元はぐれ・現D08基地のHK417ちゃん   作:ムメイ

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結婚ってお金かかるよね。


Day113 部隊再編と財政事情

「単刀直入に言うぞ。基地の金が底をつきかけた」

 

プレイルームと化した離れからぞろぞろ私達が出ていき…暑い初夜を迎えた後だ。

司令室に着いたダーリンは居住まいを正してから開口一番そう言い放った。

まぁ残念ながら当然ってやつだね…結局大金使用したんだもんね。

そもそも誓約の証となる指輪は各人形の所有権を譲り渡す側面もある。

一個一個の値段が割高なのもあるが…その他にも各人形の衣装、ウェディングドレス代。

その他にも式場となった大型倉庫の整備…あのプレイルームこと…離れの整備だってかなりお金をかけている。

ご祝儀を色々貰ってるけどそれでも逼迫した財政というのはどうにもならない。

じゃあどうするかと言ったら色んな所から出ている任務とか依頼を受けてお金を稼いでくるんです。

大体は本部から回されてきたりするけど中にはI.O.Pの製品のテスターになれとかもある。

ただ報酬が高すぎるのは要注意だって言うのはお姉ちゃんが言っていた。

美味い話には必ず裏があるというのが常だって言う。あと報酬前払い系も怪しいって。

 

「で、その他にも部隊の再編成を行う」

「今呼ばれているこの5人は?」

「第1部隊、アルファだな」

 

アルファ部隊に配属されるのは私、ヴィオラ、G36C、Uzi、お姉ちゃんの5人。

全員左手に誓約の証をくっつけている正真正銘の精鋭部隊って所かな?

部隊長などは特に決めていないらしく各々の判断で動けってさ。

早速だが私達アルファ部隊は任務が入っている。近隣地域で発見された生物研究所が未だ稼働状態にある。

そこの中を探って何故稼働状態にあるのかを調査、データ収集してくる事を望まれている。

何が研究されていたかは不明でありその実験生物達が跋扈している可能性も示唆されている。

そこで最高戦力を投入してって所か…まぁお姉ちゃんがその手の専門家だから大丈夫でしょ。

近距離鎮圧であればG36Cもかなり良い線行くしなぁ…

Uziは手榴弾での広範囲殲滅も可能…あとはヴィオラが纏めて焼き払うのも手か。

私は念の為の要員って所か…室内戦ではあまりだけど屋外戦だったら狙撃で役に立つだろうしね。

 

「向う先のデータは一切ない…」

「任せておきなさい、私は完璧よ?」

 

まぁなんとかなるでしょ、ダーリンは心配し過ぎな所があるけど私達を信じてくれてもいいじゃない?

とにかく今は稼がなくちゃいけないんだから…一応グレネードも持っていこうか。

ダミーリンクも居るし最悪はダミーを盾にして射撃戦したら良いしね。

勿論何かしらが居たらの話だけどさ。廃棄されて何年と経ってるならそう居ないっしょ。

 

「研究所…バイオ…かゆ うま…」

「それは止めようね、ヴィオラ?」

 

あのゲームみたいなのが沢山出てきたら流石に不味いと思うんだけど?

まぁゾンビなら制御系が詰まってる頭を撃ち抜けば死ぬってのが常だし…

あとヴィオラのグレネードがあれば一撃で木っ端微塵じゃん、へーきへーき。

 

「じゃあ、出撃だ。吉報を待つ」

「「「「「了解」」」」」

 

 

――――――――――――

 

 

「チッ…出入り口は無駄に頑丈なシェルターになってるわね…」

「だめ、電源は勿論死んでるし制御盤が壊されてる」

「通気口なんかも丁寧に潰されてるわ…元々私達だと入れないでしょうけど」

 

目的地にランディング、研究所へとたどり着いた私達だが…残念ながら出入り口は全部壊されていた。

お姉ちゃんは舌打ち混じりに閉じられている扉を蹴った。当然びくともしない。

制御盤は物理的に壊されていて操作やハッキングは不可能。ついでに言えば電力が死んでいた。

Uziが見つけた通気口は残念ながら私達では入れそうな隙間じゃないしこれまた潰されている。

 

「下水処理場を探してそちらから侵入するのはいかがでしょう?」

「付近に川があったわね…調べて見る価値はあるわね」

「一応私は他に侵入できそうな場所がないか探してみる」

「私も同行する、護衛とついでに発破要員ね」

 

お姉ちゃんとUzi、G36Cが下水口を探して…私とヴィオラで地上からのエントリー可能箇所を探すことに。

周囲マッピングをしながら…歩き回る。施設はかなり年季が入っているように見える。

こんな僻地で何を研究していたのかは不明だが…とりあえず分かっているのは生物兵器の研究を行っていたことだ。

生物兵器の類は確か禁止されていたようにも思えるけど…うーん…

まぁしかし古いながら堅牢な作りらしくほころびらしいものが一切見当たらない。

しかしながら幸いにも普通のドアが見つかった。全員集まる前に私達で先に侵入することに。

奥には大量の物が積まれているようで蹴破ろうにもびくともしない…そんな時のための…

 

「ブリーチング!」

 

ヴィオラですよってお話で、連続して中に榴弾を打ち込むと中の障害物は排除された様子。

ライトモジュールつけたMk-23引き抜いてから中の様子を伺う…

どうやら倉庫のようだ。散乱した物から推測するけど…中のホコリの積り方がすごいな。

相当な年数放置されていると思われる。中からの物音は特に聞こえてこない。

 

「下水を発見したけれど残念ながら閉め切られていたわ」

「じゃあここから入るしか無いね」

 

下水施設からの侵入は不可能と来たものだから残念だがここからの侵入になる。

全員ライトモジュールを点けてから内部へと侵入していく…

ガイガーカウンターなどには反応はない、バイオハザードが起こってる様子でもない。

何故廃棄されたのかは文献にも乗っていない…どこの傘下で研究していたかも不明だが…

恐れていた事が原因って訳じゃなさそうだ…ゆっくりと中へと侵入。

散らかった倉庫と思われる部屋は薄暗い。まずはダミーに先行させて様子をうかがう。

 

「クリア、本体達もついてきなー」

 

私のダミーが先行しつつ状況を逐次報告してくれる。

マッピングも並行して行ってるため流石に演算力を食われてくる。

シャッターが降りていたりしたがそれは全部蹴り開けてから突き進む。

ようやく景色が変わってきたかと思えば…なんだろうか。この施設は…

 

「病院?」

「に…近いわね」

 

区分けされた様子の室内に血だらけの執刀台…散らばった医療器具。

ただ様子がおかしいのは異様に綺麗なくせに所々に血だまりが出来ている。

どんな実験が行われていたかが伺い知れる…本当にろくでも無い実験をしていたんだろうな。

データ収集が今回の任務だからこんな施設でも行ける所まで行かなくちゃいけない。

 

「見なさい、これ…鉄血のマークよ」

 

血に塗れた書類を発見した。あまり解読はできなかったが思わぬ発見があった。

鉄血のマークが隅っこに描かれていた。つまりは鉄血の息がかかっていた研究所だということだ。

で、あるならばおそらくココを警備していたのは鉄血人形…半年程度は…

いや、稼働し続けることは出来ないから今こうなっているんだろうか…

 

「鉄血人形の反応はない、安心して進めるわ」

「あるとしたら…」

「生物兵器が生き残っていて繁殖してたりしたら大変ね」

 

簡単に見えたワードだけでもかなり不穏な物が見えている。

人間ベース、繁殖、欲望強化など…お世辞にもいい結果を想像は出来ないな。

幸いな事に崩落液を使っていないのは良かったと思う。

デカデカと絶対に使うんじゃないぞ、あれはもう別研究所で痛い目見てるだろ!とね。

 

「さて、じゃあ…この研究所の調査を開始するわ…また二手に分かれるわよ」

「時間を区切って集合することにしようか」

 

こうして私とヴィオラの二人でこの研究所内の探索に出かけることになった。

まぁお姉ちゃん達も同じ様に探索してるからもっと別な言い方もあるだろうけど…

で、いくつかの部屋を回ってみたけどめぼしいものは見つからない。

ついでに言えば収監されていただろう人間の遺体や遺骨すら見つからない。

警備に回っていただろう鉄血人形の残骸も発見できない…文字通りの蛻の殻だ。

 

「む…こっちに大きな扉があるぞ」

「なに?えーっと…実験生物収容棟A…これは何か出るかもね」

 

意外な事にこの扉の鍵は開いていた。中へと入ると何かの物音がする。

鼻につくのは青臭い臭いで草のような臭いと言ったら良いのだろうか?

形容し難い臭いに顔をしかめていたんだけど…物音はかなり奥から聞こえる。

ダミーリンクに先に行かせてから様子を伺うことにするが…

 

「ぎにゃぁぁぁあああああ!!!なにこれ!やめ、やめろぉぉぉ!!!」

 

ダミーの悲鳴が木霊してそちらに急行する…するとそこに居たのは…

 

「わぁぉ…」

「これは…」

「「「これマ?」」」

 

でっかい蔦のおばけでした、ダミーの脚を捕まえてから吊し上げていた。

それでもって…吸盤状の物がダミーのおっぱいに覆いかぶさっていた。

うーん…これも生物兵器の一つなのだろうか?なんというか…すごく…アレだよね。

エッチ雑誌に出てきそうな触手ってやつに見えてなぁ…

 

「「「「んぁ?」」」」

「なんだっ!?」

 

なんと私達も吊るし上げられてしまった。がしゃがしゃと私達の銃器もことごとく落とされてしまう。

ついでに言えば私とヴィオラは一緒くたにされて吊るし上げられて反撃手段がなくなった。

 

「どーしよ…」

「どうするもこうするも…」

 

 

――――――――――――

 

 

その後時間になっても戻ってこない私達を探してやって来たお姉ちゃん達によって助け出された。

Uziの焼夷手榴弾が無かったら私達全員そろって開放されるまで…おぉこわ。

無事データの回収と実際に居た生物兵器の一端と思われるあの触手のサンプルを回収してきた。

お姉ちゃん達が遭遇したのは人形の…何かだったらしい。

I.O.Pがやけにその情報を欲していたけど何に使うんだろうか?

まぁ結構な高値で売れたし後続で調査に来る人員も増えるそうだ。

大分良い稼ぎにはなったけど…ちょっと私達汚されちゃったよね…

 

「財政状況はまだ厳しいな…明日も任務で出てもらう」

「行く先は?」

「最前線の〇〇地区の輸送護衛」

「げー!またあのナンパ野郎がいっぱいの地区ぅ?」

 

暫くは背に腹は代えられないから稼ぎの良い任務につかなくちゃいけないんだけど…

来るお仕事がキナ臭いのとかこういう誰もやりたがらない所の物だから…

ヴィオラとお姉ちゃんは首を傾げてるけど知ってる私とG36CとUziは顰めっ面。

明日は明日で一波乱待ったなしだよこれー…

 

「ところでダーリン、今日の夜はねー…」

「私達の要望を聞いてもらう、拒否権は無いぞ」

「そうね、私も一つお願いが浮かんでいたの」

「私もそうですわ…」

「他の人形もそうだからよ?べ、別に私がしてもらいたいって訳じゃないんだから」

 

「「「「「今夜はおっぱい祭りに決定ね」」」」」

「まて、お前ら離れに行くまでは我慢し…アッー!!」

 

お風呂場から離れまでダーリンに拒否権というものを与えないお祭り騒ぎが勃発した。

騒ぎを聞きつけたFALにわーちゃんとMk23、スプリングフィールドも混ざってカオスを極めた。




今日程焦ったのは無いと思う。
だってこれ書き上げたの今から12分前♥
創作エンジンが焼け付いてるよ…

明日は夜のお話で端折った部分書くつもりだゾ。
紳士諸君は待っておるが良いわ

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