「珍しいね、今日はダーリンがお仕事ずるけて街に行ったなんて」
「私にも何も告げなかったな…」
今日は珍しく朝から私やお姉ちゃんのおっぱいを堪能する間もなく飛び出していった。
私としてはかなりお預け感があって悶々とすることになったけど…
ヴィオラも慌てて飛び出るダーリンを見ていて小首を傾げていた。
誰にも告げていないのはまずいと思うんだけど…うーん、今日はお仕事なのになぁ。
まぁ良いや、私が変わりにお仕事始末してればいいでしょ。
何の問題もないね。警備任務は暇を持て余してるのが行っても問題ないしねー。
「とりあえず街の警備隊にダーリン見つけたら連絡するように入れておいたから」
「なら問題はないな。私はワニワニパニックで遊んでくるわ」
「ヴィオラもあのレトロゲー好きだねー」
ヴィオラはかなりレトロゲーに造詣が深いみたいで私以上に知ってる。
まるで2000年を生きていたみたいに懐かしんでは熱中している。
ただ腕前はそうでもない。普通の人間並といった所だ。
特に劇的な進化を遂げていたPS2世代のゲームは興奮気味でプレイしていたな。
今度落ち着いたら一緒にゲームをプレイしてみようかな。
「さーてと、じゃあ片付けていきましょうか」
なんてことはない、書類の山を一個一個片付けていくだけだ。
いつもの副官業務ですよ。夫の尻拭いは妻の役目ですから苦じゃないでーす。
ある種の私への信頼ってとっても良いからね。ふふん♪
何も言わずとも私がしっかりとしてくれるっていう信頼。
ただいつ帰るかは教えてほしいから後で端末にメッセージを入れておこう。
お昼に帰るのならお昼ご飯の用意をしなくちゃいけないしね。
どこに行ったかは知らないけど…言わないってことは知られたくないんだろうし…
詮索するのは野暮って物だよね。だから私達がするのは無事に帰ってくることを祈るだけ。
あんまり帰りが遅いなら私達が探しに行くだけだし…
おっと、電話?なんだろう…ナンバーは本部からか…
「はい、こちらD08地区です。はい…はい?なるほど…わかりました」
今度の結婚式に警備に来てもらう人員が増えた。PMC武器庫って場所の傭兵部隊。
スピア小隊の一番槍、ジャベリンってコードネームの人が警備に当たってくれるらしい。
それにユノちゃんの所でも顔を合わせていたアレクサンドラさんとG3が来てくれるらしい。
ふーむ…となると情報は出回ってるからもしかしたら…
「ん、メッセージ…Freedom…あ、やっぱりF小隊のところにも情報は行ってたか」
端末のアドレスとか教えてなかったけど普通にメッセージが飛んできた。
多分F11のハッキングとかじゃないだろうか…やっぱり来てくれるみたいだ。
千客万来…身内だけのひっそりとした式だったはずなのに結構な人が駆けつけてくれるな…
嬉しい限りだけど無事に送り迎えとかしないといけないし…D08地区まで来てもらえたら小型バスかなにか借りてそれで送迎するのが良いかなぁ。
この基地そんなに人員が居ないのが難点だからなぁ…もうちょっと部隊があったりあぶれてる人形が居るなら送迎の警備とかもできるんだけど。
まぁD08地区平和だし警備は一人でも十分かもしれないなぁ…最悪ヴィオラをつければ問題ないでしょ。
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「それで、例の物はちゃんと用意してもらえたな?」
「えぇ、中々苦労しましたが…」
「助かる…」
指揮官は仕事をほっぽりだしてどこへ出ていたかと言うと街の少し手前。
町の郊外にある鉱山の麓で人知れず営んでいる宝石店に来ていた。
中々高価なアクセサリーが並ぶ中見繕ったのはシンプルながら輝きを放つネックレス。
3つ宝石が並び真ん中は大ぶりのダイヤモンド、左右を挟むのはラピスラズリ。
中々な値段だが指揮官は迷わずそれを購入していた。
「差し出がましいですが…どなたへのプレゼントですか?」
「妻ですよ、今日は妻の記念日ですので」
「なるほど…愛されているのですね」
宝石商は少し微笑み何も言わず一対のイヤリングを差し出した。
ペリドットのイヤリングだ。これには指揮官は困惑するが…
「この地区の指揮官さんでしょう、ここは平和でいい…のんびりと鉱石を掘って加工して販売もできる」
「えぇまぁ…俺の功績だけじゃないですけどね」
「細やかなご恩ですよ。奥さんとどうかお幸せに」
「……ありがとうございます」
指揮官は深く頭を下げてからアクセサリーを受け取ると急いで来た道を帰るのだった。
「ダイヤモンドは言わずもがなですが…ラピスラズリは健康・愛・永遠の誓い、ペリドットは夫婦の幸福・信じる心です…ふふ、知ってか知らずかは存じませんが…いいセンスですよ」
その後417にそのアクセサリーをプレゼントしてからまた一悶着があったとか。
4月17日。417の日とでも言うか…指揮官はこの日を逃すつもりは無かったそうだ。
その日から417は必ずイヤリングを取り付けて居るし夫婦二人の時間になればネックレスを着けて…
以前に増していちゃついてから回りに被害を出し続けていた。
なお、二人ではカフェへの出入りを禁止されてしまった。
あまりにも甘い空間にブラックコーヒーがMAXコーヒーになってしまったと苦情が殺到したからである。
婚約指輪が無いからじゃあそのかわりとしてプレゼント。
愛されている証みたいなもんですかね?