「アーちゃんうさぎ?」
「送り元はS09地区になってる…まぁアーキテクトのバカだろ」
「いや、結婚祝いくれた人をバカ呼ばわりは…」
「良いんだよ、平気な顔してバカやらかしてんだから」
なんか朝になったら変なDVDが届いていた。送り主の名前はアーちゃんうさぎなんて名前だ。
S09地区って事はまぁあのバイクを作り上げたアーキテクトの事だろうな。
で、今回はどんな事をしてるんだろうか…私もこれは皆目検討つかない…
まぁDVDだし普通に再生してみれば良いんだろう。端末に読み込ませてっと…
「3・2・1!どっかーん!!わーい!!」
「んー?」
兄の秘蔵フィルムのアニメーション作品であったような気がするなぁ。
ノリはかなりフザケてるが言うなれば商品紹介ってところだね。
テレビを点けた際によく流れているコマーシャルや通販みたいなノリだね。
ただ商品がえらく魅力的だぞ…外見はまぁ目を背けるとしてその中身さ。
ミニチュアな鉄血ハイエンドモデルが虫を徹底的に駆除してくれるなんて…
虫騒ぎがあったこの基地ではかなり欲しい一品だ。私は絶対に欲しい。
またGが出たら今度はダーリンの傍絶対に離れないからな。G36が駆除してくれるまでダーリンの部屋出ないから。
普通にマスコット的にも可愛いし欲しくなってくる商品だね。
「これ注文するならやっぱりあれかな?」
「まぁ十中八九S09地区に連絡するんだろうな…あの基地マジで大丈夫なのか?」
「大丈夫でしょ、ウチみたいなのがあるんだしさー」
「お、そうだな」
まぁウチはただ人形に甘ったるいだけの普通の基地…と言いたいけど…
イレギュラーが2体所属してるしセクハラは結局横行してるしーの…
重婚やらかすしー?色々おかしい基地だって言われてもおかしくないんだよね。
結局この世界でまともなヤツの方が少ないんじゃないかなって思う。
どっかしらぶっ飛んでないと心の均衡が取れないんじゃないかな。
とりあえず私のお給料からも出しておこう。振込先はどこだよ。
「なぜなにのノリが聞こえたんだが?」
「流石アニオタ早いねー、仕事しろ」
DVDの音声をどっから聞きつけたのか知らんが兄がドアの向こうから顔を覗かせた。
いや、お前は清掃員だからお掃除の仕事をしてなさーい。G36が粛々と引っ張っていった。
こちらもまた仕事が早い、何から何まで把握してるんじゃないかと錯覚するよ。
「で、もう一個…こりゃI.O.Pかぁ…まーた変なの送りつけちゃいねぇだろうな…」
「どれどれ…2つあるね、あ一つは私のヤツだね…もう一個はなんだろう?」
「俺はもう何も聞かんぞ…」
「はいはい…じゃあ私が処理しておくよー」
私の奴は私以外が服用すると大変なことになるらしいからさっさと飲んでおこう。
で、もう一個の方のやつはなんだろう…I.O.Pが関わってるって時点でまぁ怪しいけどね。
なになに…試作、人形用育乳サプリ…貧乳コンプレックスなあの子もバインバインに…
私とかが服用したら致命的じゃない?もう一個手紙が…どれどれ?
おっぱい好きな同志D08基地の指揮官君へ、結婚祝いとして一つ送る…
嫁に服用させても良いし貧乳コンプレックス抱えてるやつに服用させても良い。
試作段階であるため数に限りはある…あと使用したらデータのフィードバックはくれよ?
I.O.P研究室のソウルメイトより…追伸、迷ったらUMP45に食わせたら良いんじゃないか?
これはこれは煽りよるよ…あと私やヴィオラ、FALとかが服用したら不味いしこれは…
「うん、45姉に聞いてみてからかなぁ…?」
「私がなんだってー?」
うっわびっくりした…普通に気配を断ってるからかマジで気づかなかった…
振り返るといつものようにうっすら笑ってる45姉が居た。
無言でサプリメントと説明の紙を手渡す。暫く読み進めると紙の方は八つ裂きにした。
無言だよ無言無表情で細切れにしたよこの45姉…ブツブツつぶやいてるし…こわー…
で、迷いなくその試作サプリを飲み込んだ…あ、やっぱり気にはしてるんだよねー…
「まぁどうしてもだから」
「誰も何も聞いちゃいないよー…」
ただ何の変化も見られないことにやっぱりかー…と笑ってた。
こういうの遅効性で出てくるのに時間差があったりするんじゃない?
――――――――――――
さて、今日明日でドレスのフィッティングを行って…式場を突貫工事して…
えーっと、基地警備とか道中警護とかの人数を私が把握できちゃいない…
ここ数日で目まぐるしく動いているからなぁ…ケーキは日持ちがしないから当日に完成させるんだけど…
そこそこの大きさになるからお菓子作りできる人形総掛かりになるしなぁ。
G36が張り切ってるけど来る客の多さが多さだから料理が間に合うか…
あぁ不安なことが多い事多いこと…今日から数日間は私もおちおち夜まったり出来ないし…
暫くはダーリンとの夜の生活もお預けだからストレス溜まりそう…
まぁ結婚式が終わればそれも一旦落ち着いて…色々出来るんだろうけど。
「明日は一日私が居ないけど…寂しくない?」
「朝いっぱい補給するつもりだから覚悟しておけよ」
「あはは…腰が立たなくなるような事はやめてね?」
「善処する」
お昼を二人で食べさせ合いっこしながら明日のことについて話す。
もちろん口移しですけど?私はダーリンとのいちゃいちゃが出来なくてストレス抱えそうだけど…
まぁ明日は目一杯身体を動かして歌って踊ってってするから大丈夫かなぁ?
昨日の通しと確認を反芻しながら一人でレッスンしてたし…不備は無いはず。
ダーリンの方が心配なんだよなぁ…私が居ない間に暴走しないか…
まぁ矛先はお姉ちゃんに向きそうなんだけど……うん…どうなるかなぁ。
「それよりよ…なんか45の様子がおかしかったんだが…」
「あー…I.O.Pの荷物がねー…」
「また何か変な物作ったんだろ…」
「育乳サプリなんて名前でさ」
「なるほど把握」
まぁ期待してませーんって言いながらしきりに胸元をさすっていたりするから期待マシマシだろ。
夫婦そろって一方向を向くと…おっと
「^^」
「「アッ」」
二人揃って鼻をコキャっとされました…ついでに私は揉み回された。
とばっちりでヴィオラも何故か揉み回されていた、解せぬ。
結局お昼の食堂には3人程床で悶え転がる事になった…
――――――――――――
基地周辺警備はSAAとM14とG28…雇われのお二人…まぁその二人に関しては披露宴に参加してもらうつもりらしい。
SAAが高台とって周辺警戒をして不審なものを発見したら狙撃手二人で排除って流れ。
イサカと主任が受付…案内はメンテナンス班の連中がするらしい。
送迎に関しては一つ手段が決まった大型のカーゴヘリを出す。
二人パイロットが居るのが幸いだ。分担して客をピックアップしてこちらまで運ぶ。
それが叶わない所に関しては陸路の旅費を出して着く時間帯に合わせてバスを出す。
バスの運転手はウチの兄だ。まぁ運転技術に関して言えば私より良いから安心だね。
バスの護衛はスペクトラとステンだね。まぁやかましいが戦闘力はずば抜けてるから良いか。
基地内警備にはスオミとUMP姉妹…G11はあれだ…マスコットだからしかたない。
調理班はG36と共同で披露宴のお料理とウェディングケーキの制作。
ギリギリまでスプリングフィールドと私が手伝うけどドレスの着付けですぐ離れることになるかなぁ…
土壇場で招待客が増えないとも限らないし…まぁ受け入れ体制だけは整えておこう。
「で、ダーリンは?」
「私室で休憩中だが?」
副官業務中のヴィオラが書類さばきながら私室を指さした。
一服というか…まぁしてることは思い浮かぶ。私室に籠もってすることなんてねぇ…
「休憩中にシてることなんて言ったら…ヴィオラ、こっちきてみー?」
「なんだ、私は主人に任された仕事が…」
「ダーリン…あー!お姉ちゃんずるい!!私のおっぱいもナメナメしてもらうんだから!!」
「何、スケベ案件か…私も同行する」
まぁ普通にお姉ちゃんとよろしくやっていたんだよね。ちょっとこれは予想外。
つーかお姉ちゃん猫ランジェリーなんて買ってたのか。かっわいいー。
そしてまぁ攻めるねぇ…ふふふふー♪ちょっと混ぜてもらいましょうかねー?
「まて、お前らまだ仕事が残ってるから夜な!夜!!」
「今が夜じゃない!!」
「そうだ、今が夜だぞ主人よ。さぁベッドに連れ込め」
「いや、仕事ぉ!!」
結局私達がノックアウトされてダーリンは怒りの仕事に戻っていった。
ほら、貧乳で製造されてコンプレックス抱えてる子を救う商品とかさ?
巨乳45姉だって居たっていいじゃない…D08基地だもん…
自信満々に胸を張る45姉とか絶対可愛いやん…ポンコツっぽくなりそうだけど。