今日のI.O.Pから回されてきた任務だけど……ちょっと平和かな?
私達がする必要があるのか?と聞かれたら返答に困るけどね。
依頼内容はかなり平和なもので託児施設への炊き出しみたいなものだ。
ヤーパンの行事で子供の日なるものがあったらしい。それにあやかって行うみたいだ。
従って駆り出されるのは私達お料理できる組が出されることになるね。
その他にもそんな会場の周辺警護だったりがあるから結局は部隊単位での出動になる。
結局今回のイベントって言うのはどんな感じなのかって言ったら……
将来を担う子どもたちにいっぱいご飯を食べさせて元気になってもらおうってヤツ。
あとは食料品の利益で孤児院とか託児施設の運営費用に回すってヤツだね。
子供はタダで食わせて金を払う余裕がある大人からは金を毟り取る。
なおここD08地区所属のI.O.P職員は昼食にはこの会場を利用することが義務付けられている。
まぁ不味いのは出さないから安心して欲しいと思うけどね。
「皆用意はOK?」
「サイドアームの携行は許可されているし問題ないわ」
「ダーリンの為に練習していたけどこんな時に役に立つなんてね」
料理できるメンツはものの見事に嫁連中。ヴィオラもヤーパン料理に精通している。
私が知らないのも割と知っているけど勝手が違うみたいで四苦八苦してる。
というか鉄血にも料理とかって文化があったのか?うーん……分からん。
鉄血に関する資料は今の所もう失われたものみたいになってるしなぁ。
他にはお菓子づくりが出来る人形が子供たちに振る舞うお菓子を作ったり。
G28もお料理には自信があるみたいだしG36も張り切っているし……
スオミもお菓子作りに勤しんでいる。多分変なことにはならないとは思う。
だからあれなんだよね、このD08基地の実働部隊フルメンバーでのお仕事だ。
当然ながら報酬もふんだくる訳だけどね。そうじゃないと私達の働き損だしね。
慈善事業じゃないからね、お金が発生しなかったら私達は動かないわけですよ。
一番簡単でお金を稼げるのは肉体労働の殺戮なんだけどね。血生臭くなるから嫌なんだ。
今回みたいな肉体労働は割と私は好きだよ。で、食材とかはイベント主催者持ちだから関係ないぜ。
食材を見てから好きな物を勝手に作って売ってくれって言うからね。
子供にはリクエストにできるだけ応じて作ってあげて欲しいってさ。
I.O.P側にメリットはあるのか?まぁ普通にイメージアップだろうな。
「メニューはどうする?」
「そうですね……いえ、ここはいつもの様に作っていきましょう」
「カカオパウダーが多いわね……これはチョコレート菓子を作れってことね?」
「ケーキにしても良いかも知れませんわ」
まぁやることは変わらないか。私達の戦場が前線からキッチンに変わっただけよ。
――――――――――――
さて、イベントは開幕して早速雪崩こんできたのはまぁ主賓というか……メインターゲットだよね。
ちっちゃい子から大きい子まで成人しちゃいない子供が雪崩込んできた。
そりゃそうか、タダで大量に飯が食えるとなるとそりゃ来るよね。
私達兄妹はそんなの無かったし自分で食っていくしか無かったからなぁ。
今の子供は恵まれているのかも知れないね……取り囲む世界の情勢はヤバイけど。
少なくともD08地区の子供はまだ恵まれているね。なんだかんだで保護施設は整っているし……
こういうイベントだって頻度はアレだけど定期的に行われているからね。
「おい!でかぱい!なんかくれ!!」
でかぱ……ん"ん"っ……子供というのはこういう物だから仕方ない。私はぐっと我慢しよう。
見るからにわんぱくそうな子供だからとりあえずで作ったけど……ハンバーグが良いかな?
それともお手軽だけどお腹に溜まるコロッケかな?どっちが良いかな……
「どっちが良い?」
「どっちも!」
プレートに乗せてから見せてみると両方なんて欲張りが飛び出した。
まぁ主催者は子供のリクエストには応じてやれと言うからそこは融通を効かせましょう。
「はい、残さず食べてね♪」
「わーい!」
プレートに食べやすいサイズのハンバーグとコロッケを載せて渡す。
元気いっぱいの歓声を上げてからテーブル席の方に向かっていった。
ふふ、ああいう喜んでくれる人が居ると頑張れるんだよね。さて、頑張ろう!
「このケーキ……美味そう、なぁねーちゃんこれ!」
「うふふ、はいこちらのショートケーキですね?はいどうぞ♪」
「うおぉぉぉ!久し振りのケーキだ!」
お隣ではスプリングフィールドが受付、販売をしているスイーツ部門。
甘い匂いに誘われた子供が集っていた。このご時世では甘味はかなり貴重だ。
このD08地区では比較的にチョコレートバー等も入手しやすいが……
ケーキ等になると気軽には買えない。ましてや子供にはほぼ不可能。
恐らくだが孤児院では月に一回あれば良いほうだろうと思われる。
「……お腹へった」
「あらま……何が食べたい?」
次々に来る子供たちの波が今は私達を襲うがそれ相応に笑顔が私達を囲んでくれる。
テーブル席はあっという間に子供達によって埋め尽くされていき笑顔が咲き乱れている。
これこれ、こんな風景が私は大好きだよ♪
「いつか、私も子供欲しいなぁ……」
家庭を持ったら絶対に一人は子供が欲しいとは思っていたんだよね。
これは男の時からそうだったんだけど……まぁ漠然とした幸せな家庭を持てたらなぁ程度だった。
でも今は普通にダーリンが私の伴侶となってくれたし猛烈に子供が欲しくなってくる。
ダーリンにあーんしながら隣で泣いてるマイベイビーにこう……おっぱいあげたりさ?
大きくなってきた子供に食事作ってやってお洋服とか着せてやったり……
「へぇ、今年は最前線の高級人形が炊き出しか……」
「いらっしゃいませー♪」
おっとと今度は普通にリーマン風の男が来た。首からネームプレートをぶら下げているな。
I.O.Pの関連子会社か。この付近の商事のヤツだね。
いわゆるセールスを担当しているメンツの一人だね。お昼休みだろうから飯を買いに来たか。
まぁ普通に金を毟り取る対象だからちゃんとセールスしていきましょ。
営業スマイルをにんまり湛えてからお出迎えしてっと、流石に人形だって一目で判別着くんだね。
まぁ毎日カタログを持っていって売り込みしているんだろうし把握はしているか。
しかし高級人形とはな……なんか引っかかる言い方だなぁ。
「とりあえずハンバーグ定食で」
「かしこまりました♪」
ちゃんと支払ってもらってから動き出す。お前ら大人はちゃんと払いなさいよ?
幾つかあらかじめ焼いておいたハンバーグをとってっと……ケチャップでお仕事頑張れ♪と書いてっと……
彩りの温野菜とほうれん草のおひたしとかをトッピングして……うん、これでよしっと。
あとは汁物のコーンポタージュと主食のパンを添えれば定食の出来上がり。
ヴィオラいわく本当はご飯と味噌スープにハンバーグが一番だと言うけどね。
この付近ではヤーパン文化は根付いてないし基地とは勝手が違うからね。
「おまたせしました」
「お、おー……」
「空いた食器はこちらに返却してくださいね、ごゆっくりどうぞ♪」
文字について何か思う所があるんだろうけどそれはそれとして……食器返してねってだけ伝えてっと。
空いている席に行ったリーマンはそのまま黙々と食べ始めた。
うーん……美味しいのか不味いのか感想くらい言ってほしいな。こういうのが悩ましいんだよね。
「おい、でかぱい。おかわり」
「はいはい、次は何が食べたいのかな?」
私はとりあえず子供からはデカパイ呼ばわりされるのが決まりなのだろうか?
――――――――――――
途中不良少年がやってきたんだけどそれらにはそっとお帰り願うことにした。
まぁ私達の見た目が普通に女の子だから舐めてかかってきたんだけど……
スプリングフィールドが笑顔でおもてなしをしていた。
いつもはニコニコ優しいスプリングフィールドだけど怒ると容赦がなくなるんだよ?
まず特別にと言って人目につかないところへと誘い出してから……にっこにっこな笑顔のまま壁に顔を叩きつけたんだと思う。
4人くらいのグループだったと思うけどお掃除が完了しましたと言って戻ってきた後には……
青あざ作ってほっぺたにタイル地を作った不良少年らがよろよろと何処かへ消えるのを見ていたよ。
「まぁああいう不良君がのさばり始めるとピュアな子供が安心できないしね」
「主催者からの返答は?」
「最高のおもてなしじゃないかと絶賛されていました」
まぁそんなこんなのやり取りはさておいて……今日の売上は結構行っていて原価分はきっちり元を取れた。
利益もそこそこに出てくれたし暫くは孤児院の懐も暖かくなるかな?
スコーピオン達警備は武装集団とかを通さないだけで不良君とかも雰囲気がよっぽどじゃない限りは通しちゃうんだよね。
バリバリにぶっ壊す気まんまんのだったらちょっと待て出来るんだけど……
極稀に普通に楽しみに来ているけどガラが悪そうな人とかも居るからね……
「今日の子供たち可愛かったねー」
「そうね……」
子供たちはお腹いっぱいになったのかそこらのベンチでお昼寝していたりする。
まだまだ元気な子供たちはそれぞれ遊びにドタバタと出て行ってたし。
それぞれまたこんなイベントがあったら来てくれると嬉しいなって思う。
お客のかきいれ時は過ぎたし私達や警備組の食事を作ってから交代で食べている。
私とお姉ちゃんが揃って今食べていて……甘いクレープを食べている。
お腹に貯まらないと思われるけど生クリームとフルーツ、チョコレート等が織りなすカロリーはヤバイよ。
一個まるっと食べたら意外とお腹にクルんだよね。人間だったら太りそう。
「んに……」
「ん?」
寝ぼけ眼の子供が私達の食事しているベンチに近寄ってきた。
まだまだ眠いんだろうか目を擦っていて焦点が定まらない目でこちらを見ている。
「ママ……」
「おぉぅ……」
「……ハァ」
お姉ちゃんのお膝の上に頭を載せて眠り始めた。しかも眠る前の一言がママ……
寝ぼけてお姉ちゃんをママと思ったんだろうか。うわぁ寝顔が可愛い♪
「良かったね、ママ?」
「417……後でげんこつするわよ」
少年が起きた後さらに私に抱きつかれるハプニングもあった。
その後マジ物のママがいらっしゃって平謝りされたけど私もお姉ちゃんも別に気にしちゃいないしね。
「「ダーリンとのプレイに活かせる」」
むしろ私達としてはいい経験なので。
子供の日はこんなのじゃねぇ?
良いんだよ、こまけぇことはよ!!