったのかしらね。

おっぱいブーストとかいって目標数付近でMk23がご褒美してた…

おもしろくなーい…あたまわるーい…

 

 

昼下がりにお姉ちゃん達は帰ってきて、逆に第2部隊が出ていった。

基本的な人数が4人体制だ…となると…今の私の副官ってポジションがちょうど良かったりするのかな?

 

 

――――――――――――D08基地司令室・夜

 

 

「おつかれおっぱい」

「何言ってるの?」

「ごめんなさい」

 

大まかな仕事が終わったら気が抜けたのかな。

午前の作戦報告書を作成して本部に提出済…今日の業務はもう殆ど残ってない。

ま、まぁ…毎日休まずお仕事してる指揮官だから…

ちょっと位は許しても良いのかな…なんて思ったり。

きっと指揮官は我慢してると思う、控えめに言って美人の部下を持っていて…生殺与奪も意のまま。

並の男だったら…贔屓にする娘が出たりその逆が起きたり。

基本的にアプローチはしないで…向こうから待ちなセクハラしかしない…

ヘタレなのかもしれないけど…うーん…

 

「417、どうしたそんな顔して?」

「んーん、何でもありません」

 

何時からかな、こんなに気を許してるの…

あ、第2部隊が戻ってきた。

ヘリの音がした…この作戦報告書を書けばおしまい。

書き上げるのは私の仕事で、承認は指揮官。

 

余談だけど、私の字は本来雑だったけど…綺麗な丸文字に変わっていた。

自分でもビックリしたけど…女の子らしいかわいい文字だって指揮官は褒めてくれた。

女の子…女の子かぁ…

 

「ニヤけてるぞ、417」

「ほぇ?嘘…ほんと?」

「ほれ、それがニヤけ顔と言わずして何という?」

()……これが…?」

 

指揮官の手鏡に映し出される私は()()()らしい柔らかい笑みを浮かべていた。

もう吐き気は浮かんでこなかった。




ふぅ…口に合ったかなぁ?
合ったなら良いけど…

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