元はぐれ・現D08基地のHK417ちゃん   作:ムメイ

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奮闘する417ちゃんは可愛い?可愛いヤッター?


Day13 可愛いは正義

――――――――――――D08基地第3部隊兵舎・朝

 

自発的にG11が起きる珍事とお姉ちゃんによる私へのお説教って言う物珍しい朝が訪れた。

Mk23はそんな様子に目を瞬かせていたけど指揮官の所に行っていた。

あと私はエッチな子じゃない、そこだけは言わせて貰おう。

 

G11ヘロヘロしてたし…大丈夫かな?

心配だし後で追いかけようかな…最悪ダミーに視察してもらえば…

 

 

ピロリン♪

「417、今日なんか工廠に行って欲しいんだってさ。

工廠のおやっさんが417にって伝言を頼んできたぞ…何頼んだんだ?」

 

カコカコ…

「ひみつ」

 

例のデータが届いたのかな?腕がなるわね…!

すぐにでも行って今の食糧事情を…改善しないとね!

 

 

――――――――――――D08基地工廠・朝

 

「おはよ、主任のお兄ちゃん」

「おーおはよう417ちゃん…ふぁ…ぁ」

「おっきなアクビだね、眠い?」

「まーな…」

 

ありゃりゃ、主任さん眠たそう…

聞くとI.O.Pと深夜までやり取りしてたらしい…

で、これはなーに?って感じの小包も届いてる…

 

「そりゃ417ちゃん用の料理衣装だな」

 

またなの?I.O.P豪勢だね…だから私にここまで…

データインストール……ん、完了かな?

お料理のメニューは…んがっ…多いなぁ…

じゃあちょっと着替えて早速キッチンに潜入してみよう…

 

衣装は何だろ?あー…なるほど、そうきたかぁ…

フリフリのカチューシャ…エプロンドレスに白ニーソ…

まごうこと無いメイド服だった。

しかもフレンチメイド…ま、まぁ大丈夫…お料理するのに最適だと思うわ。

 

「更衣室借りるね」

「おう、ついでに定番セリフも頼むよ~」

 

定番セリフ?あぁ…アレかな?

うわ、このブラウス乳袋処理されてる…細かいなぁ…

驚くほどすっぽりハマる…

 

フリル多すぎない?服飾部門の本気ここに見る…

 

「お待たせしました、ご主人様」

「アーイイ…アー…」

 

メイド服の内訳はこう。

白いフリルのヘッドドレス、パープルカラーのリボンでポニーテール

白いブラウスは乳袋加工、黒いベストはおっぱいを回避、おっぱいを強調する。

黒いスカートの前にはエプロン…ふりふりのフリルたっぷり、パープルのラインが私らしいかな?

黒のガーターベルトに白のニーハイソックス。

 

カーテシーの仕草までインストールされてた。芸細。

主任さんのリクエストは消化したし…いざ私の戦場へ!

…とその前にダミーに着替え回収させとこ。

 

 

――――――――――――D08基地キッチン・昼前

 

 

突然現れたメイド姿の私に驚いてる職員。

あれ?この人達見たこと無い…だぁれ?

あー…調理班の人なの?もう風邪は平気?

むぅ…私も頑張ろうって思ったのに空振りかぁ…

 

「野郎ばかりのキッチンに華が増えるのは良いことだ、手伝ってくれる?」

「はい♪がんばりますよー!」

 

ふんす、と鼻を鳴らして頑張る意欲を見せる私。

見てる調理スタッフの微笑みにつられて私もえへえへ笑ってた。

 

だが、私の前に立ち塞がったのは…とある障害でした

私の身長は140に満たないちんまーいボディです。

それに対してキッチンは…高かったの…

急遽踏み台を用意してのお料理です。

 

忙しなく動き回るキッチンの中で私が担当したのはスープ。

トマトが多く残ってたのでさっと煮込んで美味しく戴くとしましょう。

余り物の野菜も入れ込めば栄養価も上がって良いことです。

味付けはコンソメで良いかな…本当はこだわって作りたいけど時間は有限。

量を作らないといけないし泣く泣く断念。

 

軽くトマトを皮むきして…じゃがいも、玉ねぎも同じく皮むき。

手際が良いって言われたけどほぼズルしてるから喜んで良いのかな?

 

材料はトマト、じゃがいも、玉ねぎ、長ネギにコンソメ

ざく切りにしてお鍋の中へ、オリーブオイルをかけてちょっと弱火で煮る

柔らかくなってきた所で水を入れて…次にコンソメを投下。

香りは良いかな…味は…まぁこんなものかな。

私の好みが濃ゆい系だからコンソメは多め…だけどどうかな?

 

「どれどれ…出来上がった?」

「あ、はい…どうですか?」

「……ちと濃ゆいが及第点だな。野郎には417ちゃんのお手製と言えば喜ぶだろう」

「ぁぅ…」

 

わしゃわしゃと頭を撫でられた。

コック長さんの手大きくてゴツゴツしてた…

今度お料理教えてくれるってお約束もとれたし…今日はこれで…

 

「もし良ければ配膳してくれる?」

「やります!」

 

はい!と手を挙げて意思を見せたらまた頭を撫でられた。

髪型が乱れるぅ…

 

 

――――――――――――D08基地食堂・昼

 

 

「いらっしゃいませ、ご主人様♪」

 

食堂にお食事に来た職員をそう迎える。

ちょっと恥ずかしいけど私は今ノリノリです。

いつからメイドカフェに変わった?とか質問されましたけど…いつもの食堂です。

お1人やお2人様はカウンター席へ。3名様以上のお連れ様はテーブル席へ。

出ていく職員まで把握してるので完璧なの、えっへん。

 

「今日はどうしたんだ、あのおっぱいちゃん…」

「さぁ…主任から聞いてたけどマジ眼福…」

「つーかおっぱい強調しすぎじゃね…誘ってんの?」

 

誘ってないです。I.O.Pの趣味ですー

お食事よりも私の方に意識が向いてる職員が多いですね…

 

 

「417どうしたのその格好!?また無理してないでしょうね?」

「あ、お姉ちゃん…今回は私の意思で着てるし給仕してるから平気だよ。」

 

「417ちゃん可愛い~♪1枚撮っても良い?」

「ふ~ん…かわいいじゃな~い…お仕事終わったら一緒に食べましょ~」

「ついでに全部食べさせてくれたら嬉しいなー…寝れるし…」

「はいはい、後でね…ご案内します♪」

 

出撃から帰ったお姉ちゃん達が来た。

私の格好としていたことにお姉ちゃんが血相変えてるけど…笑顔で大丈夫って言って…

空いてるテーブル席にご案内

 

「シェフ、4名分お願いします」

「あいよ…今日はこれで終わりだから上がって良いよ。俺はこれからまだダウンしてる残りのヤツのお粥を作らねばならん…」

「あ、はい…では、お疲れ様でした」

 

大きなお盆に載せられた5人分の食事。

今日のメニューはトーストにサーモンサラダ、ハムエッグ。私のトマトスープ。

 

「お待たせ。それと…今日はもうお上がりだから一緒に食べよ?」

「……本当に大丈夫なのね?」

「大丈夫だって…もう…」

「416は心配しすぎだよ、それより食べようよ!」

「積もる話は食事しながらでもいいでしょ~?」

「じゃ、417頼んだよー…あー…」

「はいはい…あーん…」

 

ひな鳥みたく口を開けてるG11にご奉仕です。

心配性なお姉ちゃんはオロオロと私の方を見ているけど…大丈夫だよ?

45はいつものよく分からない感じで9はニッコニコ。

なんとなくだけど9は本心で笑ってる感じ…

 

「うまうま…」

「417も食べなさいよ?G11を甘やかしてばかりじゃなくて…ほら、G11は起きなさい…自分で食べなさい!」

「はいはーい…ちぇっ…」

 

お姉ちゃんが怒った、G11も渋々自分で食べだした…

良かったのになぁ…妹みたいで私は甘やかしてもいいと思うけど…

 

「甘いわよ、417…コイツは甘やかすと何処までも堕落するから」

「いやぁー…それほどでもー」

「褒めてない!」

「ぃっだぁ!?」

 

「417~痛いの痛いの飛んでいけ~ってやってあげなよ~」

 

「お、なんだ何だ?」

「あ~またあの姉妹おっぱいちゃんが騒いでるのな…」

「んー…しかし、良い…」

 

「そこの職員、あとでシメるわよ。」

「お姉ちゃん、すてい」

 

騒がしくなる食堂だけど、心地いい騒がしさ…

だいたい笑顔で騒いでる…良いことだと思う。

取り敢えず私の食事はお姉ちゃんに抱きついて掴みかかりそうになるのを抑えることに終始追われることに。

職員のお兄ちゃんが煽るんだもの…私もちょっとイラッときた。

G11?今朝と同じでHKサンドされて二次被害受けてた。

主に被害出してたのは私のおっぱいじゃないかって?な、何のことかなー?

 

 

――――――――――――D08基地第4部隊兵舎・おやつ時

 

 

「それにしても解せないわね~」

「んー?何がー?」

 

新設に伴い急増された兵舎は劣悪ではないものの余り整ったものではなかった。

主にG11の要望で寝具はかなり上等なものが運び込まれたが…

指揮官は要望を可能な限りで受理、G&Kに送りつけている。

 

簡素なソファーで休みながら45が不思議そうに声を上げる。

9はおやつのチョコレートバーを齧りながら首を傾げる。

45の視線の先は416…それと何故かこちらについてきていた417。

流石にもうメイド服ではないが甲斐甲斐しくお世話をしようとする417。

これが引っかかっていた。

 

「何があんなに変えたのかしら?」

「うーん…やっぱり家族!あ、そうだ…♪417~こっちこっちー♪」

「なぁに?」

「あー行くなー…がく、寝よ…」

 

9は家族で一つ思い出したものがあった。

家族といえば喧嘩の一つや二つは当たり前だけどケジメは必要。

 

「この前のはごめんね?無理に着替えさせて罰ゲームなんてさせちゃって」

「あー……もう、良いですよ?」

「よし、それじゃあこれからは家族だー♪」

「んむぎゅ…」

 

45の目から見ても無理をしてる感じは無い。

9からの抱きつきも嫌がってる様子もない…何があってそうも心境が変わったか。

この新入の妹に関してまだ線引が曖昧な45は距離感を掴みかねていた。

それにしても妹なのにデカイ…このデカチチが…

 

「その件、私からも謝るわ。あの時は悪ノリがすぎたわ~」

「んむっぷ…だから、良いですから…」

「その堅苦しい喋り方はしなくていいんじゃな~い?」

「むぅ…」

 

あら?少ししおらしくこっちを見てな~に?

首を傾げているとこっちを上目遣いにチラチラ見て…

 

「じゃあ45お姉ちゃん?」

「お姉ちゃんは私一人で十分でしょ?」

「ほ~」

 

私まで姉と言いますか、踏み込むわね~このデカチチ

その胸のバレーボールを少し分けても良いんじゃない?

これ見よがしに放り出して…んぎぃぃぃ…

って何よ…私の方に来て…

 

「だめだった?」

「ん~…別に~?」

「じゃあ45お姉ちゃんね、えへへ♪」

 

至近距離でのしょんぼり顔からの花咲く笑顔への変貌を目の当たりにした45

あーもう、いいや、コイツも家族で

可愛らしい素直な反応に416じゃないけど情に流されてしまった。

 

この基地離れるまでの間だけど、可愛がってあげる

わしゃわしゃと416譲りの髪を撫でていた

416がギャーギャー言ってたけどシスコン拗らせるのは悪い事じゃないわよ?

ただ妹にウザがられたら良いお姉ちゃんにはなれないわよ~

あ、コイツほっぺもモッチモチ…反応も可愛いわね~

 

「んにぃ~!」

「45、いい加減にしなさいよ!417が泣きそうじゃない!」

「あはは、良い一枚ゲット♪」

「あーうるさ…ヘッドホン要請しようかな…」

 

はぁい、416ぅ…シスコン沼はいいでしょぉ~?

今度9を一緒に可愛がってもいいのよ?




45も姉キャラだし何だかんだ家族に甘そうなのよ。


ギャグでファミリーパンチかまして貰おうとしたのはナイショ。
なおどうあがいても416修羅化の未来だし苦手意識が克服されないと思ったのでお蔵入り。

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